岩崎議員:横浜駅周辺地下街の防災対策について伺います。
海面下にある地下街・地下の鉄道施設の防災対策は万全か
横浜駅周辺地下街及び地下の鉄道施設は、東京湾水面下にあります。そのため、海水が流入した場合、それを阻止しない限り、全部、水没する区域となります。この認識を共有できるか、危機管理監に伺います。
立花危機管理監:臨海部の地下街ですので、津波がくれば、水没するかどうかってのはその津波の大きさ等にもよると思いますけれども、可能性としてはやっぱりなくはないと思いますね。
岩崎議員:流入を止められなかったら水没するということです。
3・11午後5時20分頃、最大津波が横浜港に到達しています。その時、ジョイナス荷さばき場出入り口の様子(パネル1)ここです。みなさんわかると思うんですけど、相鉄ムービルの真向かいのとこです。このジョイナス荷さばき場出入り口の付近の様子、及び満潮時と津波が重なった場合をわかりやすく説明してください。
山隈危機管理室長:当日のジョイナス荷さばき場付近の状況を正確に計って把握しているわけではございませんが、その日、横浜港に到達した津波は最大で1.6メートルでありました。その時の潮位がやや干潮でございまして、東京湾平均海面から0.4メートル程低かったため、合わせまして平均海面から1.2メートル程度高い状況になっていたものというふうに推測をしております。仮に、その時は満潮時であったといたしましたら、東京湾平均海面からプラス0.9メートルとなりますので、平均海面から合わせて2.5メートル程度高い状況になっていたという可能性があるというふうに考えております。
岩崎議員:いま説明があったように(パネル2)、当日はこの荷さばき場、これが開口部です、この幅で、ここの敷居の部分といいますかね、そこにひたひたの状態になったという説明です、いまの。足元までつまり津波が押し寄せていたわけですが、その時に、市営地下鉄の改札口付近に約1,000人、そして西口広場には、この写真のように(パネル3)、駅周辺には万単位の人がいました。この地下街を含む駅周辺に、その時避難指示は出たんですか。
山隈危機管理室長:避難指示というものはその時は出ておりません。
岩崎議員:出ていないというか、出せなかったということですよね。ここまでの質疑を振り返ってみて、避難指示を出せなかった事実を含めて、この3・11の当日、特に津波到達の時の対応をどう総括されていますか。
山隈危機管理室長:いま先生、出せなかったというふうにおっしゃいましたが、それまでの横浜市の想定では、横浜に押し寄せる津波は最大で1メートルということでございまして、横浜港の護岸は高さ2.7メートルまで耐えられるということになっておりますので、その護岸を超えてくることはないだろうということで、出すということをしなかったということでございます。
岩崎議員:でも、いまの説明のあったジョイナスのところはそうはいかないでしょ。
山隈危機管理室長:ジョイナスのところは、確かにその、先ほど先生パネル用意されておりましたが、その橋のかかっている道路面まで約1.7メートルですね、ということは先ほど私2.5メートル程度合わせてなったと、満潮の場合ですね、なる可能性があったと申しましたが、そうなると確かに溢水ということが考えられますが、ジョイナス側は荷さばき場の入り口のシャッターの前に横2メートル高さ2メートル幅6メートルの止水板を用意しておりまして、中には水が決して入ることのないように対策をとっておりますので、ジョイナスについても大丈夫であったというふうに思ってます。
岩崎議員:説明はわかりましたけど、それは結果論の話であって、足元まで水がきているのに、避難指示出せないっていうことはやっぱり認識不足というふうに指摘せざるを得ないと思うんです。
強いはずの地下構造物が神戸で壊れたことを教訓に
次に、直下型大地震の地震動・衝撃力について伺います。阪神淡路大震災で神戸の地下鉄施設の被害はどうだったのか、またその経験をどう活かそうとしているのか、伺います。
山隈危機管理室長:神戸市の記録によりますと、神戸高速鉄道それから神戸市営地下鉄とも死者等人的な被害は出ていないとのことでございますが、施設の被害といたしましては、一部の中柱にコンクリートの剥離、それから鉄筋の露出等がみられたというふうに報告をされております。この報告を今後各交通局あるいはそういったところがどのようにハード整備に活かしていこうかとしているのかということについては、今の時点では把握しておりません。
岩崎議員:状況説明としては非常に不適切だと思うんだけど、阪神淡路は早朝なんですよ、発生したのが。電車なんか動いていないんですよ。破壊状況は深刻なものなんですよ。もし電車が動いているような時間帯だったら、人命被害は間違いなく起こっているんです。だから、そういうふうに把握しておかないと、教訓なんて活かせないんじゃないですか。だから、人命被害なかったというふうに簡単に言っちゃダメだと思いますよ。
続いて、地下街のどこかが崩れたら海水が流入します。築50年のダイヤモンド地下街、老朽建物が集中する五番街、地下鉄・みなとみらい線の鉄道施設等の安全性は保証できていますか。
山隈危機管理室長:各施設管理者から昭和56年6月1日以降に施工されました新耐震基準に照らしても充分な強度を保有しているという報告を都市整備局が受けているということでございます。
岩崎議員:質問に答えてないですよ、それは。そうじゃなくて、横浜市がちゃんと確認していなかったらね、その事業者が大丈夫ですって報告、真に受けちゃだめですよ、これ。実際壊れているんだから。もう一回言ってください、そこ。保証するんですか。
山隈危機管理室長:私の方でそういう保証ができるかっていうとそれはなかなか難しい面がありますが、どういった施設の耐震性なりを確認する方法があるのかということについては、いまのところ都市整備局が各事業者から報告を受けているということでございまして、それ以上この耐震性などを保証する材料はいま持っておりません。
岩崎議員:それではだめだっていうことを言うのが危機管理室の仕事じゃないんですか。それどうですか。そんなこと、それでよしとしていること自体、問題じゃないですか。
山隈危機管理室長:そもそもこれは数字で耐震性を保証するということにはなりませんが、地下街というのはまず基本的に揺れには強いということもありますし、土圧、水圧、こういったものに耐えられるように通常の建物の1.5倍程度の強度をもっているといったような定説的なことでございますが、そういうこともございます。そういうなかで、都市整備局が各事業者から報告を受けて、耐震性があると、それは大丈夫だというふうにしていることについて、いやいやそれは不十分だというふうに私どもが言う、そういう材料も一方では持ちあわせておりませんので、いまの時点では都市整備局の報告を了とするということでございます。
岩崎議員:回答は求めませんけれども、強いといわれている地下構造物が神戸で壊れているんですよ。そのことをもっと頭において、市長がいうように徹底した調査するっていう約束どおりやってくださいよ、これは。これは責任果たしてないって言わざるを得ません。
地下深い東急・みなとみらい線横浜駅ホームからいかに避難誘導するか
続いて、地下街・地下駅構内からの避難行動の困難性について伺います。地下街は規模も大きく、複雑です。私自身も、地下街にいる時、どのあたりにいるのか分からなくなることがあります。
危機管理監は、昨年の決算で、「避難が重要であって、深さが何メートルの地下の場所にいるかはさほど問題ではない」と答弁されましたが、危機管理監の現在の認識を改めて伺います。
立花危機管理監:基本的には変わっておりませんけれども、この間縷々説明を申し上げた通りなんですけれども、平常時は大方の人であれば自分が地下にいるかどこにいるかっていうことはわかると思うんですけれど、大地震がきた時は気が動転してますから、あるいは混乱をして、どのへんにいるのかわかんなくなっちゃうということはあるかもしれませんね。そういうことはあると思います。ですから、この間も申し上げましたけれども、事業者あるいは行政、鉄道管理者、こういったところが協力して、どうやって落ち着いて誘導できるか、これが一番大事ですので、こういうことの訓練を繰り返す、そういうことです。
岩崎議員:大した問題じゃないという、私は言葉が納得できないんです。これからの質疑もちょっとよく聞いててくださいよ。
みなとみらい線ホームから地上まで非常灯の灯りしかない中を、要援護者、高齢者、子ども等を含む滞在者全員が、約160段、160段あるんですよ階段、これを登ることになるんですよ。どのように全員を素早く避難させるのか、教えてください。
山隈危機管理室長:鉄道事業者ごとに災害時におけます避難誘導先ですとかあるいはどこから上階へ避難させるかなど、職員の基本行動を示したマニュアルを作成をしております。災害が起こった場合にはそのマニュアルによりまして、お客様に対して各鉄道の構内放送等によりお知らせするとともに、駅職員が速やかに安全な場所に誘導するということになっています。確かに駅職員だけでは限りもあると思いますので、当然周囲のお客様などにも協力を求めて、要援護者を上階に上げると、全員で上げるということになるんだろうと思います。
岩崎議員:マニュアル通りにいかないのが災害時なんですよ。だから、そんなうまいこといくわけないじゃないですか。
地下街では発災時のアナウンスの内容が重要
それから次に、「海抜標示」の看板は「海抜10メートル以下の所に設置する」方針が一昨年12月に出ています。地下街にまだ設置されていません。いつ設置するのか、はっきりさせてください。
山隈危機管理室長:先生ご指摘の海抜表示につきましては、現在いる場所が、避難が必要なのかどうかということを判断していただくために、貼付しようということにしたものでございます。従いまして、海抜10メートル以下の区域と申しましても、地下街は津波警報等が出ればすべて地上に上がらなければいけないそういったエリアでございますので、現時点では地下に海抜表示をするということは考えておりません。
なお、国交省から、これ先般先生のご指摘ありましたが、鉄道事業者への通知の中で、浸水の恐れがある駅舎への標高表示を津波対策の一例としてやったらどうかといったような報告書も出ておりますので、それに対する鉄道事業者の対応などをみながら、必要に応じて検討していきたいというふうに思っています。
岩崎議員:全然、納得しませんね。そんなこといってないじゃないですか。自分らで出した文章ですよ、これ。浸水が予測された区域だけでなく、浸水予想区域周辺の海抜10メートル以下の区域に設置しますって書いてあるんですよ。これ、どうするんですか。
山隈危機管理室長:確かにその時、事業の説明書きとしては海抜10メートル以下のということで、地下街には貼付しませんというふうには書いてございませんが、そもそも先ほど言いましたように、海抜表示というのは自分がいる場所が避難が必要なのかどうかということを判断していただくためにつけるということでございますので、全て避難が必要となる地下街につけるということは、その事業の当初に考えておりません。
岩崎議員:全然納得出来ません。
先日、東口の防災センターの緊急情報伝達システムを視察しました。分かったことは、情報がすべてJR防災センター経由のため、市本部の情報が直接伝わらないということです。東口センターでは、7か所に伝言ゲーム式に5~6分かけてそれぞれおの事業所に伝えているということでした。それから、3・11の際、津波が到達するので地上の高い所に避難してくれというアナウンスをしていないということも確認してきました。こういうことがいくつかわかりました。
市本部の情報を直接かつ正確に伝えるシステムが不可欠です。これ、何回も言ってます。また、発災時のアナウンスの内容が重要です。これらをどのように備えるのか、伺います。
山隈危機管理室長:市の災害対策本部から直接各テナントに情報すべきというただいまのお話ですが、市災害対策本部におりますと、例えば火災の発生状況ですとか、人々の滞留状況、こういったものが正確にはわかりませんので、現場の状況に応じた的確な指示を出すというようなことが非常に難しくて、場合によってはかえって混乱を生じさせる恐れもあるのではないかというふうに思っています。そのため、東口、西口の防災センターへ情報を伝達をいたしまして、この双方の防災センターがその現場の状況に応じた避難誘導など、そういったことに活用していただくと、あるいは情報を各テナントに伝えていただくということの方が、確かに5~6分のロスはありますが、その方が混乱を招かないというふうに考えております。
岩崎議員:全然言っていることを聞いていないですよね。要するに、市が言わなきゃいけないことが伝わらないって言ってんですよ。そのことをどう解釈するかっていうことに全然答えていないっていうことを確認しておきます。
横浜駅周辺再整備は防災上緊急課題、まずは立地条件の調査を
次に、直面している足元さえ調査できていないのに、20年後の街を想定したエキサイトよこはま22計画を推進することっていうのは論外だと思います。私は、防災の観点から、横浜駅周辺再整備は緊急課題だと位置づけています。再整備を進めるためには、立地条件の調査は大前提です。市長は、「立地条件の実地調査をしっかりやる」と答弁されていますが、いまの議論で分かるように、実のある調査はやられていません。実地調査を真剣に行うことについての基本姿勢を、副市長に伺います。
大場副市長:これまで横浜駅の周辺地区については、必要に応じて護岸の高さ、あるいはボーリングデータの収集など実態調査を進めております。こういう経過の中で、民間事業者が建物の建て替えあるいは再開発を行う際のルールを定めたまちづくりガイドラインを改定をして、いまおっしゃっていただいた建物の中の浸水防水対策あるいは滞留者、帰宅困難者対策、これらのルールを定めてございます。また、都市再生安全確保計画の作成もいま進めているところでございます。
原子力空母の原子炉事故対策について市独自の取組を
岩崎議員:次に、空母ジョージワシントンの原子炉事故について伺います。
予算審査で、鈴木隆副市長は、「我々が何をすべきかということについては議論していきたい」と答弁されました。国任せでない本市独自の対策はどのようなものか、伺います。副市長
大場副市長:鈴木隆副市長が答えましたので、私も重ねて同じ答えになりますけれども、国は原子力艦の災害対策の見直しについて適切に対処するという見解であります。現在のところ具体的な見直し内容は示されておりません。また、横須賀市が実施をした国への原子力艦の災害対策に関する要望に対して、去る8月28日に実務者会議が開催をされて、国が見直しについて適切に対処するには一定の時間を要するという説明を頂いております。こういったことから、本年3月以降関係局で打ち合わせを行っておりますけれども、当面は国の動向を注視していきたいと考えております。
パンフレット「わが家の地震対策」をもっと活用せよ
岩崎議員:次に、このパンフレット「わが家の地震対策」について伺います。
人命被害を出さない最大の備えは、自分の命は自分で守れる市民になってもらうことにあります。このパンフレットは、そのために大いに役立つと思います。ところが、実態は配布して終わりになっています。防災知識の啓発の意義およびパンフレットの活用計画について、伺います。
山隈危機管理室長:震災によります被害を軽減するには、市民・地域による自助・共助による取組が非常に重要でございまして、このためには防災・減災に対する正しい知識を身につけていただく必要があります。そういったことで、このパンフレットを全戸配布をするということにいたしました。いま現在、このパンフレットを用いて、各区で様々な説明会などを開いて周知を図っているところです。ただ、先生いまお話のように、これをより多くの人に周知していくということのために、いま現在映像化ということを検討しております。今後は、この映像を区役所の待合スペースですとかケーブルテレビで放映いただくなど、多くの人に内容をご覧いただけるようにしたいということで、いま取り組んでおります。
岩崎議員:じゃあ最後に、人命を失ってはなりません。防災対策は立場を超えてオール横浜で取り組む重要課題だと思います。わが党も真剣に取り組む決意を改めて表明するものです。防災対策への副市長の意気込み、決意を改めて伺います。
大場副市長:ぜひ市民のみなさんの安全を守るということについてはこれもう最大の使命でありますので、しっかり関係局、取り組んで行きたいと思います。