2015年1月30日
横浜市長 林 文子様
日本共産党横浜市会議員団
団長 大貫 憲夫
東京電力福島第一原発事故に由来する放射性物資に汚染された土壌を除去し、敷地内保管していた市立学校20校のうち、4校については、除去目安を下回ったとして、昨年の夏に、保護者に事前周知しないまま、埋設という市の処理方針にもとづき、敷地内に埋設処分としました。保育所、横浜保育室では14施設のうち2施設が、昨年6月に埋設処分です。
議会での追及もあり、学校・保育園における処理方針が、昨年の12月に、見直しされ、除去目安を上回る土壌は、各施設で保管し、除去目安を下回る場合は、従前通り、埋設を基本としながらも、保管を可としました。実質的に埋設方針の撤回です。
党市議団は、今年1月に、港北区、南区の当該の学校、保育園を訪問し、保管状況について調査しました。また、関係者の意見も聴取できました。
保管場所では、不適切な置き場がありました。駐輪場、園庭の一角、校庭の一角など子どもが近づける場所に保管されていました。保管方法では、ビニール袋やブルーシートが使われ、仮置き状態の域を出ず、とりあえずの感が否めませんでした。長期保管に耐えられる保管状況とは到底言えませんでした。敷地内に埋めるという措置については、保護者、周辺住民の理解、教職員の転勤などによる継続性、監視体制など学校や園の対応には限界があることからり、関係者からは、不安の声が多く寄せられました。
こうした事実を総合すると、保管を施設まかせ現場まかせとする現状の方針の問題点が浮かんできます。そもそも、これまで放射能汚染土壌を、再測定で除去目安を下回ったとしても、子どもたちの近くに保管していたこと自体、問題です。今後は、保管方法を厳格にするとはいえ、危険物管理を施設の責任とすることは、施設側だけに負担を押し付けることであり、あまりにも市としては無責任すぎます。市が一元的に放射能汚染土壌を保管する方式に切り替えないかぎり、事態の根本解決は無理です。学校に保管している総量は、約1.7立方メートルです。計量されていない保育園分を含めても、その量は中型トラック一台の積載分です。一元的管理の技術的隘路はなく、財政負担もほとんどかかりません。市長の決断次第です。
学校、保育園に保管中の放射能汚染土壌について、現行方針を改めて、下記の方針で対処されるよう強く要望し、子どもの安全第一の立場からの市長の決断を求めるものです。
記
1、学校、保育施設が保管している放射能汚染土壌は、回収し、市が一元管理すること。