議会での質問・討論(詳細)
2020年3月6日

■港湾局【かわじ民夫】

◆河治委員 河治民夫です。日本共産党を代表し、質問してまいります。よろしくお願いします。
 委員長、スライドの許可をお願いします。
○渡邊委員長 はい。
◆河治委員 質問は、その他、新型コロナウイルスに関するダイヤモンド・プリンセス号についてから始めたいと思います。
 新型コロナウイルスで大きな問題となったダイヤモンド・プリンセス号。現在、乗員乗客は全員下船したと聞いていますが、いまだ大黒ふ頭にとどまったままです。検疫は終わったのでしょうか。
◎中野港湾局長 よろしくお願いいたします。まだ船体の検疫が残っておりまして、現在消毒作業をしていると聞いております。
◆河治委員 現在、どんな理由でダイヤモンド・プリンセス号は接岸しているのか、伺います。
◎中野港湾局長 国のほうから、検疫法に基づいて船体の検疫が終了するまで出港は認められないという連絡をいただいておりまして、そのために停泊をしていると考えております。
◆河治委員 まだ本船が接岸している大黒ふ頭にコンテナルームが設置されているようですが、何のためのものなのか、本市は許可を出したのか、伺います。
◎中野港湾局長 国のほうから、同船を安全に出港させるために必要なものとして設置を許可するように依頼がございまして、横浜市港湾施設条例に基づく占用許可をしております。
◆河治委員 速やかに船籍のあるイギリスに戻ってもらうべきだと思いますがどうか、これは副市長に伺います。
◎平原副市長 今、局長からも御答弁申し上げましたけれども、検疫法に基づきまして検疫が終了するまで出港できないということでございますので、そういうことでございます。
◆河治委員 次は、山下ふ頭の再開発についてです。
 IR誘致のスケジュールでは、2020年度にIR事業者を決定し、事業者と本市で区画整備計画を策定し、2021年度に国に対し認定申請するとしています。その認定申請にはIR区域の土地の使用の権限をIR事業者が有し、またはその権限をIR事業者が取得する見込みがあることが条件になっています。IR誘致予定の山下ふ頭には、いまだ13棟の民間倉庫が使われています。しかし、13棟の移転は合意されていません。
 そこで、移転契約が合意できていない13棟の民間倉庫の現状の契約はどうなっているのか、伺います。
◎中野港湾局長 民間倉庫の市有地の利用につきましては、公有財産賃貸借契約によりまして普通財産の土地を貸し付けている場合と、横浜市港湾施設条例に基づく行政財産の土地を使用許可している場合がございます。
◆河治委員 13棟あるわけですが、それぞれの使用期限について契約内容を説明してください。
◎中野港湾局長 まず、使用許可につきましては、令和2年3月31日まで、今月で終わるものと、それから令和4年3月31日までのものがございます。また、公有財産の賃貸借契約によるものについては、令和3年11月30日から、遅いもので令和5年の2月11日までのものがございます。
◆河治委員 先ほども述べましたけれども、区画整備計画を認定するのに支障になっているのはどの倉庫ですか。
◎中野港湾局長 現在それぞれの倉庫の事業者と移転についての話し合いを進めているところでございまして、まだ支障になっているとか、そういう状況ではございません。
◆河治委員 横浜港運協会の藤木会長は、港人として命をかけてカジノをとめると反対されています。協会の会員であれば同じ思いになるものだと思います。
 そこで、13棟を所有する会社のうち横浜港運協会の会員は何社あるのか、伺います。
◎中野港湾局長 それぞれの事業者につきまして、横浜港運協会の会員であるかどうかについては確認をしてございません。
◆河治委員 昨年8月、市長はIRの誘致宣言をしました。市民の多数はカジノに批判的です。市長のIR誘致宣言以降、移転協議はどうなっているのか、伺います。
◎中野港湾局長 例えば市民説明会などの資料ですとか、その内容につきまして本市の取り組みとあわせてお伺いをいたしまして説明するなどしてございます。しかし、残念ながら、現段階では移転補償契約の締結には至っておりません。引き続き丁寧に御説明を行っていきたいと考えております。
◆河治委員 移転の協議が進まないのは何が問題なのか、伺います。
◎中野港湾局長 それぞれ事業者によって事情がおありだと思います。
◆河治委員 冒頭申しましたが、区域整備計画の認定申請には、土地にかかわって残されている13棟の民間倉庫事業者が移転に合意しなければ申請条件が整わないことになります。どうするのですか。
◎中野港湾局長 それぞれの事業者によって、それぞれの事業計画がございまして、移転先のことですとか、あるいはそもそもIR、カジノが反対であるとか、いろいろそれぞれ事情があると思いますが、やはり丁寧にこのIRの必要性などについて説明をして、御理解をいただくことが必要だろうと思っております。
◆河治委員 先日の都市整備局審査で、本件に関して代執行の研究の余地があるとの答弁でした。代執行はどのようなプロセスになるのか、伺います。
◎平原副市長 この間の都市整備局長の答弁は、IR整備法の中では代執行ということは明記されておりません。ただ、ほかの法律で読み取れないことはないということで研究の余地はあると言いましたが、今、局長から答弁しましたように、きちんと皆様から御理解をいただいた上で移転に応じていただきたいと思っておりますので、今のところ代執行みたいなことは考えておりません。
◆河治委員 13棟のうち3棟は民有地と聞きます。その割合は全体の2.6%、1.22ヘクタールです。
 この民有地はどのようにするのですか。
◎中野港湾局長 民有地についてもお譲りいただきまして、市有地にしたいと考えております。
◆河治委員 いずれにしても多くの市民が反対しているカジノです。つまり、IRは絶対許さないとの立場で私たちは頑張る決意です。
 次は、新本牧ふ頭の建設残土の埋め立てについてです。
 スライドをごらんください。(資料を表示)新本牧ふ頭の配置図です。これは、新本牧ふ頭部分を拡大したもので、ピンク部分が第1期地区、横浜市の埋め立て地区です。青い部分が第2地区で、国土交通省埋め立て区域です。(「反対。反対言った」と呼ぶ者あり)反対だということで、済みません。
 そこで、港湾計画では、新本牧ふ頭をどのように位置づけているのか、伺います。
◎中野港湾局長 新本牧ふ頭は、平成26年12月の港湾計画改訂に位置づけたものでございまして、コンテナ船の大型化や世界の貨物量の増加などの海運動向に的確に対応するため、大水深高規格コンテナターミナルと高度な流通加工機能を有するロジスティクス施設から成る新たな物流拠点として位置づけをしております。同時に、南本牧ふ頭の埋め立てに続く市内公共建設発生土などの安定的な受け入れの行き先としても位置づけております。
◆河治委員 新本牧ふ頭の規模やコンテナ貨物の取り扱い規模、受け入れ対象の貨物船の規模はどれくらいを見込んでいるのか、伺います。
◎中野港湾局長 まず、規模としましては、岸壁の延長が1000メートル、水深については18メートルでございます。それから、取扱量については、両方合わせて大体年間100万TEUを予定しております。そして、入る大型船については大体2万個積みのコンテナ船が出てきておりますので、そういう世界最大のコンテナ船でも受け入れが可能のようなコンテナターミナルを想定しております。
◆河治委員 港湾局の横浜港港湾統計では、ここ数年コンテナ取扱数は微増ですが、一挙に増加するようには思えません。今後、南本牧のMC4、これは取扱量約40万から50万TEUと言われていますが、これが供用開始になります。新本牧の整備が必要なのでしょうか。
◎中野港湾局長 コンテナターミナルの整備には、埋め立てを開始してからやはり10年ぐらいの期間を要します。そして、世界中のコンテナ船、非常に大型化が進んでおりまして、それに対応するためには18メートルの岸壁、これは日本で横浜港にしかつくり得ない岸壁でございます。南本牧だけでは世界のアライアンスが3つありますので、そのうち特に2つは大きな船を走らせているということもございまして、新本牧ふ頭も必要ということで、国とともにこの事業を進めているわけでございます。
◆河治委員 確実に航路を確保できるということが決まったわけではないわけです。ところで、新本牧整備について、JR東海から第1期地区への建設残土の受け入れ要請と護岸整備費の負担の申し出があったとのことですが、その内容を説明してください。
◎中野港湾局長 東海旅客鉄道株式会社、JR東海は、中央新幹線整備事業のリニア中央新幹線の首都圏区間から発生する土砂の活用先について、沿線の周辺自治体に協力を求めておりました。その一環で平成29年3月に、本市に対してトンネル掘削土砂の受け入れ要請と護岸整備費の負担の申し出がございました。この事業は全国新幹線鉄道整備法に基づき実施するものでございまして、国家レベルで重要な事業と位置づけられております。申し出を受けまして、本市としましても、コンテナ船の大型化が進む中、新本牧ふ頭の早期整備が必要になること、そして、市内公共工事等から発生する建設残土の新たな受け入れ先の確保にもつながるということで連携して進めることといたしました。
◆河治委員 今、リニア新幹線に反対世論が広がっております。東京--大阪間の輸送事業が伸びず採算性に問題、時間短縮への必要性もない、8割がトンネル、運転士が乗車せず遠隔操作の運行で、事故、火災、地震等への安全確保に不安、消費電力が大き過ぎて問題、やめるべきだなどなどです。横浜市の関連では、新幹線の新横浜への停車割合が大きく削減されるとのこと。そうであれば、市内経済や観光にとってもマイナスです。また、地下水系の破壊につながるとして静岡県知事が反対を表明するなど、リニア新幹線は喜べるものではありません。新本牧ふ頭が港湾計画に位置づけられたのが2014年12月です。リニア新幹線の地元説明会などが2014年後半のころです。私の推察ですが、リニア新幹線と新本牧整備が重なっています。港湾整備が港湾管理者を乗り越えて、国主導で国策の手段として進められているような気がします。新本牧ふ頭の第1期工事地区の事業化に伴い、残土の受け入れ可能量は900万立米、JRの要請量では600万立米です。全体の67%の量です。これは、リニア新幹線の整備にかかわる残土処理を横浜市が受け入れることでリニア新幹線の整備を推進しているのも同然です。
 どう思いますか。
◎中野港湾局長 900万立米のうち600万立米を、リニア中央新幹線の建設発生土を受け入れるわけでございますが、逆にその残った300万立米につきまして、市内の公共工事の建設発生土が年間30万立米でございますから、これをやることによって10年間は市内の公共工事建設発生土の処分先が確保できると。そして、その後もコンテナターミナルのほうの埋め立てが始まるわけですから、そういう意味では非常に本市にとってもメリットがあるという判断をいたしました。
◆河治委員 これは副市長に聞きたいのですけれども、のぞみが新横浜にとまる割合がずっと少なくなると言われています。
 横浜市のまちづくりにとってマイナスになるのではないでしょうか。
◎平原副市長 確かにリニアが走りますと、現在の東海道新幹線の構成は変わってくると思います。ただ、私が考えているのは、むしろこだまクラスの各駅系の新幹線が、もっと需要が伸びてくるだろうと想定しております。ですから、近距離の移動については、むしろ新横浜駅の価値が上がってくるのではないかと私は考えております。
◆河治委員 それでは、第1期地区、第2期地区の想定事業費は幾らになるのか、そして、横浜市と国の負担割合はどうなるのか、財源構成についても内訳を説明してください。
◎中野港湾局長 第1期地区の事業費は概算で約900億円となっておりまして、財源の内訳としましては、JR東海が約600億円、国が100億円、本市が200億円と見込んでおります。国直轄事業となります第2期地区の事業費は、正式に国から通知を受けておりませんが、国の事業評価の手続では約2300億円としております。このうちの本市の負担額につきましては、事業費の大体3分の1程度が直轄負担金となりますので、おおむね800億円程度になるものと見込んでおります。本市の負担につきましては、本牧のBCターミナル、それからD-5ターミナルなどコンテナターミナルの国有化に伴いまして国へ土地売却を進めることになっておりまして、そういった収入などで本市の負担をできる限り縮減できるよう調整していきたいと考えております。
◆河治委員 いずれにしても、トータル1000億円が市民の新たな負担になります。物流貨物量が見込めない中で、護岸投資はやめるべきだと思います。
 次は、埋立地事業会計の一般会計からの補填についてです。
 埋立事業会計は廃止方針とのことですがどのようなことなのか、説明してください。
◎中野港湾局長 埋め立て会計は一般会計からの財政支援が必要となりまして、事業の主な財源であります企業債の発行ができなくなったことから、令和4年度末に事業を終了して、その後は企業債の償還のみを行います。償還が終わる10年後の令和14年度末に会計を廃止する予定でございます。
◆河治委員 事業会計の損失を一般会計で穴埋めするのは本来あるべきではないと思います。市民に負担させるものですが、どうなのでしょうか。
◎中野港湾局長 社会経済情勢の影響を大きく受けたとはいえ、一般会計から多額の支援が必要となったことは十分に認識しなければならないと考えております。一方で、埋め立て事業はこれまでの間、横浜の社会経済基盤の確立に多くの役割を担うとともに、一般会計に対しましては現金で約374億円を繰り出すとともに帆船日本丸の購入、そして赤レンガ倉庫の整備など事業費負担を行いまして、合計で900億円を貢献してまいりました。引き続き、企業債の着実な償還に取り組んでまいりたいと考えております。
◆河治委員 最後は、港湾労働者の就業環境の改善についてです。
 私たちのところへ港湾労働者や団体から労働環境の改善を求める要求が多数寄せられています。特に通勤等に関するバス問題や女子トイレの整備についての要求です。
 まず、バスに関してです。この間、バス路線の増便など労働者の要求に関してどのように取り組んでこられたのか、伺います。
◎中野港湾局長 これまでも港湾関係者からいろいろな要望をいただいておりまして、特に通勤のための交通手段の要望を非常に多くいただいておりました。そして、その利便性向上に応えられるように取り組んでまいりました。具体的には、平成31年3月に大黒ふ頭での市営バスの最終便の時間を延長いたしました。それから、昨年、令和元年10月には本牧D-1コンテナターミナルの管理棟への新規バス路線の乗り入れなども実現することができました。
◆河治委員 通勤時間帯以外では極端に便数が減って困る、増便してほしいとのことですし、またルートについても改善の要求が寄せられています。今後どのように対応されるのか、伺います。
◎中野港湾局長 これ以外にも、今は本牧ふ頭、大黒ふ頭ですが、例えば南本牧ふ頭でありますとか、あるいは大黒ふ頭の多くの倉庫事業者なども、まだまだ足の便が不足しているという御要望をいただいております。そういった中では地域の企業者の皆さんで共用しているバス路線などをつくって運行している事例もありますので、そういった事例も参考にしながら、足の便の向上に努めてまいりたいと思っております。
◆河治委員 次は、トイレの関係なのですけれども、港湾局の管理する埠頭内には61カ所のトイレがあり、女子トイレは未整備が30カ所と聞いています。いつまでに完了するのか、伺います。
◎中野港湾局長 女子トイレの問題でございますけれども、非常に男性社会であったということから、男性のトイレしかない上屋ですとか、あるいは公衆トイレがいまだに残っている状況でございます。今言われた30カ所のうち半分の約15カ所につきましては、例えば本牧ふ頭の再編などで、あるいは山下ふ頭の上屋などで取り壊しが予定されているものがございまして、そちらについては新しい上屋、代替施設をつくる予定でございます。その中には、当然これからつくる上屋ですから女子トイレもセットでつくっていこうと思っておりまして、その上屋の整備は令和2年度から令和4年度に段階的に整備を進めていこうと考えておりますので、その中で対応していきたいと思っております。残りの半分につきましては、最近、屋外に設置するユニットトイレにつきましても、女性が快適に利用できる機能を持った製品が出てまいりました。こうしたものの設置も含めて港湾関係者との調整を進め、令和2年度中に再編で撤去する上屋などを除いて、必要な箇所全てに女性トイレを整備してまいります。
◆河治委員 働く人たちの労働環境の改善、さらなる改善をお願いして、終わります。


新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP