世界的金融危機対策に融資などの先手を打て
大貫議員:おはようございます。共産党の大貫でございます。
私は、いま金融危機と円高、株安、同時進行で世界的に起きていますけどね。これが本市の経済にも必ず影響あると私は思っているんですが、局長いかがでしょう。
塚原経済観光局長:同時株安が進行しておりまして、今日もいろいろ記事がでております。米国発の世界的な金融市場の混乱につきましては、深まっているということであります。国内経済の先行きにつきましても、さらに厳しい見通しが広がっているということでございます。
同時株安の具体的な影響についてなんですけども、国におきましても現在はまだ不透明な状況にあるということの考えでありまして、本市としては引き続き今後の経済状況、そして市内企業を取り巻く経営環境等をきちっと注視をしてまいりたいというふうに考えております。
大貫議員:それでは、打つ手打つ手、後手後手になると思うんですね。そういう意味では、貸しはがしや貸し渋りが起きているという情報が入っていますからね、金融の面で、融資の面で、先に手を打つという考えはないんですか。
塚原経済観光局長:いわゆるその状況につきましては、たとえば中小企業にとりましてどういう状況になっているのか、それが日々刻々と変わるなかで、どういうところまで続くのかということと、それからどういう手を打てば一番ポイントとしてヒットするのかというあたりについては、まだ不透明な部分がございます。
当然ながら、厳しい状況につきましては、この9月の1日からいわゆる緊急の対策をひとつ打ちましたけれども、それに引き続きまして、やっぱり市内企業への実態把握については引き続き努めてまいりたいというふうに考えております。
大貫議員:9月1日はいままでの物価高の話のなかで打たれたことで、これからの話というのはさらに大きな話になってくるんで、やはりきちっと先へ先への手当てが必要だというふうに思います。
企業誘致で市民雇用、市内企業の事業機会が広がったか
では、私は企業誘致の問題でお話させていただきたい、聞きたいと思っています。
この間、認定が35社、予定支援額は157.1億円、日産関係だけで50億7000万円。これだけのお金を使う、また使ってきたわけですけど、現時点での評価、これをお聞きします。
塚原経済観光局長:この企業立地の政策につきましては、日々大きな企業を誘致したり、それが市内経済に波及するようなかたちでやってきております。たとえば、みなとみらいにつきましても、いわゆる土地が有効に使われるようになってきておりましたり、あるいは工業地帯におきましてもいわゆる空き地がどんどん減ってきて、研究所等にシフトしつつありまして、横浜の経済のいわゆる底上げに寄与しているんではないかというふうに考えております。
大貫議員:今年度でおしまいですからね、そのあとどうなるかというのは、また後の話しですが、改めてこの際、条例の目的について、説明してください。
塚原経済観光局長:この条例は、企業立地等促進特定地域において、固定資産税および都市計画税の税率の特例ならびに助成金の交付措置を講ずることにより、企業立地等の促進を図り、合わせて市民雇用の増大、および市内企業の事業機会の拡大を図ることにより、横浜市経済の活性化に寄与することを目的とするということでございます。
大貫議員:そのとおり書いてあるんですが、確かにおっしゃっていたように、企業立地というのは進んでいるという認識ですよね。もうひとつ「合わせて」というところが、今回の私の質問なんですが、市民雇用、これをどのように数字的に把握されているのでしょうか。
塚原経済観光局長:認定事業者には、事業計画の実施状況を確認をするために、認定後の翌年から毎年1月に事業実施報告書を求めております。業務の開始をしております、ようするに認定を受けて業務を開始しております20社の計画では、10年間で雇用増加数が2022人というふうになっております。ただ、実施報告書では業務開始からまだ最長ものも3年しか経っておりませんので、増加数は計画数値の約6割であります1168人というふうになっております。
大貫議員:いま実際に動いているところでもけっこうですけどね、そのなかで、目的は市内雇用ですよ、そのなかでは市内の雇用はどれくらい把握しているんでしょうか。
塚原経済観光局長:雇用者数につきましては、いわゆる経済波及効果あるいは法人市民税、これを試算するために把握する目的で行っておりますので、従いまして市の内外を問わずに雇用者数を調査しているものであります。
大貫議員:やはり目的としてきちっとあげている市内雇用をどうするか、横浜市の経済をどうするか、市内の雇用をあげることがひとつの目的なんですよ。そういったとき、それをきちっと数字で表して、これは去年の質問のときに僕はしているんだけれども、そういったかたちで市内雇用をきちっと把握するということはするべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
塚原経済観光局長:いわゆる企業誘致をして、その企業が新たに市内に立地をした場合に、立地当初につきましては従業員が東京からたとえば来た場合には市外から通勤するということに始まりまして、その企業が市内に定着することによりまして、それに従って居住先を横浜に移したりということになってくるのではないかと思います。そういう意味で、市民の新規雇用がそれから本格化していくというふうに考えております。従いまして、いま大貫議員いわれましたような必要性については十分認識しておりますけれども、今後の企業立地の進捗を見ながら、この調査方法等につきましても検討していきたいというふうに考えております。
大貫議員:やっぱりこのほどの質問では、データとして数字として捉えて、それを分析するということだったんですからね。やっぱりきちっと捉えていかなくてはいけないと、これは数字で捉えると。改めて再度要求しております。
あと、事業の拡大、もうひとつの目的としては市内企業の事業の拡大というのがありましたね。事業の機会の拡大はどうやって把握していますか。
塚原経済観光局長:これも同じように本年1月の報告によりますと、建設工事、これにつきましては1341件の発注がありました。このうち市内企業の受注が1,085件ということで、約8割を占めております。また、物品購入やサービス提供では、447件の発注がありました。そのうち市内企業への発注が297件ということで、約7割を占めております。
大貫議員:いまのその数字というのは、おっしゃっていたように、建設に関わってどう仕事を発注したということで、条例は機会拡大、このことをいっているんですよ。ですから、いかに仕事を、建設のとき発注したではなくて、これが来たことによって各下請や何かにどうやって仕事の機会を与えたかということが、この条例の目的なんですよ。そこはどうやってつかんでいますか。
塚原経済観光局長:いま議員いわれましたとおり、その状況についてつかんでいこうということで考えておりますけども、現在は、いまの発注金額の調査を試みたりしておりますけども、たとえば建設に伴う発注につきましては認定企業は元請から下請まですべていわゆる認定企業が発注するということではありませんので、というようなことがひとつ一面であります。それからもうひとつとしては、物品等の購入発注については、事業活動に伴います多種多様な発注がありまして、これをすべて把握することは企業にとって膨大な事務作業になるということであります。そういう意味でこういうトライアルをしてみたんですが、ちょっといまの状況では回答は得られにくくなっている状況があります。しかし、こうした課題はありますけども、今後その実態把握に向けて調査方法等につきまして、もちろん企業等も想定しながら、検討していきたいというふうに考えております。
大貫議員:企業誘致というのは、誘致するだけが目的ではないんですよね。誘致したことがどうやって市内経済に波及するか、市内企業にとってどうやって機会をつくるかというのが大問題なんですよ。いまおっしゃったのは、直接的に建設投資のことだけなんですよ。そういうことではなくて、日常的に営業する機会を拡大するというところについては、やっていないということじゃないですか、調査を。
塚原経済観光局長:いわゆる条例の認定にあたりまして、企業さんそれぞれとお話をしたり、申し入れを行っているわけですけれども、建設、いわゆる受注機会を増やす仕組みということでございますね。建設および事業活動にあたって、市内企業への発注をしてくれということとか、問い合わせの窓口を設けてくれというようなこともお願いをしております。すべて企業に直接これをお渡しして働きかけを行っております。従いまして、私も直接企業にもお伺いして、きちっとこういうものをわかるように対応してほしいということも再度お願いをしております。
大貫議員:局長、いじめているわけじゃないんですが、去年も同じ発言、全く去年も同じこと。じゃ去年1年間何していたんですか。
塚原経済観光局長:私の発言ということでありますが、もちろん1年間何もやっていないということではありませんで、先ほども申し上げましたように実態を把握するために、いろいろ企業とも打ち合わせをしながら調査をしつつあります。従いまして、またこれがきちっとデータがとれるように、いろいろ企業とも協議を重ねながら調査を進めていきたいというふうに考えております。
大貫議員:ですから、再三いっているのは、その仕組みを作りなさいといっているわけですね。仕組みとしてあるのは、事業実施状況報告書ですよ。いただきました。このなかにはそういったことはぜんぜん載っていないんですね。だから、ここのなかにきちっと、誘致企業から出させる、そういう仕組みをつくらなければいけない。だからこの報告書を変えることが必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
塚原経済観光局長:ただいまお答えしたとおり、この調査を進めるにあたって、必要であればそれを変えていきたいというふうに考えております。
大貫議員:それじゃあだめなんですね。ちゃんときちっとやってください。
投資法人に売却予定のビルを建てる三菱地所を誘致企業と認定し、
助成金交付は、条例違反
それでは、賃貸業務ビルへの条例適応について伺いたいんですが、この間いただいた資料ですね、三菱地所に対して初めて賃貸の業務ビルを出すということについてなんですが、その事業計画について、説明をお願いします。
塚原経済観光局長:業務ビルにつきまして認定を与えたものにつきましたものについては、MMパークビルというところで、これはみなとみらいで三菱地所が開発したところであります。これは、賃貸業務ビルとして、初めて認定をしたものであります。これの入居テナントといたしましては、主な進出といたしまして、横浜に初進出のアクセンチュア株式会社だとか、あるいはテラダイン株式会社等々外資系企業が多く入居していただいております。
大貫議員:始めての事業なんですが、建物を建てて、それを貸しちゃうということで、何ら規制なりないんですか。そういうことでいえば業務ビルについては一定の大きさであればどんどん認定するということですか。
塚原経済観光局長:この認定のいわゆる賃貸ビルの床の半分以上がいわゆる進出企業、新しく新規の横浜進出企業でなければいけないという基準を設けまして、審査をしております。
大貫議員:基準は改めて設けたんですか。
それで、私心配なのは、三菱がビルを建てますね。その後に、それ、どうなりますか。どっかに売っちゃうんじゃないですか。
塚原経済観光局長:このビルにつきましては、記者発表の中身にもありますけども、条例の認定は開発者の三菱地所株式会社から、新しく所有者になりましたジャパンリアルエステイト投資法人、これに継承される予定であります。
大貫議員:そういうことはありなんですか。その企業に対して認定をする。条例では10年間事業することがひとつの決まりですよ。それが、建てないうちにもう売ることが決まっている企業に対して認定するということはおかしいんじゃないですか。
塚原経済観光局長:いまの条例のなかに承継という項目がありまして、第5条でございますけども、事業の全部を譲り受けたものまたは相続人に認定事業者の地位を継承するという項目がありまして、これに基づいて継承したものでございます。
大貫議員:その読み方おかしいですよ。初めからわかっているんじゃないですか。初めから継承する、売り払うことを知っている企業に対して、どうしてするのかという私の質問ですよ。まだ売っていないんですよ。これから売るんですよ。それがわかっててどうして認定するんですか。
塚原経済観光局長:このいわゆる企業立地促進条例の趣旨がもちろん発揮されるという趣旨で継承を認めたものでございます。
大貫議員:条例どおりやらなきゃだめですよ。そんな条例書いてありませんよ。思惑で全部そういうふうに考えればできるんですか。いまいった継承の第5条は、結果としてあったときにはそうしていいですよと書いてあるんですよ。「あったとき」と書いてありませんか。
塚原経済観光局長:5条に「あったときは認める」ということで書いてありますので、認めたものでございます。
大貫議員:まだ、建物もできていない、初めからわかっていて、「あったとき」というのはぜんぜん違うじゃないですか。事業をしていて、何らかの関係でそれは仕方がなく継承しなくてはいけない場合の時にはいいですよ。しかし、これは初めから売る目的で建てたんじゃないですか。初めから売る目的でこういうことを認定することになれば、どんどん広がりますよ。条例どおりやったときに、これは認定を取り消すべきじゃないですか。
塚原経済観光局長:条例に趣旨に則って継承したものと考えておりまして、問題ないというふうに考えております。
大貫議員:趣旨といったら、どんどん趣旨って広がっていくんですよ。何のための条例ですか。では、考えるんですが、初めからいわゆる投資法人ですね、投資法人に売りさばいてしまうならば、なぜ初めからその投資法人を認定企業として認めなかったんですか。
塚原経済観光局長:このビルにつきまして、申請時点はまだ三菱地所ということでありましたので、それに基づいて審査をしたということであります。
大貫議員:これはひどい話ですね。もうはっきりわかっているんじゃないですか。三菱が、デベロッパーが建てて、それをいわゆる投資法人に売りさばいちゃう。これは完全に条例違反ですよ。考え方の違いじゃないですよ。野田さん、いかがですか。
野田副市長:条例に基づいて、申請をしてある三菱地所に助成をしたというふうに理解をしております。で、そのあと証券化という手法を使って、資金の流動化、資産の流動化を図ったというふうに認識をしております。
大貫議員:これは大変なことですよ。初めからわかっていて。でなかったら、記者発表のなかにそんなこと書かないわけじゃないですか。あくまでも三菱に認定しました。それでおしまいじゃないですか。そのあとに、こういう事態になってくるというのは非常に問題で、条例違反だということで、やめなさい、こういうふうにいいたいと思います。
この点でいえば、やっぱりおかしいですよ。まさに今後投資法人がこういう目的で出したときに認定企業として認めますか。
塚原経済観光局長:いまのご質問でございますけども、三菱地所にはこの助成金は支払っておりませんということでございます。
大貫議員:あと10秒ですからやめますが、でも認定したのはトンネルにしたということですね。これは大々々重大な問題だと思っています。以上です。