交通局長「市民の足の確保は、市営交通事業者としてきわめて重要な責務と認識」
あらき議員:バス事業について伺ってまいります。
生活交通バス路線について民間では5路線、市営交通では13路線あり、交通局は昨年度2億9700万円の補助金を受けています。この事業は、市民の足を確保する上で今後も必要不可欠だと考えますが、局長の見解を伺います。
二見交通局長:よろしくお願いいたします。ご答弁申し上げます。
私は、市民のみなさまの足を確保するということは、市営交通事業者としてきわめて重要な責務というふうに認識をしております。生活交通バス路線でございますが、平成19年のバス路線再編に際しまして、利用がきわめて少なく、経営的には成立し難い路線でございまして、当局としては一度は廃止を決定いたしましたが、市からご案内のように一定の補助金を受けまして、現在運行しておる路線でございます。23年度につきましては、私どもではこれまでも路線の存続を図るべく、運行計画の見直し等、精力的にやってきたところでございます。また、私どもといたしましても、今後内部の給与見直しを行う等、私ども自身の経営努力も合わせて続けてまいる所存でございます。以上でございます。
あらき議員:これらの市営交通の方の16路線の赤字傾向はこれまでと変化があったのかどうか、収支が改善できるように何か具体的に取り組んでいることがあるかどうか、伺います。
二見交通局長:22年度と21年度で比較をしますと、残念ながら大きな改善には至っておりませんが、トータルでみますと、若干の改善が図られております。
具体の収支改善策でございますが、事例的に申しますと、グリーンライン沿線におきます路線に関しましては、グリーンラインができた関係もございます。バス利用者が減少していることなども踏まえまして、減便によります輸送力調整、あるいは経路変更、あるいは沿線施設の利用時間にあわせましたバスの運行時間の設定などの改善に取り組んできたとこでございます。
あらき議員:そのように、収支改善のために努力することはある程度必要かとも思います。しかし、現実には思うように収支が伸びない要因として何が考えられるのでしょうか。
二見交通局長:一言でなかなか申せません。いろいろな要因が複層しておりますが、やはり大きな背景としましては、少子高齢化、あるいはお客様の健康志向等々が背景にあることは、これは間違いないとこでございます。
切実な市民ニーズに応えるために、「ふれあいバス」をさらに積極的に進めよ
あらき議員:公営企業の地域貢献として取り組んでいる生活支援バスサービス、ふれあいバス事業については、評価をしています。その運行している2系統の昨年度の収支状況について伺います。
村上自動車本部長兼安全管理担当部長:22年度の収支状況でございますけども、緑区の十日市場駅、中山駅、上山地域をむすんでいる系統が約620万円の赤字でございます。もうひとつ、磯子区の市電保存館と中区のみなと赤十字病院、これをむすんでいる系統が約510万円の赤字となっております。
あらき議員:今後これらの事業について路線を増やしていく考えと聞いていますが、どういう視点で取り組むのか、このような取り組みに対する市民からの要望は具体的にどのように寄せられているのか、伺います。
二見交通局長:私どもといたしまして、今後ふれあいバスに関しましては、これ拡大をしていきたいというふうに考えております。そのための視点でございますが、先生ご指摘された視点でございますが、より地域に密着をしまして、街ぐるみでみなさんにご利用していただけるような状況をつくりまして、ご利用いただけるようなことを通じまして、私どもとしましてはある程度の一定の採算性も確保していくことが重要であるというふうに認識をしてございます。また、現在の利用者のお客様からは、通院、お買い物が非常に便利になったと、ぜひ増便をしてほしいと、こういう声をちょうだいしております。
あらき議員:先日発表されました市民意識調査によりますと、「バス・地下鉄などの便」を市政へ要望するというのが、昨年度の10位から8位へとあがっています。高齢化が進み、地域によっては足の確保を求める要望はますます増えています。それらの切実な市民ニーズにこたえる姿勢について、さらに積極的に取り組んでいただきたいと思うんですけれども、この点、大場副市長に見解を伺います。
大場副市長:改善型の公営企業として自主自立の運営を、経営を確立するために、採算性の確保という、これも大変重要な要素であります。一方、公営企業、市民のみなさんの足を守るという重要な役割を担っておりますので、いっそう経営改善に取り組みながら、市民のみなさんの期待に応えていきたいと思います。
9都市中一番低いバス事業に対する補助金を増やせ
あらき議員:市民の足を確保する上では重要な責務だと、先ほど交通局長お答えになったんですね。昨年度のバス事業の収入に対する補助金額の他都市比較を調べました。9都市ある中で、横浜市の6億7500万円という補助金は一番低いんです。名古屋市は52億円、東京都で11億円と、それぞれ都市の実情にあわせて補助金を出しています。特に、収入に対する割合では3.5%と9都市の中で一番低いのが横浜市です。こういう点では現状の路線を維持するだけでも大変な実情であることはみえます。市民ニーズに応えるためにもこの補助金額を増やすこと、これを検討するべきだと考えますが、大場副市長に見解を伺います。
大場副市長:本市全体の財政事情等もありますけれども、市民のみなさんの寄せられる声を十分また検討させていただいて、取り組むべき点があれば取り組んでいきたいというふうに思います。
あらき議員:地下鉄では16.6%と9都市で上から4番目なんですよ。ですから、できないはずはないので、ぜひ検討していただきたいと思います。
地下鉄の津波対策は大丈夫か
次に、地下鉄事業について伺います。
3月11日の東日本大震災を機に、想定外ということは通用しなくなっています。そこで、地下鉄事業に関わる災害対策について、どのように取り組んでいるのか、伺います。
伊佐美技術管理部長:3月11日の震災の経験を基にいたしまして、電車が駅間停止した場合のお客様の避難誘導について、駅の構内放送等を活用いたしました帰宅困難者への的確な情報提供について、また地震の揺れに応じました線路内点検基準などにつきまして、交通局の安全管理委員会の中で改善を検討してございます。これらの改善の効果につきましては、地震による被害を想定して行う非常時総合訓練、これ毎年実施してございますが、その中で検証してまいります。
あらき議員:海や川が近くにある横浜駅や高島町駅など、津波対策としてどのように想定し、対策を講じているのか、また、ダイヤモンド地下街などああゆうふうに浸水する場所がいっぱいあるような所に対してどのように対応するか、合わせて伺います。
二見交通局長:本市8月に発表いたしました津波からの避難に関するガイドラインによりますと、浸水予測範囲でございますが、横浜駅の、私ども地下鉄の横浜駅の出入り口が1か所含まれてございます。ただし、この場合のガイドラインによる想定水深15センチメートル以下、この出入り口は周辺道路よりも40センチメートル高くなっておりますので、危険性はないと考えておりますが、先生おっしゃった想定外ということも当然ございますので、津波の被害が予想されるような場合には、70センチメートルの止水板をきちんと設置をしたいというふうに考えています。高島町は横浜隣接していますが、浸水予測範囲には含まれてはございません。
続きましてダイヤモンド地下街について、ご質問ちょうだいいたしました。ダイヤモンド地下街から浸水した場合でございますが、当局で作成してございます避難確保計画区がございまして、これに基づきましてお客様をスムーズに地上部まで避難誘導することとしてございます。また、横浜駅に乗り入れてございます鉄道6社それから周辺の事業者、自治会のみなさま等で組織をする横浜駅周辺混乱防止対策会議というのができておりまして、この場などにおきまして災害の予防対策について鋭意積極的に検討を行っているところでございます。
あらき議員:横浜駅においては、出口10か所のうち、道路と接続している出口は6か所あると聞いています。そこに常駐している駅務員は12人、夜間は8人。で、いまお話あった止水板、もし設置するとなると最低一か所に2人はいります。そうすると、西口で一度に6か所の出口にこの止水板を設置するには、12人で足りるのかどうか。この点について伺いたいと思います。
二見交通局長:これまでも、震災等、震災に限りませんが、緊急対応の必要な場合には、私ども当日勤務にあたっていない非番の職員はもとより、私ども本庁も含めまして本庁保守現場、それから応援派遣をしまして、お客様対応等駅業務にあたってございます。当然緊急時には私ども職業柄、局職員全員が一丸となりまして、チーム交通で対応にあたりまして、お客様の安全につきましては責任を持って確保してまいります。