中学校給食 いまこそ実施にむけて調査・検討を
全国の公立中学校の80.9%で完全給食が行われています。少数派の未実施自治体である横浜市でも、中学校給食を望む声は大きく、毎年多くの署名とともに請願が出されています。
未実施の市で中学校給食が続々スタート
ここ数年、全国的に中学校給食の実施に踏み切る自治体が増えています。県内では、厚木市が2007年から、愛川町が2009年から中学校給食を始め、相模原市の給食未実施地区では今年11月から実施予定で、伊勢原市でも実施に向けて検討中です。
横浜市(中学校数145校)と学校数が近い大阪市(同130校)では、給食検討会議を立ち上げ、自校調理方式、給食センター方式、親子方式、デリバリー方式の費用を試算し、他都市の視察、関係者へのアンケート調査などを行って、昨年、給食を実施することを決定しました。
全国的には財政難でも工夫しながら実施
白井まさ子議員は16日の本会議でこの問題を取り上げ、成長期にある中学生にとってさまざまな栄養素をバランスよく摂取することが最優先で、格差と貧困が広がるなか、弁当を持参できない家庭が増えていると指摘。全国的に中学校給食の実施が広がっていることを示し、「財政難でも多様な方法で工夫しながらの実施が広がっている。本市でも中学校給食実施に向けて調査委員会を立ち上げ、実施形態等を具体的に検討すべき時期」として、市長の決意を質しました。
林文子市長は、「学校給食は優れた点もあるが、食事を自らが管理する能力を育てることも重要で、弁当昼食は食育の観点からも意義のあること」と述べたうえで、「食育の観点や本市の厳しい財政状況を踏まえ、様々な視点から慎重に考える必要があると思う」と答えました。
公立中学校給食実施状況
都道府県別の完全給食実施率(2008年5月1日現在)
100%・・・愛知、富山
90%~・・北海道、宮城、秋田、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、島根、岡山、山口、徳島、香川、愛媛、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
80%~・・青森、岩手、東京、長崎
70%~・・山形、鳥取、佐賀
60%~・・京都、奈良、広島、福岡、
50%~・・滋賀、和歌山、高知
40%~・・三重、兵庫
40%未満・神奈川(16.2%)、大阪(7.7%)
神奈川県内の給食実施状況(2009年5月1日現在)
完全給食100%実施・・小田原市、三浦市、厚木市、大和市、南足柄市、綾瀬市、二宮町、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、清川村
完全給食一部実施・・相模原市(城山・津久井地区)
ミルク給食100%実施・・川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市、逗子市、秦野市、伊勢原市、海老名市、座間市、葉山町、寒川町、真鶴町、湯河原町、愛川町
ミルク給食一部実施・・相模原市(旧相模原市、相模湖・藤野地区)、大磯町
給食未実施・・横浜市
メモ
自校調理方式:自校で調理
給食センター方式:給食センターで一括調理
親子方式:小学校で調理して近くの中学校へ運ぶ
デリバリー方式:栄養士が関与した民間業者による弁当
完全給食=パンか米飯類+副食+ミルク
ミルク給食=ミルクのみ
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「こんにちは横浜市議団です」2010年6月23日(PDF版)