交通局独自でのバス停上屋設置を
白井議員:日本共産党を代表して質問します。よろしくお願いします。
バス事業では、不採算路線が切り捨てられるなどで利用者が1日平均3万人減少しました。収支改善に向けては利用者拡大に取り組むことが最優先です。そのためにはサービス向上が大切です。
その施策についてですが、雨の日は利用者が増えるために増便している路線もあると伺っていますが、利用者はバス停の上屋設置を求めています。バス停の総数と、その中での上屋の設置状況について、種類別に伺います。
池田交通局長:おはようございます。よろしくおねがいいたします。
停留所の総数でございますが、現在2,712か所でございます。そのうち、上屋総数といたしましては、825か所に設置をいたしております。内訳といたしましては、交通局が設置したもの456か所、広告付き上屋が159か所、その他交通局以外が設置したものが210か所となっております。
白井議員:広告付き上屋は、広告代理店の費用負担で設置・管理されていると聞いていますけれども、交通局独自で設置する上屋もあるんでしょうか。
池田交通局長:先ほど申したとおりの数になっているわけですけれども、16年度から私の方としては交通局上屋整備事業に取り組んでおります。これは、民間業者と連携することによりまして、交通局が投資することなく上屋の整備を行おうとするものでございます。上屋の整備につきましては、1か所約200万と多額の経費を要することから、バス事業の経営状況からしましても、今後交通局が整備をしていくことは困難であると、現時点では考えております。
白井議員:具体的に伺いますけれども、202系統の保土ヶ谷区岡沢町バス停に設置されていました従来型の上屋が今年7月に撤去され、そのままになっていますけれども、市立ろう学校通学の子どもたちも利用するバス停で、風雨にさらされて危険な状況です。撤去された経過と今後の見通しについて伺います。
池田交通局長:経過でございますが、昨年9月に地権者の方から上屋の撤去とバス停の移動の要請がありました。この要請を受けまして、今年7月に上屋を撤去したものにございます。現在、広告付き上屋が設置可能なバス停の移動場所を所管の国道事務所および警察署と調整をいたしているところでございます。
白井議員:状況はいろいろでしょうけれども、十分なスペースがありながら上屋未設置のバス停が相当数あります。サービス向上策として、民間任せではなく、交通局独自での設置を再検討することを要望いたします。
また、乗り継ぎ運賃制度の拡充やバス停への接近表示機の設置、ノンステップバスの積極的導入など、市民が利用しやすくなるようなサービスを提供することで、利用者が増えて、増収につながると考えますので、必要な投資は続けていただくことを要望します。
市民要望のつよい暫定路線の継続運行を
続いて、暫定路線についてです。2年間の限定で暫定運行している8路線のうち6路線は一般会計からの補助金を受けていますが、昨年度の予算額と実際の交付額はいくらか伺います。
池田交通局長:予算では6路線合計で9,500万円を計上いたしました。道路局からの19年度上期分の補助金としましては約1,600万円交付を受けたところでございます。
白井議員:それでは、6路線の1日あたりの利用者数について、昨年度の予算時の見込みと実績はどうだったのか、伺います。
池田交通局長:19年度予算におきましては、6路線合計で2,358人を見込んでおりました。道路局が実施をいたしました上期実績値によりますと、2,981人となっております。
白井議員:利用実績は見込みよりも増えて、結果的に補助金は少なくてすんだということです。それぞれの路線周辺住民は、2年後も存続を願って利用者を増やそうと大変な努力を続けてきました。ある路線では、連合自治町内会が「みんなで乗って、みんなで守ろう」とポスターを貼り出して声をかけあっています。こうした住民の努力については、局長はどう評価しているのか伺います。
池田交通局長:お客様は運行開始にくらべますと増加傾向に、先生ご指摘のように、ありまして、沿線の方々の努力は大変ありがたいと、こう思っております。しかしながら、これらの路線につきましては暫定運行路線で2年間限りの運行であることを考えますと、私としましては複雑な思いもしているところでございます。
白井議員:また、この路線では、区役所が利用状況アンケートを実施し、それによれば「朝夕は通勤通学、昼間は買い物・通院で、一日を通して日常的な生活の足として利用されている。高齢者ほど利用が高い。地域住民の生活に大きな影響を及ぼすことから、運行継続の要望は高い」となっていて、区役所は要望をしっかりと受け止めています。先ほどの上屋設置を求めたバス停を利用するろう学校の子どもたちが乗る路線は、一方向だけ暫定運行路線となっており、私たち議員団にも「バスをなくさないで」と、本当に存続の要望が寄せられております。交通局にも市民の声が届いていると聞いていますが、局長はどう受け止めておられるんでしょうか。
池田交通局長:当局にも存続要望が寄せられておりまして、この要望につきましては市民のみなさまからのご要望であるというふうに、私としては重く要望として受け止めているところでございます。
白井議員:ところで、昨年6月策定の「市営交通5か年経営プラン」これですけれども、地域貢献の取り組みとして、バス事業で「生活支援サービスの導入を検討する」とありますが、その記載内容を読んでいただきたいんですが。
加賀自動車本部長:記載内容を読み上げます。「地方公営企業としての責務を明らかにし、地域の高齢化による日常生活の不便性を和らげるバスサービスについて検討し、実施します。特に、18年度路線再編に伴う暫定運行路線については、収支の改善状況を見て運行を継続すべきか、どのような運行サービスができるか検討します」でございます。
白井議員:ありがとうございます。バス事業で、交通局は民間事業者と比較すると、法人市民税、固定資産税などの負担がないときいています。プランでは、これを原資に地域貢献を目指すとしていますが、昨年度決算では税免除の規模はいくらと試算しているのか、伺います。
池田交通局長:固定資産税などの総税負担額は、平成18年度と同様に約4億円と試算をしているところでございます。
白井議員:先ほど読み上げていただいたプランでは、これを原資にして日常生活支援のためのバスサービスとして、新たに路線が選定されるということですね。新設路線の選定にあたっては、現時点では廃止が予定されている暫定路線も、基準に該当するものについては継続もあり得ると解釈しました。地域貢献は、地方公営企業としての市営バスの責務です。そして、このプランを具体化した「市民に愛される市営交通ブランド復活プロジェクト」では、来月11月に暫定運行路線の今後の方策案策定となっておりまして、運行継続を期待して、質問を終わります。