削減ありきのプールの見直し検討ではないか
白井議員:おはようございます。日本共産党を代表して質問します。
8月に公表されたプールおよび野外活動施設等の見直しの考え方についてです。この起点は22年の事業評価会議で両施設が対象となったことです。この選定の理由は何か、伺います。
渡辺総務局長:おはようございます。本日はよろしくお願いいたします。それでは最初のご質問にお答え申し上げます。
プールおよび野外活動施設等は、様々な公共施設の中でも民間と重複感のある事業であること、また市民の皆様が、関心を持ちやすい身近な施設であること、そして3点目に利用者の減少や施設の老朽化などの課題がある施設であること、そうしたことからまず見直しのテーマとして取り上げたものでございます。
白井議員:重複感があるということですが、プールでいうと、県や国の施設が市内に4か所で、うち1か所は幼児プールですね。民間は相当数ありますけれどもほとんどが会員制で、利用者は限定されます。民間を含めれば、数字上は重複ということになりますが、実態は違います。選定理由としては相当無理があったと思うんですが、どうでしょうか。
渡辺総務局長:先生おっしゃる通り、確かにそれは民間と公設と性格に違いがあるということは、それは否めない点ではございますが、やはり先ほど申し上げましたとおり、プールにつきましては民間が運営する施設が市内に約100か所ある。野外活動施設等は県立の施設が県下に複数あります。こういった点から、やはり県や民間等との重複がみられる施設であるというのは事実であるというふうに思います。
また、プールや野外活動施設等は、事業評価会議に出席される市民の方々にとりましても、身近で実感しやすい施設であるというふうに思います。さらに、今後の公共施設のあり方を検討するうえでの主な課題、共通の課題でもあります利用者の減少や施設の老朽化がみられる施設ということでもあります。こうしたことを考えていきますと、横浜市事業評価会議のテーマとしてふさわしかったものと考えております。
白井議員:事実は事実でも、無理があったという点を指摘しておきます。
事業評価会議を経て、あり方検討委員会が設置されました。この検討委員会に対し、局は押し付け的な態度で臨んでいるように思えるんです。検討の進め方の前提として、厳しい財政状況から市で保有するすべての公共施設を維持していくことは困難。選択と集中が必要と。施設の廃止をもう与件として、また検討の4つのポイントまで示して、議論の方向性を固定しています。しかも、そのポイントは、受益者負担、サービス水準、施設の配置、保全のコストというもので、教育、福祉という視点が欠落です。局のこうした一種威圧的でしかも財政的な視点に偏った、検討委員会に求めた局の姿勢は、委員会の公正で公平な論議を封じたと思うんですが、どうでしょうか。
渡辺総務局長:この委員会につきましては、全部で8回開催をしていただきましたが、そのうち最初の3回にわたりまして、まず財政的な視点からの議論など入る前に、そもそもあり方検討委員会の検討の仔細につきまして、十分に時間をかけて議論をしていただきました。
その結果、青少年の健全育成やスポーツ振興等への市民ニーズに対応した施設となるよう、その位置付けや役割、機能等を抜本的に見直すとともに、ただやはり厳しい財政状況という状況がございますので、それを踏まえて、施設の選択と集中を図る必要があると、こういう方針となったものでございます。
白井議員:それでは、出された考え方では、プールのコストについて、年間の税の負担が18億円、積み残し保全費は47億円と記しています。しかし、このうち横浜国際プールが4億7000万円と15億7000億円です。横浜国際プールというのは横浜市スポーツ施設条例上の特別な施設で、他のプールと同列に扱ってその結果で、税負担額の膨らみです。指摘の箇所、少し違うんですけれども、費用を大きく見せて、プールの削減やむなしに誘導しているのではないかとの疑念が生じるんですが、このやり方が不適切と思います。少し変えた質問になりますが、この点どう思われますでしょうか。
渡辺総務局長:公共施設のあり方検討委員会におきましては、今先生おっしゃったように、詳細な関連データとしてそうしたデータをお示ししたということも事実でございますが、一方やはりそれでは誤解が生じるのではないかということから、誤解が生じないように、横浜国際プールなど一般の公園プールなどとは規模や性格の大きく違うと、そういう施設のデータを除いた施設分類ごとの平均ランニングコスト等の情報も提供して、ご議論をいただいたところでございます。
白井議員:あり方検討委員会で出されたデータに誤解が生じたということもおっしゃってはいますけれども、最後に出されたその考え方、まとめに出されたその考え方でも、国際プールも含めた額も示してあって、その点も不適切だというところを、指摘をしておきます。
それでは、26年までに利用促進や経営改善を促して、それがなかった場合は廃止等ということですが、利用促進にしても経営改善にしても、そう簡単なことではないと思うんです。利用促進については、先行投資は認めなかったり、経営改善として指定管理料を削減するというのであれば、プールの安全安心が危ぶまれます。しかも2年間という期限付きです。無理難題を事業局に課していると思うんですが、どうでしょうか。
渡辺総務局長:基本的な考え方で言われております、まず経営改善を図るという意味でございますが、これは指定管理料を減らすといったような更なるコストカットを行うということではございません。施設の選択集中あるいは施設の統廃合、こういった議論ありきではなく、まずは施設所管局を中心に、市の広報媒体を有効活用したPRでありますとか、新たなサービスプログラムの開発などを行う、そうした様々な工夫によって利用促進を図って収入を増やす、そうした努力に取り組もうとするものでございます。
それから、局にまかせっぱなしじゃないかとかという話ですけれども、決してそういうことでございませんので、関係局間の調整やスケジュール管理につきましても、これは副市長をリーダーとする全庁的なプロジェクト、これは施設所管局長や関係区長まで含めてそういうものを構成して、総務局が事務局というかたちで、これは検討を進めてまいりますので、ご安心いただきたいというように思います。
集約化でプールなどを子どもたちから遠ざけていいのか
白井議員:それでは、行政がプールや野外活動センターを有する意義について、局長の見解を伺います。
渡辺総務局長:プールや野外活動施設等こうしたものは、言うまでもなく市民の方々の健康増進やレジャー、スポーツ振興、そして青少年の健全育成などに重要な役割を果たしていると認識をしております。
白井議員:重要な役割を果たしていますと、本当にそうなんですね。子どもの心身とも健全な成長にはとってなくてはならないものだと、そういう施設だと思います。それなのに、プールや野外活動施設の集約をするということは、この子どもたちと市民をこれらから遠ざけることになると思うんです。
そこで最後なんですが、副市長に伺いたいと思うんですが、施設を集約するということ、子どもたちの育ちを保証すべき行政ですね、そしてまた子どもたちの明るい未来をつくりますという基本政策の1も中期4か年計画にきちんと掲げてありますから、施設を集約するということはこういうことに相反すると思うんですが、副市長どうでしょうか。
大場副市長:今、局長からお話をしたとおりでありますが、基本的な考え方では、仮に施設の集約化を実施する場合にも、集約化先の施設については利用促進のための魅力づくりということで、施設機能の追加であるとか再整備を検討するとしてございます。集約化によって利用者が減少することのないようなさまざまな検討も進めていきたいと考えています。
白井議員:集約化といえば、ひとつなくなって、少し遠いところに行かなければいけないということで、子どもたちから遠ざかるわけですね。ちょっとその点では、行政がいま掲げておられることと反するという思いを伝えまして、終わります。