2011年4月2日 日本共産党横浜市議団
東日本大震災をうけ、地方自治体の防災対策の検証がいま求められています。横浜市政では、長年の「オール与党」体制のもとで、防災対策で重大な後退と遅れがあることが、大問題となっています。住民の命をまもるという責務をはたす横浜市政にするためには、この遅れを打開することが不可欠です。
1. 消防署所の削減計画を中止し、消防力・体制を強化します
横浜市は、効率性、コストダウンを理由に、消防署所99ヶ所を91ヶ所に、消防自動車115台を108台に、特殊災害対策車6台を4台に削減する計画を4年前に策定し、削減を着々と進めています。
災害予防でも災害発生時でも消防署員と消防機器の果たす役割は決定的に重要です。その貢献度は、東日本大震災でも実証ずみです。
災害から住民のいのちを守るには消防力の強化がまったなしです。横浜市の姿勢は、あきらかに自治体の責務に背を向けています。
現行の消防力削減計画を中止し、消防職員の増員、保有消防機器類の充実など、消防力の強化をはかります。
1. 元の一区一保健所体制に戻し、保健所医師を増やします
災害時は、感染症対策など保健所が担う業務は多方面にわたり、地域保健体制の拠点として、きわめて大切な公的機関です。
横浜市は、ここでもコスト削減を優先し、4年前(2007年度から)に各区にあった保健所を廃止し、全市1保健所体制に移行させました。従来の区の保健所は「保健所支所」に格下げされてしまいました。これに伴い、次々と医師が退職し、支所配置医師数は35人から、15人へと激減してしまいました。1人の医師もいない保健所支所は3つの区にも及んでいます。
元の行政区に1か所の保健所体制に戻し、保健所医師を増やします。
1. 休日急患診療所の耐震化を進めます
横浜市内には、区ごとに休日急患診療所が設置されています。運営は横浜市医師会が、市の補助を受けて行なっています。多くの施設は、建設から30年以上経過し、老朽化が進み、耐震上も問題となっています。4年前の2007年に年1か所ごと順次建替える計画がつくられましたが、この計画が、市の財政難を理由に今、棚上げとなっています。
その施設は、災害時には、公的な医療機関として機能する施設の一つとなるものです。
耐震診断でDランクとされている、港南区、旭区、戸塚区、瀬谷区の改築を優先して実施しなければなりません。また、医師会が優先度が高いとしている青葉区、港北区の改築もCランクの南区、保土ヶ谷区とともにすすめることが必要です。
1. 現行の住宅耐震工事助成制度を使いやすい制度にします
横浜市には、国の耐震基準以下の住宅の耐震化をはかるための工事費助成制度があります。しかし、この制度の適用をうけるには、複雑で面倒な申請手続きが必要なために、申請件数は、毎年200件前後にとどまっています。申請要件の引き下げ、簡単な申請書にするなどもっと使いやすい制度に見直します。
1. 防災対策からも重要な中学校給食の実施を急ぎます
中学校給食は、成長期の中学生の発育と食育になくてはならない施策です。災害時の避難先となる中学校に給食施設があり、調理員さんがいれば、被災者や避難者の支援に貢献することは間違いありません。学校に調理設備のある自校方式の中学校給食の実施が教育の観点だけでなく、防災の観点からも重要となっています。