花月園跡地は市が事業主体となって緑深い広い防災公園に
横浜市第2回定例議会は3日最終日を迎え、採決の結果、賛成多数で市長提出議案の44件、議員提出議案の6件、請願4件の不採択の全てが可決されました。採決に先立って、白井まさ子議員が日本共産党を代表して、5件の市長提出議案、議員提案による2件の条例制定と、請願不採択2件に反対し、討論を行いました。
鶴見区の花月園競輪場跡地は県有地ですが、その面積8.1㌶の約半分を防災公園として独立行政法人都市再生機構URが整備し、残り半分を住宅地とする予定です。しかし、近隣の自治会・町内会長のみなさんは「花月園の今後の利活用は県有地すべてが緑濃い防災公園に」と強く要望しています。白井議員は、本市の最重要施策である横浜みどりアップ計画では「市民が実感できる緑をつくる」取組みを掲げていることから、「跡地面積の半分程度で『良し』としたことは、みどりアップ事業に対する本市の本気度のなさを示すものであり、これではみどり税を超過課税として納めている市民の理解を得ることができません」と述べ、県の協力を得て、市が直接緑濃い防災公園として事業を進めるべきと主張しました。
自民・公明が議員提案した「将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例」の制定について、白井議員は、昨年度末で3兆3518億円となる一般会計借入金を増やした要因である埋め立て事業などを推進してきたのは、提案会派だと指摘。「たとえば、Y150のメイン事業では貧弱な企画による見込み入場者数の大幅減により大赤字を生み、そのつけを市民の税金で補てんすることを招いたということについても、反省がない」と述べました。提案会派は、いままでどのようにチェック機能を果たしてきたかについて明確な答弁がなく、さらに新市庁舎・高速横浜環状道路北西線など借金が増える大型公共事業に賛成してきたとして、この条例に反対しました。
同じく自民・公明が提案した「横浜市子供を虐待から守る条例」の制定について、白井議員は、子どもの虐待が増えている背景には貧困や社会からの孤立など様々な状況があるが、それら子育て家庭の社会的背景の認識がないため、虐待防止に真に有効な手立てとならないと指摘。子どもの権利の規定もなく、一方的に家庭の自己責任論を振りかざすことは、横浜の子育て家庭に前近代的な家族観を押し付ける以外の何ものでもなく、「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍首相が重視する復古的な家族観が色濃く表れた条例は制定すべきではないと主張しました。
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