市は横浜駅周辺地下街の全体像をはっきり把握していない
岩崎議員:よろしくお願いします。
「横浜駅周辺大改造計画」から、伺います。
日本共産党は、横浜駅周辺地域を安全な街にする事業は、市民の安全、人命最優先の立場から、緊急の課題だと認識しています。まちづくりは50年、100年、それ以上のスパンですすめる大事業です。とりわけ横浜駅周辺の再整備は、横浜市全体のまちづくりの手本になるべき位置付けの高い事業だと考えます。問題は、その方法、進め方です。
3・11から1年過ぎました。市長は、昨年12月議会で私の質問、に3・11で得られた「新たな課題となる事柄について計画にきちんと反映していく」と答弁されました。どのように反映されているのか、伺います。
林市長:神奈川県による津波浸水の想定や、国と研究機関による首都直下地震の見込みなどについては、現時点で検討途上となっているため、今後とも「エキサイトよこはま22計画」について、しっかりと検証を進めます。
また、今月1日に実施した横浜駅周辺での避難訓練から得られるまちづくり関連の課題についても、順次検討を進めていきます。
岩崎議員:「計画」区域の中心部は、ちょうど大型客船が係留されているように見えます。全長約700m、幅約300mの大型客船を大改造する計画書だと見れば分かりやすくなります。この計画書には、船の甲板に当たる地面から地下街にかけては、ほとんど書かれていません。最大の問題は、ここにあります。
そこで、伺います。先ず地下街から。ダイアモンド地下街の築年次はいつで、地盤の埋め立工事は、本市が責任を持ってかかわったのかどうか伺います。
中田都市整備局長:ザ・ダイヤモンド横浜駅西口地下街でございますが、ザ・ダイヤモンドは昭和39年に完成をしてございます。この横浜駅西口周辺は明治末期から戦前にかけて埋め立てられておりますけども、詳細な工法などについてはいまのところ分かってございません。
岩崎議員:本市が責任もってかかわっていないということですね。
中田都市整備局長:その点についてもちょっと明らかになっておりません。
岩崎議員:現時点では市として安全と言えないということだと思います。
次に、地面です。地下街に通じる開口部、これいろいろあります。その数とそれぞれの状況を、当局はどのように把握しているのか、伺います。
中田都市整備局長:地下街に通じます人や車の出入り口につきましては、西口では36か所、東口では18か所を確認してございます。換気口など開口部や地下街と地下で通じている民間ビルにかかわる部分につきましては、その全体像については把握をしきれておりません。
岩崎議員:要するに、全体像は把握していないということですね。
地下街の災害を想定していない「エキサイトよこはま22計画」
次に、今後、50年、100年、それ以上先を見通せば、この間に、首都圏直下型大地震は必ず襲って来ます。計画書には、震災対策、直下型大地震の想定等を記述しているかどうか、伺います。
中田都市整備局長:「エキサイトよこはま22計画」っていうのは、そもそもその防災性や安全性を高めることを目的にしてございますので、あえて震災対策ということは記載してございませんが、震災対策の概念についてはしっかりと盛り込んでいるものというふうに考えております。
岩崎議員:きいていることに全然答えていないんですけど、要するに震災対策とか、今想定されている直下型地震については書かれていないっていうことですよね。それは3・11が後に起こっているわけだからそれはしょうがないと思うんですけど、書いてないわけです。
つまり、この計画はまさに灯台下暗しです。「エキサイトよこはま22計画」は、超高層ビルを林立させる華やかさとは裏腹に、足元をまったく見ていない計画だといえます。計画書には、3・11を踏まえた新たな課題の反映も防災計画の見直しの視点もありません。さらに、横浜駅周辺の立地について真剣な検証もありません。計画の大幅な見直し、修正・加筆は、避けられません。
どのように見直すのか、大場副市長に、伺います。
大場副市長:東日本大震災の経験で得られました新たな課題や技術的な知見を踏まえて、防災計画の修正について、また計画について見直しをしてまいります。
岩崎議員:要するに、本計画をしっかり見直すということをもう一度確認しておきますけど、そういうことでいいですね。
大場副市長:計画を必要な時点で見直しをしてまいります。
横浜駅周辺の実地調査・検証は再開発計画と防災計画の見直しに欠かせない
岩崎議員:次に、消防局の審査で、私は実地調査・検証を求めました。これに対して、防災計画の見直しの中で検討していくと大場副市長答えられましたけど、実地調査と徹底的な検証は、「エキサイトよこはま22計画」及び本市の防災計画の見直しにとって、絶対に必要な段取りだと思います。どのような責任体制、どのような内容で実施するのか、はっきりとお答えください。
大場副市長:横浜駅の周辺については、津波による浸水が予想されますので、新たな地震被害想定調査の中で、地下街の被害も含めて、これは検討してまいります。
また、横浜駅周辺の実態については各施設の所管局が把握をしておりますので、まちづくり計画である「エキサイトよこはま22」の計画を進める上でも、防災計画を見直す際にも全体を把握していくことは有効であるというふうに考えております。
今後も関係局連携をして、市民のみなさんの安全に取り組んでいきたいというふうに考えております。
岩崎議員:その調査活動について、その分解して調査してもしょうがないんですよ。さっきからいっているように、足元が見えてないわけです、この計画は。だから、これはそういう意味では市長の責任でつくっている計画書でしょ、これは。だから、やっぱり市長の責任でちゃんと体制作って、それで現状どうなっているかということをちゃんとおさえなかったらね、こんな大事業スタートできませんよ。そういう意味でいっているんです。だから、そんな各局がやっている調査を寄せ集めて結果を出すというんじゃだめです、これは。もう、市長の責任で、ちゃんと体制とってね、直ちに実地調査というものが必要だと思うんですけど、この点どうですか。
大場副市長:防災計画の修正については、全局がそれぞれ知恵をしぼって情報の共有をしながら、市長は災害対策本部の本部長でありますから、このもとで整理をしていくということになってございます。
岩崎議員:本当に大事業だと思うんですよ。だから、このことをやるにあたって調査をするっていうことが必要だと、私いっているんですよ。この点どうなんですか。
大場副市長:見直しをする際に必要な調査があれば、調査をしていくこともあると思います。
岩崎議員:どうしてもそこは、私譲れないと思うんですよ。これだけの大仕事をやるのに、何がどうなっているかわからないってこと、さっきはっきりしたじゃないですか。そういうことをはっきりさせないでスタートするっていうのは絶対許されないと思うんです。だから、どうしても現地調査は緊急に、それは市長の責任でやっぱりやる必要あると思うんですけど、これ市長どうですか。
林市長:当然、大がかりな建設計画でございますから、そのことをしっかりと慎重に調査もし検証もしてね、それこそプロの集団で進めていくことでございますので、きちんとやらせていただきます。
岩崎議員:はい、じゃあそれはやるというふうに市長お答えになりましたので、よろしくお願いします。
地下街に海抜標示板の設置を
次に、地下街に海抜標示の設置を私は求めました。これに対して、大場副市長、啓発に努めますと答弁を避けてしまいました。海抜の低い周辺の地上には、既に約300か所設置されているときいています。水面より下の地下街に設置しないのは理屈が通りません。いつまでに、どこに、どのように設置するのか、伺います。
大場副市長:当然地下街、海面より低い場所でございますから、安全な高い場所に避難をしていただくこと、これが一番大切なことであります。先ほどもお話ありましたが、3月1日に横浜駅で行われました津波を想定した避難訓練、これの実施をいたしました。その中でも、鉄道事業者あるいは周辺の事業者の従業員のみなさんが地下街からの避難誘導を行っていただきました。こういう繰り返しも当然きちんとやっていかなければいけないと思います。今後も引き続き、来街者のみなさんが安全で迅速に安全な場所に避難できるように、事業者のみなさんのご協力をいただきながら、啓発あるいはその他必要な作業については取り組んでいくことになると思います。
岩崎議員:なかなか標示板そのものをつけるっておっしゃらないんだけど、啓発の第一歩ですよ、これ。いま自分がどこにいるかっていうことを市民がわからなかったら、啓発なんかできないですよ。だから、これは、時間がないですからあまりしつこく言いませんけど、設置をしなきゃだめですよ。だから、このことを強く要求しておきます。
常に海水の浸入・水没の危険にさらされている横浜駅周辺の地下街
市長に最後にちょっとこの項目でお聞きしますけど、防災計画の見直し、また今回のこの「横浜駅周辺大改造計画」の見直しというのは、本市にとって差し迫った重大な課題だと私は思っています。ここまでの議論を聞いたうえで、横浜駅周辺のまちづくりについて、あらためて市長のお考えをお伺いしたいと思います。
林市長:横浜市を、たとえばこの「エキサイト22」につきましてはですね、東口と西口というのは国際都市の玄関口としてまだまだ遅れているというか再開発が必要だと思います。これからさらなる経済成長のために非常に大事だし、それから市民のみなさまの利便性ということを考えてもきちっとやらなくちゃいけません。
先生、ご指摘の先ほどの防災に関しては、すごくこれは私はベースになることですから、そこはきちっとそこの視点を大事にしながら、この開発を進めてまいりますので、その辺はご信頼いただきたいと思います。
岩崎議員:ありがとうございました。
横浜駅周辺、地下街に限って意見を述べておきますが、水は低い方に流れます。この逆はありません。水面下の地下街というのは、常に海水の浸入・水没の危険にさらされます。これは、自然の摂理に反します。今後、長期的には、地下街は、横浜駅周辺のですね、地下街全般を私否定しているわけではありません、地下街は、横浜駅周辺における地下街は長期的展望としては、縮小、廃止に向かうべきだと考えます。
市長も私たち議会も、未来の横浜の安全に重大な責任を負っています。そういう意味で、計画の見直しは真剣に取り組む必要があると思います。横浜駅周辺は、今の状態を改造するのではなく、理に叶ったやり方で、新しく造り替える決意が必要だと思います、それでこそ、横浜の玄関口といえる横浜駅周辺に生れ変るのではないでしょうか。以上、日本共産党としての強い主張として申し上げておきたいと思います。
小児医療費助成制度を全国レベルまで引き上げて子育て支援を
次に、小児医療費助成制度について、伺います。
子育て世代で貧困が深刻化しています。本市も10月から小児医療費助成の対象年齢を小学校1年まで引き上げます。しかし、県内でくらべても、全国でくらべても、全国のこの助成の遅れは歴然としています。この分野で遅れを取り戻し、少なくとも県内、全国レベルまで引き上げる決意を表明していただきたいと思いますが、市長いかがでしょうか。
林市長:現在でも、こども手当や小児医療費の助成などの子育て世帯へ給付を行っておりまして、社会全体で子育て支援を取り組む我が国の将来にとっては厳しい状況であることも認識しております。
もちろん、できればですね、それは広げていきたいと思いますけども、ただし先生、やはり過程が非常に大事でございます、プロセスが。ですから十分にそういうことは認識をしておりますけれども、たとえば子育て支援施策における課題はご承知のように保育所待機児童の解消であったり産科周産期医療の充実など多岐にわたっておりますので、今私としてはもちろんやりたいんですけど、制度の拡充については多額の費用が必要となりますので、そういうのはやっぱり財政状況を見極めながら、進めていかなければならないと思いますので、検討はしてまいりますけども、すぐさまそのようにお約束をできないのはご理解たまわりたいと思います。
岩崎議員:今回の予算そのものは、前年度にくらべて増えていないわけですよね。それで1歳引き上げることができました。6年生までやってもそうものすごい金額が必要だということではないと思うんです、横浜の財政から言ってね。これはやっぱり子育てにお金がかかるわけですから、ここを直接支援できるのがこの制度なんですよね。だから、たいへん大事な制度だと思うので、いま市長おっしゃられましたけど、ぜひその検討を本当に前向きにできるだけ早くしていただいて、1日も早く小学校卒業まで無料化できるようにがんばっていただくことを強く要求しておきます。
横須賀の米軍原子力空母に対して災害発生時防御措置をどうするのか
次に、横須賀の米軍艦船にかかわってお伺いします。
本市中心から約20キロに、原発の数十倍の放射能汚染物質を蓄えた原子炉2基を搭載する米原子力空母ジョージ・ワシントンが停泊しています。国の原子力防災指針が見直されており、原子力施設における災害発生時の緊急的防御措置をとる範囲が設定されるようです。本市は防御措置をとる必要がありますが、どうされるのか、市長の見解を伺います。
林市長:原子力防災指針は船舶用のもつ原子炉や加工施設などを対象としたもので、米海軍横須賀基地の原子力艦船には適用されません。しかし、隣接地には研究用の原子炉や核燃料加工施設があるために、本市ではあらかじめ防災計画都市災害対策編に、放射性物質災害対策を定めております。万が一本市に影響を及ぶような場合は、この放射性物質災害対策を準用いたしまして、市民のみなさまの安全を確保してまいります。
米軍住宅は空き家だらけ、池子米軍住宅建設計画の撤回を国に求めよ
岩崎議員:最後に、池子米軍住宅建設問題についてお尋ねします。
国の最新の在日米軍人等の居住状況資料が手に入りました。池子米軍住宅逗子市側には相当数の空き室があります。根岸住宅の住居状況はいま現在激減しており、空き室をうめれば、新たな家族住宅建設は必要ないというふうに判断できます。国に計画の撤回を求めるべきだと思います。市長の見解を伺います。
林市長:池子住宅建設につきましては、平成15年に国から申し出を受けて以降、建設戸数を含めて今日に至るまで、市民のみなさまや市会において、様々な思い、ご意見があるということは、十分私も認識をしております。これまでも住宅建設戸数のできる限りの削減などを国に求めてきておりまして、昨年11月にもこれ以上横浜市内に住宅市内に住宅建設をしないように要請をいたしました。今後も適切に対応していきたいと思います。
岩崎議員:ぜひがんばってほしいんですが、早期に返還というのが横浜市の市是であります。この立場でぜひがんばっていただくことをお願いして、質問を終わります。