申し入れ等
2022年1月20日

第3期 横浜市耐震改修促進計画(素案)についての意見

2022年1月20日

横浜市長 山中 竹春 様

日本共産党横浜市会議員団

団長 荒木由美子

第3期 横浜市耐震改修促進計画(素案)についての意見

ここ近年の地震の多発、最近では横浜でも震度5弱を経験する中で、首都直下地震や南海トラフの巨大地震への備えが待ったなしであることを実感するところです。都市型災害である1995年に起きた阪神淡路大震災では建物の倒壊や火災等により多くの尊い命が奪われました。内閣府の中央防災会議は、首都直下地震の被害として、都心南部直下でМ7・3の地震が起きて、様々なケースを調べて、最大死者が2万3000人で全壊・焼失する家屋は61万棟という被害想定を2013年に出しています。亡くなる人の7割が火災であり、建物の倒壊で亡くなる方は6,400人です。横浜においても全壊・焼失する建物がどこにあるのか、どこの被害が大きいのかを把握していて、「燃えにくいまち、燃え広がらないまち」の実現にむけた取り組みを進めています。いわゆる木造密集地、耐震化、不燃化がされていない家屋がたくさんあり、道路が狭くて大型の消防車は入っていけない地域を、「対象地域」と指定しています。ただ、地震被害の軽減のためには建物の耐震化や不燃化をすすめることが急務であることは言をまちませんが、2020年度に市の行ったアンケートで、旧耐震の木造住宅所有者の約7割が70代以上で、「費用負担が大きい」が最多、「大地震が来ても仕方ない」「相続予定がない」などの回答が出されています。戸建て住宅の耐震改修の推進には費用負担の軽減が何よりも大きな課題です。

また、現在、新耐震の木造住宅であってもそのよって立つ地盤が弱いために倒壊することが明らかとなっています。さらに、重要道路以外の道路に面するビルの耐震診断はほとんど行われていないのが現状ではないでしょうか。オフィスビルでの中間層崩壊などが発生すれば、とんでもない数の犠牲者が発生することが予想されます。多くの命と財産・生活が奪われるというリスク回避のために、公共事業の視点からの取り組みが必要です。

この街をどう守るのか、今回、国の「建築物の耐震改修の促進に関する法律」による基本方針が改定されることを踏まえ、横浜市は2022年から2025年を第3期計画期間として改訂しようとしていますが、「横浜市地震防災戦略における地震火災対策方針」と併せて都市整備局との共同での取り組みとしなければ、人命を守り街を守るという本格的な取り組みとは言えないのではないでしょうか。市民が安心してくらしていくことができるよう横浜市の計画を策定していただきたく、党市議団として今回の市民意見募集に参加します。

1. 戸建て住宅の耐震化については、旧耐震については「耐震性なし」の7万戸に加えて、7万戸の「耐震性あり」も対象とすること。耐震性のない旧耐震の約7万戸に対して、所有者との相談をすすめ対応し100%の耐震化を目指すこと。

2. 不燃化推進地域としている重点対策地域の31,400棟についての耐震性や耐火性についての調査を改めて行い、所有者と相談しながら推進すること。

3. 耐震改修や不燃化改修工事は、所有者の意向を調査し、低コスト工法の導入で、補助金の限度内で、所有者の負担ができるだけかからないように取り組むこと。

4. 大規模盛土や軟弱地盤などの調査を行い地盤に課題がある住宅についての取り組みを明らかにすること。

5. 重要道路外の沿道のビルの耐震診断を行い耐震化の計画を持つこと。

6. 耐震対策をすすめる共同住宅の除却費用の補助制度を創設すること。

7. 災害時の重要拠点となる病院について、補助制度を拡充して耐震化をなお一層推進すること。

8. 地震時の倒壊のおそれがあるブロック塀等について、助成事業の拡充を行い推進する。通学路における危険なブロック塀等の改善は、残り1、729か所への対応を着実に進める。除却の補助額を拡充して全体の推進を図ること。

9. 街全体の耐震化・不燃化を強力に推進するために、所有者への働きかけや相談・指導が円滑に進められるように人員と予算の拡充を抜本的に強めること。


新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP