2014年4月11日
日本共産党横浜市会議員団
団長 大 貫 憲 夫
一昨日、横浜市は、3月26日に横浜地裁が下した政務調査費に関する判決を不服として、東京高裁に控訴しました。控訴の趣旨は、市の敗訴部分の取り消しと、原告(住民)の請求を棄却するというものです。
横浜地裁は、2008年度の政務調査費のうち、一部が目的外支出に当たるとして、4会派(自民党14件27万3083円、公明党23件39万2200円、民主党3件7万1240円、民主党ヨコハマ会13件31万5927円)と議員2人(11万2273円、175万円)に返還請求するよう市に命じ、日本共産党については13件のすべてが目的外支出ではないとして、原告の主張を退けています。地裁は、目的外に当たるかの判断基準として、市議会が決めた「政務調査費の手引き」を用い、原告が不適切とする支出を一件一件審査し、政治団体の年会費、法人会や県人会の会費や、他目的と併用する事務所家賃、政務調査員の親族雇用、来客用駐車場賃料などを目的外として認定したのです。この判決の元となっている今回の住民訴訟は、2008年度分の領収書の内4月と5月に限定されております。
この判決について、「今後の対応は、判決の中身を精査し、判断」(自民)、「納得できない内容、手引きの内容を超えたものは全くない」(公明)、「証拠を出して主張してきたが、認められない部分があるのは残念」(民主)と、各団長のコメントが報じられています。
今回の控訴に当たって、前記4会派は、判決で目的外とされた金額を「各会派の判断において」市に返還しました。これは、実質的に地裁判決を受け入れたものであり、不適切な使い方であると自ら認めたことになります。
いうまでもなく、政務調査費は市民の税金です。税の使い方をチェックするのが議会の務めです。その議会を構成する議員は、自らの行動において市民から誤解を招くような使用をしてはならないのは当然のことです。司法で目的外として指弾されたわけですから、自主的返還で、一件落着とするわけにはいきません。
まず、今回の住民訴訟は、政務調査費2008年度分の4月5月の2か月分だけが対象としていることです。人件費や事務所家賃、駐車場代は、毎月発生するものです。これらについては、不適切とされ、自ら返還してそれを認めた議員は、少なくとも残りの10か月分も市に返還すべきです。他の費目も精査して、目的外とされた同類の支出があった場合、同じ対応が求められます。
つぎに、政務調査費の使途基準について、その運用を厳格にすることです。領収書をチェックするだけは、不十分です。使途基準に適合していることを裏付ける資料や成果物の提出などが必要です。
最後に、政務調査費の使途基準そのものを精査することです。とくに飲食は、私用的側面を伴うもので、原則禁止とすることが必要です。