水道料金の口座振替払いに割引制度を
白井議員:日本共産党を代表して質問します。
はじめに、水道料金の口座振替払いについてです。
水道料金の支払い方法は、納入通知書払いとそれから口座振替払いとクレジットカード払いのうちから市民が選択しているわけですけれども、水道局では、口座振替払いとクレジットカード払いへ誘導するキャンペーンをする予算が計上されています。その目的と具体的にどう取り組むのか、伺います。
齋藤水道局長:目的ですが、料金回収コストの削減を図ることでございます。23年度については、対象を絞り込んで、3月および4月に使用を開始されたお客さまのうち、4か月後の7月および8月時点で納入通知書でお払いいただいているお客様に対して、申込書、キャンペーンチラシを郵送いたします。その上で、口座振替、クレジットカード払いへの変更をお願いしてまいります。
白井議員:22年度もこのキャンペーンが行われているんですけれども、その実施状況はどうだったのか、また結果的にコスト削減ということですけれども、その経費の削減効果はどうだったのか、伺います。
大久保お客様サービス推進部長:22年度は納入通知書でお支払いいただいている38万3764名のお客様を対象に、6月から7月にかけてキャンペーンを実施いたしました。その結果、口座振替、クレジットカード合わせて4万1992名、全体の約11%のお客様がお申し込みくださいました。このキャンペーンによる経費の節減効果は、22年度では約1400万円、23年度では約2600万円と見込んでおります。
白井議員:それでは、その加入者全体の件数のうち、口座振替払いの件数と割合はどうなんでしょうか。22年度のキャンペーン実施前後の数字で、お答えいただけますでしょうか。
大久保お客様サービス推進部長:キャンペーン実施前の5月末の時点でございますが、口座振替の割合は111万5047件で、全体の67.4%でございます。キャンペーンの実施後の12月末時点では、112万3493件で、全体の67.6%となっておりまして、8446件、0.2%増加しております。
白井議員:ということはキャンペーンの効果で口座振替払いが増えてはいますけれども、実質的には口座振替払いのその数と割合、それほど増えていないということで、新規の加入者はコンビニでの納入ができますから、納入通知書払いを選択しているんだろうと思うんですね。それで、市民に対して口座振替払いをお願いするだけではなくて、何らかインセンティブを付けるというのではないでしょうか。
たとえば東京都では、口座振替払いでは1回100円、年間600円、また名古屋市では1回105円、年間630円の割引があります。
本市は、キャンペーン実施費用として22年度は1415万円、そして23年度予算では273万円かけるとしていますけれども、22年度は、その結果的に先ほど縮減効果が1400万ということでしたけれども、それを市民に直接還元していただくようお願いしたいと思うんです。いくらかの割引制度を導入してはどうでしょうか、見解を局長から伺います。
齋藤水道局長:いまご指摘のありました、たとえば東京などで実施している月50円、2か月で100円の割引を横浜でやりますと、年間で6億7400万円の経費が必要となります。先ほどの効果に比較いたしますと、非常に大きな金額がかかるということであります。
また、東京等からききますと、導入直後は一定程度の口座振替への意向がみられましたが、その後は減少傾向が続いていると、効果の持続が難しいという話もございます。このようなことから、検討いたしましたけれども、口座振替割引制度の導入は難しいのではないかと考えております。
白井議員:東京都と同じ額じゃなくてもいいですから、先ほどから議論になっていますように、水道料金本当に高いですから、なんらか割引があればお得感を本当に市民感じることができますので、ぜひ割引制度導入についての検討、お願いしたいと思います。
横浜ウォーター株式会社の浄水管理受託の今後の見通しは
続いて、横浜ウォーター株式会社について伺います。
22年度は鶴ヶ峰浄水場の運転管理を行って、それから23年度は川井浄水場の運転管理を受託予定というように予算ではなっているんですけれども、今後は市外の施設管理も受託する方向のようですけれども、確実に受託できるのか、その市場調査の結果での受託見込みはどうか、伺います。
齋藤水道局長:現在、中小規模の水道事業体を中心にして、技術基盤や経営基盤がぜい弱化している、将来にわたってサービス維持を充実させるためには、浄水場などの委託化は今後一層進んでいくんではないかというふうにいわれています。
こういう状況の中で、それぞれの水道事業体がかかえる課題や、どのようなかたちで横浜ウォーターさらに横浜水道局がかかわれるか、支援できるかっていうようなことを積極的に情報収集を行う中で、将来の受注に向けて検討を進めているという段階でございます。
白井議員:情報収集の中ではどういう現状なんでしょうか。
齋藤水道局長:具体的に日ごろお付き合いのある県内の水道事業体であれば、おじゃまをして、いわゆる経営計画をうかがってみたり、県外であれば、いろんなところにいま情報がございますし、とりわけ横浜ウォーターが立ちあがって以降はそういった仕事を横浜市水道局と横浜ウォーターが取り組もうということがいろんなところにも伝わってきておりますので、場合によってはいろんな企業の方からそういったようなある自治体のこういう仕事をというようなお話もあるようですので、こういったようなことを通じながら、情報の蓄積を高めていきたいと、さらに将来に向けて、どのようなかたちならば受注できるし、私どもの目的を達成できるかということを考えているところでございます。
白井議員:いまのお話ですと、なかなか市場調査がまだまだできていないのではないかと思うんですけれども、これでは結果的には本市の事業の一部、いままでやっていた本市の事業の一部を受託するだけになるのではないかと心配もするんですけれども。
バラ色に描かれている海外水ビジネス
それでは、国際関連事業についてなんですけれども、当初の説明資料では、この部署に2名の職員を配置する方向でした。将来的には海外事業体へのコンサルティング業務やそれから海外展開を目指す日本企業へのアドバイザリー契約等も行うとされていました。1年目の22年度に、受託できるとは想定外だったということを聞いているんですけれども、バングラデシュとそれからベトナムの水道事業に関する調査や、それからサウジアラビアの水分野に関する調査も受託したということを聞いているんです。
それで、でもこの国際関連の事業に専任の職員が配置されなくって、管理部門の職員がこちらも兼務したと聞いています。本来ならば、先行投資してでも専任の職員を重点配置すべき主要事業と思うんですけれども、先行投資していないということは、この国際関連事業を大きく展開していくのは無理があると局長自身そういうふうに判断しておられるんではないでしょうか。どうして配置していないのか、理由を伺います。
齋藤水道局長:必要な先行投資は当然すべきだというふうに思いますが、本件に関しましては内部の効率的な執行体制の中でこなしていこうということ、それから会社全体の収支計画に含めまして現在いる職員、これは水道局の仕事を経験した職員が2人ばかりおりますので、その職員ががんばってやっているということでございます。
白井議員:内部の職員の方がんばってやっておられるということですけれども、本当にこれからの主要事業としてさせていこうと思えば、当然人の配置も必要だと思うんですが、現段階ではその考えはないんでしょうか。
齋藤水道局長:必要があれば当然配置をしていく必要がある。その場合に、会社がどのようなかたちでどのような人材を配置するかという問題もございますので、今後事業の展開の中で横浜ウォーター株式会社と相談するといいますか、意見交換しながら進めていきたいと考えております。
白井議員:海外水ビジネスが今後の横浜ウォーター株式会社の大きな収益の柱になるには、大変高いハードルがあります。しかしそのことを示すことなく、市民に対しては横浜ウォーター株式会社の収益確保を進めて、海外水ビジネス発展に努めると、ばら色に描いておられるように聞こえるんです。ですから市民は大きな期待を抱いているわけですけれども、しかし現状は先行的に職員を配置することもせず、本格的に海外水ビジネスに乗り出す体制ではないと聞こえます。この間違った認識を市民に与えて惑わせているようなんですけれども、これぜひ改めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
齋藤水道局長:私どもの最も大切な使命は、市民に安全でおいしい水を安定して供給するということであると考えています。そのうえで、私どもが長年培ってきた高い技術力、ノウハウを生かして、横浜ウォーター株式会社と連携をして、国内外の水道事業に貢献しつつ、収益を確保するということを目的にしているわけで、いまお話のありましたように、一攫千金で莫大の利益があるというようなことをご説明したつもりもございませんし、まずきちっとお客様の利益につながるように、会社の経営においても赤字を出さない、昨年の議会でも付帯意見をきちっとつけていただきましたが、そのことを踏まえながら着実に私どもの役割を果たしながら、水ビジネスといったかたちで国際貢献も果たしていこうと、こういうふうにしてやっていきたいと思っております。そのことについて、お客様にもっとPRせいということであれば、きちっと説明をしていく必要があると考えておりますので、よろしくお願いいたします。
白井議員:終わります。