
日本共産党を代表して、山中竹春市長の退職について、賛成の立場から討論します。
今回の市長の辞職は、市長による日常的なパワハラが第三者委員会による調査によって、明らかになり市長自身も、調査結果について、おおむね事実を認めました。そして辞職となりました。そのことに、異論はありません。むしろ遅かったとすら思えます。
しかし私は、今回の問題を、市長が辞職することだけで終わらせてはならないと考えます。被害を受けた職員の皆さんを、組織として十分に守ることができなかったこと。市のトップによるパワハラを止める仕組みが機能しなかったこと。そして、問題が起きた後も、被害を受けた方々への具体的な被害回復の方策が、いまだ十分に示されていないこと。これらはすべて、横浜市政に残された重大な課題です。市長が辞職すれば、それで問題が解決するわけではありません。むしろ、これから横浜市が、この問題から何を学び、どのように組織を変えていくのかが問われています。8月の13日、14日に開催された拡大総務委員会において、市長が「時間をください」という趣旨の発言をされたと記憶しています。私は議会としても、市長が十分な説明を行い、市民の代表である議会が直接質問を行う場を設ける必要があると考えていました。
ところが、市長は29日の記者会見で「辞める」と表明されました。私は、議会に対して十分な説明を行わないまま辞職することについては、率直に言って、納得できません。
この議場で、市民の代表である議員が市長に質問し、市長自身が答えるという、最も基本的説明責任を果たす場をつくることができなかったことは大変残念です。
私は、本来であれば、この議場で、市長に少なくとも4点についてお答えいただきたかった。
一つは、市長は自身の説明責任を果たされたと思っていますか。8月の総務委員会の質疑の中で、第三者委員会の調査結果を受け、市民の皆さんに対して説明する場を設けたいという趣旨の発言もされています。それは、いつ、どのような形で行われるのでしょうか。市長は、市民から直接選ばれた存在です。その市長が、自らの行為によって市政に大きな混乱を招き、多くの職員を傷つける結果となった以上、市民に対して直接説明する責任があります。辞職することによって、説明責任までなくなるわけではありません。
二つめは、今後の調査への対応についてです。市長が辞職された後であっても、今回の問題について、さらに調査が必要だと議会が判断し仮に議会が100条委員会を設置した場合、市長はその調査に応じる考えがあるのでしょうか。辞職すれば、すべてが終わるわけではありません。今回の問題について、何が起きたのか。なぜ防ぐことができなかったのか。組織として、どのような責任があったのか。それらを明らかにすることは、横浜市政への信頼を回復するために必要なことです。必要があれば、辞職後であっても調査に協力し、説明責任を果たす。その意思があるのか、市長に明確にしていただきたかった。
三つめは、被害を受けた職員の皆さんへの被害回復についてです。今回、第三者委員会によって、複数のパワハラ行為が認定されました。しかし、最も重要なことは、被害を受けた方々が今どうされているのか、そして横浜市として、どのように被害の回復を図っていくのかということです。市長が辞職すれば、被害を受けた職員の皆さんの傷が癒えるわけではありません。傷は残り続けます。市長が職を辞すことと、被害者の被害回復は別の問題です。心身への影響がある方への支援。職場環境の改善。必要な謝罪と名誉の回復。そして何より、二度と同じ被害者を生まないための仕組みづくり。これらを具体的に進めなければなりません。被害を受けた方々を置き去りにして、市長だけが辞職することで、この問題に幕を引くことは許されません。
四つめは、市民の税金についてです。今回の第三者委員会の調査には、3000万円を超える多額の市民の税金が使われています。また、市長の退職金についても、市民の皆さんから厳しい視線が向けられています。さらに、市長選挙からわずか1年余りで、再び市長選挙を行うことになれば、そのために約15億円もの市民の税金が使われることになります。これは、市民の皆さんにとって決して小さな問題ではありません。今回の事態は、誰か他人が起こした問題ではありません。市長自身の行為によって引き起こされた政治的な責任です。その結果として、第三者委員会の調査費用がかかり、退職に伴う費用が発生し、さらに市長選挙にも多額の税金が使われることになります。市長は、このことをどのように受け止めているのでしょうか。市長には語る責任があります。自らのパワハラ問題を調査するために市民の税金が使われ、その結果として辞職し、さらに退職金を受け取る。市民の皆さんが納得できるでしょうか。ここにも市長からの説明が求められると思います。
本来であれば、これら4点について、この議場で市長から直接答弁をいただきたかった。
しかし、その機会は実現しませんでした。この後、市長は記者クラブで記者会見を行うと聞いています。
であるならば、少なくともその場で、私は、今申し上げた4点について、市長自身の言葉で明確に答えていただきたいと思います。
これらを明らかにしないまま、今回の辞職だけをもって、自らの責任を終わらせることは許されません。そして、もし今後、再び市長選挙への立候補を考えるのであれば、なおさらです。市民への説明も十分に行わず、議会からの質問にも答えず、被害者への具体的な被害回復も示さず、市民の税金についての責任も明らかにしない。そのまま再び市民に信を問うということは、到底許されるものではありません。
辞職は、責任の終わりではありません。辞職をするからこそ、市長として最後まで果たさなければならない責任があったのではないでしょうか。市民に対して、自らの言葉で説明責任を果たしていただきたい。横浜市政への信頼は、大きく傷つきました。その信頼を回復させたいとお思いであれば、問題から目をそらさず、最後まで責任を果たすことです。
以上の理由から、山中市長の退職について賛成し、討論といたします。



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