2020年4月2日
横浜市長 林文子 様
日本共産党横浜市会議員団
団長 荒木由美子
新型コロナウイルスの感染は、日本を含めた全世界中で広がっています。今まで誰も経験をしたことのないような事態が起こっており、毎日毎日事態は悪化しています。東京では、連日更新される最多感染患者数の公表がされ、神奈川県でも先週末外出自粛が要請され横浜市内でいつ爆発的な感染拡大が起きてもおかしくありません。
市民の命と暮らしに危険が迫っています。医療を必要とする市民。休校などで子育てと仕事の両立が困難な市民。ホテルや旅館、繁華街の飲み屋からは人が消え観光客も来ないという悲鳴を上げている市民。収入が激減している市民。業績不振で廃業する市民。雇い止めに合う市民。内定取り消しされる市民。日本で就労・留学できなくなった外国人。税金・保険料が納められなくなった市民。電気ガス水道が止まり、家賃を滞納し、食べていけなくなる、命を絶つ市民が出てくるかもしれない。そういう事態は何としても食い止めなければなりません。
重大な事態の中だからこそ、横浜市は総力を挙げて、市民の命と健康・暮らしを守るため、すべての部局が一丸となって想像力を働かせ、この難局に立ち向かっていただきたいと思います。今こそ市役所の名の通り「市民の役に立つ所」としてその役割を全面的に発揮していただくことを求めます。特に、医療体制の維持拡充に多くの財政と資源と人を投入していただくように要望します。
以下、速やかに必要な対策を前例にとらわれずに実施することを要望します。
記
1.医療・検査体制の速やかな拡充・支援を行うこと。
①帰国者接触者相談センターを通さず市中の医師の判断のもとで、速やかにPCR検査を受けられる検査体制の構築(ドライブスルー検査も含む)を行うこと。PCR検査簡易キットの市中病院への導入支援を行うこと。合わせて抗体検査の実施を行うこと。
②医師会の協力を得て、区ごとの休日急患診療所を活用するなど新型コロナウイルス外来を開設すること。
③医療崩壊を防ぐために症状のない、あるいは軽症の陽性患者の隔離施設の確保をすること。市内公共宿泊施設はもちろん、民間宿泊施設も含めて確保すること。
④感染爆発することを想定して、市内入院病床への財政措置を行い拡充をはかること。特に市民病院の役割は重要です。新病院は新型コロナウイルス対策の核となることと、旧病院の建物は速やかに医療施設として使えるようにすること。
⑤医療継続に必要な医療機器(人工呼吸器など)の確保、マスク衛生材料の確保は市として最大限の責任を持つこと。
⑥潜在医療従事者(医師・看護師他)のボランティアの募集を行うこと。
⑦感染忌避などによる患者減で経営状況が悪化した医療機関の財政支援を行うこと。
⑧医療従事者に対する特別なケアを行うこと。
⑨上記の新型コロナウイルスに関する情報を速やかに市民に提供すること。
2.感染を拡大させないために、自粛と一体に損失補償を行うこと。
①労働者・自営業者・フリーランスの月額所得補償、家賃などの固定費の補償を国・県にも要望して行うこと。また本市独自でも施策化すること。
②消費税の納税猶予措置の実施と5%減税の実施を国に求めること。
③住民税・固定資産税・国保料・介護保険料・後期高齢者保険料など、減免・猶予措置の拡充・弾力的運用を行うこと。
④電気・ガス・水道などすべての公共料金の猶予措置・減免など弾力的運用を事業者に求めること。
⑤生活福祉資金貸付の窓口の拡大と手続きの簡素化を県に求めること。
⑥解雇禁止・内定取り消し・派遣切りを止めるように国として早急に対応すること。
3.子どもたちを守りきるために
①学校の再開について、専門家の判断も参考にして判断基準を明らかにすること。子どもたちや教職員の安全を守ることができる対策を講じたうえで保護者の協力と納得が得られる形で行うこと。
②保育園・学童の運営について、安全を確保するため施策を再度明らかにして財政的な支援も行うこと。
③虐待リスクの高い要保護児童についての対応は、特段の配慮で体制を拡充して切れ目なく行うこと。
4.市民を守るありとあらゆる支援を
①市民からのあらゆる相談窓口を区役所に設置すること。またコールセンターの回線を24時間体制としさらに増やすこと。
②帰国者・接触者相談センターの体制を拡充して受付時間を24時間対応とすること。
③感染忌避で利用者が減った介護事業所の財政支援を行うこと。
④妊婦の方で希望者が出勤しなくても済む制度の創設を国にも働きかけること。
⑤要援護者(高齢者・障害者)の実態の把握を行い、必要な支援策を検討すること。
⑥この非常事態の中、障害者団体の運営はより困難に陥っており、一層の支援を行うこと。
⑦市内在住外国人への情報発信を行うこと。
⑧イベント自粛の中、文化芸術活動に関わる方々の活動と生活を守る施策を行うこと。
5.今までのやり方にとらわれない緊急事態の認識で体制強化と補正予算編成を
予算が通ったばかりではありますが、今の事態は誰も経験をしたことのない事態であり、爆発的な感染状況となり医療崩壊を起こすような事態の中、粛々と従来の事業を予算通りに進めていく事態ではないと考えます。今までのやり方にとらわれない緊急事態の認識をもって財源を捻出して、新型コロナウイルスの終息を一刻も早くさせること。そのうえでしか経済復興の対策はあり得ません。
私たちが予算議会の組み替え動議の提案で示した、IRカジノ誘致・花博・新劇場などに係る60億円に加えて、
・国内外からの誘客促進 2億1700万円
・MICE誘致・開催支援事業 3憶3871万円
・オリンピック関連 23億5600万円
・クルーズ客船の寄港促進と受け入れ機能の強化 24億4800万円
これらを財源として新型コロナウイルス対策への臨時の予算に振り向けることを横浜市・議会としても、その真剣な論議の場を持つことを求めます。
以上