◆大貫委員 共産党の大貫です。よろしくお願いします。
早速ですけれども、私は今後の横浜経済の在り方について質問したいと思うのですが、まず委員長、スライドを許可してください。
○山本委員長 どうぞ。
◆大貫委員 2020年度の本市経済の現状と中小企業、小規模事業者の状況、今後の経済動向についての予測を伺いたいのですが、よろしくお願いします。
◎名倉副局長兼政策調整部長 令和2年度の横浜市経済は、景況・経営動向調査の全産業の自社業況BSIが4-6月期に過去最大の下落幅となりマイナス64.0になるなど、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。中小企業と小規模事業者についてですが、同じく令和2年度の4-6月期に中小企業はマイナス66.7、うち小規模事業者はマイナス71.1まで下落いたしましたが、現状は、直近の令和3年度7-9月期に中小企業はマイナス30.5、うち小規模事業者はマイナス39.0と回復傾向にあります。ただし、回復傾向は大企業に比べて鈍いものと認識しております。今後は、こうした低い水準のままほぼ横ばいで推移する見通しであり、厳しい状況にある事業者の皆様への支援が重要であると考えております。
◆大貫委員 スライドを使います。(資料を表示)これは2020年度の中小企業振興基本条例に基づく取組状況報告書に書いてあるのですけれども、このBSIの表を見ていただいてどういうふうに判断していいのか、取りあえずお聞きしたいのですが。
◎星崎経済局長 自社業況BSIの推移を表したグラフを御覧いただいております。企業の景況感を示す自社業況BSIでございますが、その時点での自社の経営状況の印象を表す数値でございます。本市の調査では、資本金が少なく社会経済構造の変化の影響を受けやすい中小企業の割合が比較的大きいため、ゼロを下回る低い数値になっていると考えております。
◆大貫委員 BSI値というのは、これは具体的にどういうことを示しているのでしょうか。
◎星崎経済局長 その調査の時点で、景況がよい、自分のところの経営状況がよいと答えた企業数から悪いと答えた企業数を引いた割合でございます。
◆大貫委員 黒い線が横浜全体のBSI値なのだけれども、ゼロから下にずっとありますよね。それはどういう意味なのか、景気が悪い、そういうことでいいのですか。
◎星崎経済局長 先ほど御答弁申し上げましたとおり、景況感というのはその時点での自分の会社の経営の状況の印象を表すものでございまして、本市の調査は中小企業の割合が比較的大きいため、より低い数値になっております。この傾向は、東京都、大阪市、名古屋市、福岡市などの他都市の調査でも同様の結果となっております。
◆大貫委員 まさにこのグラフを見れば横浜の景況感は悪いということで、この状況というのは、これまで経済局が一生懸命やっている企業立地促進条例がありますが、そういうことをやっていてもこういう結果になってしまったことについてはいかがですか。
◎星崎経済局長 自社業況BSIの数値は、その時点での自社の経営状況の印象を示すものでございまして、国内外の経済の状況、例えばエネルギー価格の変動、輸出先国の景気の変動、自然災害や感染症の発生など様々な状況に大きく影響を受ける指標であると認識しております。市内事業者の現状を大枠で捉えるために収集している数値であり、行政からの何らかの働きかけで上下させることが容易な数値ではないと考えております。
◆大貫委員 要するに今までやってきたけれども、はっきり言えば、企業立地促進条例をやっていてもこういうふうに景況感が悪いという横浜の全体の流れだということなのですね。そうすると、これまでも2014年から2025年までの骨太に基づくまちづくり戦略をやられていますよね。この結果、現状況ではうまくいってなかったということを示す状況ではないですか。
◎星崎経済局長 2014年、平成26年の市内総生産は12兆9115億円で、直近の平成30年度の市内総生産は13兆8774億円でございました。対平成26年度比の経済成長率は名目で7.5%増となっており、横浜経済は確実に成長していると考えております。
◆大貫委員 成長率の話は、例えば成長率は前年度と比べて何%上がる、それが7.5%と言っていましたけれども、2007年から比べると、2018年というのは1.3ぐらいしか増えていないのですよ。そういうことは、この表を見れば横浜経済というのは、なかなか頑張っていてもこういう状況がずっと続いているということ、先ほどお話を聞いたけれども、これからの横浜の経済の状況はどうかと聞いたら、やはりこれから伸びが少ない、低迷していくと、こういうことを言っていたわけだから、私が言ったように、これまでやられてきた横浜の経済政策というのはなかなかはっきりした成果が出ていなかったということでいいのではないですか。
◎星崎経済局長 先ほど御答弁申し上げましたとおり、市内総生産は平成26年比で名目で7.5%増となっておりますので、様々な経済政策の結果がこの数値に表れているものと考えております。
◆大貫委員 これが成長率と本市のBSIの数値を比べたものなのですよ。これを見ると、私は枠としか見えないけれども、ほとんどBSI値と経済の成長率の動きというのは相関している、似ているのですよね。これを見れば、先ほどの伸びた、伸びたと言っているけれども、結局は伸びていない、横浜の経済というのはなかなか伸びていないのだというふうにきちんと評価したほうがいいのではないですか。
◎星崎経済局長 先ほど御説明申し上げましたとおり、市内総生産の額が伸びておりますので、市内事業者様、99.5%を占める中小企業の皆様、小規模事業者の皆様の大変な努力の結果、横浜経済は着実に成長しているものと考えております。
◆大貫委員 そもそも論なのですけれども、横浜の経済が成長するというのは、また発展するというのは、市民にとってどういう状況になることを言うのでしょうか。
◎星崎経済局長 経済成長と申しますのは、市民の皆様とか事業者の皆様のニーズとかお考えが様々な中で、一つのことでこれが成長というふうに申し上げるのは難しいと思っております。例えば、先ほどから申し上げております市内総生産の拡大ですとか、それから成長産業の集積、企業の事業機会の拡大、雇用の増加、市民の皆様が豊かな生活を送るための所得の向上など多面的に捉えることが必要であると考えております。
◆大貫委員 多面的に捉えるけれども、やはり何と言っても豊かな横浜の市民生活が送れるような経済をつくるということが一番の目的だと思うのですけれども、私は考えてみますと、お話にあったように、どれだけ成長しているかというのは何かの指標で表れると思うのですよ。先ほども指標の話がありましたけれども、経済の成長と市税収入は相関関係にあると思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎星崎経済局長 市税収入につきましては、特に横浜市の市税収入の構造は堅調に納税していただいております市民の皆様からの市民税が大きな割合を占めておりまして、景気の影響にはあまり影響を受けない堅調な堅い税制構造になっておりますけれども、企業の皆様からお納めいただいている法人市民税につきましては景気の動向ですとか感染症の影響、自然災害の状況などに大きく影響を受けますので上下するものでございまして、一つに景気状況だけをもって市税収入が大きく変動するとは言えないのではないかと考えております。
◆大貫委員 私は、やはり市税収入に例えば法人市民税が増えてくるということはそれだけ経済が大きくなっているのだというふうに思えるのですが、いかがでしょうか。
◎星崎経済局長 先ほど御説明申し上げましたとおり、令和2年度の市税決算額8439億円のうち個人市民税は4136億円と全体の49%を占めておりまして、法人市民税は483億円でございますので、法人市民税がどんどん増えて、その税収が増えていくことは非常にいいことだと思いますけれども、この税制構造からして、法人市民税が大きな割合を占めているという状況にはございませんので、どちらももちろん増加させていくべきだと考えています。
◆大貫委員 もちろんそのとおりなのですよ。私の質問は、その法人市民税が要するに横浜の経済の指標にもなるのではないですかというふうにお聞きしたいのですけれども、いいですか。
それで、次のスライドを見てください。これは主な税目の区分別の長期推計です。先ほども論議ありましたけれども、2065年には22.5億円ぐらい減るという状況ですよね。それで先ほど副市長は、これを何とかそういうふうにならないようにするのだというふうにおっしゃいましたね。これはどうやったら何とかするようにできるのですか。
◎林副市長 先ほど成長戦略の話を藤崎委員と行っておりまして、そういう意味では、経済局長が申していましたように、企業誘致施策もそういうことの一端にはなりますし、様々な中小企業支援もそういったことにはなると思いますし、経済局だけではなく、まちづくりですとか様々な施策を総動員して、横浜の成長発展を図っていくという意味でございます。
◆大貫委員 表を見てもらうと、横浜の市税というのは、固定資産税と法人市民税と個人市民税ですよね。この中でも、今までおっしゃっていたように、法人市民税は、真ん中の青いのがそうなのですね。青いのがそうだということは、今後とも逆転するというか覆すような力になっていないということを言えると思うのですよ。そうすると、どうやったら覆すことができるかというと、個人市民税、それから固定資産税がぐっと増えないと、この図面というのは覆せないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎星崎経済局長 本市の税制構造は、御覧いただいておりますとおり、個人市民税と固定資産税に大きく支えられている税制でございますけれども、一方で、法人市民税も着実に納税していただいて、例えば福祉ですとか教育ですとかの財源をこの法人市民税によりましても確保していくことが重要であると考えております。
◆大貫委員 もちろんそうなのですよ。法人市民税も多く増やすのだけれども、このグラフから見れば、大きく増やしても、あれだけの青い線でしかないのですよ。そうなると、やはり一番占めている基幹的な税目と言っていいと思うのだけれども、個人市民税、固定資産税は個人市民税に関わってきますから、こういったところを大きくしていくということも大事だと。両方大事だとおっしゃっていましたよね。今後、大きく増やすことが可能な部分、これは378万人の市民が納めたものですよね。そこに着目した経済も必要ではないか、政策も必要ではないかということを私は言いたいんだけれども、いかがですか。
◎星崎経済局長 本市は研究所をはじめとする企業誘致ですとか郊外部の働く場の創出などによりまして、市内で働く場を増やしていくことで市内からの流入人口を増やしていくこと、そして市内で働きたいと思う人たちがたくさん横浜市に転入していただくことで、横浜市の労働力人口の減少に対応して中小企業や小規模事業者の皆様に十分な労働力を提供するとともに、福祉や教育などの充実を図っていく財源を確保することにもつながりますので、もちろん雇用対策についても力を入れてまいりたいと考えております。
◆大貫委員 これは、先ほどから論議していた話なのですね。市民税全体を考えると4619億円あると。その中で、法人市民税は483億円しかない。個人市民税は4136億円、要するに全体の10.4%が市民税なのだよね。そこに着目した力を注ぐことが具体的な大きな横浜の経済の先行きを覆すような力になるのではないかということを言いたいのですね。そのためにどうしたらいいかということを考えなければいけないと思うのですよ。(「そうだ」と呼ぶ者あり)これまでのような、確かにいけないとは言っていませんよ。要するに外発的な外に対して誘引して横浜の経済をやるというやり方、これはこれとしてあったとしても、やはり今おっしゃっていたような労働人口を増やす、そのためにはどうしたらいいか、例えば子供たちの教育条件の問題だとかいろいろあります。それから、お年寄りの方々がこれから元気で過ごしてもらうためにまた労働力として働いていただくためには、やはり都市インフラをきちんとして、そしてお年寄りの皆さんも働けるような状況をつくっていく。それから医療、福祉にもきちんとした横浜の経済政策を立てて、そこに投資をしていく。ここのところを大きくしていくことが大事だと思うのですよ。それをやらずに、今までは残念ながら、やらずとは言いませんよ。そこら辺に軸足を置かないで、今までのやり方は菅さんだとか安倍さんがやってきた、要するに経済成長政策を横浜がそのままやってきているというところに問題があるのだろうと思いますが、いかがですか。(「関係ないだろ」と呼ぶ者あり)
◎星崎経済局長 委員御指摘のとおり、女性や高齢者の就業を促進することで市内での労働力を増やしていくこと、それは個人市民税の増加にもつながりますし、企業の成長発展にもつながり、法人市民税の増加にもつながっていく施策であると考えております。横浜市には様々な部局がございまして、それぞれ分担して横浜のまちづくり、明るい輝くまちづくりについて全力で取り組んでおりますが、経済局におきましては、雇用と中小企業を中心に企業の成長発展を御支援することで横浜経済の発展に尽力してまいりたいと考えております。
◆大貫委員 そういうことを言うと思うのだけれども、結局、例えば今まで普通建設につぎ込んできた財源を、その部分を全部とは言わないですよ。やはり地域の経済発展するために、例えば学校の整備だとか、これからやらなければいけないようなインフラだとか、そういったところにその分のお金をシフトすれば、そこに市内経済の動きが出てくるのですよ。市内経済をどうするかというと、そこにどれだけの金額を入れて、それがどれだけ地域の中に回るかという、いわゆる乗数効果を上げていくということが一番今横浜にとって求められていると思うのですね。そういうことを具体的にやらなければいけないのではないかということを私は言いたい。いかがですか。
◎星崎経済局長 横浜市中小企業振興基本条例に基づきまして、本市では発注の大半を市内中小企業の皆様に発注させていただいております。市内にございます下水道、道路、水道などの様々な都市インフラは更新時期を迎えておりまして、着実に更新することで市民の皆様が安心した暮らしを過ごしていただける重要な基盤でもございますので、そういうものの更新を着実に行っていくことでも横浜経済の発展につなげていくことができると考えております。
◆大貫委員 例えば2000億円があった、2000億円を横浜の今までのような例えばインフラ、普通建設のような外からの仕事にやるのか、それを市内の今言ったインフラにお金をつぎ込むのか。これを比べたときに、当然やはりその回転数というのは市内中小企業のための仕事おこしに回したほうがいいと思うのですけれども、そこはいかがですか。
◎星崎経済局長 外から大企業の本社や研究所なども誘致して、外からの刺激で新しい事業を市内企業に発注していただくという外発的な経済と、それから内部でインフラなどの整備とか更新などを市内の中小企業に発注することで中で経済を回していくという内発的な部分と両輪を回していくことで、横浜経済の発展を目指してまいりたいと考えております。
◆大貫委員 それは異論ありません。ただ、後半のところが内発的経済に対する対応が非常に弱いということを指摘しておきます。
最後に、小規模事業者の問題なのですけれども、これまで小規模事業者に対してきた事業費はどういうような推移になっているか。ちょっと調べました。これです。(資料を表示)この黄色い部分がそうなのですけれども、ちょっと説明していただけますか。
◎星崎経済局長 表にございますとおり、令和2年度の中小企業金融対策費を除きます経済局の事業の決算額は136億2886万円で、このうち中小企業支援関連事業は92億9580万円、このうち商店街支援を含む小規模事業者支援関連事業は18億128万円でございます。小規模事業者支援関連事業の令和2年度決算額が18億128万円となっておりますが、このうち新型コロナに対応する補正事業が15億5666万円となっており、これを除きますと2億4462万円と、令和元年度と同規模となっております。
◆大貫委員 要するにコロナ関係があったからこれだけ増えたと思うのだけれども、この3%とか3.2%とか、そういう数字というのは、先ほどから小規模事業に対して様々なことをやるというけれども、実際にこれだけの財源しか使っていなかった、ここに大きな問題があるのだよね。これをきちんと直していくということを要求して、終わります。
議会での質問・討論(詳細)
2021年10月21日