お知らせ ・ 見解/声明
2022年12月28日

2022第四回定例会を終えて

2022年12月市会(第4回定例会)閉会にあたっての団長声明

全員喫食の温かい中学校給食など市民の願いに寄り添う市政運営にむけ尽力

日本共産党横浜市会議員団 団長 荒木由美子

11月29日から開催された第4回定例会は、12月23日の本会議で、中期計画2022~2025、地球温暖化対策実行計画など市長提出議案すべてを賛成多数で可決し、閉会。日本共産党には、自主的応援を行ったことから、山中市長が市長選で掲げた市民要望にかなう公約を実現する責任があり、その責任を果たす立場で論戦に臨みました。今議会の最大の焦点は、山中市長が任期4年のなかで実現を目指す38の政策を取りまとめた中期計画原案に各党がどういう態度をとるかでした。

(1)市長が策定した中期計画に自・公が賛同、共産党はデリバリー給食の固定化は認められないと反対!

山中市長が策定した中期計画は先ず基本戦略を『子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ』と定め、続いて掲げた9つの戦略では、戦略1で『すべての子どもたちの未来を創るまちづくり』、戦略2では『誰もがいきいきと生涯活躍できるまちづくり』と掲げたことを党市議団は評価しました。人に着目した点が前市長との明確な違いです。市長が市長選で重点公約として掲げた中学校給食の全員実施と「3つのゼロ」(小児医療費ゼロ、出産費用ゼロ、75歳以上の敬老パス自己負担金のゼロ)については、目指す指標と時期、その方法等を記載。中学校給食は、2025年度までにすべての生徒にむけてデリバリー方式による供給体制を整備する。小児医療費ゼロは、中3までを2023年度から実施する。敬老パス・出産費用は施策と位置づけ、その内容、時期は明示していません。自・公は、これまで市長の重点公約について「選択制の中学校給食が最善」、「選択制のデリバリー給食の発展が最適」、「小児医療費ゼロの公約はこれまでの経緯を無視」「(所得制限撤廃で)制度の持続が不可能に」など反対姿勢でした。

中期計画は、選択制から全員制に切り替える中学校給食をはじめ多くの市民要望が反映していることから、日本共産党は大きな前進と評価するものです。しかし、中期計画に賛成となれば、結果として長期にわたるデリバリー方式による中学校給食を容認したこととなり、小学校のような給食を望む子どもたちの願いを踏みにじり、長年にわたって運動してきた市民の期待に背を向けることになってしまいます。そこで、中期計画からデリバリー方式の文言削除の修正案を動議で提出、しかし採決で否決、これを受けて、デリバリー方式の長期にわたる固定化NOの一点から中期計画には反対の態度をとりました。自公はこれまでの主張を引っ込め、中期計画賛成に回ったことから与党宣言とも言えます。

(2)市政を前に進める提案型の建設的論戦、反市民的施策は是正を 日本共産党市議団の果たした役割

岸田政権による大軍拡へののめり込みを正面から批判し、平和主義を貫く市政運営の重要性と防波堤となる地方自治体の役割を強調、市長は「平和と人権を基調とする、市民の安心・安全を守る自治体の長として役割を果たす」と応じました。

中学校給食問題では、現行のデリバリー給食の高い残食率とアレルギー対応の困難さ、長期契約による弊害などデリバリー給食の問題点を指摘し、学校調理方式の優位性を浮き彫りにしました。市長は「同時期、同じ内容、早期にやるにはデリバリーしかない」と繰り返すだけで、議論が深まることはありませんでした。

〇増加の一途をたどる不登校児・生徒への対策として、民間まかせではなく、市として学びの場を保障する手立てを具体的に提起、教育長は登校できない生徒を対象とした別教室を活用する「校内ハートフル」の実施校を増やすと応じました。学校以外の健康診断の場提供と教員の加配、校庭面積基準の引き上げ提案には応じませんでした。

小児医療費・出産費用の子育て支援策では、県が就学前から小6まで小児医療費助成を拡大することから、その財源を使えば中3までを18才(高3)とすることは可能と提案、市長は「検討」と答弁。出産費用は国が出産育児一時金を42万円から50万円と増額することをとらえ、市独自の加算によるゼロ化を提起。市長は「実態調査を約束」。

〇レシ活より給食費の無償化を 次世代につけを回す国債を財源とする国の臨時交付金は子育て支援に役立つものに、給食費無償化が最適と組み換えを要求、市長は「物価の推移と子育て世帯を含む市民生活への影響を注視していく」と答弁。

介護保険・敬老パス等の高齢者福祉では 上がり続ける介護保険料負担を軽減するための一般会計から繰り入れを提案し、敬老パスでは中期計画の財政見通しの中で75歳以上の無料化に80億円支出を見込んでいることに着目し、その内容について確認を求めました。敬老パス自己負担金のゼロを視野に入れていることは事実であり、市民の声上げが待たれます。

〇加齢性難聴者の補聴器購入助成制度を 難聴が認知症の最大の要因とのデータを示して、実施を要求。市長は「研究結果、国の動向を注視する」と答えるにとどまりました。

地球温暖化対策では横浜市が策定した実行計画に賛意を示しながら、CO2削減の大半を原発の再稼働に依拠している重大な問題点を指摘し、2013年度比50%削減という2030年度目標達成には、計画以上の再エネ導入・省エネ推進が不可欠と市長に迫りました。市長はエネルギー政策は国の仕事だとして、党の提案に不同意。党は最優先の課題として推進します。

入場者1000万人目標の花博は、オランダで今年開催された花博が入場者目標(200万人)の三分の一にとどまった事例をあげ、計画の抜本的な見直しを求め、三ツ沢公園での新球技場構想は既存市民利用施設の撤去や樹木の大規模伐採が不可避であり、白紙撤回を主張。新球技場については、その必要性、場所、規模、整備手法など市民的議論を呼びかけます。

統一協会問題では横浜市の公共施設の貸し出し状況の総点検を求めました。1月にはしかるべき調査結果がでる予定です。

教育の充実と保育施策の拡充を求める二つの請願は、市長が目指す「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち」 にとって必要な施策・事業と重なっています。にもかかわらず立憲は自公に同調し、不採択の側に回ってしまいました。残念です。

市政を巡っては、自・公からの大型開発・国家プロジェクトの押し付けが目立っています。本当に頑張り時です。

以上。

議会を終えて


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