大貫議員:共産党の大貫です。よろしくお願いします。時間もありませんので、住民自治と協働の問題に絞って質問したいと思うんです。
住民自治と協働をどう進めていくか
市民局っていろいろ幅広い仕事されているんですが、市民局が区を所管する理由、同時に権限いろいろ持っていると思うんですけども、条例に基づいてどんなことまで区の中でできるのか、ちょっとお聞きしたいんですが。
岡田市民局長:まず、基本的な市民局が、区役所が所管しているという基本的な位置付けですけれども、それは平成4年度の機構改革になりますけれども、この時に区役所に対する支援体制を強化して、地域の一層の振興を図るため、地域振興を所管する市民局に地域振興部を設置いたしまして、区行政に関する総合的な窓口部門といたしました。これをきっかけにいたしまして、保健所の編入や福祉保健センターの設置、土木事務所の編入など、区の機能強化を進めてまいりました。現在も、区役所の来庁者の7割を占める戸籍業務を始め、地域活動を支える自治会町内会やNPOなどの団体支援や、市民に対する広報公聴などを所管する市民局が、地域の総合行政機関、そして地域活動の総合支援拠点である区役所を総括することが最もふさわしいというふうにされています。
それぞれ区長への委任をきちんと取りまして、権限を整理しております。
大貫議員:条例に基づいてどこまで権限持って、横浜市先ほどあったけどね、総合的に対応するのが大変だなと思っています。
特に、区の仕事の中ではやはり住民自治と協働をどう進めていくかというのは非常に重要な仕事だと思うんですけどね、その住民自治と協働に関わって、市民局としてどんなことをいま進めていくにはどんなことが必要かというふうに考えているか、ちょっとお聞きしたいんです。これについては、区としてはどうするのか、どう考えているのかについては区長さんにお聞きしますので、用意しておいてください。
岡田市民局長:市民との協働事業はとても重要です。これからやはり市民ができることは市民の方にやっていかなければなりませんし、またそういう協力がなくては生活のいろいろな場面での行政の支援も行き届かないものになると思っています。そのために、地域の協働事業をしっかりサポートしていく、あるいはそれができる力を地域がつけてもらう、そのための地域支援を区役所が中心となって行っていくっていうことが、これからますます重要になってくると思います。
大貫議員:同じように、区長さんにお聞きしたいんだけど、協働を進めていくには当然それと一緒に自治、住民自治というのが両方の車でいかないといけないと思うんですよ。それを、住民自治と協働を両方とも相乗的に進めていくためには、非常に私は条件づくりが必要だと思うんですね。この条件づくりをすることが区の役、また市民局の役割と思うんですけども、その点で緑区と港南区では具体的に条件づくりとしてどんなことをやっているのかを聞きたいと思うんです。
津田緑区長:地域の方は様々でございます。いろんな団体に絡まっていることも多いため、解決には区役所というよりはそこの自治会を始め地域で活動する方の、その多様な団体とか住民の方と区役所がその課題を共用して連携していく、要するに支援していくというか。緑区でも、地域担当というのを各連合毎においてございますので、そういうかたちで、地域の情報を私どもお聞きしながら区政の方に反省していくということが重要だというふうに考えてございます。
大貫港南区長:協働の取り組みでございますが、ひとつは地域の方では自治会をはじめ様々な団体ございますので、その固まりだけではなく連携協力をしていただくこと、さらに区役所、行政の方は、これもよく言われることでございますが、警察とか消防あるいは区の社会福祉協議会、学校、いろんなところと連携をして、お互いに横割りで連携しながら、防災でありますとか福祉等に関わっていくことが必要だと思っております。
空き店舗を地域住民の区づくりのためのセンター的な施設に
大貫議員:いままでやられているのはもう評価をしているし、がんばってもらわなければいけないんだけれど、これからもっと発展させるためには、いままでの区よりもさらにプラスして、私は先ほど言ったように何か具体的に条件を、たとえばもっと簡単に言っちゃえば、人が集まって、それで自治を、どうしようかって集まる場所が必要じゃないかなと思うんですよ。そういう意味で言うとその場所づくりっていうのは非常に重要だっていうように思うんですが、その点でどうですか。たとえば、いま自治会なんかもありますよね、会館だとか町内会館ありますけども、私は区づくりのためのセンター的なものを各区で置く必要があると思うんですけど、いかがでしょうかね。
津田緑区長:地域の方が区づくり、地域自治のためにということでございます。通常ですと、自治会あるいは連合自治会ございますので、その分の自治会館等を活用している。それから、それなりに地区センターとかそういう公共的な空間も活用しながらやっているのが現状でございますし、そこらへんについてはできるだけその便宜を図っていかなければならいというふうに考えてございます。
大貫港南区長:港南区におきましても同様でございまして、だいたい連合単位でいろいろな催しを行っておりますが、町内会館を使ったり地区センターやケアプラザ、逆にそういうところが使いやすいということで、より自治会館のような地域にとって利用しやすい場所が好まれて使われている傾向がございます。
大貫議員:町内会自治会、非常に重要で、それはそれとしてやってもらわなきゃ。それは後でちょっとあるんです、質問なり提案あるんだけど。
世田谷区は、私もいろいろ調査してみたんですけどね、世田谷区は非常にそういった意味では住民自治が進んでいるんですね。協働も進んでいるんですよ。その調査、ずーっとした結果、やはり非常に組織的にまちづくりのためのセンターがあったり、それから出張所があったり、それから支所もいっぱいあると、こういう状況なんですね。ちょっと市民局長、お願いしたいんですが、世田谷ではどんな組織になっていて、私がいったまちづくりセンターがどんな役割しているのか、ちょっと説明してください。
岡田市民局長:世田谷区のまちづくり支援センターですけれども、20か所、出張所が7か所、そしてそこでは証明書の自動交付機がありまして、住民票の交付やそれから母子手帳の交付といった窓口サービスも実施しているというふうにきいておりまして、その他に地域振興のいろいろな相談を受けたり、職員がいてやっているというふうに聞いています。
大貫議員:世田谷が全ていいってわけじゃない、先進は学ばなきゃいけないですよね。いいなと思っているのはね。世田谷の場合には80万人口だけれども支所が5つあるんですよ。その支所の中に出張所が2つから3つあるんですね。さらにその中に区づくりセンター、まちづくりセンターっていうのが4か所から5か所あるんですよ。私はこういう条件をつくるということが非常に重要だと思うんですね。確かにいままで町内会館や自治会館ありますけど、それはそれとしてそれぞれの自治会で活用して大いにやってもらいたいんですけども、やはり行政としてそういったまちづくりのための、また住民自治のための、また協働のためのその組織づくり、またその条件づくりとして、これ大場さんに聞いた方がいいかわかんないんだけども、いまの政令指定都市の範囲でも、世田谷と同じような支所を置いて、さらには出張所を置いて、まちづくり地区センター、まちづくりセンターのみたいなのを置くことはできると思うんだけど、いかがでしょうかね。
大場副市長:先ほど緑区長から確かお答えしたと思いますが、区役所の方もそれぞれ地域担当を設置したり、あるいは地域力推進担当を設置したりということで、とにかく現場への視点をまず重視していこうと。そういう上では具体的な場所としては、先ほど出ているように、地区センターがありケアプラザがあり、あるいはコミュニティハウスがあり、あるいは地域によっては学校のいろいろな施設を活用したりと、いろんなケースあると思いますから、いま横浜ではそういう方向で整備を進めてきていいるという状況です。
大貫議員:率直に言って、貸し館的な存在もあるわけですよね、コミュニティハウスだとかね、地区センターね。そうじゃなくて、やはりまちづくり、それから自治と協働のためにそういったそのことを専門にっていうか、そこを中心として活動が広がるようなそういう拠点が、私は必要だと思うんですよ。だから、そういうことがこれからの横浜の場合には特に必要だなと思っているんですけど、その例えば具体的に言えば、もっと言えばね、商店街の中に、いま経済局では経済局マターでいろいろやってますよね。市民局の立場、施策として、商店街に空きスペースがあるわけですよ、空き店舗が。そこにまちづくりセンター的なものを市民局がつくって、その地域の自治と協働を進めていくというような仕事、これは大いにやっていくべきだと思うんですけど、いかがですかね、そういう考え方は。
岡田市民局長:私は、必ずしも地域の自分たちで自分たちのまちをよくしていこう、どうしていこうかという話し合いをするときに、行政がすべて関わりながらやることが必ずしもいいことではないというふうに、自分の経験から思っています。それは、まず自分たちの課題、いろいろ困っていることを話し合うというときに、自分たちで話し合って自分たちで解決していく力が横浜の地域にはありますから、それをやりながら、でも困ったこともある、あるいはどうしようというときに、ちゃんと区役所が駆けつけて一緒に悩み考えて糸口を見つけていくということがとても重要だと思っておりまして、どこもかしこも行政の人がかならずいるところで打ち合わせをしていくということが必ずしも市民のためになるとは思っておりません。
大貫議員:いいですか、私の質問答えていないし、私そんなこと否定していませんよ、別に全然。大事な話ですよ。私はその条件として、そういう場所を提供したらどうですかって言ったんですよ。ぜんぜん意味が違ってますよ。私は、あなたがいま言ったことは大いにそれは当たり前ですよ。全部のことを行政がやったら自治でもなんでもないじゃないですか。だから、そういう条件をつくるための仕事はやっぱり横浜のしごとじゃないかと言っているんです。条件をつくるんですよ、場所的な条件。いかがですか。
岡田市民局長:確かに商店街の空きスペースを利用して、活動拠点を整備している事例もあります。ただ、そうした取り組みは有効なんですけれど、市が永続的に運営費を支援し続けていくことはできません。活動を通じて財政面でどのように自立してもらうかも大きな課題のひとつとなります。この点を慎重に検討していただきたいなというふうに思っています。
自治と協働のための条件整備の場をつくるは行政の仕事
大貫議員:時間が私もあまりないから言わないけど、集まって、自治だとか協働っていうのはそれぞれ自発的じゃなきゃだめなんですよ。自発的である以上はいろんな場所だとかそれを条件を整えて、それを醸造していくというのがやっぱり横浜の行政の仕事なんですよ。たとえば、自助共助いいますよね。自助共助のための公助としてはそれを支えてそれを発展させるための仕事をするのが公の仕事なんですよ。そういった意味で、区づくりセンターだとか、それから地域にもっと根ざしたいろんな施設つくったり、それから行政の働き、すべき役割というのがものすごっく多いと思う。そういった意味では、私も何回もいうけど、地域ではそういったストックがいっぱいあるんですね。そういうストックをやはり横浜市が地域のいま言った話の自治と協働のためにいろんなかたちとして条件整備のための場をつくるっていうのは非常に重要だということを言って、終わりにします。