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2025年6月5日

■討論 みわ智恵美 2025.6.5

日本共産党を代表し、市第2号議案「横浜市一般職職員の休暇に関する条例の一部改正」には賛成の立場から、請願第4号「市会本会議場傍聴席の監視カメラ設置の取りやめを求める決議について」、請願第5号「報道機関に発出した文書の撤回等について」、請願第6号「市会本会議場傍聴席の監視カメラ設置の取りやめについて」請願第7号「小児医療費助成制度の拡充について」と請願第9号「物価高騰の緊急対策として消費税の5%への減税を求める意見書の提出方について」の5件については、委員会での不採択に反対する立場から討論を行います。

横浜市一般職職員の休暇に関する条例の一部改正について(賛成討論)

日本共産党は、市第2号議案を議案関連質問で「不登校の子どもの介護休暇」を明確化をするために取り上げました。

市の答弁は「不登校という理由のみでは取得ができませんが、不登校が疾病等に起因するもので、職員が世話をしなければ子どもの日常生活に支障を及ぼすということが確認できれば、取得することが可能としております。」というものでした。

これで、こどもの不登校へのケアを安心して行うための休業が取得できるでしょうか。学校に行けない子どもを一人で家に残して、仕事には行けません。

東洋経済誌は、NPO法人キーデザインが、子どもの不登校に悩む保護者を対象とした相談窓口の利用者を対象に、子どもの不登校が家庭に与えた影響についての実態調査を実施(回答は376名)したことを掲載していました。結果は、回答者の約4人に1人が離職や休職を選択。「早退・遅刻・欠勤が増えた」「雇用形態を変えた」も含めると、仕事に何らかの影響が生じている家庭が約8割にも達していることが判明したと報道しています。

私たちのところにも、「保育園には通えていたのに小学校に入学したとたんに行けなくなった。職場に事情を話しリモートワークを増やしてもらったり、休んだりしながら対応しているが、職場にも迷惑をかけているというストレスを感じる」という訴えがあります。

先ほどの実態調査では、退職を決断した保護者67名にその理由を聞いたところ、7割が「子どものサポートに集中するため」(70.1%)、「子どもを1人で家にいさせることの不安から」(67.2%)、6割強が「親自身のメンタルが不安定になったため」(62.7%)、半数以上が「会社に迷惑をかけたくなかったから」(52.2%)といった回答です。介護休業は給付の対象となります。中小企業でも国の制度を積極的に利用して、大事な働き手の離職防止にも役立つようにすることが必要です。民間で働く皆さんにも制度の目的が理解され、制度利用が進むよう取り組むことが自治体としての役割である旨の答弁も議会の質疑の中でお答えいただきました。

厚生労働省雇用環境・均等局が今年の1月に「介護休業等における『常時介護を必要とする状態に関する判断基準』の見直しに関する研究会」で、介護休業を適用する子どもの「状態」について判断基準を見直しています。

これは、医療的ケア児の保護者の皆さんが、子どもの介護の大変さを訴えて、判断基準の明確化を求められ、当事者の声が力となって、子どもの介護状態を判断する基準が見直されたのです。

そこで併せて、「いわゆるひきこもり、不登校の状態にある対象家族が『常時介護を必要とする状態』に該当するかどうかという判断にあたっての基準を示しています。

「ひきこもり・不登校の状態にある事実」だけで介護休業はとれるわけではないが、「常時介護を必要とする状態」にあると判断できれば、法の対象となり得るという報告を上げています。加えて考慮が必要なのは、不登校状態の子どもが医療機関を受診することの困難性もあることです。

診断書の提出にこだわることなくスクールカウンセラーの所見で判断できるなどの方法も考えられると思います。これらの基準などを市の条例施行にあたっても明確にし、安心してこどものケアにあたれるようすることが必要です。市として、だれもが安心して働き続けられるよう国に制度拡充を求めることも改めて求めておきます。

小児医療費助成制度の助成対象を18歳まで拡充することを求める請願

次は、請願第7号「小児医療費助成制度の助成対象を18歳年度末まで拡充」を求める請願についてです。

神奈川県内には33の自治体がありますが、横浜市と川崎市以外の31の自治体で、18歳までの小児医療費助成制度の拡充をしています。全国の自治体では約83%まで大きく広がっています。

この請願は、横浜市においても、国の動向を待つことなく、18歳まで小児医療費助成制度の拡充をと求めています。

神奈川県は、2023年から子どもの通院費の助成対象を12歳まで拡充し、政令指定都市に対する交付率も3分の1に引き上げました。現在の物価高騰は、子どもたちの家庭環境や学校生活へ影響を及ぼし、市民の医療費負担は一層重くなっています。中学3年生までの完全無償化で安心して通院できていたぜんそくなどの根気強く通院することが必要なものが中断されてしまうことが懸念されるのです。

2023年12月1日から18歳到達後最初の3月31日までに無償化を拡大した平塚市は、その意義を、「ずっと、選ばれるまち、住み続けるまちであるために、子育て支援のさらなる強化と、子育て世帯に対する経済的負担の軽減策となれば」としています。

18歳までの小児医療費助成制度の拡充については、私たち日本共産党をはじめとして、公明党さんも、立憲民主党さんも、国民民主党さんも、維新の会さんも掲げています。今こそ、市民への約束として、ご一緒に力を合わせて、横浜市政で実現させましょう。

物価高騰の緊急対策として消費税の5%への減税を国に求める請願について

請願第9号は、物価高騰の緊急対策として消費税の5%への減税を国に求める意見書をあげることということについてです。お米不足によるコメの値段の急騰だけでなく、値上げラッシュが深刻です。

「帝国データバンク」は、「ことし1年間の値上げは、2023年以来の2万品目越えとなる可能性が高く『今後の動向次第では飲食料品の値上げラッシュが本格化した2022年の

2万5768品目に並ぶ水準に到達すると』」指摘しています。

円安などに起因する原材料価格の高騰や「人件費」を要因に含む複合的な要因で、幅広い品目での値上げが続いています。物流費や電気、ガスなど光熱費の上昇を値上げの理由に挙げるメーカーが多いということも上げられています。

この物価高騰は、最も大きい要因は、アベノミクスの異次元の金融緩和政策による円安の為替レートがもたらした輸入価格の高騰、ロシアのウクライナ侵攻による石油や天然ガスなどの資源高、異常気象も要因となった小麦価格の上昇などと言われています。

何でも海外に依存している日本において国民は何重もの値上げ要因が重なって負担はもう限界です。

横浜市が受け取っている地方消費税交付金は、2023年度が883億円でしたが、新年度予算では994億円。2年間で111億円も上昇しています。現下の厳しい物価高騰が、生きていくことすべてにかけられる消費税額を押し上げて、さらに市民を苦しめている事実を改めて実感いたします。

日本共産党は、食料品だけでなく「誰でも何でも減税」となる全ての消費税を5%に減税する提案を一貫して提案してきましたが、1年間で1世帯当たり12万円減税になるということも明らかにしています。市民はどんなに助かるでしょう。

横浜市会は、全会一致で国に対して緊急の物価高騰対策を求める意見書を上げております。そうであれば、生きていくこと全てにかかってくる消費税の減税を、国が早急に決断し緊急対策として進めることを求める願いを正面から受け止めるのは自然なことではないでしょうか。

消費税は、社会保障の財源ではなくて、直感比率の見直しとして始まり国民には消費税を増税しながら、大企業にはこの間20%もの減税がされて、いま年間で11兆円もの減税がされています。

トリクルダウンで、大企業がもうかれば賃金とか設備投資に回ってくると政府は言い続けてきました。しかし、今政府も、この30年間その期待が大きく外れて、増えたのは内部留保と国の借金だけだったと認めております。   

この直間比率の見直しで、大企業には利益にふさわしい税負担を求め、所得が1億円の壁を超える超富裕層への納税の軽減の見直しをあわせて実施すれば、消費税の財源は十分にあります。

先の帝国データバンクは「さらなる値上げは消費者の節約志向を強めるリスク要因となっている」と警鐘を鳴らしています。

国民の暮らしと中小企業の事業活動そして日本全体の経済を支えるためにも、物価高騰の緊急対策として、消費税を5%に引き下げるこの請願は当然と考えます。是非ともみなさまのご賛同をいただけますようお願いします。

市会本会議場傍聴席の監視カメラ設置の取りやめを求める請願について

次に、請願第4号「市会本会議場傍聴席の監視カメラ設置の取りやめを求める決議について」と請願第6号「市会本会議場傍聴席の監視カメラ設置の取りやめについて」です。

住民は自治体の主人公です。

その主人公である住民が、自らのくらしに関わる議会の議論をしっかりと見守ろうと、わざわざ時間を作って駆けつけていただいています。その住民の方々が、安心安全の傍聴ができるようにすることが何より重要です。

市民からしっかりと厳しく監視され見つめられるべきは横浜市政であり横浜市議会です。

それこそが、民主主義の証です。傍聴者を何か犯罪を起こす監視の対象とするような防犯カメラの設置は、市民を議会から遠ざけるものとなりかねません。

また、秘密会となっている団長会議の場で全会一致でもなく、多数決で決められたことも問題です。

団長会議では「議員室等議事堂内の整備等に関すること」を協議すると設置要綱に決められているということですが、それならばなおさら、全議員にはかるなどして、全会一致で決めるべきことではないでしょうか。

防犯カメラについて、まだ設置の詳細もモニターの在り方も決めていないのであれば、撤退を決断し、開かれた議会の姿を示してまいりましょう。

報道機関に発出した文書の撤回を求める請願について

最後に、請願第5号「報道機関に発出した文書の撤回等について」です。

新聞記事が間違っているなどの事実があれば、記者会見や広報よこはまなどいくらでも表明するツールを横浜市は持っています。

記事に対して、事実誤認などの指摘ではなく、記事の内容に注文を付けたり、見解を求める等の文書の発出は、公権力による圧力と捉えられてもおかしくありません。

法的根拠もなく記事の訂正などを求める報道機関へ発出した文書は撤回するべきとの請願の趣旨は理解できることから、採択すべきと考えます。

市は報道の自由を文字通り守っていただきたいということを述べて討論とします。


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