申し入れ等
2021年6月23日

教科書採択の公開性・透明性の確保を求める申し入れ

2021年6月23日

横浜市教育長 鯉渕信也様

日本共産党横浜市会議員団

団長 荒木由美子

                       教科書採択の公開性・透明性の確保を求める申し入れ

横浜市教育委員会は、昨年採択したばかりの中学校の歴史教科書の採択を今年8月にやり直すことを決め、教科書取扱審議会への諮問、教科書展示会の開催など手続きを進めています。昨年の採択で、ようやく「新しい歴史教科書をつくる会」系教科書(育鵬社版)をやめた横浜市教育委員会でしたが、2019年度に文科省の検定不合格になっていた「つくる会」系の自由社が、修正を経て2020年度に合格となったため、採択をやり直すとしています。文科省は2021年3月30日付の初等中等教育局長よりの通知で、「令和3年度の教科書採択は、小・中学校用教科書について基本的に令和2年度と同一の教科書を採択しなければならない」としています。合わせて同日付の採択事務処理についての通知で、「採択替えを行うことも可能、採択替えを行うか否かは、採択権者(各自治体の教育委員会等)の判断によるべきもの」とし、全国では、やり直しは行わない教育委員会もあります。横浜市教委は無理にやらなくとも、昨年採択され、すでに中学1年生が使い始めている教科書(帝国書院版)を継続しても良いものです。学校は、今まさに、教材研究、教材準備、授業計画の最中にあります。採択のやり直しは、コロナ対応で四苦八苦する学校現場に新たな負担と混乱をもたらすことは誰しもが認めるところです。
これまで横浜市は11年間にわたって自由社・育鵬社の「つくる会」系の中学校社会科教科書を採択・使用してきました。昨年の採択では、教科書取扱い審議会からの答申は歴史教科書では帝国書院が7点で最も評価が高く、採択会議では答申に沿って帝国書院を採択した事実があります。
多くの市民が関心を寄せる今年の採択会議ですが、通常の教育委員会会議は20人までという傍聴制限がかけられています。また、「かながわ市民オンブズマン」の調査では、県内の2019年度の公立小学校、2020年度の公立中学校の教科書採択で、横浜市教委だけが完全無記名投票で採択していたことが分かっております。「教科書採択の公正性・透明性を確保する観点から、採択結果及びその理由をはじめとする教科書の採択に関する情報の積極的な公表に取り組み、採択に関する説明責任を果たすことが必要である」と文科省通知にあることからも、本市の採択については見直しが必要です。以下要望します。

1. 教科書展示会場は、机・椅子を揃えた広い会場とし、会場が置かれた施設の入り口に展示会場の案内表示を行い、会場やFAXなどで寄せられた意見は、教育委員・教育長に届けること。

2. 採択会場は市役所内の広い会場を使用すること。新型コロナ感染防止対策としてインターネットでの生中継を行い、録画の視聴も可能とすること。

3. 採択にあたっては各人見解を述べること。

4. 採択方法は、挙手ないしは記名投票とし、同数の場合は、協議を優先し、教育長決済は回避すること。

以上


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