見解/声明
2011年5月31日

2011年5月市会(第2回定例会)閉会にあたって

2011年5月31日 
日本共産党横浜市会議員団
団 長  大 貫 憲 夫

1.はじめに

 改選後はじめての議会として開催されていた第2回定例会(5月市会)は、本日の本会議で、林市長提出の18議案すべてを賛成多数で可決し閉会しました。選挙直後にもかかわらず、突然、敬老パス制度改悪案が提案され、選挙公約に照らし各会派の対応が注目されました。また、東日本大震災を受けての本市の震災対策補正についても時宜にかなったものであるかどうかが問われました。
 横浜市議会の慣例として選挙直後の第2回定例会では、議会人事と議案、請願の審査に限られ、一般質問は行われません。議案関連質問は、岩崎ひろし議員、反対討論は、古谷靖彦議員が行いました。日本共産党は、審査を経て、敬老パス制度の改悪案をはじめ受験競争の低年齢化をもたらす市立南高校付属中学の設置など6件の議案に反対しました。

2.議案関連質問と審査の特徴

 岩崎ひろし議員は、敬老パス条例の改定案と震災対策について市長に質問しました。
 高齢者の外出支援などを目的とした敬老パスは、横浜の誇るべき福祉施策です。市は、高齢者の増加で市費負担増が増えることを理由に、2009年から3案の利用者負担増を議会に示し、2011年10月実施を目論んでいましたが、担当常任委員会が見直しスケジュール案を認めず、事実上見直しは凍結されていました。ところが市は、今議会に今年10月実施、平均11%の利用者負担増などの見直し案を提出。
 岩崎議員は「改定案には市の財政負担を抑えているが、生活保護受給者に負担金を新設したことをはじめ、利用者に負担増を押し付けるものであり、高齢者の福祉制度に反するといわざるを得ません」と述べ、市長の見解をただしました。市長は「議会でも議論を重ねており、市民3万人アンケートも実施し、市会や市民の声を十分に聞いた上で提案した」と述べるとともに、「低所得者に十分配慮して見直した」と答弁しました。
 市は、東日本大震災を受けて市の防災計画を見直すとしています。岩崎議員は、見直しにあたって、津波の河川遡上、横須賀の米軍原子力空母の存在を考慮し、石油コンビナートの災害対策を国・県・企業任せにしないように要求するとともに、被災者の受け入れ対策を新たに計画に加えるよう求めました。
 また、市内の市営住宅等に入居した被災者への入居期間の延長、生活支援費の支給等の待遇改善を要求。
 敬老パスにかかわって、民主党は、市議選の法定ビラで「利用者の負担増にならないよう制度を存続」と公約しながらも、負担増の見直し案を「苦渋の選択」といいつつ自民、公明、みんなとともに賛成しました。公約違反をどう有権者に説明するのでしょうか。反対討論にたった古谷議員は、利用者に負担増を押し付ける原案の撤回を求めました。
 同党の公約違反は、これにとどまらず、中学校給食実施をもとめる請願でも現出しました。請願は、給食等実施にむけて昼食状況の調査と、調査結果でその必要性を認めた場合は、その検討開始をそれぞれ求めるものでした。前出の法定ビラには「中学校の給食導入にむけて検討」と請願項目と同じ趣旨の文言が明記されています。にもかかわらず、ここでも自民、公明とともに請願を否決してしまいました。

3.議会人事の選任

 定例会の冒頭には、議会の構成を決める人事が行われました5月17日の市会本会議で、常任委員会等の各委員などの選任が行われました。
 常任委員会には、大貫憲夫議員は、経済・港湾委員。荒木由美子議員は、政策・総務・財政委員と議員運営委員。岩崎ひろし議員は、建築・都市整備・道路委員。白井正子議員は、こども青少年・教育委員。新人の古谷靖彦議員は、健康福祉・病院経営委員にそれぞれ選任されました。
 議席数から、温暖化対策・環境創造・資源循環、市民・文化観光・消防と水道・交通の3常任委員会は党議席空白です。神奈川県後期高齢者医療広域連合議会議員には、選出されました。
 選挙で争点になった議会改革は、今議会で設置が決まった「横浜市会基本条例制定調査特別委員会」で、2年を目途に論議することになりました。

以上


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