議会での質問・討論(詳細)
2014年10月8日

■交通局(あらき由美子)

あらき議員:日本共産党を代表して、質問いたします。
先日の台風による土砂災害で2人の方が亡くなられたことに、心からお悔やみを申し上げます。また、被害を受けた方々にもお見舞いを申し上げます。私たちは、引き続き市民の命とくらしを守るために、全力をあげてまいります。

台風18号で地下鉄戸塚駅が浸水、その時の対応は

そこで、地下鉄事業の安全確保について、まず伺います。
6日に起きた戸塚駅の状況について報告をお願いします。

二見交通局長:よろしくお願いします。答弁申し上げます。
(台風)18号の影響によりまして、戸塚駅構内の一部が浸水をしまして、私ども市営地下鉄では約2時間の部分運休をいたしました。なお、JR戸塚駅では、大船付近の柏尾川の水位上昇等によりまして、東海道線に約6時間、横須賀線が約3時間半、運転を見合わせたと聞いております。私ども、市営地下鉄ご利用にお客様にご迷惑をおかけしました。また、先生方にご心配をちょうだいしましたこと、お詫び申し上げる次第でございます。

あらき議員:乗客の安全確保のためにどのように対応したのか、伺います。

二見交通局長:浸水が発生しておるという報告を受けまして、すぐに局内に災害対策本部を立ち上げまして、駅近辺の保安管理所員、あるいは本庁職員を現場に急行させてところでございます。戸塚駅では、駅係員が応援職員と連携をしまして、駅構内をすべからく巡回をしまして、安全確認をしました。対策本部では、今年度26年度、新たに導入しましたタブレット端末のテレビ電話機能をフル活用しまして、リアルタイムの映像を駆使をして、現場の状況を確認しながら、安全確保の指示を出すなど、こうした取り組みを実施をいたしました。
あらき議員:運転見合わせた掲示内容についての確認は誰が行ったのか、伺います。

二見交通局長:市営地下鉄として、市営地下鉄駅構内あるいは改札口に出す掲示につきましては、災害対策本部に上げさせまして、最終、私が判断をしまして、掲示をさせました。

あらき議員:乗客の安全第一に考えて対応していただいたことは、本当によかったと思います。今後、情報を的確につかんで、やはり早めに対策をとる。それからお客様の安全第一だということをもっと強調していただいてもいいかなと思いますので、ぜひ、今後そのことについては対応、よろしくお願いいたします。

高齢化が進み、坂の多い地域には欠かせないバス路線

あらき議員:次に、自動車事業についてです。公営交通としての使命は何か、改めて伺います。

二見交通局長:安全・確実・快適な交通サービスを提供することが私どもの責務であると、基本的に考えており、これが基本でございます。この点を基本に、日々の安全運行は、これ当然でございますが、公営交通として、自主自立の経営を行う中で、私ども現行の市営バスネットワークを持続すること、そして地域貢献あるいは環境対策、福祉対策を進めることなどが、私ども公営交通の役割であると認識をしております。

あらき議員:バスに乗ってもらう人を増やすための努力として、どのように取り組んできたのか、伺います。

村上自動車本部長:一人でも多くのお客様にご乗車いただくために、接遇サービスの向上、定時性の向上を目的としたダイヤ改正の実施、地下鉄との乗り換えがしやすいダイヤ編成等に取り組んできました。また、施設面の改善として、上屋やベンチ、タブレット型接近表示機の整備等を進めてまいりました。さらに、広報活動といたしまして、イベントや見どころを紹介した市営バスニュースの毎月配付等にも取り組んでまいりました。

あらき議員:改善型公営企業となり、一般会計からの赤字補填を目的とした任意補助金を受けずに健全な自主自立経営を継続するとなっています。赤字路線と黒字路線の割合は、2007年以降どうなっているでしょうか。

村上自動車本部長:19年度から24年度をみてみますと、黒字路線が約35から45%、赤字度線が55から65%の割合で推移しております。

あらき議員:割合としてはまだ赤字の方が多いようですけれども、では、赤字路線を減らす努力として、どのようにしてきたのか、伺います。

二見交通局長:まず、現行の市営バスネットワークを維持する。これが私どもの基本でございます。その上で、一人でも多くのお客様に、先生がご指摘いただきましたように、ご利用いただいくことで赤字を減らしたいという思いの中で、赤字が特に大きい赤字路線対策としましては、お客様のご利用実態を克明に調査をしまして、調べまして、ご利用の少ない区間ですとか時間帯によりまして、便数調整をすると、これを実施、こういった効率化を図ってございます。

あらき議員:では、黒字路線は増えているのか、横ばいなのか、そして黒字路線の要因としてどういうことが考えられるのか、伺います。

村上自動車本部長:19年度以降の推移を申し上げますと、概ね40から50路線の間で推移しております。特徴といたしましては、ひとつは通勤通学のご利用が多いこと、また比較的運行距離が短いこと、それからさらに鉄道の駅と駅を結んでおりまして両方向へのご利用がある、こういった路線の特徴があげられます。

あらき議員:地方公営企業として、地域やお客様に頼られ、喜ばれる市営交通をめざして、地域貢献を進める、とあります。そこで伺いますが、高齢化が進み、坂の多い地域にとって、バスは欠かせません。このような要望は、この5年間、増えていると思いますが、いかがでしょうか。

二見交通局長:21年度から25年度までの5年間で、路線の新設あるいは延伸に関わるご意見といたしまして325件のご要望をいただいておりまして、その中には、高齢化の進展に伴う新たなバス路線の新設要望なども含まれてございます。

乗り換えなしで新南区役所に行けるようバス路線の新設・延伸を

あらき議員:南区役所が現在の蒔田から浦舟へ2年後に移転するのに伴い、連合町内会長や福祉団体関係者による、アクセスについての話し合いが昨年12月にありました。そこで一番多かった意見は、乗り換えなしで区役所へ行けるようにしてほしいということです。民間バス事業者は、路線延長についてはどこも消極的で、現時点ではその実現性は極めて厳しい現状にあるという報告を受けています。公営交通の使命として、新区庁舎への路線について、局区連携で検討すべきと考えますが、どうでしょうか。

二見交通局長:私ども市営交通、市営バスは、市民のみなさまの足でございます。こういった認識に立ちまして、地元の地域の拠点でございます区役所、あるいは病院、こういった所に対する市営バスによるアクセスは非常に大切なことであるということが基本でございます。考えてございます。つきましては、地元のみなさまのご意見なども十分に伺いまして、一方で改善型公営企業として収支面にも注視をしまして、現在検討を進めておるところでございますが、今後ともさらに検討を加えてまいります。

あらき議員:では、新区庁舎への路線、実現するために、どういう課題があるでしょうか。

二見交通局長:繰り返しになりますが、新区庁舎へのアクセス、非常に重要なテーマと認識をしておりまして、検討を進めております。この路線への延伸等につきましては、先ほどとダブりまして恐縮でございます。自主自立の改善型公益企業でございますので、新たな車両でございますとか乗務員の確保など、採算面にも留意することが大事でございまして、そのあたりが私どもの課題となってございます。

あらき議員:採算面、強調されるんですけど、ふれあいバス、やってらっしゃいますよね。これ見た中でも、私がいただいた資料では、5路線あって、その5つの路線の中で4つは赤字です。ですから赤字のことは、あったにしても、やはり目的としてはふれあいバスを運行しているわけですから、私は可能だと思うんですけど、いかがでしょうか。

二見交通局長:基本的な私どもの理念としまして、一生懸命働きまして、一定の収益を上げて、その収益が地域のみなさんあるいは市民のみなさま、地域に還元するということがテーマでございますので、ふれあいバスはまさにそうしたテーマに則ってやってございます。ただ、新区庁舎への新たな展開となりますと、かなりボリュームあがりますもんですから、基本的には利益の還元というのは念頭におきますが、いろいろ工夫を重ねてまいりたいと考えてます。

あらき議員:工夫の余地あると思いますから、ぜひ検討していただきたいと思います。特に、地域ではやはり乗り換えなしっていうことが一番高齢化の中でも多くなっています。それから、相鉄バスがやめた路線もあります。本当に丘を越えたり、坂を越えたり行かなければいけない地域が南区の中ではいま点在しています。そういう点でも公営企業として果たす役割は大きいと思います。渡辺副市長、いかがでしょうか。

渡辺副市長:公営の企業として、改善型公営企業としてのいわゆる自主自立の経営、そして公益的な観点からの市民のみなさまへのサービス、このへんの折り合いをよく考えて、どんな工夫ができるのか、十分に検討したいと考えております。

あらき議員:ぜひお願いします。

安全運転、ミス防止のためにさらなる運転手の研修強化を

あらき議員:次に、運転手の人材育成についてです。「安全運転の確保は最優先の課題です。全職員の安全意識をさらに向上させる」とありますが、どのように取り組んでいるのか、伺います。

二見交通局長:安全確保最優先をしまして、お客様に安全で安心な運行を確保することが私どもの使命であるというこういった認識のもと、乗務員の安全執行順守に努めてございます。具体に申し上げますと、今年度は実際のバスを使用しての実技研修・実車研修、ならびにバスのオーバーハングあるいは風圧などを体感をさせる体験型研修、またドライブレコーダー映像をビデオを活用しました視聴覚に訴える研修に取り組んでまいりました。さらに、これ基本でございます。ヒヤリハット情報の収集と共有、これを通しまして、安全執行順守に取り組んでございます。

あらき議員:路線を間違えるなどのミスを防ぐために、どのように取り組んでいるか、また人為的ミスを減らすための研修は、ペナルティありきではなしに、どのようにしているのか、合わせて伺います。

二見交通局長:運行ミス等が出ておりまして、撲滅に向けまして、乗務員が携行する運行指示書に注意箇所の記載でございますとか、運転席の乗務用表示機の改良、見やすいように改良する、そして業務用無線をフル活用する。こうしたことを周知徹底をしております。また、25年度から乗務員同士が少数のグループに分かれまして、お互いに裃脱いで腹を割って話す中で、ミス再発防止の手法などの意見を出しあうグループミーティングに取り組んでございます。
整理をしますと、職員研修の目的は、ただひとつ、再発防止でございます。これに尽きます。そうした観点から、私としましては、上から目線の押し付けでございますとか、単なるペナルティとか、これではあまり効果がないというのが自明でございまして、職員一人ひとりが腹に落ちたというか自ら自覚を持って仕事につけるような契機にすることが研修だと思ってます。こうした意味で、グループ研修、非常に私は有益だと思っています。これを軸に取り組んでまいります。

あらき議員:中期経営計画で有責事故の撲滅として、2010年度比20%減とあります。どのような状況か、また、その結果に対する評価はどうだったのか、伺います。

二見交通局長:計画初年度の24年度は、22年度に比べまして14%減になりましたが、25年度は逆に22年比59%増となってございます。25年度は事故件数の集計基準をより厳格に見直したこともございますが、事故件数は増加をしてございまして、こういった変更があったにせよ、率直に申し上げまして、目標に対して道半ばである、まだまだ改善のポイントがあるということでございます。私ども、減らすことのできる事故は減らすという考え方で、先ほど来ご指摘いただいたヒューマンエラー防止、これに取り組んでまいります。

あらき議員:最近、高齢者が道路を横断したり、自転車が逆走するなど、道路法規を守らないことによる事故への対策が本当に不可欠になってきています。この点、どのように取り組んでいらっしゃるでしょうか。

二見交通局長:乗務員は、日常的に自転車のいわゆる逆走でございますとか、急な飛び出し、あるいは歩行者の方も乱横断というのもございます。しかしながら、私ども市営バスの乗務員、プロでございますので、自覚を持って、どのような状況下でも適確に運行すると、これが求められます。そのため、日頃からヒヤリハット状況の収集、これを乗務員に共有させる。こういったことを通じまして、一定程度予測をして運転する、俗にいう防衛運転の励行に取り組ませているところでございます。

あらき議員:市民へのマナー向上に対する取り組みを行っていると聞いています。どのように取り組んでいるのか、伺います。

二見交通局長:具体的には、警察主催の交通安全フェアへの参加、あるいはまた警察と連携した街頭での交通マナーの呼びかけ、また地域の学校等との連携によるバスののり方教室の実施などを通じて、交通マナーの向上と安全なまちづくりのお手伝いをさせていただいております。

あらき議員:さまざまな機会を捉えて、マナー向上にもぜひ取り組んでいただきたいと思います。

高齢者からの要望が多いバス停上屋・ベンチの設置を

あらき議員:最後にバス停について伺います。過去5年間のバス停上屋の設置状況について伺います。

村上自動車本部長:順に申し上げます。22年度は2基、23年度は3基、24年度は3基、25年度は6基、今年度は9月末までに1基設置しております。

あらき議員:上屋だけではなく、ベンチ増設を望む要望も増えています。中期経営計画の目標1,040基に対して、どのような状況でしょうか。

村上自動車本部長:9月末現在1,021基設置しておりまして、今年度中に目標の1,040基、これを設置してまいりたいと考えております。
あらき議員:バス停上屋も、そしてベンチ増設も、高齢化に伴い、非常に要望が増えています。来年度以降、どのように取り組んでいくのか、伺います。

二見交通局長:上屋でございますが、従来からの広告付上屋方式に加えまして、当局による設置を継続をしてまいります。また、ベンチでございますが、現行中期計画の設置目標達成後も、引き続きまして地域バランス等考慮して、設置を進めてまいります。また、共通の要因でございます上屋・ベンチいずれにつきましても、新規設置に加えまして、昨今老朽化の激しい箇所へ修繕や更新が必要な箇所も出てまいります。こうしたことへの対応もきちんと実施をしてまいります。


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