古谷議員:日本共産党古谷やすひこですどうぞよろしくお願いいたします。いじめ重大事態の報告の、X中学の報告がありました。この概要についてご説明ください。
議長:隅田人権健康教育部長
住田部長:今、古谷先生から概要ということでどのぐらいのボリュームの概要をお伝えすればちょっと迷ってしまうところですけども、非常に簡単にお伝えさせていただきますと、令和2年度当時、中学3年生だった生徒が同級生5名から受けたいじめについて調査した事案です。当時の教員の対応により、当該生徒が苦痛を受けたとの申し出を受けております。当該生徒は、当時不登校になりましたが、現在は卒業して大学に進学しております。
古谷議員:はい、ありがとうございます。当該生徒が1年時の担任の行為が、当該生徒に苦痛を与えることになったというように教育委員会の調査で報告されています。担任のどんな行為で苦痛を与えたと考えていますか?
住田部長:一つはその担任は、担任かつ部活動の副顧問という二重の立場を有していたために、部活動と学校生活に対する注意を混在させたこと。もう一つは、当該生徒が望んでいないことに気が付かずに、学級内において部活動で披露した芸をクラスでもさせようとするような発言をしたことについて、この2点で苦痛を与えたいという風に理解しております。
古谷議員:担任の先生は、この当該生徒が自閉症スペクトラムであるということを知らなかったのでしょうか?
住田部長:小学校時代からの申し送りによって知っていたと認識しています
古谷議員:自閉症スペクトラムですね。チック症状も出ていたと報告には出ています。そういう当該生徒に、あまりにも障害理解が欠いた行為じゃないかというふうに思います。墨田部長いかがですか?
墨田課長:当該教員が、障害特性の理解が足りずに生徒に苦痛を感じさせてしまったことは、非常に重く受け止めております。当該教員へ当然、指導をしておるところです
古谷議員:はい今、当該の先生は現在も担任についていると聞いています。指導されたというふうに聞いたんですが、どんな指導されて、どう改善されたと思いますか
住田部長:はい、指導についてですが人権的な…人権や特別支援についての理解不足というふうに認識しておりますので、傾聴の姿勢と生徒理解に基づく生徒指導に努めるように、学校教育事務所が厳重に注意した上で、人権についてや、特別支援教育に関する研修を受けさせました。これらの取り組みを通して、改善が見られておりますが、引き続き注目して、注視して指導して続けていきたいというふうに考えております
古谷議員:自閉症スペクトラムという病態というんですか?病気は特殊なものなのでしょうか?
住田部長:現状としまして極めてまれな特殊な状況ではないというふうに考えております
古谷議員:私の一番下の子も自閉症スペクトラムを患っております。非常に特徴がね、様々困難の度合いがそれぞれ違います。そのことが分かっていながら、こういう対応したっていうこと自体が私は本当に考えられないひどい中身だというふうに思っています
2年生の時の保護者によると、校長も担任や教科担当教員の落ち度について認めたというふうに記載があります。この落ち度とは具体的何なのでしょうか?
住田部長:不登校時補助をしていた教科担当教諭は、学校に行きづらい状態の当該生徒が遅れて登校し、保健体育の授業のために着替えを行っている時に、「遅い、早くしろ」というような趣旨の無配慮な物言いで当該生徒の着替えを急かしたとかそういうことだと捉えています。
古谷議員:やっとの思いで不登校から少し学校に来たというところで、そういう声をかけたっていうこと自体、自閉症スペクトラムのお子さんへの障害理解が全く足りてない。
1年生の担任だけじゃないんじゃないですか?いかがですか?
住田部長:そういう意味におきましては1年時の担任だけではなく、現在2年生をやっいたり、教科担当の教員の話をいたしましたけれども、それはもっともだと思います
古谷議員:3年時に、休み時間中に児童生徒の机の前面にテープのりが貼られるということがあり、授業中は我慢をして、授業後に担任に申し出たということがあったそうです。本当にひどい話だなと思います。これを、担任に申し出たところ「これはバッチリ貼られていますね」と、これがクラスで起きたことはショックだと言ったまま何もせず立ち去ったと、保護者が申し出ています。これ事実でしょうか?
住田部長:ご指摘された点につきましては、保護者の申し出として認識はしておりますけれども、第三者委員会の調査の中では、具体的な言葉や行動等は事実としては報告されてはおりません。なお3年時の担任は、この件について行為者の特定作業や当該生徒からの聞き取りを行わず、学年等への情報共有も行っていなかったということが報告書に記載されております。
古谷議員:そういう報告書…報告を怠ったことについていかがですか?
住田部長:これは、現在のいじめの対応において組織として対応するという過程においてからも、この報告を怠ったというところは担任の見逃せない部分だと思います。
古谷議員:教育委員会の調査では教員がこういう言葉をかけたということは認めてないということですか?
住田部長:言葉かけにつきましては、どういう言葉を使ったかということについては、認識しておりません。ただ、繰り返しになりますけれどもこの3年時の担任が行為者の特定作業や当該生徒から聞き取りを行わず、つまり、対応をせずに報告等も行っていなかった、情報共有も行っていなかったということは認識しております。
古谷議員:スライドをご覧ください。今回の事案ですね保護者の方はですね度重なる教員によるいじめだ
というふうに訴えられています。懲戒処分に関する指針にはスライドで今、示したとおりですね、教員によるいじめということも児童生徒へのいじめということも出されています。今回の事案、教員によるいじめであるのか、ないのか見解を伺います
住田部長:今回の報告書では、全教員が当該生徒の障害特性に対する理解が不足しており、先生ご指摘のとおり十分な合理的配慮がなされていなかった点は否めず不適切な対応があったことは認められると指摘されております。しかしながらいずれの教員についても当該生徒・保護者が言うところの教員によるいじめと評価されるような恣意性、悪意性を認めるに足りる指導を行った事実は確認できなかったということも報告書に記載されております
古谷議員:今回の報告は、教員による調査はこの本件事案ではない、本件の委員会の対応ではないというふうに書かれていますが、そこまで断じられるんですか?
住田部長:私たちが断じる、断じないということではなく、この報告書の中でそういうようなご指摘を受けている、記載されているということを私たちは理解しているということです。
古谷議員:教員によるいじめは、横浜市いじめ問題専門委員会で取り扱うでしょうか?
住田部長:そのことだけを取り扱うということはございませんが、様々な対応がどのようにあったのかということに踏み込んで、例えば教職員の対応、教育委員会の対応というところは、いろいろ調査は行っているところです
古谷議員:教員によるいじめという訴えは多分、議員の皆さんもあちらこちらで聞いていると思うんです。これですね、この対応について何て言うんですかね、今まで教員によるいじめの調査っていうのはされたことないんでしょうか?
住田部長:市教委では不適切な対応として教員から…教職員から児童生徒への対応についての調査は行ったことはございます
古谷議員:どんな調査でしたか?
住田部長:具体の、調査の内容まではここで申し上げることはちょっと資料がないので、できませんけれども、どういった内容で児童生徒に対して教職員が行ったのかというようなことも含めた事実確認も含めた詳細でございます。
古谷議員:これは調査をやっているということです。今まで不適切な行動だというふうにおっしゃられたんですけど、その中身は児童生徒へのいじめというものが含んでいるんですか?含んでいないんですか?いかがですか?
住田部長:先生のおっしゃられている教員によるいじめというものはいわゆるここにもございますけれども、いわゆるいじめ等と書いておりますけれども基本的には一般的にハラスメント、不適切な指導という風な範疇の中における一つの文言だというふうに考えております
古谷議員:いじめというのは存在しないということですか?
住田部長:行為自体は存在しております。それがどういう行為についてどういう文言でその言葉をくくるかということについてだと認識しています
古谷議員:このすれ違いが、この報告書の中でも出ているんですよ。まさに教育委員会がそのことを認めないがために最後の最後まですれ違っているんですよ。この報告書、保護者の方認めたのでしょうか?
住田部長:認めている部分もあるとは思いますが、ご不満を持っているというふうには聞いております
古谷議員:再調査の申請はされていますか?
住田部長:再調査を申請するという制度はございません。所見を提出するということはされております
古谷議員:それはどんな所見でしょう
住田部長:所見の中身までは現在ここで申し上げることはできませんけれども、事実の部分とそれに伴う内容が書かれているというふうに考えています
古谷議員:教育長、今やり取りを聞いていただいて教員によるいじめというものを、私も調整の時にもすれ違ったんですね。この部分、保護者の方は一貫として教員によるいじめであるということを言っていて、この報告書は教員によるいじめはこの範疇じゃないんだということで、この報告書では、ほとんど書かれていないんですね、その部分については補足する資料などで調査をされたというふうに聞いています。教員によるいじめ児童生徒へのいじめという行為については調査ができる仕組みを教育長、作るべきじゃないですか?いかがですか?
下田教育長:まず今、委員がお話をされた子どもにとって学校が安心できる場であるということを、そのことはもう大前提だと、そこについては私もそういうふうに思っています。去年4月に就任してから何回か申し上げていますけれど、私自身は、2万人教員がいらっしゃって…横浜市には、2万人教員おりますけどもその教員と子供の接触の中で、教員は優位な立場にありますので、教員が子どもに何かをする行為今、いわゆるいじめという言い方をするケースっていうのは結構あるんですけども、いじめにかかわらず様々な法律や、あるいは子供を傷つける行為そのことはあってはならないと思います
今回、他の都市で作っているわけではありませんけれども、ガバナンスという形でスリーラインを入れようという形で研究してやっているのは、不適切な行為、法に反する信頼を受けない行為をどのように察知してどのように弁護士も入れながらやっていくかという意味で今回入れたものでございます。先生が言われているいじめと、いわゆるいじめという行為は、先生が子供を傷つけたという意味ですのでこれ自体は、本来あってはならない、リスクコンプライアンスに抵触する行為だと思いますので、我々としては新しい組織を作りながら、なかなか全国の教育委員会の中でうまく仕組みが作れておりませんけれども、ここには向き合っていきたいと考えています
古谷議員:教育長、ありがとうございます。こういう言葉の問題ではなくて、起こった行為について保護者の方が教員によるいじめであるというふうに訴えていることについて、いやいやそういうことはありませんよということを言うんでしょうか
下田教育長:まず一つは、事実があったことを教育委員会ということではなくて、今回のガバナンスもそうですけども、客観的に第三者を入れるということをしようということは一つです。もう一つは今回の調査報告の中で、関係する子どもにも弁護士の方聞き取り等されているということなので、今回客観的な報告がそのように示されているということなので、その部分について、我々が報告をまとめていただいたことに対して、違うか自覚はないかということではなくて、報告はそのようにまとめられたという風に先ほど答弁したのでそのことについては事実として報告をされたということを理解しています。
古谷議員:その報告されたことについて教育長はそれでいいということなのかどうなのか伺います
下田教育長:まず今の時点で第三者が入った調査が行われておりますので、その事実を受け止めて所見等も出ておりますので、その後の対応の中で適切に判断をすることになると思います。
古谷議員:第三者とおっしゃられたんですが、これ教育委員会そのものの機構だと思うんです。それで今回の経過見てると、調査報告は出るのがあまりにも結果が遅すぎだと思うんです。結局じゃあこの報告書は何のために出すのかっていうのが非常に疑問に思います。いかがですか?
住田部長:いじめ重大事態の調査につきましては児童生徒の心のケアや必要な支援を講ずることも目的になっています。これまでの調査においては、初動が遅れ問題が複雑化した中で調査にも時間を要していることが多く課題と捉えており、今回のいじめ防止権を方針の改定素案の中で専門委員会調査についても1年で終えることを目標に迅速化して取り組んでまいります
古谷議員:先ほどのやり取りの中で、保護者の方から再調査との申し出がされたというふうに聞いています。この報告書で納得ができない時、そういったことができるということなんですが、過去の再調査の申し立て件数と再調査に至った数伺います。
住田部長:いじめ重大調査の調査に関するガイドラインでは、教育委員会が行った調査に対し被害に遭った児童生徒や、保護者が所見を提出することができるというふうにされております。これはご存知のとおりです。実際、所見が提出された事案は3件ございます。所見の内容や調査結果等の相互を総合的に判断して再調査を行った事案はございません。
古谷議員:副市長、すいません。市教委へ不信があれば、市教、部局等にやっぱり再調査申し出るそういう所見を出すということは当然だと思うんです。これは今まで3件申し出たけど、再調査されてないということについて、機能してないんじゃないかと思いますがいかがですか?
伊地知副市長:市民局の方に設置されている調査委員会も、横浜市が教育委員会を持っているものとは別の先生方が集まって調査をできるような体制をつくっており、今までの重大事態調査のケースができるだけその保護者のご意見を聞きながら、それに沿った詳細な調査をしてきた結果、新たな事実がこれ以上見つかるかどうかという観点で見て、おそらくその再調査の必要はないという判断をされたというふうに思っておりますが、その再調査が行われなかったから機能しないということではなくて、そういうものがきちんとあって、別なその調査機関が調査するその権限があるというところが大事だというふうに思っています。
古谷議員:ありがとうございます。じゃあ続けてスライドご覧ください。いじめの重大事態は今年度激増しています。これは今年が異常な数字なのか、今までが異常な状態だったのかどちらでしょうか?
住田部長:これまでの間再発防止に真摯に取り組んでまいりました。そのことは古谷委員もご存知だというふうに思っております。いじめについて法令に沿った対応を進めるという大きな方針のもと、いじめの確実な認知や、不登校となった段階でいじめによる欠席かどうかの精査が進んだこと、さらに一要因にいじめが疑われる場合には、速やかにいじめ重大事態調査を移行するとそういう中で、結果として調査件数が増加していると捉えております。
古谷議員:今まで重大事態があまり出てこなかったのは何が原因だと思いますか?
住田部長:様々、事実確認等を経る中で事実として確認していることなどがあったり、例えばその調査に関係する要因などを丁寧に保護者にご説明したりということを、経る中で調査に移行していたというふうに考えております。
古谷議員:それにしても、昨年は2件で今年は41件と、激増異常な事態だというふうに思います。教育長、この激増する重大事態本当に対応大変だと思うんです。1件ずつ、人員も含めて、足りるでしょうか?
下田教育長:この間を反省の中で子どもが、いじめを感じたという疑いがあるケースの中では、速やかに法に則って移行する判断方針をしております。当然、数は増えています。先生もご承知だと思いますけれども、全国で見ると非常に少ないところと横浜と本当の一部の都市だけが法にのっとった形でカウントしていっていうことになります。ただ今法律がある以上我々はそれと向き合っていますので、今回は対策部を作って体制も増員した上に、弁護士を含めた法的な対協力体制も作っています。
ただいろいろ研究していく中では、不登校でそのいじめを感じたというケースの中では、スピード感を持って早く調査の結果を出して支援につなげて、次につなげてあげた方がいいケースがあり、ある中でちょっと横浜の場合は大変重くやってですね、弁護士の方からも協力していただいて時間が結構かかっちゃうっていう調査、聞き取りをかなりやってやってるケースもありますので、ケースに応じて少しやり方についても他都市の研究をしながらやることと合わせて、体制自体強化しましたのでそこに向き合っていきたいと思います
古谷議員:指摘を色々させていただいたんですが、こういった報告書をきちっと出して、報告しているって事自体は大変素晴らしいことだというふうに思っているんです。だからこそ、これをどう生かすのかっていうのがすごく大事だと思うんです。今回体制を一定、整えられたんですけど、私は本当に、現場の体制を整えてもらいたい。これだけの激増する事態にですね、現場の先生方、本当に困っていると思うんです。そこの体制を拡充することが一番大事なことだというふうに思うんですけど、教育長いかがですか?
下田教育長:先生もご承知のように、先生からもちょっと評価いただいてきましたけども、スクールカウンセラーという別の意味のサポートは入れたんですけども、この間やっぱり私も実際の学生とも話しましたけれども、大変教員にかかる責任も重くなっているという印象が、様々なところで教員になろうとする人たちがやはり不安になっていますと。未来を考えた時に、教員を確保するにも質の高い教員に未来を感じてもらわなきゃいけませんので、先ほど申し上げましたけども、教員になるという魅力と負担の軽減をしさらに確保についても、並行して進めるという取り組みを合わせてやっていく。これは我々だけではなく国も含めて一体となってやらないと。これから先こんな重い仕事を受けられないという苦しみの中で教員を目指している学生さんが来てくれないことが未来の損失なので、先生ご心配いただいた通り、私自身も今がすぐにでも癒したいけども、そういう意味では、制度も含めて全体として変えていけるように我々もしっかり国にも伝え、先生とも協力させていただいてそうなるように頑張っていきたいと思います。
古谷議員:ありがとうございます。いじめの問題に一人一人の先生がきちんと向き合える体制を作っていただくことを要望して質問を終えます。ありがとうございます。