あらき議員:共産党を代表して質問します。
高齢社会、大規模災害に備えて消防力を強化せよ
あらき議員:まず、消防力の強化について伺います。救急隊数、3年間の推移をまず伺います。
久保田警防部長:23年中の救急出動件数は16万7075件で、65歳以上の高齢者の搬送人員は7万3054人、18歳から64歳までの成人は5万9079人、7歳から17歳までの少年は5529人、7歳未満の乳幼児・新生児は8871人。24年中の救急出動件数は17万288件で、高齢者の搬送人員は7万5900人、成人は5万8097人、少年は5407人、乳幼児・新生児は9309人。25年中の救急出動件数は17万3772件で、高齢者の搬送人員は7万9448人、成人は5万7441人、少年は5521人、乳幼児・新生児は9000人となっております。
あらき議員:飛ばしているんです。救急隊数の3年間の推移をお願いします。
久保田警防部長:23年度は62隊、24年度は港南台消防出張所に救急隊を新たに配置し、63隊、25年度は今宿消防出張所に新たに配置し、現在は64隊となっております。
あらき議員:ありがとうございます。この間、前の委員の質問もあったとおり、社会状況の変化といいますか、高齢者の搬送件数が増加しているっていうのは、これははっきりしています。今後、団塊の世代が75歳以上が増える2025年も同じようにこれから増える一方だっていうのも、これも前の委員からの質問でずっとありました。そこで、現状の隊数では足りないということで、この隊数、車両を積極的に増やすことも検討していると思うんですけど、この点はどうでしょうか。
荒井消防局長:今後、高齢化の進展等の影響によりまして、この後も増加傾向はなお続くということが予測されますので、その状況を踏まえながら、ぜひわれわれとしても救急隊を増やしてまいりたいと考えてございます。
あらき議員:消防局における予算案の基本的な考え方で、いまおっしゃった通り、「高齢化社会の進展により増加する救急需要への対応など、優先度・緊急度を明確にして各種施策を推進していくとある」と書いてありました。先ほどあったように、大雪の場合あるいは自然災害でも、今の状況だと逼迫するというお答えもありました。そこで、現状から考えて、今後の中期計画ではっきりと必要とする救急隊数、明確にすることが必要だと思うんですけど、この点どうでしょうか。
荒井消防局長:救急体制の強化につきましては、市民生活の安全充実に向けまして、中期計画の4年間における主要な施策である基本政策、そのうちの地域医療提供の体制の充実、この中に考え方を示していくというふうに考えておりまして、その中期計画の策定の中で体制の強化についても規定していきたいというふうに考えてございます。
あらき議員:国で救急需要の増加や東日本大震災を踏まえた「消防力の整備指針」、これも改正検討されているということです。荒井局長も入っていらっしゃいますよね。市として市民の安全・安心を確保するために一刻も早く、国の方でもその方針引き上げるということ出すべきだと思っているんですけど、この点、意見出しているんでしょうか。
荒井消防局長:先ほど答弁のお答えにもありましたが、この国の指針については現在改定中でございまして、きっかけとなりましたのは東日本大震災を踏まえての話なんですが、その後、やっぱり社会情勢の変化ということも非常に大きく、救急隊の出動件数が増えているというのは、これは全国共通の課題でございますので、当然それについても言及された内容で示されてくると思っています。
あらき議員:現行、国で示されているこの指針でさえ、署所の数でみると、人口に合わせて配置することになっているとありました。南区を例にすると、19万の人口だと署所は6か所となっているんですけど、現状4か所です。どうしてこういう違いになっているのか、説明できますか。
島田副局長:今、先生ご指摘いただいたように、国の1つの目安としては人口規模によって30万人ならば何か所というような見解がひとつ示されております。この指針の示している考え方の中で、発災、火災が発災して到達できる、これが6.5分以内に到達できる、これを満たすということが根底にあるということでございますので、その基準を満たすということで横浜市でも対応しております。
あらき議員:その6.5分というのが基準だって聞きました。でもね、東日本大震災の教訓で、やはり社会情勢ですとか、この間の大雪のようになると、6.5分というのは必ず行かないわけですよ。平常時で6.5分ですから。ですから、そういう点でも、やはり消防力の基準、指針を引き上げるっていう点では、さらに強調していうべきだと思うんです。この点、予算増やすことも含めて、局長の見解、伺います。
荒井消防局長:ただいま申し上げました6.5分、これは走行距離に当てる時間をいっておりますけれども、一般的な火災を根拠に算定したものでございまして、いわゆる一戸建ての木造2階建が火災にあったと、その時に隣の家に延焼しないためには、それだけ早くかけつけて、消火活動が実施できるように、その計算式から出したものでございますので、雪の影響だとかあるいは大地震だということを根拠にしたものではございませんので、その点誤解のないようお願いしたいと思います。
あらき議員:それはわかっているけど、加配した方がいいに決まっているじゃないですか。この点、どうですか。
荒井消防局長:必要があれば考えていきたいというふうに思います。
消防署員の健康管理に保健師に加えて管理栄養士の配置を
あらき議員:次に、消防職員の健康管理についてです。保健師を配置する目的というのは、先ほど前の委員からもあったので、飛ばします。
保健師を配置する必要性は十分理解するんですが、健康管理上、それだけで私は足りているのかと思いました。特に、食事の管理でいえば、管理栄養士がいると余計にベストだと思うんです。この点、いかがでしょうか。
荒井消防局長:消防職員の健康維持につきましては、バランスの取れた食生活などを実践することが重要と考えております。26年度は新たに配置します、先ほどからご答弁申し上げております保健師が、産業医と連携いたしまして食生活を含めた保健指導や個別相談を行うことにより、職員が自主的に健康増進が図られるように取り組んでまいりたいというふうに考えています。その状況を踏まえました上で、その後の対応は考えていきたいというふうに思います。
あらき議員:ぜひ、現場で働いているみなさんのご苦労というのは、本当にたゆまない努力と、それから精神力、それから健康管理、大事だと思います。ぜひ、今後の動向みながら、管理栄養士も増やしていただく、それからまずは職員増やす。この点もお願いしたいと思います。
応急手当普及員の資格を全国どこでも活かせるように
あらき議員:次に、応急手当普及員のことです。応急手当普及員、この概要と講習の実施状況について、伺います。
荒井消防局長:応急手当普及員といいますのは、事業所などでその従業員や防災組織の構成員に対して行う普通救命講習の指導にあたる方の資格でございまして、国の要綱に基づき、当局で具体的な内容を定めております。応急手当普及員の対象は、市内在住・在勤・在学者で、24時間の講習を受講していただき、効果測定を行った上で、本市の応急手当普及員として認定をしているものでございまして、3年以内に3時間の再講習を受講する必要もございます。24年度中は、応急手当普及員講習4回実施いたしまして、受講者は135人、また再講習は4回実施いたしまして、受講者は219人となっております。
あらき議員:これ、応急手当普及員って、全国共通ですよね。
荒井消防局長:全国で実施している制度でございますが、その資格を得て実施できるのはそれぞれの各市町村の消防機関が行う講習を受けて、資格をとって実施するというかたちをとっております。
あらき議員:それはそれでよくわかったんですけれども、ただ問題は、同じ資格を研修をして、お金も払って受けていました。私の知り合いが東京で受けました。でも、横浜では通用しませんでした。それで、横浜の方で再度もう一回3時間なり講習受けないとだめだということなんですね。でも、ルールは全く同じで、受ける時間も同じですし、中身も一緒です。この点、そのそれぞれの自治体でその応急手当普及員の資格を持っていても、再度自分が使いたいと思う自治体で再度その資格をもう一回研修し直さなきゃいけないというルールになっているところとなっていないところがあると聞いてますけど、この点どうでしょう。
荒井消防局長:資格を取った場所以外のところで、いわゆる普通救命講習を実施しようとした時に、その本部の了解が得られるかどうかという話なんですが、東京、それと千葉は、聞いた範囲では、いやそんなこといってもやっぱり自分たちの行う講習をしっかりと24時間受けてもらわないと困るというような運用をしています。私どもと川崎が、それはすでにもう持っているんだから、一応わが都市で実施するための要領を確認するという意味の3時間講習を受けてもらうと。そういうようなことで、実際異なっている運用が見受けられるようでございます。
あらき議員:ぜひそのへんをまた、全国的にそのへんもそれぞれ自治体が確認するってことあると思うんですよ。でも、せっかく受けたものを使えないっていう、これもちょっとハードルはどうなのかなと思いましたので、ぜひ全国的なルールとしても、共通にできるように考えていただくように、これは要望しておきます。
消防団員の確保にありとあらゆる取り組みを
あらき議員:次に、消防団員の確保についてです。私自身も消防団員になりました。2年経過をして、非常に勉強になることが多くって、本当に入ってよかったと思っています。
ただ、問題はやはり消防団員の人数が確保できない状況なんです。特に、条例定数とその団員の充足率、この点まず説明願いたいと思います。
島田副局長:条例定数は8305人で、実員数は本年1月1日現在7245人、充足率は87.2%となっております。
あらき議員:充足率100%の西消防団の取り組みについて、説明して下さい。
荒井消防局長:いまお話がございました西消防団ですが、やっぱり以前消防団員不足に悩んだ時期がありまして、この時に消防署と消防団が一緒になって団員の確保の取り組みについて話し合いをかなり重ねたところ、そんな中から、消防団一人ひとりが自ら団員として行動していくことが何よりも大切だということを改めて確認し、その具体的な取り組みとしましては、消防団員が地域の防災指導や救急指導を積極的に行い、消防団員の存在意義をアピールするとともに、そのための訓練や研修をしっかり行い、防災リーダーとしての技量を身につけることに努めたということと、消防団員が日頃の訓練状況を自ら工夫してパネルを作りまして、地域のイベントや防災指導の場で紹介し、消防団活動への理解を深めたということ。さらには、消防団と消防署が協力しまして、防災や地域貢献に興味を示した企業に対しまして、消防団への参加を呼びかけたこと。こういったことがありました。こういったことの取り組みを進めることによって、消防団の活動に対する理解が少しずつ進み、参加いただいたものというふうに考えております。
あらき議員:勤務地団員を確保するために、西はよく取り組んだなっていうふうにきいているんですけど。また、ほかの都市で独自の取り組みをしている例があったら紹介して下さい。
荒井消防局長:長野県では、一定数以上の団員が在職しているなどの消防団協力事業所に対しまして、法人・個人事業税の減税や、建設工事等入札参加資格での優遇措置を行っております。また、四国の松山市では、郵便局員などが大規模災害発生時に限定しまして、市内の情報収集、住民の避難誘導の支援などを行う機能別の消防団員となっている事例がございます。
あらき議員:私も直接それぞれ自治体でどんな効果があったか聞いたんです。静岡県、消防団協力事業所表示制度っていうのを導入して、これが周知ではすごくよくなって、認定事業者が3倍になったっていう例もあるんです。ぜひ目に触れる機会を増やすっていうことも大事だと思うので、その点の連携をできるのではないかというふうに思うんです。それから、今お話あったように減税するですとか、それぞれの自治体の取り組みも非常に有効だと思います。ぜひこの点、渡辺副市長、いかがでしょうか。
渡辺副市長:先生おっしゃるように、また局長もご答弁申し上げているように、非常に重要なテーマだと思っております。横浜市でも、先生もご承知のことと思いますが、経済局で地域貢献企業という制度を設けておりまして、そこでは事業所の方のいわゆる地域貢献、CSR(corporate social responsibility、企業の社会的責任)活動を評価をして、とりわけ入札参加における資格審査で優遇をすると、そういう制度を入れてからずいぶん参加も増えていただきました。地域での事業所単位での消防団活動への協力とか、団員になっていただくとか、そういうことも当然そういう対象になるというふうに考えておりますので、そうしたことも大いにPRをして、消防局に限らず、全市的な観点から、消防団の確保について努力をしていきたいというふうに考えております。
あらき議員:はい、ありがとうございます。ぜひ、分団任せにしないで、局区とも連携をして知恵を出し合っていただきたいと思います。
消防団の器具置場の修繕・建て替えは急務
あらき議員:次に、消防団の器具置場、それから訓練場所についてなんです。先ほど、器具置場の建替え要望数が30か所、31か所あるとお聞きしているんですけど、建て替えにかかる一棟あたり、だいたい1800万から2000万だと聞きました。それがなかなか思うように進まない理由をお聞かせいただけますでしょうか。
荒井消防局長:今お話がございましたが、移転・建て替えが必要な器具置場は31棟ありまして、用地の確保と財政的な措置が課題となっております。原則として、器具置場の建て替えは、未利用の市有地や公園、あるいは国や県が保有する保有地を無償で使用していくこととしておりますため、候補地の確保が非常に難しい状況となっております。
あらき議員:候補地の確保ができない。それを優先すべきだと思うんですけど、もともと建っていて、私の地元の東蒔田、ここの器具置場は、もう下の土台、腐っているんです。ずーっと要望出しているけれども、消防署にきいても3年はかかりますってはっきり言われました。でも、朽ちちゃって、中の物を取り出せなくなったらアウトですよね。やっぱりその優先順位含めて、副市長、この予算が少ないからこそ、私は建て替えできないと思っているんですけど、いかがでしょう。
渡辺副市長:予算、さまざま優先順位、考えながら編成をしているつもりではございますけれども、今後、超高齢社会をむかえるという中で、何よりも市民の方の命あるいはからだ、財産、こういうものを守るということは、何時の時代でもさらに優先順位が高まっていくというふうに考えております。先ほど、あらき先生から中期計画における8つの重点テーマに入っていないじゃないかというお話がございましたけれども、あれはまさにすごく先のことを考えて新しい骨太の方針を描くという意味でございまして、逆に、今この消防力の強化、消防団の強化などなど、市民の生命、安全に関わるものは、今すぐにでも拡充をしていかなければいけないという意味で、先ほど消防局長がご答弁申し上げましたとおり、基本政策の中でしっかりとその位置づけを高めていって、財政状況もよく勘案をしながら、必要な予算措置については努力をしていきたいというふうに考えております。
あらき議員員:じゃあもう、ぜひ取り替えて、直していただけるというふうに私は確信しましたので、お願いしたいと思います。
区局連携で消防団の訓練場所を確保せよ
あらき議員:もうひとつは、ポンプ操法する場所なんです。訓練場所がなくて非常に苦労している団もいっぱいありまして、それもその分団まかせっていうのが圧倒的なんですね。そういう実情について、把握していらっしゃるでしょうか。
荒井消防局長:各消防団の訓練場所につきましては、全市的にわれわれの方でも掌握をしているつもりでございます。
あらき議員:掌握しているのはわかるんです。その先なんですよ。だから、やる場所がない、あるいは下がザラザラで、ホース出すと泥まみれになって非常に使えない、あるいは近隣からの苦情になるから使えない。やっぱりそこをもう一步踏み込んでいただいて、用地の確保も含めて、局区連携でやっているかどうか、この点どうでしょう。
荒井消防局長:これまでも、消防署と消防団が連携しまして、区役所等にも協力をお願いしながら、訓練場所をいかにして確保していくかということで努力しているところでございます。さらに、公共施設などを所管している庁内の区局に対しましてもさらに積極的に働きかけを行ってまいります。
あらき議員:私も消防団員になって分団長や班長さんとか、みなさんと話すると、本当に訓練する場所、自力で探しているんですよ。消防署ももちろん対応していただいているんですよ。問題は区なんです。だから、区との連携という点では、情報をもっている区ともっと情報を共有すればいいのに、やあ消防から言われていませんっていう話になるんです、不思議と。だから、もうちょっとそこらへんは上手に話を進めながら、やっぱりそれぞれの地域特性もあるので、情報一番持っている地域振興課あるいは土木、ここと連携をしていただきたい。これも要望しておきます。
消防団員の報酬を早く国基準まで引き上げよ
あらき議員:最後に、消防団員の報酬なんです。これも、先ほどからいくつか事例がでているので、活動出動費もそれから報償費も含めて、全国平均下回っている理由は何なんでしょうか。
荒井消防局長:横浜はかねて報酬を支給していないというかたちをとっておりましたが、20年からそういうかたちをとり始めました。段階的に今、報酬につきましては国の基準の8割までに至ったというところでございます。もう少しの時間で国基準になるように精一杯努力していきたいというふうに思います。
あらき議員:交付税の算定基礎だっていうことなんですけど、やっぱり国に対して、それはもっと直に強く要望すべきだと思います。渡辺副市長、どうでしょうか。
渡辺副市長:交付税の基準財政需要額については、国も時代の変化等を踏まえて優先順位をつけながら考えているとは思いますけれども、先ほど来先生のご指摘もございました。ほかの先生からのご指摘もございましたし、客観的にみても消防団の報酬あるいは必要な設備など備品等も重要性が高まっておりますので、今後とも交付税制度の中で要望もしていきたいというふうに思っておりますし、横浜市としても独自の努力ができる点については大いに考えていきたいというふうに考えております。
あらき議員:終わります。