企業立地促進条例で多額な援助が必要か
市の誘致企業対象のアンケート結果で、半数が「条例関係なし」
横浜市企業立地促進条例は、市内の進出企業に対して固定資産税の軽減や助成金支給などを行っています。2004年の条例制定以来、大企業55社、中小企業18社、計73社が認定され、351億円にのぼる支援が行われています(予定を含む)。
横浜市は今年1月、すでに事業を開始している条例認定企業54社(業務系27社、工業系27社)を対象に、ヒアリング形式でアンケート調査を行いました。
横浜進出に条例関係なしが50%
「条例支援が横浜への立地に影響を与えたか」(グラフ1)の問いについて、27社が「関係なし」と回答。特に工業系では6割強にあたる17社が「関係なし」と答えています。「立地検討の際、横浜以外の候補地があったか」の問いには36社が「なかった」と回答しました。
「横浜への立地の決め手は何か」(グラフ2)の問いに、固定資産取得型企業(土地・建物を購入した企業)では「行政のサポート」は1割に過ぎません。
「市内発注を増やせる分野があるか」の問には、21社が「はい」、29社が「いいえ」と答えています。
市内企業の育成や住みよい街が誘致の決め手
これらの結果から、進出企業の過半数は税軽減や助成金があるから横浜に進出したわけではないことが明らかになりました。
日本共産党の大貫憲夫議員は14日、経済・港湾常任委員会で、企業立地促進条例が地域の経済や産業に効果的な役割を果たしていないと指摘。企業誘致策は、金銭的支援よりも、誘致企業を支える市内企業の育成や、子育て、教育、まちづくりなど住みやすい都市環境としてのトータル的なシティセールスが決め手であると述べました。
(グラフ等は、しんぶん赤旗記者から提供された情報公開制度での独自入手資料に基いて作成)
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「こんにちは横浜市議団です」2011年12月28日(PDF版)