◆みわ委員 日本共産党のみわ智恵美です。党を代表し質問いたします。
委員長、スライドの使用をお願いいたします。
○磯部副委員長 どうぞお使いください。
◆みわ委員 横浜市の高齢者用の市営住宅において、この9月、居住されている方が亡くなられました。発見が数日後だったということで、御家族の心情を思うとたまりません。
経過を説明ください。
◎鵜澤建築局長 まず、この場をお借りしまして、お亡くなりになられた方の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に哀悼の意を表します。経過でございますが、今回お亡くなりになられた方は、12時間以上室内の動きがないとセンサーが反応しそういう事態が生じているというようなことを知らせる緊急通報のシステムが備えられておりました。ところが、そのセンサーがきちんと12時間後に反応しませんでその通報が遅れまして、その後、生活援助員が室内に確認に入って発見をされるというような状況であったということでございます。
◆みわ委員 お住まいだったのはシルバーハウジングプロジェクト住宅で、高齢者に配慮した設備と仕様、また、生活援助員の派遣で定期的安否確認と、緊急時の対応としては24時間体制で緊急通報運営会社が対応と聞いています。現在、今御説明がありました生活援助による安否確認はどうなっていますか。
◎足立住宅部長 生活援助員は、健康福祉局の委託を受けた社会福祉法人から派遣されています。入居者の在宅生活を支援するために、週に2回、半日程度、住宅内に併設されております生活相談室で生活相談や安否確認、緊急時の対応などのサービス提供を行っております。
◆みわ委員 個別の生活援助員の方の責任ではないことは改めて確認したいと思いますが、発見が遅れたのはセンサー異常だということです。機械は故障するということを改めて肝に銘じなければならないと思います。この夏、千歳市で実施しているシルバーハウジングのサービス提供を視察しました。(資料を表示)こちらのスライドは千歳市の市営北栄団地、次はこの市営住宅の中にある高齢者相談室、見守り拠点の事務室、こちらのスライドは横浜市のシルバーハウジング住宅でも設置されている室内のブザーと電話、次はお風呂のブザー、こちらはトイレのブザー、次はペンダント型のブザータイプです。そして、こちらが各居室を生活援助員の方が見守りをしているときの案内板です。ただいま安否確認中のため不在です、お急ぎの方はと、今日は消してありますけれども、援助員の携帯番号が書かれています。千歳市では、生活援助員の方は月曜から金曜まで一日午前と午後の2回、安否確認がされています。社会福祉法人がサービスを実施し、市営住宅担当と福祉分野担当が連携した取組としては、横浜市と同様です。
横浜市でも今回の事案を教訓にシルバーハウジングプロジェクト住宅での安否確認をまずは人が毎日行うなどの拡充を健康福祉局と連携して行うことが求められているのではないでしょうか、伺います。
◎足立住宅部長 横浜市では、現在、週に2回、生活援助員が詰めております。こういう制度になりましたのは、健康福祉局から情報を確認したところ、平成15年に、それまで週5回詰めていたことを変更して週に2回詰めることとしています。これに先立ちまして、国のほうの要綱も変更されております。そうした状況に対応して横浜市のほうも制度を変えているという状況でございます。
◆みわ委員 そこは、やはり横浜市としてもこのような事案を受けて考えるべきだと思います。新しい横浜市住生活基本計画素案では、ますます独り暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が増えるとの予想の下、今年から2031年まで、この高齢者用市営住宅等での相談、安否確認対応を実施、推進としています。市営住宅等となっています。
高齢者用住宅だけでなく現在の市営住宅の中にお住まいの高齢者にとっても住み慣れた地域で生き生きと安心して暮らし続けられる住環境の形成としてこのサービスのさらなる拡充は喫緊の課題だと考えますが、見解を伺います。
◎鵜澤建築局長 まずは、今回センサー異常がありましたので、同じタイプのセンサーというものを早急に交換して、より適切な定期点検の方法などを確立しまして、再発防止に努めていきたいと思います。その上で、さらに今後、見守りがどうあるべきかというところも関係局を含めまして意見交換をさせていただき、今後、より安全安心にお住まいいただく、そういう機能というのは検討していきたいと思います。
◆みわ委員 拡充、推進することを強く求めます。
次に、港南区港南地区センターレクリエーションホール天井部材落下事故がありました。
このような市民利用施設の調査、点検の在り方はどのようになっているのか、伺います。
◎肥田公共建築部長 建築局では、建築基準法による点検、劣化調査を有資格者により実施しております。また、施設管理者は日常点検を行っており、年に一度は建築局に点検結果を報告していただいております。それぞれの結果を関係者で共有し、不具合の程度に応じて建築局での修繕工事、もしくは施設管理者による簡易な修繕などで対応しておるところでございます。
◆みわ委員 当該の港南地区センターでの天井部材落下事故の実態を説明ください。
◎肥田公共建築部長 今回の落下は、天井そのものということではなく、端部を保護する軽量な部材がボールの衝撃などによって緩んで落下したと考えられます。同一建物内のほかの部屋では落下の心配はございませんでした。今後も、日常の維持管理の範囲で点検頻度を上げることで危険を回避できると考えております。また、建築局では、今回の事故を受けまして、全区局宛てに注意喚起の文書を通知し、改めて日常点検を促しているところでございます。
◆みわ委員 (資料を表示)こちらのスライドは、お話がありました落下したアルミ製の天井部材です。約600グラムです。水が満タンに入った500ミリペットボトルよりも重い金属が3メートル以上の高さから落下しています。人的被害がなかったのが不幸中の幸いですが、こちらは、剥げ落ちておりますが、部材が落下した天井部分、こちらはレクレーションホール天井部分です。
建築局は今言われたように各局に注意喚起の文書を発出したということですが、各区局の受け止めはいかがですか。
◎肥田公共建築部長 今回の文書の通知によりまして、各区局及び施設管理者が改めて日常点検を行う契機にはなったと考えております。また、港南区役所では念のため天井を再点検し市民の方が安心して使用できるように対応する方向だと聞いております。
◆みわ委員 事故があった港南区では、地区センターのより詳細な調査をして、利用する方が本当に安心できるように万全に取り組みたいと。緩んでいたのは1か所だけではなかったと伺いました。公共建築物の長寿命化対策事業はどのような考え方の下に行っているのか、伺います。
◎肥田公共建築部長 長寿命化対策事業では、一定の周期で計画的に修繕をしていく計画修繕ではなく、点検による劣化状況を踏まえて改修の必要性を決める状態監視保全を行っております。これによりまして、施設の安全性の確保とライフサイクルコストの縮減を両立させているところでございます。
◆みわ委員 内装業の方と学校の老朽化調査を視察したことがありますが、そのときに、こんなにペンキが剥がれてぼろぼろになる前に塗り直しすればきれいで快適だし長もちすると思うけれども、市や県はやらないんだよねと話されました。もうここまで行ったら大規模改修しかないというところに行く前に利用する市民にとって快適で安全な環境を保つ取組は地域の仕事おこしにもなり、横浜市中小企業振興基本条例の推進となり、公共建築物の長寿命化対策にもなると考えますがどうか、伺います。
◎鵜澤建築局長 御指摘いただきました方法というのは、一定の周期で計画的に修繕をしていくという計画修繕という考え方でございます。本市におきましては、まだ壊れていないけれども今やったほうがさらに寿命が延びるというようなところまでの対応はできておりませんが、点検によりまして劣化の状況をしっかりと把握して、改修の必要性を見極めるとそれによりまして対応していくという方法を取ってございます。現在のところは、その方法で取り組んでいきたいと考えております。
◆みわ委員 本当に快適で安全安心、そこを目指していただきたいと思います。
次は、建築局におけるゼロカーボンヨコハマの取組について御説明をお願いします。
◎鵜澤建築局長 まず、住宅の省エネ化に向けましては、市民の皆様が自分事として取り組んでいただけるよう行動変容を促すことが重要でございます。今年度、断熱性能の高い住宅のデータ等を収集分析するための事業を実施しております。そこで得られた省エネ住宅のメリットを、大学や事業者などと連携しまして、市民の皆様に分かりやすくPRすることで行動変容につなげてまいる考えでございます。
◆みわ委員 省エネ化に向けての行動変容というのが中心に聞こえますけれども、もっと具体的に、市営住宅の屋上を提供するなど、省エネだけではなく創エネ導入の取組を建築局としても推進するべきと考えますが、いかがですか。
◎鵜澤建築局長 市営住宅の建て替えや大規模リフォームの際には、外壁や窓の断熱化に加えまして、高効率給湯器などの省エネ型の設備機器を設置することとしております。創エネ設備である太陽光パネルにつきましては、既存の住宅も含めまして建物の屋根を活用し、民間企業と連携した導入手法を検討してまいります。
◆みわ委員 子供たちの未来がかかっておりますので、横浜全体として目標値を達成しさらに推進するという立場で、建築局としても省エネの推進はもちろんのこと、再生可能エネルギー対応など、あらゆる可能性を探求し取り組むことを求めます。
気候危機の中での大雨や予測されている大地震から市民の生命、財産を守る崖地防災対策の推進について引き続き伺いますが、市が命の危険がある崖地と認定した崖のうち、特に危険とした箇所の2020年度からの3年間の推移と減少の理由を伺います。
◎中澤企画部防災担当部長 令和2年度末時点で102か所あった即時避難指示対象区域は現在85か所となっています。減少した主な理由として、崖地所有者等により擁壁工事が行われたもの、急傾斜地崩壊対策事業が行われたもの、公共施設管理者によりのり枠工事などが行われたものがあります。
◆みわ委員 今減少した中で、市の崖地防災・減災対策工事助成金制度を使っていますか。
◎中澤企画部防災担当部長 平成28年度に、崖地減災対策工事助成金制度を活用した実績が1件あります。
◆みわ委員 大変少ないところなのですけれども、重要な、市の崖地防災・減災対策工事助成金制度の2019年度からの3年間の実績を示してください。
◎中澤企画部防災担当部長 令和元年度は、防災対策工事助成金が14件、減災対策工事助成金が11件で計25件でした。令和2年度はそれぞれ15件と19件で計34件、令和3年度は15件と10件で計25件でした。
◆みわ委員 対応すべき多くの崖地があることを実感いたしますが、(資料を表示)こちらのスライドは、この春起きた中区打越地域、石積み擁壁がけ崩れ現場です。今回、市は崖地防災・減災工事助成制度を拡充しましたが、その助成制度がこの現場には利用できますか。
◎中澤企画部防災担当部長 すみません、個別の適用についてはここでは控えさせていただきますけれども、一般的な考え方として、即時避難指示対象区域内の崖地や崖崩れにより避難指示等が発令され二次被害の危険性が高い崖地について、早期改善、復旧を促すため、防災対策工事助成金制度を拡充しております。助成金は、上限割合を工事費の3分の1から2分の1、上限金額を400万円から600万円に引き上げました。
◆みわ委員 金額も引き上げられたのと、今のような対応を柔軟にされるということで、命の危険についてしっかりされるということで、安全対策が進められるようにと思います。こちらのスライドは崖崩れが起きた打越地域の石積み擁壁、地元の方は明治時代に造られたと話されていました。このような古い石積み擁壁についても特に危険とした箇所に加えるべきと考えますがどうか、伺います。
◎中澤企画部防災担当部長 崖地の現地調査において、擁壁の基礎地盤、形式、変形の有無及び居住家屋の構造等を総合的に評価して、即時避難指示対象区域に指定しています。
◆みわ委員 ここが道路に面しておりますけれども、やはり住宅の擁壁として造られているところもありますので、今おっしゃったような詳細な調査をしっかりしていただきたいと思います。特に危険としたこういうような取組をしっかりとお願いしたいと思います。
中外製薬の大規模開発について、開発行為に対する防災の取組における建築局の役割について伺います。
◎鵜澤建築局長 建築局は、都市計画法に基づく開発許可の総合的な窓口として、関係部署の全体調整を行っております。開発許可の基準は、良好な市街地の形成を図るために、宅地に一定の水準を持たせるものでございます。当該基準に適合していることを審査、検査することにより、防災の趣旨に沿ったものになると考えております。なお、当該開発許可につきましては、既に9月22日に検査済証を交付しているところでございます。
◆みわ委員 開発地の西側道路沿いの住宅への浸水の危険について伺います。(資料を表示)こちらのスライドは、右側が中外製薬研究所で、市道を挟んで左側が住宅地です。こちらは、中外製薬が説明会のときに緑道部分の高さは道路高と同じにと説明していましたが、明らかに高くなっている緑道、次は、その緑道の終わりの部分がさらに高くなった壁で遮断された公園が造られているところです。
これでは、ゲリラ豪雨などの大雨、最近は時間60ミリや100ミリを超える雨もありますが、そのときには中外製薬に向き合ったマンションや住宅に浸水の危険が発生するのではないでしょうかどうか、伺います。
◎鵜澤建築局長 戸塚駅周辺の浸水対策といたしまして、環境創造局が雨水幹線やポンプ場を新設いたしまして、柏尾川では神奈川県が新たな遊水地を整備すると聞いております。本件では、洪水の発生を防止するため、雨水の流出を抑制する雨水調整池や自然浸透効果のある緑地の整備がなされているところでございます。
◆みわ委員 調整地は大きく造っていても、それが柏尾川に流れるところでは50ミリ対応でしかないわけですので、大雨などが降ったときにはやはり大変危険だと思います。開発行為において、今ほかの局のお名前も出されましたけれども、各局の審査、検査の取りまとめを行うということですけれども、そのときの建築局の責任について伺います。
◎鵜澤建築局長 建築局は都市計画法に基づく開発許可の総合的な窓口としての役割を果たしておりますが、開発許可基準には、宅地造成、排水施設、公園、道路、消防水利などの様々なものがございます。そのため、開発許可は建築局のみで審査、検査するものではなく、建築局、環境創造局、道路局、消防局などの関係部署がそれぞれ専門性を生かしまして連携して審査、検査を行っているところでございます。
◆みわ委員 それを全体としてまとめて、建築局が先ほど言われました検査済証を出されるということでは、大きな責任、とにかく第一義的に防災ということで取りまとめる責任があるのではないですか。いかがですか。
◎鵜澤建築局長 総合的な窓口ということですので、最後の責任はというようなお問いかと感じます。それぞれの内容に応じまして、それぞれの局が専門的な見地から審査、検査をし責任を持つということでございます。
◆みわ委員 スライドは、右側は柏尾川の治水目的で造られた堤防と堤防を補強する桜並木、左側はかつては柏尾川の河川敷で、西側の丘陵地から雨水が流れ込んでいた地域です。河川敷で田んぼが広がっていたところに、2メートルの盛土をして水害から中外製薬の研究棟は守るようにした擁壁が見えます。中外製薬の研究棟建設開発が明らかとなって以来足かけ6年、近隣戸塚町の住民は建設に反対されるのではなく、浸水被害を増大させる中外製薬の2メートル盛土をやめて安全安心なまちにしてほしいと願ってこられました。ところが、建築局は先ほどお話がありましたけれども各局の完了検査を終えて検査済証を発行したと聞いています。
この住民の皆さんの願いはどうなるのですか。
◎鵜澤建築局長 本件開発許可につきましては、法令に基づき審査、検査を適正に行い、既に検査済証を交付しており、開発事業は完了しているところでございます。開発許可とは別のものでございますが、地域の安全安心につながるよう戸塚駅周辺の浸水対策については公共の役割として着実に進めているところでございます。
◆みわ委員 着実に進められていますけれども、今できているわけではないのですけれども、建物は出来上がってしまっているということで、どう安全だと言えるのか、開発許可をした建築局として説明ください。
◎鵜澤建築局長 建築局は、繰り返しになりますが、都市計画法に基づく開発許可の総合的な窓口でございます。許可基準は様々ございますが、建築局のみで審査、検査するものではありませんので、それぞれの関係部署がそれぞれの専門性を生かして、それぞれの審査、検査に対する役割を果たすということでございます。
◆みわ委員 住民の安全安心、福祉の向上に働く自治体の役割、そのことが本当に大事だということを重ねて申し上げまして、質問を終わります。
議会での質問・討論(詳細)
2022年9月30日