議会での質問・討論(詳細)
2020年3月4日

■医療局医療局病院経営本部【みわ智恵美】

◆みわ委員 みわ智恵美です。日本共産党を代表し質問いたします。よろしくお願いいたします。
 委員長、スライドの許可をよろしくお願いいたします。
○望月[高]副委員長 はい、どうぞ。
◆みわ委員 今回の新型コロナウイルスの発生に際しては、市民の暮らしそのものにも大きな影響を及ぼす、これまでに経験したことのない危機的な状況です。横浜市内唯一の感染症指定医療機関である市民病院では、既に多くの患者さんの診療が行われていると聞いています。治療薬がない中で患者に向き合うことを含めて非常に困難性を伴った状況であると思いますが、市民病院ではこれまでも新型の感染症などへの対応の経験も踏んできています。以前に対応した今回のような新型感染症への経験について伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 平成21年に新型インフルエンザの大流行があり、約半年の間に300人前後の入院患者さんを受け入れました。今回はダイヤモンド・プリンセス号からの救急搬送など、より重症の新型コロナウイルスの患者さんを受け入れています。
◆みわ委員 このときの経験を経て人員、設備、装備など感染症対策に関しどのような取り組みになってきたのか伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 感染症内科の医師は当時3人でしたけれども、現在4人に増員しています。また、1類感染症の対応訓練なども横浜研究所と合同で行ってございます。また、サージカルマスクやフェイスシールド、手袋などの防護服について当時の対応状況も踏まえた必要量の備蓄をしています。
◆みわ委員 現在、感染症病床のベッド数などの状況はいかがでしょうか。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 市民病院の感染症病棟は第1種が2床、それから第2種は24床、計26床でございます。
◆みわ委員 重篤な感染症ですと、その24床全部使えなかったりするのではないですか。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 委員がおっしゃるように、例えば重症の患者さんの場合は、24床のうち2人部屋がございますので個室の管理が必要になるという患者さんもいらっしゃいます。
◆みわ委員 他病院からの看護師の応援を受けていますか。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 脳卒中・神経脊椎センターからの看護師の応援を受けてございます。
◆みわ委員 マスク、ガウン、ゴーグル、アルコール消毒液など備蓄は十分ですか。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 マスクなどに関しては現在の在庫分で対応できていると聞いているところです。
◆みわ委員 県や政府にしっかりこのような状況は求めるべきだと思います。なくなれば診療がとまるわけです。政府に対しても、医療機関にこのような装備を優先的に配備していただくように求めるべきだと思います。市民病院が新型コロナウイルス感染症の患者さんを受けとめているということで、産科での分娩や産後健診のキャンセルが起きていると伺っています。コロナウイルス陽性の患者さんが人工呼吸器をつけるICUでの対処となると、他の重症患者さんのベッドや看護師の確保など、さまざまな事態に市民病院として直面し対処されていると思いますが、状況はどうですか。
◎石原市民病院長 新型コロナウイルス患者さんの状況に応じまして重症患者さんの受け入れも行っております。一方で、当院は高度急性期病院として一般患者の重症患者も受けておりますので、その状況に応じて適切な対応を行っております。
◆みわ委員 横浜市唯一の感染症指定医療機関としての市民病院が果たす役割、また市民からの期待に応える、国からの相当の財政措置が必要だと思います。国の新年度予算には現在一円も新型コロナウイルスへの対策費が盛り込まれておりません。副市長、横浜市はダイヤモンド・プリンセス号からの感染患者の受け入れで、市民病院だけでなく他の病院でも多くの患者を受けとめています。病院ではマスクが不足していて1人1日1枚と言われる状況もあります。これで安全と言えるのか。また、感染症の専門病院ではない病院では訓練を受けていない中で、これで大丈夫かと何度も考えながら医療現場は必死で診療に当たっています。市が新年度予算を計上したときには、今回の事態は見込まれておりませんでした。ですから、市として病院事業についても補正予算を組むべきではないでしょうか。また、今後のことも含めて国に対して財政的な支援を強力に求めるべきと考えますが、見解を伺います。
◎荒木田副市長 今後も市民病院を中心に感染症患者の皆さんを受け入れていくことになります。この問題には全庁的な体制で臨んでまいります。なお、市民病院の運営に支障が生じることがないよう横浜市といたしましても適切に対処してまいりたいと考えております。マスクなどもメーカーが今現在増産をしておりまして、医療機関への供給は滞ることがないというふうに聞いております。
◆みわ委員 しっかりと予算もとっていくべきだということを改めて申し上げます。
 次に、5月に新しくなる市民病院における有料個室の数、現病院と比較してどのように変わるのか伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 現病院で差額室料を徴収する個室は88室あり、新病院では178室となります。
◆みわ委員 大幅に有料個室がふえますが、なぜこれほどふやすのか伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 現病院では個室が少なく、個室を希望する患者さんのニーズに十分に応えられていないという状況でした。新病院では、こういった患者さんや御家族のプライバシー意識の高まりに応えるために必要な数の個室を整備いたしました。
◆みわ委員 日本共産党には、有料個室を希望していないのにベッドがあいていないとして有料個室に入ることを迫られた、あるいは個室料金を請求されたとの訴えが届いています。病院の都合により有料個室を利用した場合は、個室料は無料にするという原則は守られているかどうか伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 いわゆる個室料金は健康保険法上の選定療養費に位置づけられておりまして、厚生労働省の省令により患者の自由な選択と同意がなされたものに限られると示されています。これは健康保険制度の基本ルールですので、当然守られるべきものと考えてございます。
◆みわ委員 有料個室の確認、了承ではなく、病院の都合で個室に入っていただくが、料金は無料ですので安心してください、こういう一言が必要ではないでしょうか。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 病院の都合で有料個室に入っていただくときには、当然それは無料にしますということでございます。
◆みわ委員 患者さんは弱い立場ですから、個室しかありませんがよろしいですかと言われたら嫌とは言いにくいです。希望されなければ無料ですとはっきり言うべきです。よろしくお願いします。市民に寄り添った市民病院の姿勢を求めてまいります。
 次に、5月に新しくなる市民病院における交通アクセスについて伺います。
 (資料を表示)こちらのスライドは横浜駅からのアクセスが非常によくなることを示している市営バスの路線マップです。新しくここに市民病院ができますが、何本ものバス路線がここにアクセスができます。市民病院前のバス停にとまります。こちらのスライドは横浜駅方面から来たときのバス停です。バス停から新しい市民病院の入り口まで1分と教えていただきました。
 次のスライドは緑区方面からでは、まずバス停におりてからこの陸橋の入り口まで行き、長い陸橋を渡らなければ病院にたどり着きません。高齢の方がつえをついて、妊婦さんは大きなお腹で、子供さん連れの方は手を引き、滑りやすい鉄の橋を渡ります。かなりの距離ですし、雨の日などは特に危険です。
 そこで、新病院開設の機会を捉えて、脳卒中・神経脊椎センターのように各駅をつないで病院まで行けるシャトルバスを運行するべきではないかと思っておりますが、どうでしょうか伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 新病院開院後の患者さんの来院手段や経路の変化を見きわめながら、シャトルバスの運行等については検討していきたいというふうに思います。
◆みわ委員 このスライドでわかりますように、横浜駅からの便数はふえますけれども、横浜駅はもう本当に人の混雑、それから電車からバスまでの距離を考えると、患者さんが通うわけですからバス停からは便利でもとても負担です。また、バス停に行くまで距離があるところもあります。新たな取り組みについてぜひシャトルバスの運行もあわせて検討いただきたいと思います。
 最後に、脳卒中・神経脊椎センターにおける脊椎脊髄疾患への治療について伺います。
 側弯症は早期の発見、予防が大切と伺っています。児童生徒が運動器検診を受けてから脳卒中・神経脊椎センターに紹介されて受診するまでの流れについて伺います。
◎植木脳卒中・神経脊椎センター管理部長 運動器検診では御家庭で行っていただくお子さんの背中の状態のチェックをもとに、学校医が必要な方に整形外科への受診をお勧めしています。お近くの整形外科を受診した結果、より専門的な検査や治療が必要と判断された方については、当院を初めとする専門の医療機関に御紹介をいただくという流れになっております。
◆みわ委員 では、側弯症が発症する時期は思春期のお子さんに多いわけですが、センターでの側弯症の治療にはどのような特徴があるのか伺います。
◎齋藤脳卒中・神経脊椎センター病院長 いわゆる特発性側弯症は、症状の進行が緩やかな場合にはコルセットを装着して経過を観察いたしますが、脊柱の曲がりぐあいやねじれが大きい場合には心臓や肺への負担を考慮いたしまして、手術による矯正を行うということになります。繰り返し経過観察して進行の予測をすることが必要となりますので、レントゲンの撮影の機会が非常にふえる疾患であります。また、側弯症の発症は思春期の女児に多いということもありますので、当院では被ばく線量が従来の10分の1以下になるエックス線撮影装置であるステレオスを国内で3番目に導入いたしまして、より安全に行っていることが当センターの特徴ということになります。ちなみに、ステレオスは現時点では国内では7台、県内では当院のみの設定ということになっていると伺っております。
◆みわ委員 すばらしいステレオスの機械を使っての治療が行われているということですが、その総撮影件数、そのうち18歳以下の患者さん、そして65歳以上の患者さんの撮影件数と増減の傾向を伺います。
◎植木脳卒中・神経脊椎センター管理部長 令和元年度1月までの背骨部分を撮影した総件数といたしましては1954件で、前年同時期比較で21%の増となっております。そのうち18歳以下の患者さんに関しましては633件で約3%の増、65歳以上の方は1015件で約34%の増となっております。なお、ステレオスに関しては体全体のバランスを見られるということもございまして、他の疾患の診断の際にも活用させていただいております。
◆みわ委員 幅広い年代の患者さんに利用されていると。特に65歳以上の方々の利用が大変ふえておりまして、こういう高齢の方の治療の重要性について、また脊椎疾患の治療について今後の取り組みについて伺います。
◎齋藤脳卒中・神経脊椎センター病院長 近年、高齢化に伴いまして骨粗鬆症を起因とする脊椎圧迫骨折や変性側弯、後弯症などによって背骨が曲がって姿勢が保てなくなることでロコモやフレイル状態になる患者様方が増加しております。当院では、そのような疾患に対しまして難易度や専門性の高い手術や治療を完全に行っております。引き続き現有の医療資源を最大限に活用いたしまして、患者様方の健康寿命延伸に向けまして充実した医療を提供していきたいと考えております。
◆みわ委員 今後も多くの市民の皆さんの期待に応える市民病院としての役割を果たしていただきますよう求めて質問を終わります。


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