市民が期待する市長公約をブレずに進めて欲しい
古谷議員:日本共産党 古谷やすひこです。通告に従い、順次質問してまいります。
まず市長の公約について伺います。私は、長年に及ぶカジノ誘致反対の運動や議会上での論戦を前の市長とは本当に正面からやってきたと思っています。さきの横浜市長選挙では、カジノ反対の住民団体が推薦する山中市長が見事当選を果たされたということです。山中市長が誕生したことに多くの市民みなさんが期待しています。その多くの市民のみなさんが期待しているのは、今までの市政を切り替えてほしい、山中市長が掲げられた公約を実現してほしい。このことについて期待していると思います。そこで伺いますが「公約を実現する」そして「市民との約束を守る」ことについての山中市長の見解を伺います。
山中市長:公約に掲げた市策の推進について市会の皆様と丁寧に議論を重ねながら、取り組んで参ります。市民の皆様に住み続けたいと思って頂ける横浜市、事業者の皆様から選ばれる横浜市を作っていくために市民の皆様の声をお伺いしながら全力で市政運営に邁進していく所存です。
古谷議員:市民から選ばれた市長であるということをですね、ぶれずにぜひ頑張っていただきたいと思います。前林市長はカジノ誘致については白紙であるとした公約を翻してカジノ誘致に舵を切り替えたことで多くの市民のみなさんから批判を浴びました。そこからカジノ誘致問題は横浜市政にとって大きな問題となりました。その後のどんなマスコミの世論調査でもカジノ誘致については6割から7割が反対という高い水準。カジノ誘致を止めるために市長リコールを進める団体や、市政の重要課題には住民投票で市民意志を聞いて市政運営に反映させるべきであるとする住民投票条例制定を進める団体もありました。住民投票については約20万の署名を集め臨時議会が招集され、しかし、議会の反対多数で住民投票条例制定は否決をされました。その後、住民投票条例制定の運動を進めた市民団体がカジノ反対市長を誕生させる市民団体へと生まれ変わり、山中市長と覚書を交わしました。そして見事当選を果たしたということです。
今回の市長選挙では、ほとんどの立候補者がカジノ誘致反対を公約で掲げました。こうした状況を生み出したのは、長年に及ぶカジノ誘致反対の市民運動であり、横浜にカジノはいらないとする市民の願いでした。山中市長は、就任してすぐの今議会でカジノ誘致撤回を宣言されました。山中市長、改めてカジノ誘致撤回を宣言された思いを伺います。
山中市長:IRにつきましては、市民の皆様から聞こえてきた声にしっかりとお答えして、9月10日の所信表明で誘致の撤回を宣言いたしました。すでに事業者の公募を中止し、また10月1日付けでIR推進室を廃止しております。
古谷議員:着実に公約実現のために動いていって頂きたいと思います。
山中市長が今回の市長選挙で掲げた先ほどから話題になっております「3つのゼロ」。この公約を通じて、どんな横浜をつくろうとしているのか?また、市民に対してどんなメッセージを出しているのか、まず伺います。
山中市長:生産年齢人口の減少や、社会保障経費の増加が見込まれるなか、持続可能な街を実現していくために子育て世代の転入、出生率の向上、医療費の抑制につながる施策が重要だと考えております。こうした施策の推進により、誰もが自分らしさを発揮し、生き生きと安心して暮らせることができる街横浜。この横浜を実現するために、三つのゼロ公約を掲げました。
古谷議員:3つのゼロのうちの「敬老パス自己負担ゼロ」について、その実現をはかる際には、事業効果が顕著に分かるようなデータを全世代に向けて示す必要があると思います。その際には、名古屋市のように詳細な実態調査、あるいは研究を行ったうえで実現に臨んでいくべきと思いますが見解を伺います。
山中市長:敬老パスは様々な課題がある中、市会の皆様と検討を重ねIC化に向けた準備が進められてきたと承知しております。令和3年から4年に取り組むIC化により、正確な利用実績を把握し、敬老パス制度が持続可能な制度となるよう、検討を速やかに行ってまいります。検討にあたってはIC化により把握した利用実態等のデータを活用して、市民の皆様の様々なご意見を伺いながらこれまでの経過を踏まえ、市会の皆さまと議論をさせていただきたく存じます。
古谷議員:山中市長が掲げる公約について、市長に着任されてまず一カ月あまりというところなのですが、すぐに全てができるわけではないと思います。公約を実現させるスケジュールと、また、ひっ迫している本市の財政状況。ここから財源を確保するには、一定の大型開発など抜本的に見直し、このことも必要だと思いますが、見解を伺います。
山中市長:次期中期計画と、令和4年度予算案において9月の末から策定・編成に着手したところであり、公約については、その中で各施策の優先順位や、達成水準を議論し、計画的かつ柔軟に取り組む方向で検討してまいります。また財源確保に向けた抜本的な見直しについては、すべての事業を対象に改めて検証を行い、優先度を見極めて参ります。
古谷議員:ぜひ、全ての政策しっかり見直していただきたいと思います。
公有財産を売却する際には、公開を原則としプロセスの透明化を
古谷議員:次に市政への市民参加・住民自治の確立について伺います。「市民の声を聞く市政」を進めようとされている山中市長が、旧庁舎売却の問題では市民理解を得るという点では、私たちとしては、今回の対応は不十分だったと感じています。契約までの時間がなかった問題や、そもそも前市長によって大筋進められていたことなどを勘案しても、建物だけでなく土地代の再評価をしたうえで、説明をするというプロセスも必要だったと思います。また、そもそも公有財産を売却するにあたり、市民からみれば財産評価審議会がその審議内容も含めて非公開であること、また、そのプロセスが見えづらいことは問題だと思います。少なくとも公有財産を売却する際には、公開を原則とすること、また、プロセスの透明性を高めることも必要だと思います。そこで公有財産の処分に当たっては市民意見の反映などのプロセスが必要だと思いますが、市長の見解を伺います。
山中市長:市で保有する土地や建物は、市民の皆様から付託された貴重な財産であります。その処分にあたっては、法令等に基づく適正かつ公正な手続きを基本に区役所等を通じて、地域の課題やニーズを把握するとともに利活用可能資産の情報のオープン化をすすめ、公民連携などの手法により、様々なご意見を伺いながら取り組んで参ります。
古谷議員:ぜひ、その点について少し透明性を高めるような方向性で議論していただきたいと思います。
古谷議員:山中市長が掲げる「市民の声を聞く市政」について、従来の本市が実施している広聴制度等があります。どういう方向で「山中カラー」を打ち出していくのか、伺います。
山中市長:広聴で最も大事なことは市民の皆様の声に謙虚に耳を傾け、収集したその声を整理分析し、一つでも多くの提案や要望が実現するよう組織として真剣に対応を考える姿勢だと思います。このような職員一人一人の広聴マインドの醸成に今後も努めるとともに、デジタル技術の活用などをはじめ、新たな手法の導入を積極的に検討してまいります。
古谷議員:また大きな政策判断、様々される際には、判断をする前に、より丁寧に市民意見を聞いて施策に反映する手法をとっていただきたいと思いますが、見解を伺います。
山中市長:本市では重要な計画などを策定する前に、従来よりパブリックコメントを実施しております。しながら今後は、私、そして経営職・責任職などが市民の皆様に直接説明をし、ご意見をお聞きする機会をもっと設けることが有効かと考えております。立案の段階から積極的にご意見をお伺いすることが重要であります。時間や場所の制約が無いデジタル技術のメリットも検討しながら、様々な機会をとらえて市民の皆様の声をしっかりと聞いてまいります。
第6波に備えた新型コロナウイルス感染症対策強化を
古谷議員:次に新型コロナウイルス感染症対策について伺います。いわゆる第5波は今までに経験したことのないほど、急激に新規感染者が増え、横浜市内も非常に厳しい状況になりました。自宅療養中に亡くなられた方も全国で72名となり、今年になってから自宅療養で亡くなられた方は、他の月合計の約半分が8月で発生してしまうという事態になりました。これは「原則自宅療養」とした政府の方針転換、これが引き起こした人災だと思っています。そこで、第6波が必ず来ることを想定して、第5波の教訓からいま何を備える必要があると考えるのか見解を伺います。
山中市長:今後の感染の波に向けては、まずワクチン接種の加速化。これを第一に取り組み、そして病床の更なる確保による医療提供体制の拡充、自宅療養者の支援の強化、これらに取り組んでいくことが必要だと考えております。
古谷議員:次の感染の波に備えて、通常医療を制限してなんとか医療崩壊を乗り切った第5波のようなことは繰り返してはならないと思っています。そのためには感染者をいち早く見つけ出す検査体制の拡充がどうしても必要です。検査体制の拡充については市長ご自身も公約で掲げておられます。そこで伺いますが、PCR検査体制の拡充をどう進めていくのか伺います。
山中市長:これまで本市では、症状のある方や陽性者と接触があった方など感染の恐れが生じた際に、速やかに検査を受けられる体制を構築してまいりました。一方でより短時間に身近なところで検査をしたいというニーズはございますので、現在国・県が抗原検査キットを配布する取り組みを進めているとこでございます。この国・県の対応状況と連動し、また見極めつつ本市として必要な対応を検討してまいりたいと考えているところです。
古谷議員:今様々な自治体が第6波に備えて、検査体制の拡充についてすすめております。三重県であるとか、他の自治体でもはじまっています。ですから第6波っていうのは、もう間もなく本当に来ると思いますので、速やかに検討願います。
PCR検査体制の拡充をどう具体化するかについてですが、まずひとつは、現在の定期的検査が行われている介護施設・障害者施設の従事者について定期的検査が実施されています。これをどう評価されているのか、伺います。また今後の発展方向としては、定期的検査実施の個所数を増やすべきだと思いますが、見解を伺います。
山中市長:まず、実施に対する評価の部分についてですが、現在、申し込みのあった施設に対しては週1回の頻度で検査を実施しているとこでございます。事業を開始した5月から9月17日までに、高齢者施設では10万9949人、約11万人の検査を実施し、そのうち53名が陽性となっておりました。また障害者施設では、3万7610名の検査を実施して、そのうち、39名が陽性となっておりました。現場働く施設職員の方々をはじめ、関係者の方々の感染状況をその都度確認するという意味で、不安解消につながっていると考えているところです。
また、定期的な検査実施数についてですが、本市では令和2年度の2月から入所系の高齢者施設及び、障害者施設の職員に対して検査を行って参りました。さらに令和3年度の5月から通所型・訪問型の高齢者施設及び、障害者施設の職員も対象に加えて定期的な検査を実施してきたところでございます。またクリニック等の地域の医療機関での検査や、クラスター対策のためのY-AEITによる検査など様々な検査体制を整えております。今後はこれらの検査実施状況、市内の感染状況等を踏まえ、本市として必要な対応を見極めて参ります。
古谷議員:定期的検査も対象施設、これも介護や障害だけではなく、ワクチンの打てない子どもたちが過ごす保育園従事者や学校の教職員などにも対象を拡充する何らかの手立てを打つべきだと思いますが、見解を伺います。
山中市長:国からは、感染拡大地域の事業所を対象とした無症状者へのPCRモニタリング検査への協力依頼がございました。希望する保育所等は各園の判断で、国に直接申し込みを行っており、市立学校の教職員については現在準備を進めているところでございます。
古谷議員:ぜひ、拡充していっていただきたいと思っております。
PCR検査を安心して受けてもらうようにするためには、安心して休める補償も必要だと思います。新型コロナウイルス感染で休校・休園となった場合に仕事を休まざるを得なくなった保護者を支援する「小学校休業等対応助成金・支援金」の申請がようやく再開しました。これは働いている保護者の方からも強く要望が出されていたもので、ようやく復活となりました。ただし、せっかくの制度の周知が本当に足りていないと思います。小学校・保育園・幼稚園等の保護者にもれなく周知するべきと思いますが、見解を伺います。
山中市長:国が昨年度に実施しておりました小学校休業等対応助成金支援金の制度が9月30日から再開をされました。国は労働者からの相談窓口を設置し、相談内容に応じて事業主への働きかけを行っているところです。本市としても小学校や保育所等を通じて一人一人の保護者の方へ制度や相談窓口の周知の徹底、これを図って参ります。
古谷議員:ぜひ、急いでいただきたいと思います。
古谷議員:コロナ専門病院について伺います。新型インフルエンザ等特措法では「県知事は当該都道府県の区域内において病院その他の医療機関が不足し、医療の提供に支障が生ずると認める場合」、「臨時の医療施設において医療を提供しなければならない」とされています。それに基づいてコロナ専門病院等が設置されるものと期待します。第5波で起きたような受け入れる病院がなく救急車が4時間も超えて立ち往生してしまうような事態はなくすためにも、このコロナ専門病院の設置を速やかに行うべきと思いますがどうか伺います。
山中市長:今後の感染の再拡大、病床の逼迫に備えてコロナ専用病床の拡大を図り、通常医療とコロナ医療を両立できる体制を整えることが喫緊の課題だと考えております。そのためコロナ専門病院の開院を、11月中に行う予定でございます。
古谷議員:是非宜しくお願い致します。
アドバイザリーボードの設置について伺います。これは「市中における新型コロナウイルス感染症に関するまん延防止対策や医療体制等を検討するにあたり、外部有識者等から意見を聴取することを目的とする」とされています。今まで本市のコロナ対策における同種の機能を果たすものはなく、今後の本市のコロナ対策で、どういった機能・役割を果たすことを市長は期待しているのか伺います。
山中市長:アドバイザリーボードについてですが、しっかりと第5波を振り返り、第6波の到来に向けて備えなければならないと考えているところですが、そのために医療機関、特に横浜を中心とした医療機関で最前線で治療にあたっている医療関係者、新型コロナウイルス感染症の対策にあたっている専門家、そういった方々からこの横浜の医療現場の状況をはじめ、市内の感染防止対策・医療提供体制などについてアドバイスをいただく、そういったことを期待してアドバイザリーボードを始めております。
古谷議員:設置されたアドバイザリーボードにおいて、これは提案ですが、例えば本市の保育園や学校現場の対策について、医療の専門家の知見を入れた対策がさらに進められるようにこのアドバイザリーボードでも検討・意見交換をしてはどうかと思いますが見解を伺います。
山中市長:このアドバイザリーボードでは保育園や学校現場を含めて、広い感染症対策についてご意見を頂きたいと考えております。
古谷議員:ぜひ、そこで具体的な対策なんかも検討頂きたいなと思います。
コロナ禍でも子どもたちの学びを保障するために、全学校でオンライン授業の実施を
古谷議員:次に、コロナ禍の中で子どもたちの命と健康、そして学びの保障をするために質問します。
第6波に備えて、どんなに感染拡大しても学びの保障を止めない、その対策に全力で取り組んでいただきたいと思います。現在、オンライン授業が実施されているのはどのくらいか伺います。合わせて、オンライン授業が実施できていない学校について、どんな理由できないのか、教育長に伺います。
鯉渕教育長:オンライン授業・学習につきましては、この9月の分散登校期間中に、教育委員会の方から3つの方法を提示しました。複数のやり方を実施した学校もございました。まず一つ目が、動画や学習ドリルなどを活用するオンライン学習は、小中学校の約8割で実施しております。双方向でロイロノートやGoogle Classroomを活用して行うオンライン授業が、約2割。授業の映像を分散登校ですから片一方が授業をやってるわけですが、そのまま配信して行うオンライン授業が約2割でした。
動画や学習ドリルを活用するというタイプのオンライン学習は、どの学校でも可能だったと思いますが、オンライン授業が実施できなかった学校の課題としては、教職員のスキルが大きいのではないかと考えております。
古谷議員:教育条件を整えるべき役割を果たす山中市長に伺います。オンライン授業を受けられる学校が教育長の答弁では2割程度ということで、8割の学校が、教職員のスキルの問題だとおっしゃられました。様々な事情で実施ができていない。早急に手立てをうち、いつ次の感染拡大の波がきても、緊急事態宣言が再び発出されるような事態になっても、学びの保障をするように、全ての学校でオンライン授業が実施できる体制を整えるべきだと思いますが、見解を伺います。
山中市長:おっしゃる通り、教育機会の安定的な提供は、大変重要だと考えております。この度のオンライン授業や学習は、先生方の様々なご苦労もあって実現されたものと聞いています。今後は、教職員の過度な負担にならないように配慮しながら、各学校の課題に丁寧に寄り添い、オンライン授業が推進できるよう教育委員会において、支援に取り組んでもらいたい、そう考えております。
古谷議員:私のところに、沢山寄せられたご意見の中では、要は隣の学校ではオンライン授業やっているけど、うちの学校ではやってないと。これは不公平ではないかっていうのは声も、沢山聞きます。
あとタブレットを持って帰ったけど、オフラインで使ってくださいと言われることもあったと。やっぱり機会があっても、その機能がやっぱり活かされていないなと思います。もし、先ほど教育長が答弁されたように、先生方のスキルの問題であるということであれば、何らかの、やっぱり援助をしていただきたいと思います。
感染への不安で登校できない児童がいます。当然学びの保障をするべきだと思います。その際に、オンライン授業も活用すべきだと思いますが、どうか伺います。
鯉渕教育長:できるだけの教員に対する研修を務めていきたいと思っておりますし、ICT支援員をその際には、各学校におりますので活用してもらいたいと思っております。それから、感染症への不安から登校しない児童・生徒等も含めまして、子どもたちの学びを止めることがないよう、分散登校期間中、学習動画やデジタルドリル、さらにはオンライン学習教材であるデキタス等を活用してきました。今後、登校しない期間が長期に及ぶ場合には、引きこもり状態にある不登校児童・生徒を対象とした、アットホームスタディ授業というのを始めておりますので、その中でオンライン学習教材も利用できるようにしていきます。
古谷議員:よろしくお願いします。
また、感染への不安で、登校できない児童・生徒に対して、不利益を被らないんだよということ、対応をすることを、あらためて学校にも生徒にも保護者にもしっかり伝えるべきだと思いますが、伺います。
鯉渕教育長:登校しないで、進路や成績に関する不利益を被ることはございません。学校としては、できるだけ学校に来てほしいと考えておりますので、そのことの周知方法につきましては、感染への心配から、出席を見合わせる旨の相談があった場合などに、個別案件ごとに学校から伝えることとしております。
なお、その説明の際には、合わせて学校での感染症対策についても十分説明し、できるだけご理解を得るように努めております。
古谷議員:学校での感染対策ですが、少なくとも今収束しつつありますが、デルタ株対応へバージョンアップするべきだと思います。
教室でのエアロゾル感染防止のための対策、常時換気であるとか、あるいは不織布マスクの徹底をするべきだと思います。特にマスクについてですが、ウレタン製のマスクについては、不織布マスクに比べて機能が劣ることは明らかとなっており、不織布マスクを徹底していただきたいのですがどうか伺います。
鯉渕教育長:学校では原則として、窓開けや換気設備による常時換気を行いますが、夏や冬で、室温を適度に保てない場合には、熱中症や室温低下による健康被害を防止するため、休み時間以外は、窓やドアを閉めて設定温度の調整等の対策を講じております。マスクにつきましては、布やウレタンよりも不織布の方が飛沫感染防止の効果が高いため、校内では、不織布マスク使用を推奨しております。今後も不織布マスクの使用について、保護者にご協力いただけるよう努めて参ります。
古谷議員:よろしくお願いします。学校で感染者が出た場合の対応ですが、国による「周辺検査対象者」の新たな定義がでています。これを活用して、学校での検査対象の拡充を図るべきだと思いますがどうか、伺います。
山中市長:本市では令和2年7月に、Y-AEIT (ワイエイト)を設置し、学校保育園等において、感染が広がる恐れがある場合には、直ちに出動し、濃厚接触者に限らず幅広い検査を実施してまいりました。文部科学省は令和3年8月に通知を発出し、学校において陽性者が発生した場合の濃厚接触者と濃厚接触者周辺の検査対象候補者を示しております。本市としては、既に対応してきたところではございますが、引き続き、広く対象をとりながら必要な検査を実施してまいります。
古谷議員:そういうことを周知するだけでも、非常に安心感を得ると思いますので、その点も是非お願いしたいと思います。
全員喫食の中学校給食実施にむけ「親子方式」の取り入れ着実に
古谷議員:次に中学校給食について伺います。
全員喫食に踏み出される決断をされたことは高く評価します。ぜひ今後の検討の中では、当事者の中学生・小学生からも意見を聞いていただきたいと思います。また、せっかく他都市で様々な実践事例が豊富にある中学校給食ですから、内部検討だけではなく今までの内部での検討をもとにした第三者を入れた幅広い知見を使って検討を行うべきだと思いますが見解を伺います。
山中市長:全員喫食を目指し、まずは教育委員会を中心に課題の整理や実施スケジュール等の検討を進めてまいります。その中で、必要に応じて第三者の知見を取り入れることを検討してまいります。
古谷議員:今まで様々内部で調査されことは、私たちも受け取っていますし理解してします。今まで調査されたことも、あらためて、例えば自校や親子方式の実施可能校について、給食室の基準面積ですが、少し、例えば面積を減らした段階では実施可能校は増えるのかとか、そういう条件を動かした中で、実現の可能性を探っていただきたいと思いますし、どうやったら実施できるのかという視点もって、今までの調査内容を見直すことも必要だと思います。
親子方式での中学校給食の実践が本市でも始まっています。金沢区の西金沢学園で実施をして、さらに緑園でも小学校の給食室を使い中学生分もつくる、いわゆる親子方式で原則全員喫食の形で実施されようとしています。
川崎でもセンター方式・自校方式を組み合わせて中学校給食が実現しています。現在の宅配型のハマ弁方式の中学校給食を実施しながらも並行して、財政的にも無理のない親子方式での実施を先の二校だけでなく、いま条件のある学校でも実施をしていくことでスムーズな全員喫食の中学校給食の導入になるのではないかと思いますが見解を伺います。
山中市長:施設一体型の義務教育学校では、校内に給食室があり、衛生的な配膳が可能なことから、例外的な給食提供を行っております。その他の学校では、親子方式を始める場合、現在実施が困難な学校では、学校施設の建て替えが必要となります。こうした課題の整理を行い、あらゆる手法を選択肢に、最適な手法、また、実施ケジュールなどを検討してまいります。
古谷議員:今契約されている中学校給食の実施にあたっての契約期間は承知していますが、それを維持しながらも、少しずつトライアルするところをぜひ増やしていただくというのが、スムーズな全員喫食の中学校給食の導入になるのではないかと思いますので、改めて求めておきたいと思います。
古谷議員:地域交通について伺います。いくつか質問ができたと思いますが、これから人口減少だということで、高齢化社会に突入していく中で、公共交通網を補完する地域交通の役割は増してくると思います。現在全市域の中で、地域交通サポート事業は市内で17か所が稼働しています。これで全てのニーズをとらえているとは到底思えません。対応できていないところも含めて現在、本市として把握されている地域交通のニーズについて伺います。
山中市長:地域全体を見渡す中で、地形の高低差、駅やバス停までの距離、人口動態など客観的なデータから、潜在的な交通課題がある地域を把握していく必要がございます。さらに持続可能な交通を確保するためには、地域とともに考える必要があることから、地域に身近な関係者と密に連携を行い、様々な地域情報をつなぎ合わせて、ニーズの把握に努めてまいります。
古谷議員:相当、区役所の担当者も含めて、この地域ニーズについては捉えていると思いますので、それらを総合して勘案して、どれだけの必要なニーズがあるのか、どこから手をつけていくのかということも含めて検討いただきたいと思います。
市長が公約にも掲げられていたこの地域交通について、郊外部の活性化、暮らしやすい街づくりにとって、極めて有益な政策ですが、今後どういう方策で施策を進めていくのか伺います。
山中市長:本市では、持続可能な交通を実現するため横浜都市交通計画を策定しており、誰もが移動しやすい地域交通の実現を政策目標としております。福祉など他分野との連携を一層強化し、地域のニーズに合わせた最適な医療サービスの導入を幅広く図るため、来年度以降、実証実験や効果検証を進め、より実効性のある地域交通施策を検討してまいります。
古谷議員:是非、この点についても非常に期待の高いところだに思いますので、ぜひ動きを市民にも見せていただきたいと思います。
利用をためらわないよう、生活保護制度の市民周知方法の改善を
古谷議員:最後に、生活保護の活用について伺います。
コロナ禍の中、ひとり親家庭、あるいは非正規労働者は本当に厳しい生活を強いられていると思っています。今までもぎりぎりの生活実態であったのに、コロナでシフトが減ったとして、そもそも職場がなくなってしまう事態があったり、私のところにも本当に生活相談が増えました。厚生労働省の調査によれば、生活保護の申請件数について2021年6月で1万9478件、前年同月より13.3%(2288件)増加と、全国的には申請数が増えています。本市の生活保護の状況ですが、令和3年6月は968件、前年同月でいうと775件でしたから、前年同月より24.9%増加しております。国よりも高い割合で増加しています。しかし、私の肌感覚では、まだまだ利用しようとしても、利用できない、利用をためらっている方がたくさんいるのではないか心配しています。
まず伺いますが、生活保護の利用が必要な方にしっかり利用されている状況であるという認識なのか伺います。合わせて、その利用をためらう原因となっているのは何だと分析されているのか伺います。
山中市長:コロナ禍におきまして、これまで住居確保給付金や生活福祉資金、持続化給付金等、様々な支援策により市民の皆様の生活を支えており、生活保護以外の支援策を選択して、生活されている方も多くいらっしゃるため、生活保護に至ってないものと考えております。
また、生活保護を受けるのに抵抗感を持つ方もおられることから、お困りの方が相談に来やすくなるよう生活保護と生活困窮者自立支援制度を一体的に相談が受けられる取り組みを進めて参ります。
古谷議員:ためらっている方が相談しやすくなるために、コロナ禍の中、苦しんでいる市民の皆さんに対して、あらためて生活保護の利用をためらわないでいただきたいということを広く広報すること、例えば「生活保護の利用は国民の権利です」という札幌市のポスターのような広く市民周知が図れる対策をとっていただきたいと思いますがどうか見解を伺います。
山中市長:本市では、生活保護のしおりや本市ウェブサイトに生活保護の申請は国民の権利であること。また、生活保護を必要とする可能性はどなたでもあるものですので、ためらわずにご相談くださいと記載するなど、生活にお困りの方が相談しやすいように努めてまいりました。引き続き、生活保護制度の広報の充実に一層努めてまいります。
古谷議員:生活保護のしおりが、毎年毎年、改定がされて、本当に充実されてきてるというふうに、これは評価しています。ホームページの方も確かに記載は変わってきています。ですので、それを外に見せるポスターなどの広報をぜひして頂きたいということを願い申し上げて質問を終えます。