議会での質問・討論(詳細)
2022年9月28日

総合審査 かわじ民夫2022年9月28日

委員会.発言と答弁の全文

総合審査 かわじ民夫 2022年9月28日

かわじ議員:日本共産党 かわじ民夫です。よろしくお願いします。
質問に入る前に、昨日、安倍元首相の国葬が行われ市長が参列した事と、市庁舎に半旗を掲げたことについて、抗議します。国葬に対しては法的根拠が無く、特定の個人を特別視することは「法の下の平等」とする憲法14条や、「思想・良心の自由」を保障する憲法19条に反するとして中止を求めてきた多くの市民の願いに正面から応えていただきたかったです。それでは質問に入ります。委員長、スライド使用許可を願います。

IRカジノの振り返りについて
かわじ議員:先ずは市長の政治姿勢についてです。まずIR振り返りに関わって伺います。
市長が誘致撤回を表明されたことから、IR誘致に係る取り組みの振り返りがこの度取りまとめられ、公表されました。そこには「IRは不確定要素が多く、(経済的社会的)効果について期待通りにならないリスクがあった」、「(依存症への)市民の不安を払しょくし、理解を得られるまで至っていなかった」、「IR誘致の意思表明においては…市民の反発や不信感を招くことになり」、「住民投票条例制定を求める直接請求の結果や市の対応については批判的な意見が多く、IRに対する市民感情を悪化させた可能性があった」と反省の弁が連なっています。そして、市の様々な施策や事業を進める上では市民の理解は欠かせないものと改めて認識したとしています。前市長による誤った判断とその後の対応が市民に不安と混乱を招いた経過を直視し、その反省を今後の市政運営の糧にしなければなりません。そこで、示されたIRの振り返りに対して、市長の率直な思いをお聞かせください。
山中市長:今回ご報告したものは、二月に公表した中間報告に対して市民の皆様の意見、また複数の外部有識者の意見等を踏まえ、その上で市としての振り返りを加えた横浜市におけるIR誘致の取り組みの振り返りの最終報告となります。
私としては、今後の市の施策を進めていくうえで、今回の件も踏まえて、丁寧に市民の皆様の声を伺い適時適切な情報の発信、並びに情報の共有を行うことで、市民の皆様にご理解を頂きながら信頼される市政運営に努めていきたいと考えてございます。

かわじ議員:振り返りでは、2月の「中間報告」に対する市民意見として「市民の声を聞かなかったことが市民の理解を得られなかった要因の一つ」「誘致ありきの施策が顕著であり、民意を尊重しようとする姿勢が行政側に欠如していたことが明らか」、また外部有識者I氏からは「市はIR誘致の判断理由を経済効果としたことを踏まえれば負の影響、社会的コストと合わせて説明する必要があった」、K氏は「メリットについては非常に強く発信していく一方で、デメリットについての説明はあまり行われていない」とあります。そこで、中心的に推進されていた平原副市長に伺いますが、こうした指摘に対して、どういう責任の取り方をされるのですか。
平原副市長:今回市民の皆様、あるいは外部有識者からですね、市が取り組んできたIR事業の進め方について大変厳しいご意見、ご指摘をいただいたものと認識しております。これらの意見をしっかりと受け止めまして、今回の振り返りを通じて得られた点を踏まえまして今後の市政運営に活かしていくのが私どもの責任かと感じております。

かわじ議員:市長と同じようなことですね。本当にこれで反省されているのでしょうか。
9月21日の神奈川新聞社説では「市による経済効果の試算根拠や、誘致表明時の国などとのやり取りの経緯が、中間報告に続いて明らかにされなかったのは残念」「市内には、誘致撤回で宙に浮いた山下ふ頭の他上瀬谷通信施設跡地など、大型開発条件が他にもある。今回の検証作業で浮き彫りになった課題を生かし、市民の理解を得られる政策決定を求めたい」とあります。私も同感です。市長の見解を伺います。
山中市長:市における様々な政策や事業を今後進めていく上で、市民の皆様のご理解が欠かせません。そのため、各施策を進めるにあたっては政策決定のプロセスを踏まえ、市民の皆様が求める適時適切な情報の発信、そして情報の共有ができるよう市としても務めていきたいと考えてございます。
具体的な方法につきましては、それぞれの事業の性質や状況に応じまして適切な対応を検討してまいります。
かわじ議員:ぜひ、お願いします。

市長就任から1年間の取り組みについて
かわじ議員:市民の期待について伺います。昨年9月、市長は所信表明演説で、前市長が政府や自民党に追随し進めてきたカジノ誘致を撤回、新たな劇場整備の中止を表明されました。本会議場や傍聴席の大きな歓声は今でも鮮明に覚えています。その他にも前市長は3期12年、経済成長の名で大型開発のオンパレードでした。新市庁舎の整備はその典型です。オリンピック・パラリンピックに間に合わせるためとして、財政調整基金などを過度に活用したことから、コロナ対策に対して市独自の施策を打つこともできませんでした。その市政を継いだ市長は市民との公約を果たすのが使命だと何度も表明され、その一端が中期計画素案に盛り込まれました。市長の誠実さを感じている市民も多いと思います。そこで、市長就任1年余、市長は市民の期待にどのように応えてきたと感じておられるのか、伺います。
山中市長:安全安心な暮らしや、市内の経済を支えることに対して市民の皆様の大きな期待が寄せられていると感じております。現在の横浜市を取り巻く様々な課題に真正面から向き合い、市民の皆様や現場の声を丁寧に聴き、常々申し上げている市の職員に対して申し上げている市民目線、並びにスピード感、これを持ってご期待に応えられるように力を尽くしてまいりました。

エネルギー政策について
かわじ議員:
国のエネルギー政策について伺います。国の第6次エネルギー基本計画では2030年度の総発電量に占める原子力発電の比率は20~22%と見込んでいます。同計画は、世論の批判を意識して、新増設の明記を見送り、「再生可能エネルギーの拡大を図る中で可能な限り原発依存度を低減する」と記述しました。しかし、岸田首相は、8月24日突如、次世代型原発の開発・建設の検討に踏み込む方針を表明し、これまでの10基に加え、新たに23年夏以降7基を順次再稼働させるとしました。これは、これまでの国の立場を完全に投げ捨てたものです。また、エネルギー基本計画は、石炭火力比率を30年度19%とし、国は9基の石炭火力発電所を建設するとしています。CO2削減が世界的課題とされている中で、国が2度にわたって化石賞をもらう等不名誉な実態を晒し(さらし)ています。岸田首相の原発方針はロシアによるウクライナ侵略によるエネルギーの高騰に便乗して将来にわたり原発に依存し続ける姿勢を示したものです。11年前の東電福島原発の大事故の教訓を忘れ、新たな安全神話を作り出す原発回帰は許せません。市長はこうした世界の流れに逆行する国の政策を憂いておられると思いますが、原発や石炭火力の推進に対する市長の認識を伺います。
山中市長:原子力発電や石炭火力発電等を含むエネルギーの政策については、経済性や環境への影響など様々な観点を考慮して、国で総合的に判断されるものと考えております。
横浜市としては、2050年ゼロカーボンの実現に向けて再生可能エネルギーの主力電源化が不可欠であると考えておりますので、この観点から再エネの普及拡大に向けた様々な施策に取り組んでおります。
かわじ議員:国の政策だからと言うのではなくて、率直に意見も申すことが必要かと思います。

平和・核廃絶に向かう取り組みについて
かわじ議員:平和に関わって伺います。ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵略に関わって繰り返し核兵器使用を明言し威嚇しています。世界では抗議の声が広がっています。核兵器禁止条約の第一回締約国会議では、「核廃絶の実現の決意を再確認し、核兵器が二度と使われない唯一の方法は核廃絶だ」とのウイーン宣言が決議されました。NPT再検討会議でも、ロシアをのぞくすべての締約国の最終文書案には、「NPT条約第6条のもとで約束している『核兵器の全廃を達成するという核兵器国の明白な約束の再確認』すること」が盛り込まれる等、核廃絶の大きな流れです。
平和首長会議は、核兵器のない平和な世界の実現に向けた大きな潮流を目指しています。ピースメッセンジャー都市の称号を受けている本市の役割は重要ではないでしょうか。平和首長会議に加盟する自治体の市長としての認識及び、横浜市は何をするのか、市長に伺います。
山中市長:ロシアによるウクライナ侵略により、平和への脅威がより現実的となっている今、平和市長会議における恒久平和への取り組みは、ますます重要性を増していると認識しております。
本市は平和市長会議の加盟都市として、横浜市国際平和の推進に関する条例に則り、国際交流・国際協力・多文化共生の各取り組みを推進するとともに、平和に関する啓発活動、あるいは大使館や海外事務所などの本市ネットワークを活用した発信等を行ってまいります。
かわじ議員:もっと、横浜の平和のメッセージをどんどん発することを求めます。

横浜市地球温暖化対策実行計画と脱プラスチックについて
かわじ議員:市長はR4年度市政運営基本方針で、「温出効果ガス排出削減目標は国の目標値2030年46%削減を上回る50%削減を目指す」とのべました。また、市役所の推進体制では、これまで副市長をトップとする温暖化対策区局長等連絡会議から市長をトップとする庁内体制にアップしました。そこで温暖化対策を推進する市長の決意を伺います。
山中市長:2030年度の温室効果ガス50%の削減、そしてゼロカーボン横浜の達成に向けては市民・事業者の皆様をはじめ、国や他の自治体とも十分連携をしながら取り組みを進めていくことが重要です。目標の達成に向けまして、取り組みの意義を皆様と共有しながら全庁一丸となり取り組んでまいります。
かわじ議員:これまでと比べて、どのように強化するのか、具体的な推進対策についてもお示しいただけますか。
石川温暖化対策本部長:先ほどの委員の方からもお話ございましたが、副市長トップの今までの情報共有の会議から、市長トップの会議体のほうに移行させていただきまして、その下に必要に応じまして副市長をトップとするような横断的な取り組みにつきましては、副市長トップするような部会それから必要なワーキングループなどを設けながらですね、しっかり体制を全庁一丸という形に整えまして、推進をしていきたいというふうに考えてございます。

かわじ議員:本市は「ゼロカーボン市区町村協議会」を呼びかけその会長になりました。CO2削減に向けて全国の先進的役割を担う立場に立ったことになります。25日の日曜日、NHKが二時間にわたって気候危機を取り上げました。日曜討論では脱炭素社会への道筋、10時~1.5°Cの約束、気候変動アクションと題するNHK民放6局のアナウンサーなどによる番組でした。気候危機の実相とその解決が待ったなしであることが浮き彫りにされました。全国のリーダーの役割を担う市長の思いを伺います。
山中市長:温暖化対策におきましては、自治体の役割がますます高まっているというふうに承知しております。したがってその自治体間のネットワークが更に重要になるものと思います。これまでも、各自治体の課題や提案等を、取りまとめまして国に提言をしてまいりましたし、また連携強化にも取り組んでまいりました。今はゼロカーボンシティ、市区町村協議会の会長都市を拝命しておりますが、今後こういった取り組みを、さらに強化をして自治体としてまとまりのある温暖化対策を進めていきたいと考えております。

かわじ議員:全国のリーダーとして確実に実行計画の達成、または達成の繰り上げ、目標のアップ、こうした構えはありますか?
山中市長:現在の目標値に向かいまして、地区町村協議会等の連携を踏まえながら、目標達成に向けて進めてまいりたいと考えております。

かわじ議員:スライドをご覧ください。実行計画における管理指標と実績を示したものです。「ゼロカーボンヨコハマ」の実現に向け、8つの基本目標、方針ごとに計画の目安となる管理指標を設定に対して、5つで実績が目安を上回りましたが、スライド右側の矢印のように、市内の再生可能エネルギー設備導入量や新築住宅に対する省エネ住宅の割合など、実績が目安に届いていません。この結果についての評価はどうですか、届かなかった要因はどこにあったのか、伺います。
石川温暖化対策本部長:現行計画の管理指標のうち、ご紹介ございましたが再生可能エネルギー設備導入量など六項目につきまして2020年度の目安を下回りまして、厳しい結果であったというふうに受け止めてございます。未達成の主な要因として考えられますのは、脱炭素につきましての認知度は高まっているというような状況がございますが、必要性であるとかメリットが十分に理解をされていないこと、その点を理解されていても費用負担の抵抗感があることや、新型コロナウイルスによる影響などが挙げられます。
2030年度、2050年度の高い目標に向けまして、取組を強化していく必要があるというふうに考えてございます。

かわじ議員:新築住宅のうち、省エネに配慮した住宅の割合、これは2020年目安50%に対して、実績は45%でした。この政策、市民への周知はどうだったんでしょうか?
鵜澤建築局長:省エネ住宅のですね、配慮した住宅の割合の目標でございます。今ご紹介いただいたように約95%以上達成はしてございましたが、やはりあの微妙に到達できておりませんでした。やはりここについてはですねえ、省エネ住宅の必要性とかメリットですね、この理解がまだまだ十分にしていただけてなかったかなと。その分PRが足りてなかったかなと思います。

かわじ議員:スライドをご覧ください。市役所編でも2030年度CO2削減目標は50%です。市役所総排出量の3分1を占めているのが焼却工場からの排出です。その9割をプラスチック類の焼却が占めています。30年度目標達成には、この焼却プラスチックの大幅な削減は避けては通れません。プラスチック対策をどのようにするのか。また、法改正で製品プラもリサイクルの対象になりましたが、製品プラのリサイクルはどのようにするのか、伺います。
金澤資源循環局長:本年四月に施行されましたプラスチック資源循環法を受けまして、小売店等ではプラスチックのスプーンやストローの無償提供の見直しや、代替素材への転換などの動きが出てきておりまして、本市としてもそのような企業と連携するとともに積極的に後押しをしてまいります。
またご家庭から出されるプラスチックゴミのうち、すでに分別リサイクルを実施しておりますプラスチック製容器包装に加えまして、これまで燃やすごみとして処理してきたハンガーやバケツなどの、プラスチック製品につきましても分別リサイクルを拡大してまいります。市民の皆様、企業事業者の皆様とともにプラスチック対策を進めてまいります。

かわじ議員:製品プラなどを含めた処理費はどうなるのですか
金澤資源循環局長:詳細にこれから精査をしてまいりますが、これまでと比べてコストがかかるものと考えております。
かわじ議員:国からの補助はあるのですか。
金澤資源循環局長:容器包装に関しましては、分別収集・中間処理というものが自治体に課されておりまして、リサイクルする経費につきましては、事業者が負担するといった法律の立て付けになっております。
一方今回のプラスチック資源循環法では、そういった建付けがございませんのでリサイクルする経費も自治体の負担ということになっております。

かわじ議員:容リ法(容器包装リサイクル法)はプラの収集・処理は自治体の責任とされ、その費用も主に自治体の持ち出しです。製品プラが加われば更に持ち出し負担がふえます。これはおかしいです。
私は、廃棄プラは生産者責任にするべきと思います。処理費用は商品に上乗せする、そうすれば環境負荷の大きい商品は高くなる、消費者は同一価値なら当然安い商品を選ぶ、生産者は環境負荷が小さくなるよう競争する。環境改善に大きくつながると思います。ぜひ国にも提言してほしいと思いますがいかがでしょうか。
金澤資源循環局長:新たに負担が必要になります経費につきまして、まあ実際に大きな負担になることは間違いございませんので、そういった意味で国にしっかりと要望していきたいと考えております。

ミニバス支援など地域交通の拡充を等
かわじ議員:
次は、日常生活を支える地域交通の実現についてです。
高齢化が進む中で地域交通の役割は一層重要です。市長選の公約で「地域交通の充実」とありますが、地域交通の現状と改善策について、市長の認識を伺います。
山中市長:地域交通の充実についての現状および認識でございますが、外出頻度の減少や生産年齢人口の減少、合わせて新型コロナウイルスの影響等によるバス路線の減少等が加速しております。こういったことが複合的に日常生活の移動に不便を感じさせているという声に繋がっていると承知しております。今後、地域内の多様化するニーズに対応した移動サービスの創出が必要だと考えております。8月に公表した中期計画の素案に位置づけて、今後、強力に推進をすることといたしました。

かわじ議員:地域交通政策についてです。市長は、今年度の予算編成で、「持続可能な地域交通の実現のため、バスネットワークの維持や地域内の移動手段確保に向けて、検討を進めます」と表明されました。そして、中期計画素案では、主な交通手段であるバスネットワークの維持や、地域内の多様な移動ニーズに対応するため、持続可能な地域交通をめざし、誰もが安全・安心・円滑・便利に移動できる環境を整えるとあります。
しかし、市民の移動手段として不可欠な公共交通機関であるバス事業は、市営・民間の区別なく経営困難な状況であり、それを理由に路線の減便・廃止が次々とおこなわれ、市民サービスの低下を招いています。こうした状況の改善には、市内全域の交通問題に対し一括して関与できる部署、例えば公共交通政策課が必要と思うが、伺います。
山中市長:中期計画の素案におきまして、地域の総合的な移動サービスの確保を掲げさせていただきました。新たな移動サービスを創設し、計画期間内に市域への展開を目指したいと思案しております。今後スピード感を持って推進していくために必要な庁内体制の構築を進めてまいりたいと考えております。

かわじ議員:今年度の予算関連質問の我が党の質問に対し、山中市長は「地域ニーズをしっかり把握し、地域の総合的な移動サービスを関係局で横断的なチームを組み総合的に検討する」と答えですが、どのように取り組まれたのですか。
山中市長:先程申し上げた通り、必要な庁内体制の構築を進めてまいる所存です。

かわじ議員:なんかしっくりこないですね。
それでは、地域交通サポート事業について伺います。地域と交通事業者が中心になり、横浜市が支援している地域交通サポート事業において、運営が厳しい路線もあります。地域交通サポート事業においては、2018年から2021年までの前期中期計画、この目標と結果及び総括を伺います。
高瀬道路局長:前中期計画では、地域交通サポート事業のグループ登録数について、29地区から37地区へ拡大する目標としておりました。結果は7地区増加し累計36地区でございました。目標に達しませんでしたが、地域からのグループ登録を求める要望には全てしっかりと対応し、必要な支援を行った結果、登録数について増やすことができたと考えておりまして、今も引き続き要望のある地区の支援については継続をしています。

かわじ議員:確認ですけども、検討組織ではなくて、運行路線がいくつまでの目標を掲げて、いくつ達成したのか教えてください。
高瀬道路局長:前中期計画の目標では、運行地区数については、目標に定めておりませんで、新たな路線を創出するという数として、バス停の新増設の目標を設置としておりました。120か所を累計として目指すところ、結果としては180か所を超えるバス停が新設できましたので、バス停の数という意味では、前中期計画を達成できたと考えてございます。

かわじ議員:新しい(中期計画)素案の中には、今度運行数が示されています。その違いは何ですか。
高瀬道路局長:従来から地域交通サポート事業については、地区を支援するという形で進めておりまして、沢山の新設路線を創設してまいりました。これからも地区を支援するという姿勢を明確に出すという意味で、地区数で今回は目標を掲げさせていただきました。

かわじ議員:検討組織の設立累計は36と報告があり、また本格運行は17地区ということですけど、やはり地域で検討を立ち上げるっていうことは、そこで運行したいということだと思うんですけども、その運行が少なかったのはなぜですか。
高瀬道路局長:運行地区について、必ずしも少ないとは思っておりませんで、地区数についてはそれぞれの地区でふさわしい事業手法、整備方法を検討し、今までのところ、必要な地区を達成してきているかと思います。ただ先生ご指摘の通り、まだまだ要望を求める声が多くてですね、需要の少ない地区でも成立するような事業手法を求めたいという声がたくさんありますので、今まさにデマンド交通ですとか、さらに新しい事業手法を用意して、地区を拡大しようということで務めているところでございます。

かわじ議員:しっかり運行路線を広げていただきたいと思います。
具体的な問題として、旭区の「四季めぐり号」は2013年4月から本格運行が始まったものの採算が取れず、地域や事業者の必死の努力も実らず2018年10月に廃止になりました。再度の運行を求める住民の希望に沿い、地域では新たな事業者と協議を重ね、2020年7月、運行の再開にこぎつけました。車両購入費などの初期投資への支援が増えたものの、運営費補助はなく、運行維持の苦労が続いていると聞きます。住民にとっての必要移動手段にも拘わらず、事業名のごとく、市の役割はサポート役のみです。市の運営責任を示さず補助は無い。これでは不十分です。
この件でも、予算関連質問で市長は「喫緊の課題である移動手段の確保に向けて、きめ細かな対応ができるよう地域交通サポート事業の更なる充実に向けて取り組む」との答えです。
中期計画素案では本格運行地区数を30地区としています。新たに13地区で本格運行することになります。
地域交通を保証し安定事業にするためには、市の責任を明らかにし、運営補助をするべきと思うが、伺います。
高瀬道路局長:地域交通サポート事業でございますけれども、持続可能な運行サービスを提供するということが最も重要なことだと考えてございまして、自立した運行を基本としております。そのために運行後の運営補助については行なっておりません。なお実証実験においては運行経費の補助を行っております。また運行後も自立経営に必要な運行計画の見直しや利用促進の支援を行っております。旭区の四季めぐり号のように89人の目標に対して、もう80人を越えるところまで支援の結果として来ておりますので、自立運行までもう一歩だと思っているところでございます。
かわじ議員:私はやっぱり安定した運行を進め、そして地域の足を確保するためには、どうしても運航に対する支援が必要だと思います。そこで市長に伺いますが、地域サポート事業、この支援っていうのが必要だと、とりわけ運営支援の補助が必要だと思うんですが、再度この現状を市長に確認いただき、そういった支援の方向にも踏み出していただきたいんですが、いかがでしょうか。
山中市長:現状を分析した上で、検討してまいります。
財政の確立と政策の具体化について
かわじ議員:ぜひしっかり現状分析をしていただきたいと思います。最後に財政の確立と政策の具体化について伺います。様々な施策をめざすも財政抜きでは実効性が見えません。市長は、昨年9月の所信表明で、「人口減少・超高齢社会において、次世代に過度な負担を先送りしない、持続可能でバランスの取れた財政運営が求められます」「新たな劇場整備の検討中止など、あらゆる事業をしっかりと見直し」ます、と財政政策に言及されました。
私は、財政確立のためには、現役世代の増加が重要だと思っています。その方向が中期計画素案の全体像に盛り込まれ、「明日を開く都市」、基本戦略「子育てしたいまち 次世代を共に育むまちヨコハマ」の施策だと思います。その施策の推進はどのようにするのか、伺います。

山中市長:未来の横浜を担う次世代を育むことが必要です。そのためにも新たに子育てを中心とした基本戦略を掲げさせて頂き、選ばれる都市を目指す、これを今回の中期計画の素案に書きました。こうした取り組みを全体的総合的に進めていくことによって、子育て世代を呼び込んだ、そして税財源の基盤の強化にも資する、そういった取り組みになっていくのではないかと考えております。
かわじ議員:私は中期計画の素案を見て感じたことですが、基本戦略について「若者や現役世代が横浜に憧れ住み続け、横浜を選び転入し、横浜で働き続けるようになれば、税収も増える、現役世代も増え、財政も増えると思います。財政も好転し財政確立につながる。こういった好循環につながるのではないかそう思っています。
そのためには横浜市が、子育て施策や温暖化・環境対策・移動手段やコミュニティにおいて、魅力あるものでなければならないと思っています。こうしたイメージを描いています。その施策の予算の財源は、どうしたら作れるのか。ここをしっかり進めなければならないと思います。
私は、明石市の様に公共事業の削減で確保することができると思います。本市の人口で言えば明石市の12倍の自治体です。大型開発も多数あり財源ねん出は十分可能です。財源確保は不要不急の大型開発優先にメスを入れることが不可欠に思いますが、その決意について伺います。
山中市長:公共事業については、これまでもその財源となる市債を横浜方式のプライマリーバランス等の財政目標の範囲内で水準を管理しながら将来を見据えた必要な事業を行ってまいりました。今後の投資管理を行うとともに、既存事業の新陳代謝を進めることによって必要な財源の確保を行い、中期計画の基本戦略で掲げました子育てしたいまち、次世代を共に育むまち、この実現に向けた政策を推進してまいります。
かわじ議員:やっぱり本当に市政がどういう方向に進むか、子どもたちが本当にのびのびでき、若者が本当に元気良く暮らせる、また選べる町、そのことも市長が思っていられるように、私たちも進めていきたいと思いますし、そのそういった施策について応援していきたいと思っております。


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