保険証廃止による国民皆保険破壊は許さない
みわ議員:日本共産党のみわ智恵美です。党を代表し質問します。
最初に、マイナ保険証についてです。
保険証を廃止し、マイナンバーカードへ一本化することによって、任意であるはずのマイナンバーカード取得が事実上強制されようとしています。
6月2日の法案成立後に全国紙4紙が「見直しは今からでも遅くない」「一本化は生命や健康に影響」等の社説を掲げる事態です。
神奈川県と県内の全33市町村、6つの国保組合、後期高齢者医療広域連合が国に提出した要望書では、現在起きている様々な問題に「利便性を発揮する以前に解決すべき課題」だと指摘し、「マイナンバーカードと健康保険証の一体化をしても保険診療を受けることができない事態が生じる可能性がある」としています。国民皆保険制度のもと、保険者として横浜市は国民健康保険証を必ず送付していましたが、政府が健康保険証を強制的に廃止することを決めたために市民には届けなくなります。市民の健康や命を守り、国民皆保険制度を運用する国保保険者である市長として、保険証の廃止をどう受け止めているのか、見解を伺います。
山中市長:みわ議員のご質問にお答えします。
マイナ保険証についてご質問をいただきました。保険証の廃止についてですが、非保険者の方々が安心して保険診療を受けられるよう、医療保険の資格情報を適正に提供・連携することが保険者には求められます。本市としては、国の動きを注視しつつ、適正に保険診療を受けられるよう、準備を進めます。
みわ議員:岸田首相は「来年秋の保険証廃止」を変えずに、今度はカードを取得しない被保険者の方などには資格確認書を発行するとしています。マイナンバーカード取得状況の確認も含め、膨大な量の事務作業と関連する様々なトラブル対応が予測されますが、誰がこの仕事をやるのでしょうか。結局は、国民健康保険の方へは横浜市がこの作業を担うことになります。これらの事態に対する市長の見解を伺います。
しかも、資格証明書は、ずっと発行し続けるわけではありません。数年間のみとされています。保険料は収めているのに、資格確認がとれず、保険医療が受けられないという事態が起きかねません。解決策はいたって明快です。これまでの保険証の発行を進めれば良いということです。現行保険証を存続させ、国民皆保険制度を守る確かな道を進むことを求めます。
山中市長:資格確認書の発行事務に関する対応についてですが、資格確認書の様式、有効期限、発行方法などの詳細について、現時点で国から示されておりません。本市としては、他都市と連携をし、明確な事務取扱いを早期に示していただくよう、国に求めております。
コロナ9 波を止める市民への啓発強化を
みわ議員:現在コロナ感染症が横浜市内でも拡大し、学級閉鎖は夏休み明け直後は6学級、直近は31学級と、拡大していると聞いています。国が新型コロナウイルス感染症を2類から5類に引き下げたとはいえ、ウイルスの変異と今後の展開は不透明です。5類の新型コロナウイルスに対して、地方自治体として横浜市は今、何をしなければならないのか、いかに対策をとることが市民の安心安全なのかを検討すべきではないでしょうか。
8月22日に市教委が学校長あてに発出した「(依頼)」には「感染流行期の感染症対策について」となっていますが、対策をとるべき「感染流行期」のとらえ方は、各学校まちまちだというのです。横浜市として独自の明確な基準を設けて、手洗いやマスクをつけること等の市民が感染拡大を防いでいこうという啓発につながるような情報を発信するべきと考えますが、市長の見解を伺います。
夏休み前に、市教委は、新型コロナ感染症への注意喚起を行っていませんでした。休み中には夏祭りや子ども会、合宿などの行事も目白押しで、適切な注意喚起がされていれば、マスク着用などで参加が難しくなくでき、感染リスクを軽減できたかもしれません。新型コロナ感染症対策について、学校任せではなく、学校から各家庭に届くように注意喚起を発信すべきと考えますが教育長の見解を伺います。
山中市長:市独自で基準を設けて注意報を発信すべきとのことですが、他の感染症と同様、国におきまして全国統一の基準を設定することが望ましいと考えております。その上で本市としましては、毎週定点あたりの患者数を公表して、注意喚起を行うとともに、適時感染状況等に応じて、SNSやホームページ、広報よこはまなど様々な媒体にて、情報提供を行ってまいります。
鯉渕教育長:新型コロナウイルス感染症対策についてご質問いただきました。感染症の注意喚起ですが、これまでも学校では学級閉鎖を行った際や、校内で感染者が増えている際など、機会をとらえて各家庭へ注意喚起しております。教育委員会では通知やガイドライン等を改定するともに、学校の状況を踏まえ各家庭にご協力いただけるよう、学校からの発信を促してまいります。なお、7月につきましては、一日学校全体で学級閉鎖も少なかったことを踏まえ、感染症に関する注意喚起の通知は発出しておりませんでしたが、夏休みの生活全般については、感染症や熱中症の注意を含めて、学校から各家庭に通知しております。以上、御答弁申し上げました。
平和でこそミナトは栄える
みわ議員:今年1月11日に合意された「日米2プラス2」は、日米同盟の新たな安全保障の枠組みで、敵基地攻撃を実行することを盛り込み、中国包囲網のミサイル基地を南西諸島や沖縄に整備し、横浜ノース・ドックに280名もの常設部隊を配備して戦争遂行の拠点機能を持たせるものです。これは、地域と住民を巻き込んだ相手国からの攻撃対象にもなりうることを意味します。
日本共産党横浜市議団は、直接ノース・ドックに対し、「米軍揚陸艇部隊の配備中止と撤回、早期全面返還を求める申し入れ」を行いました。市長も「基地機能の強化であると考えられ」「早期返還を求めている市として」「遺憾」であり引き続き「早期返還をもとめていく」との意思を示されています。
280名の米軍の常設部隊設置は基地の増強そのものであり、早期全面返還が遠のくと考えますが、市長の見解を伺います。
山中市長:横浜ノース・ドックの早期全面変化について、ご質問をいただきました。早期全面返還が遠のくとのことですが、市内米軍施設の早期の全面返還は、市民共通の願いであり、また、市政の重要課題として、市民・市会・行政とが一体となって取り組んでまいりましたこの姿勢は今も変わりはありません。今後もあらゆる機会を捉えて、国に対して粘り強く、早期の全面返還を求めてまいります。
みわ議員:小さな漁村であった横浜の港は、1859年の開港以来日本の表玄関となりました。関東大震災、終戦間際の米軍による空襲で大きな被害を受けましたが、港湾法で、横浜市が港湾管理者となり、平和な戦後世界で横浜港は繁栄を築いてきました。港で働く方々からは、「平和でこそミナトは栄える」「港湾施設を管理する自治体として戦争協力は絶対に行わないこと」との要望があげられています。しかし今、戦場に直結する部隊が常設されようとしています。市長は港湾管理者としてどのように対応していくのか伺います。
山中市長:常設部隊が設置されることに対する港湾管理者としての対応ですが、瑞穂ふ頭横浜ノース・ドックは、在日米軍に提供中の施設であり、従って港湾法が適用されないため、港湾管理者としての権限を有しておりません。本市として最も重要なことは、市民生活の安全と安心を守っていくことだと考えております。引き続き、市民生活に影響を及ぼさぬよう、対策を講じることを繰り返し、国に対して求めてまいります。
中学校給食は一番良いものを
みわ議員:次に、中学校給食のすすめるべき方向性についてです。
私は、35年前、当時幼稚園児だったわが子が中学生になるころには、できたての全員制の中学校給食をと声を上げ運動に参加してきましたが、愛情弁当論が席巻していた横浜市では、実現しませんでした。2014年に中学生の昼食は「家庭弁当を基本とし」との市教委の姿勢が示された時はがっかりしましたが、今や、山中市長のみんなが食べられる中学校給食をとの方向が示され、全員制の中学校給食が始まろうとしています。この10年で大きく変化し一気に駆け上ってきたと実感します。しかしこれから進めようとしているデリバリー方式には議会からも市民からも様々に意見が出されています。他都市でも、デリバリーからスタートしたものの様々な矛盾とぶつかり、学校調理方式に切り替えるなど、それぞれ自治体が子どもたちの健やかな成長を保障する責任を果たすために、より良い給食へ、より高みを目指して発展させています。横浜市の中学校給食は、さらに高みを目指すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
山中市長:中学校給食の進めるべき方向性についてご質問をいただきました。より良い中学校給食を目指すべきとのことですが、令和8年度に向けて新しい横浜の中学校給食の取り組みといたしまして、汁物の提供方法を保温性食缶に切り替えるなど、公募要件に盛り込みました。今後も技術革新などに柔軟に対応しながら、よりおいしい給食を提供できるよう、デリバリー型給食の改善を続けてまいります。
みわ議員:市長は中学校給食を中学生と一緒に食し、その場で、温かい給食への願いを聞かれたと伺っています。ところで、できたての給食が提供されている小学校の給食を市長は食されましたか。食べられていたら感想を、そうでないならば是非食べていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
山中市長:小学校給食を食したのかについてですが、これまで何度か小学校を視察させていただいておりますが、ここ最近はコロナ禍でもありましたので給食を試食したことはございません。
みわ議員:今回市教委から出された「新しい横浜の中学校給食の取組について」では「副食持参を可能」とあり、驚きました。量の調節ができないことでの苦肉の策でしょうか。また、今後2年間の中学校給食増産計画も、対応する事業者が無いということで全員喫食のデリバリー方式の厳しさが表れています。
党市議団は、宝塚市や高崎市など全国でも優れた中学校給食を実施している自治体を視察してきました。視察を通じてはっきりしたことは、食育やアレルギー対応、地産地消、防災、長期的な経費などあらゆる観点から、「学校調理方式」に勝るものはないということでした。他都市より何周も遅れた横浜の中学校給食として最も相応しいものは、学校調理方式を軸にすることであり、それは子どもたちの健やかな成長を保障する行政の責務だと考えています。横浜の中学校給食が、子どもたちのために最善のものとなるよう検討と発展を重ねることを改めて要望いたします。学校給食費の無償化は約1,700ある自治体で今年度内実地は既に491となり全都道府県に広がっています。コロナで収入が減った、こどもが3人いて給食費の負担は本当に大変との声が届いています。日本国憲法26条には「義務教育はこれを無償とする」とあります。「保護者負担」としている「食材料費」は、すでに1954年の事務次官通知で「学校法人その他のものが、児童の給食費の一部を補助するような場合を禁止する意図はない」とし、また、2018年12月には、給食費の「一部補助」が「全額補助」することを否定するものではないという見解が示されています。子育てを応援する横浜市として給食費の無償化を決断することが求められていると思いますが、市長の見解を伺います。
山中市長:給食を無償化すべきとのことですが、義務教育における無償とは、授業料の無償を指し、その他の実費的な費用一切を無償とするという意味ではないと解されております。給食費については、学校給食法で、学校設置者と保護者との負担区分が示されており、食材費については保護者の負担とされているため、現時点での無償化は考えておりません。
市民の身近なところに図書館を
みわ議員:市民の願いと公共図書館の役割を再評価していく図書館ビジョンの策定において、横浜市は新しい図書館像を考えるためのワークショップ(総勢参加160名)を開催しました。ここに参加された山中市長は「図書館は子育ての核になる。居心地が良く、通いたくなる場所にしたい」と述べ、世代交流機能を求める声に注目されたと報道されています。「ユネスコ公共図書館宣言」も「地域において知識を得る窓口である公共図書館」は、包摂性とアクセス可能性のバージョンアップを強調しています。まさに、市長が言われた子育ての核になり、誰にとっても居心地よく通いたくなる場所が求められています。多くの市民が願っている市民の身近な場所に図書館があるということが大切ではないでしょうか。見解を伺います。
山中市長:図書館ビジョンの策定についてご質問をいただきました。身近なところに図書館があるべきとのことですが、本市では財政ビジョンにおきまして、公共施設全体として、規模・数量・コストなどを将来の人口や財政規模に見合った水準へと適正化していくこととしております。図書館につきましては、他都市の先行事例等も検証した上で、居心地の良い環境づくりに向けまして、施設の整備を含め、様々な図書館サービスの推進を検討してまいります。
みわ議員:現在横浜市は図書館が一区に一館という中で、一部の市民にはその存在さえ知られていないという現実があり、これは「知識を得る窓口」たる図書館の窓口さえ見えないということです。かつて「ゆめはま2010プラン」では、26館構想も出されていました。目立つ巨大な図書館を建てるではなく、市民が歩いて行ける身近なところに、子育て中の方も障害がある方も、高齢者も気軽に行ける、地域の図書館の建設を要望します。
年度内にまとめるとして図書館ビジョンは、性急な決め方ではなく、時間をかけてより一層市民の参加を進めながら策定することが必要だと考えますが、市長の見解を求めて第1回目の質問を終わります。
山中市長: 市民参加についてですが、令和4年度は市民アンケートを実施し、令和5年度は市民ワークショップを開催し、市民の皆様のご意見をさらに集めました。それらを参考に基本的な方向性をまとめまして、年度後半に素案を作成し、市民意見の公募を経て、原案を取りまとめます。以上。みわ議員のご質問にご答弁を申し上げました。残りの質問につきましては、教育長から答弁をいたします。
第二質問
みわ議員:新型コロナ対策について伺います。夏休み明けに横浜市立学校での新型コロナによる新規の学級閉鎖が拡大し、政府も今は第9波としています。市長が感染症や濃厚接触者へのマスクの着用の基準について啓発は十分にされているのでしょうか、市長に伺い教育長にも学校から先程お話ありましたけれども、感染者や濃厚接触者へのマスクの着用について啓発や伝達が必要だと思うんですけれども、丁寧な連絡伝達は直接行われているのでしょうか伺って終わります。
山中市長:マスクの着用についてご質問をいただきました。国はそれぞれ個々の判断を尊重しているとしておりますが、現在本市におきましてはマスクをつける、着用する基準につきましてどういった場面で着用すべきかそういったことに関し、適宜やホ-ムペ-ジ等で啓発を行っております。以上、みわ議員のご質問にご答弁を差し上げました。
鯉渕教育長:コロナ対策につきましては、私どもガイドラインを定めて学校に通知しております。その中でマスク着用につきましてですが、まず一点目は屋外であるとか体育等の中では熱中症の危険の方が大きいと考えておりまして、マスクを外すことを基本とするということで伝えております。その他の場面におきましては、本人・家庭の判断が基本かと思っております。二点目は体調の悪い場合には休むことを進めております。それから三点目として感染流行期につきましては、手洗いうがい室内でのマスク着用を進めております。以上、ご答弁申し上げました。