議会での質問・討論(詳細)
2021年10月7日

■健康福祉局 古谷やすひこ 2023年10月7日(木曜日)

◆古谷委員 日本共産党、古谷靖彦です。通告に従い順次質問してまいります。
委員長、スライドの許可をお願いいたします。
○今野副委員長 はい、どうぞ。
◆古谷委員 まず、保健所機能の強化について伺います。
新型コロナウイルス感染症の対策、もう2年近くになるということで本当に大変なことだというふうに思っております。本当に日々ありがとうございます。
8月の第5波、デルタ株の感染力が桁違いに強いことを示すように急激に新規感染者が増えました。6月の感染者が2426人、7月は6088人、8月は2万5579人となりました。これだけ急激に新規感染者が増えると、各区の保健センターがどういう事態になっていたのかという検証なども必要であるし、次に備えての対策が必要だと思います。
まず伺いますが、第5波が来た8月の各区役所の保健所の体制の支援の状況はどうだったのか、それは以前の体制と比較してどれぐらいの体制であったのか、伺います。
◎氏家健康安全部長 令和3年当初には、その前にございました年末年始の第3波の動きを踏まえまして、区役所、それから局、保健所のほうもそうでございますが、感染症対策を担う部署の職員を大幅に増員をしたと考えております。また、その後も順次応援職員を配置するなど体制強化は図ったということで対応してまいりました。また、区の支所のほうで発行等をしておりました療養証明書を全部18区の分を局へ集約をさせていただくようなことで、業務の引上げ等局区の工夫もさせていただいた中で業務の見直しを進めさせていただいています。
ただ、委員が今おっしゃられたように今回の第5波の急増時についてはこれだけでは全く間に合わず、区内は無論のこと、新たに局から区へ臨時的に応援職員を派遣するという仕組みをつくらせていただいて、これを実際に運用し対応させていただいています。またこれに加えまして、会計年度の任用職員、それから人材派遣の雇用ということでその足りない分の不足を補うとともに横浜市立大学の看護系専門職の方々などにも最後は御協力をいただくということで、猫の手も借りたいというような話がよく出ますが、そんな形で何とかこなさせていただいたという状況ではございます。
◆古谷委員 本当にたくさんのあらゆるすべを使ってというか、つてを使って努力されたということなのですが、それを受けてコロナ対応の本当に中心を担っている各区の福祉保健センターの保健師たちの勤務状況がどうだったのかということなのですが、過労死ラインを超える80時間超えの残業をしていた保健師は何人でどのぐらいの割合だったのか、伺います。
◎氏家健康安全部長 区の福祉保健センター、直接の担当は健康づくり係ということになります。そこの保健師でございますが、8月の超過勤務で80時間を超えた人数は18区全体で25人おります。全体の約24.3%、4分の1に相当するかと思います。
◆古谷委員 たくさんの支援体制であるとか、業務を様々区から引き上げたりする努力は本当に評価をするのですが、やはり中心を担う仕事というのはなかなか割り振れないところもあろうというふうに、これはもう想像します。その結果、4人に一人の方が過労死ラインを超える状況になったということになります。第5波のように急激な新規感染者の増加の対応は、通常の体制からはとても考えられないような対応をせざるを得ないというふうに思います。私は、支援の体制を強化というよりはほとんど災害と同様の対応、例えばBCPであるとか業務継続計画ということで対応する必要もあったのではないかと思いますが、見解を伺います。
◎城副市長 今回の第5波は、これまでを大きく上回る陽性患者が短期間で急増したということで、業務量の増加に対応する体制というのは非常に厳しいものが正直ありました。この非常事態に際して、委員がおっしゃるとおりBCPというのは業務の一時停止を伴うわけですけれども、その考え方も踏まえながら業務の一時停止も実際行っております。保健所及び区支所の部局内の人員の捻出あるいは区局間での職員応援の実施等をBCPに準じた扱いというような形で対応したところでございます。今回の経験を生かして、今後新規感染者がまた急増するようなことがあれば業務停止も含めた対応を臨機応変に運用できるようにしていきたいと考えています。
◆古谷委員 大変努力されたというふうには本当に評価したいと思うのですが、ただその結果、第5波の際に大きな問題となったのは自宅療養のまま亡くなってしまった方ということの問題です。伺います。横浜市内で自宅療養中で今まで亡くなった方は何名いたのか、伺います。
◎氏家健康安全部長 今お話をいただきました第5波の時点でございますが、感染者数が急増したその第5波の中でピークとなっております8月に自宅療養中に亡くなられた方は4名いらっしゃいます。なお、そのうち1名の方は御自宅でのおみとりを希望されて亡くなった方ということでございます。
◆古谷委員 他都市と比べるとあれなのですが、4名の方がやはり亡くなられたということについては重く受け止めていただければと思います。私は、文字どおり全ての陽性になった方、感染された方がどういう症状であれ医療が行き届く手だてを取るべきだと思います。重症者用のベッド、中等症ベッド、軽症ベッド、宿泊療養施設、こういうものだけではなく、自宅療養を余儀なくされる方も確実に医療の管理下にあるようにすべきだと思いますがどうか、伺います。
◎田中健康福祉局長 自宅療養されている方に対してはLINEや電話で毎日の健康観察を行っております。今後も引き続き必要なモニタリング体制は整えてまいります。さらに、協力病院が外来診療でCT撮影などを行う体制づくりや民間事業者による平日夜間及び土日祝日の電話相談や往診等も実施をいたしました。今後は、地域医療との連携を推進すべく、市区の医師会や市薬剤師会など関係各方面と鋭意協議を進めております。具体的には、既存の地域医療ネットワークを生かして自宅療養中の患者さんに対して必要に応じて日中のオンライン診療や外来診療につながる仕組みづくりを進めてまいります。
◆古谷委員 局長、これから次の波がもし来たというふうになった場合、感染者の方が感染してもあなたはちゃんと医療にすぐアクセスできるのだということを確保していただきたいですし、そのことをぜひ伝えていただきたいと思っております。今回、誰も経験をしたことのないような世界的なパンデミック、今人類は体験をしております。そんな中、必死に現場を守っている今るる述べました福祉保健センターをはじめとする保健所機能について、今後地球の温暖化が確実に進行がするという中で、仮にコロナが収まったとしてもまた新興の感染症が出てくる可能性は高いと思われます。今回のコロナ禍の体験から、今後の中期的な保健所の在り方をどうするのかについて議論し構想を立てて準備に入らなければいけないと思いますが、見解を伺います。
◎城副市長 今回の新型コロナウイルス感染症における市の対応はまだ終わったわけではないですけれども、しっかりと振り返るということが必要だと思っています。保健所あるいは区福祉保健センターの在り方の中で、今まで高齢とか子供というのが大きなテーマでしたけれども、その中に健康危機管理という部分もしっかり軸に据えていく必要があると思っております。ただ一方で、有事と平時では業務量に大きな差があるので、保健所で全部を支えるというのは、これは今回のようなパンデミックと言われるような感染症の場合は今の感染症の役割を果たし切れないのかとも思ってもおります。ですので、先ほど局長から答弁しましたように地域医療とどう連携を組むのかというのをしっかりその中で、保健所、区福祉保健センターがどういう役割を果たすのかという議論もしていきたいと考えています。
◆古谷委員 ぜひ、今まで経験したことのない体験をされてきた中で次に備えてどうするのかということを改めて検討いただきたいと思います。
次に、介護人材確保と障害者やひきこもり対策の施策の方向性について伺ってまいります。
介護人材不足の深刻さについてまず伺います。
私の知り合いの鶴見区内の訪問系の介護事業所を見ると、年齢構成を見ると主力となる職員は70代の中盤の方、これは訪問系は結構多いと思います。80代の方もいらっしゃるということで、どんな介護事業所でも人材不足というのは本当に深刻な状況だというふうに思っております。
横浜市として介護人材不足の実態を今どう捉えているのか、その認識について伺います。
◎田中健康福祉局長 令和3年7月時点の介護分野における有効求人倍率は全国平均で3.64倍となっております。全業種では1.02倍であることと比較いたしますと非常に倍率としては高い水準にあると。さらに、長引く新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、就労を予定していた外国人介護人材の入国制限が継続するなど人材不足は依然として本当に厳しい状況にあると考えております。
◆古谷委員 75歳以上の高齢者の数がピークを迎える以降高止まりが続く2025年、これに向けてどのくらいの介護人材が不足するのか、伺います。
◎佐藤高齢健康福祉部長 厚生労働省が本年の7月に発表しました第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数についてによりますと、まず神奈川県では2025年度に約1万6400人の介護職員の不足が見込まれております。これを本市に当てはめますと、市内の介護事業所数は県内の約4割を占めております。このことから2025年度には市内において約6500人の介護人材不足が見込まれております。
◆古谷委員 では、スライドを御覧ください。(資料を表示)これは介護福祉士の養成施設の入学者数と外国人留学生の割合を示したものであります。まず注目していただきたいのは、養成施設数そのものもずっと減っているという問題、毎年減り続けているという問題です。平成28年度には401校あったものが昨年度は347校ということでぐっと減っているというところと、あと入学定員数も当然それにつれて減っていっていると。昨年度は1万3619名、この定員に対して入学者は7042人ということです。ですから、計算すると大体応募状況は51.7%ということになります。半分程度ということで完全な定員割れがずっと続いているということです。また、入学者のうちの外国人留学生の入学者数が7042人のうちの2395人。これが外国人留学生ということになります。ですから34%を占めているということです。本当に私はこの表を見たときに愕然としたのですが、これだけ見ても介護職場が若い方も含めて本当に選ばれていないのだということがよく分かります。
介護職場がこのように選ばれていない原因について見解をお願いいたします。
◎田中健康福祉局長 介護の現場は本当に力を使う仕事が多く、また夜勤という時間帯に従事する場合もあることから、労働条件が厳しいというイメージが非常に強くあると感じております。一方で、一般的に仕事の割には他の仕事と比べて賃金が低いということも若年層から選ばれない原因として考えられます。
◆古谷委員 やはり今局長がおっしゃられたとおり賃金の問題は本当に大きいと思います。この表の実は下のところには今切れているところなのですがどこの国から何人来ているかという数字が出ているのですけれども、それらの国から見てもやはり日本が実は選ばれなくなっている原因にもなっていると。国際競争としても負け始めているということもあろうと思います。今様々打たれている施策、外国人労働者とか留学生の方を介護現場で働いていただくことも含めて様々打たれている施策だけでは本当に間尺は合わないと思います。
先ほど答弁いただいたとおり2025年には6500人も足りなくなるということでどう確保するのかということなのですが、介護保険の実施計画を本市は立てていらっしゃるわけですが、それを実行する人材がいなければそもそも実現できるはずがありません。これが事業所任せになってはやはりまずいと思います。もっと介護人材確保に市も本気になって関与すべきだと思いますが、見解を伺います。
◎田中健康福祉局長 本市におきましてはこれまでも住居借り上げにおける負担軽減やホームヘルパー等を目指す市民を対象にした初任者研修等の費用を助成するなど市独自の取組を通じて介護人材の確保に努めてまいりました。また、今年度からは新たに介護に関する入門的研修をオンラインで行うことで、これまで集合形式の研修に参加が難しかった層にも参加しやすい環境を整えております。さらに、国内に滞在する外国人で異業種から介護業界への転職を希望する方に対する働きかけも行っております。こうした取組を通じまして事業者と連携して今後も介護人材の確保を進めてまいります。
◆古谷委員 ありがとうございます。様々努力、市としてやれる努力というのはされているというのは承知しております。ただ、やはり抜本的には、先ほど局長が述べられたとおり国による処遇の改善が本当に急務だと思います。改めて市として求めていただきたいと思いますが、見解を伺います。
◎田中健康福祉局長 介護職員の処遇改善については、今委員の御指摘がありましたように国のほうの処遇改善加算制度ができております。これをしっかり使っていただくということが非常に大事だ考えております。この加算を取得していただいて介護職員の給与改善に充てていただくということが重要だと考えております。そのために本市としては、未申請の事業所に対して加算取得や、より上位の区分の加算取得を取っていただくよう事業所へ促す目的でセミナーや個別相談の事業を継続して行っております。これまでも事業者の申請事務の負担軽減と制度の拡充について国へ要望を行ってきたところでございますが、引き続き国に要望を行ってまいります。
◆古谷委員 ぜひお願いいたします。少し視点を変えて、介護人材がこれだけ足りないという中なのですが、一方では障害者の雇用で言えば働く場所の確保が非常に厳しいという状況もあります。障害者の法定雇用を見ますと、昨年度は民間企業で47.4%しか法定雇用率に達していません。医療、福祉の分野で見ると多少上がるものの52.5%ということになります。ここで少し視点を変えると、障害者の雇用先として介護分野をもっとマッチングできないものかと思います。
現状はどうなっているのか、またさらに進めるべきだということに対しての見解を伺います。
◎田中健康福祉局長 これまでも介護現場では、介護の直接支援業務から食事の配膳や清掃、ベッドメイキングなど幅広い業務で障害のある方が活躍をされております。神奈川労働局が発表した令和2年障害者雇用状況を産業別に見ますと、介護分野を含む医療、福祉分野が4281人、雇用障害者総数のうち17.2%を占めており、近年着実に増加をしております。また、本市においてもこれまで障害のある方の就労に向けて介護分野も含めた事業者への働きかけに取り組んでまいりました。今後も引き続き介護分野の事業者とのマッチングにつながる取組をしっかり行ってまいります。
◆古谷委員 同じような視点で言うと、介護事業所は町なかに本当にたくさんあります。そして、そこで働く人材確保はまた厳しい状況だと。一方では横浜市内で、先ほどありましたが、ひきこもりとなっている状態の方、推計値ですが2万7000人いらっしゃると。この対策の一つとして就労のフィールドを介護職場が一定なされているということは承知していますが、さらに積極的に参画できるように働きかけてはどうかと思いますが、見解を伺います。
◎田中健康福祉局長 ひきこもりになられている方の就労支援、私もこども青少年局長を行っておりましたので、若者においてもなかなか難しい面がございます。特に中高年等を含めてひきこもりに至った背景や要因は様々ございます。本人の希望に合わせた多様な支援の選択肢が必要だと考えています。就労を目指す方についても、まずは社会体験から始めるなど段階を踏んだ支援が大切だと考えています。本市では生活困窮者自立支援制度の就労訓練事業において介護施設での実習や訓練を通した支援を行っています。今後も受け皿となる介護職場の開拓を進めて協力いただく事業者を増やして取り組んでまいりたいと思います。
◆古谷委員 ぜひそのマッチングのところに市がしっかり関与してこの課題の解決の方向でお願いしたいと思います。
以上です。


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