議会での質問・討論(詳細)
2019年2月26日

■都市整備局(岩崎ひろし)

◆岩崎委員 よろしくお願いします。

 委員長、スライドの使用の許可をお願いします。

○高橋[徳]副委員長 はい、許可します。

◆岩崎委員 まず、横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業から伺います。(資料を表示)次の、これは配置図ですが、事業計画の図面はこういうものです。本事業は、国家戦略特区等を適用して、容積率を500%から850%へ大幅に緩和しています。その上に市と国で40億円を超える補助金交付を予定しています。

 そこで、伺います。本事業の総事業費、想定する補助金の額、補助率、権利者の人数と法人、個人の内訳及び主な権利者の権利保有比率を伺います。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 現時点での市街地再開発組合の事業計画書によりますと、総事業費は387億9000万円、そのうち本市からの補助金は国庫補助を含めて40億円としております。総事業費に占める補助金の割合は約10%でございます。権利者の総数は11名で、このうち法人の権利者が6社、個人の権利者が5名でございます。主な土地所有者と面積の割合でございますが、東京急行電鉄株式会社が約34%、株式会社相鉄アーバンクリエイツが約19%、株式会社キャピタルプロパティーズが約17%となってございます。

◆岩崎委員 昨年の予算及び決算特別委員会、ここで我が党の質問に想定補助額は約45億円と答弁しています。今、答弁があったのは約40億円。5億円もの減額になっていますけれども、どの項目で、どういう理由で減額になったのか、伺います。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 昨年の決算特別委員会からの間に事業計画の変更がございます。そのうち国の補助金も合わせた本市からの補助金が5億円減額になっておりまして、国からの直接の補助というものが別途入っておりますので、その分が事業費として変わっております。

◆岩崎委員 本事業で補助の対象に予定している内容を伺います。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 本事業におきましては、調査設計計画費、土地整備費、共同施設整備費について補助対象としております。

◆岩崎委員 補助対象はわかりましたけれども、それを具体的に言うとどういう内容ですか。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 調査設計計画費といたしましては、建築設計費、権利変換計画費などでございます。土地整備費といたしましては、解体除却等費、補償等費でございます。共同施設整備費といたしましては、空地等整備費、供給処理施設整備費、共用通行部分等の施設整備費となってございます。

◆岩崎委員 それでは、それだけの額の補助金を打つわけですが、補助金を交付する横浜市ならではの理由と法的根拠を伺います。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 横浜駅周辺地区の中で、本事業は横浜都心の機能強化を進める重要な事業でございまして、横浜市中期4か年計画におきましても、鶴屋地区の再開発などのまちづくりを進めるとしてございます。再開発事業の推進のためには、必要な支援を行うということは不可欠でございます。実施に当たりましては、都市の不燃化といった防災性の向上や都市機能の更新などの公共性を踏まえまして、国の要綱などに基づき適切に行ってまいります。根拠法は都市再開発法の第122条でございます。

◆岩崎委員 その法第122条の条文をちょっと紹介してください。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 「地方公共団体は、施行者に対して市街地再開発事業に要する費用の一部を補助することができる。」としてございます。

◆岩崎委員 今、紹介があったように、費用の一部を補助することができるとなっています。できるということは、補助金を交付するしない、するとかしないとか、どこにどれだけするとかというのは市の判断でやれるということだと思うのですけれども、どうですか。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 事業計画認可の際に事業計画などの内容を審査いたしまして、事業の公共性などを踏まえまして、補助金を含む資金計画についても確認をしてございます。また、年度ごとの補助金の支出に当たりましても、組合からの補助申請の内容を国や市の要綱などを踏まえましてしっかりと審査いたしまして、本市予算や国庫補助金の状況も踏まえながら、本市が補助対象や補助金額を判断してございます。

◆岩崎委員 よくわかりました。今、答えられたように、しっかり検討した上で市の判断でやるということが言われました。これは先ほど、減額5億円になっていまして、市の分が減りましたよね。これも市が検討して減らせると判断したからやっているはずですよね。このことを確認しておきます。

 次に、東高島駅北地区土地区画整理事業について伺います。次のスライドがそれです。これが配置図で、どういうものが最終的にはできるかというのは、こういうマンションです。

 そこでまず、この事業の総事業費、想定する補助金の額、補助率、権利者の人数、それと法人、個人の内訳及び主な権利者の権利保有比率を伺います。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 当地区の事業でございますが、スライドにありますが、その下の基盤の整備を行うという土地区画整理事業でございまして、現時点での土地区画整理組合の事業計画によりますと、総事業費が110億7900万円、そのうち本市からの補助金額は国庫補助を含めて53億2500万円としてございます。総事業費に占める補助金の割合は約48%でございます。平成30年6月に組合設立認可を行っておりまして、権利者の総数は12名で、全て法人の権利者でございます。主な土地所有者と面積の割合でございますが、日本貨物鉄道株式会社が約50%、横浜市が約20%となってございます。

◆岩崎委員 事業費の約半分が補助金というのは、異常と言うほかありません。しかも、権利割合は、先ほど紹介がありましたけれども、JR貨物が51%ですけれども、横浜市が21%持っていますから、実際、開発される、土地区画整理される区域だけで言うと、JR貨物が大体75%ぐらいを占めるというふうに見ていいと思うのですが、そういうものです。だから、そこに事業費の半分も補助金を入れるというのは、異常きわまりないですよ。

 そこで、伺いますが、補助対象としている内容について何か、伺います。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 先ほど御答弁申し上げましたが、日本貨物鉄道株式会社が約50%でございます。本事業におきまして補助対象としている内容でございますが、調査設計費、移転移設費、整地費、道路築造費などについて補助対象としてございます。

◆岩崎委員 では、先ほどと一緒ですけれども、その内容をもう少し具体的に言ってください。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 調査設計費といたしましては、換地諸費、測量試験費や文化財調査費、移転移設費といたしましては、建築物、工作物、上下水道や電柱などの移設費となってございます。また、整地費としましては、宅地の利用上または防災上の観点から必要となる宅地の整地費用となってございます。道路築造費といたしましては、土工、橋梁、排水施設などの道路の築造に関する費用となってございます。

◆岩崎委員 同じく、補助金を交付するという点で、横浜市が判断するわけですから、では、横浜市としてなぜ補助金を打たなければいけないのか、横浜市ならではの理由を伺います。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 今、位置図が出ておりますが、当地区は都心臨海部に位置しておりまして、利便性も高い場所でありながら、運河が入り組んだ低未利用地が多くございまして、都市基盤も脆弱でございます。このため、補助金を交付して土地区画整理事業を実施することで、有効な土地利用を図るとともに、都市計画道路の建設や、横浜駅周辺の浸水対策となるポンプ場整備用地の確保など、公共性、公益性に十分貢献するものでございます。横浜市中期4か年計画におきましても、総合的な再編整備を進めることとしております。

◆岩崎委員 土地区画整理事業というのは、土地区画整理法に基づいて行われます。この法に補助金交付の定めはないというふうに、さきの常任委員会で答弁がありました。では、本事業において、事業費の半分にも達するような補助金を出す法的根拠はどこにあるのですか。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 組合事業に対する国庫補助金の支出につきましては、土地区画整理法に規定はございませんが、国の社会資本整備総合交付金交付要綱に基づきまして補助金を交付できる、こういう仕組みがございます。これを受けまして、本市も積極的に国費を導入して円滑に事業を推進するために、横浜市土地区画整理事業補助金交付要綱に基づき必要な支援を行ってございます。

◆岩崎委員 法には定めがございませんがと簡単におっしゃいますけれども、法に定めがないのですよ。何が根拠かといったら、今答弁あったように、国がつくった要綱ではないですか。あるいは、それに基づいて市がつくった要綱でしょう。法的根拠がないのに補助金をどうして出すのですか。私はこれは非常に疑問に感じるのですけれども、どう答えますか。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 先ほど御答弁申し上げましたが、土地区画整理法に組合事業に対する国庫補助金の支出について規定はございませんが、国の社会資本整備総合交付金交付要綱に基づいて補助金を交付できる仕組みとなってございます。当該地区は、先ほど御答弁申し上げましたが、土地のポテンシャルを保有しておりますけれども、有効な土地利用が図れていないという現状がございます。土地区画整理事業の実施によりまして、良好な基盤を整備する、または都市計画道路を整備する、もしくは横浜駅周辺の浸水対策となるポンプ場整備用地を確保する、こういった公共性のある事業でございますので、横浜市として補助金を交付して区画整理事業を推進していきたいと考えております。

◆岩崎委員 今のお答えでは市民的には全然納得できませんよ。要綱で勝手に市民の税金を、市民のお金を補助するなんてとんでもないですよ。しかも、その相手は法人でしょう。そういうところに要綱で補助金を出せるとしていることに大いに無理があると申し上げておきたいと思います。

 それから、市街地再開発事業への補助金は、あくまでも、今の要綱も含めてそうですが、交付することができるという範囲内のものなのですよ。実際、補助金を交付せずに再開発事業をちゃんとやっている自治体が現にあるわけですよ。これは私はそう聞いています。また、本市でも、次のスライドを見てほしいのだけれども、今、駅ビルの建てかえをやっています。この事業は、補助金は基本的に入っていません。だから、再開発事業は補助金なんか入れなくても、いろいろやろうと思えばできるのですよ。それに加えて、さっきの答弁で、鶴屋地区では5億円も減額したではないですか。だから、これは市の判断で上げたり下げたりなくしたり、どうでもできるということなのですよ。(「お手盛りだ」と呼ぶ者あり)市の裁量で判断できるというものなのだから、これは絶対見直す必要があると思いますが、しかも、この2つの事業はまだ本格的には始まっていません。両事業の補助金交付を見直すべきと考えますが、どうでしょうか。

◎池本横浜駅周辺等担当理事 両方の事業とも、都心臨海部の機能強化を図る上で重要なものでございまして、公共性を有する事業でございます。このため、必要な支援を適切に行いまして、円滑に推進させる必要があると考えてございます。補助金の支出に当たりましては、年度ごとに組合からの補助申請の内容をしっかり審査させていただいて、事業の進捗に合わせて精査を行っていきたいと考えております。(私語する者あり)

◆岩崎委員 この2つの事業への補助金投入には、横浜の特段の理由は見当たらないと考えます。2つの事業への補助金交付は、特定の権利者を優遇、利するものにならざるを得ないと思いますので、厳密な精査を行い、根本的に見直すことを求めておきます。

 あと、質問は残っていますが、私の時間がありませんので飛ばします。終わります。


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