横浜水道中期経営計画(素案)への日本共産党市議団の見解とアピール
横浜市水道料金値上げを方向づける「横浜水道中期経営計画」(2020年度~23年度)(素案)は認められません!
「市民意見」を集中しましょう
2020年1月17日
日本共産党横浜市会議員団
団長 荒木由美子
横浜市水道局は、「横浜水道中期経営計画(2020年度~2023年度)」(素案)を公表、1月14日~2月12日までの期間で市民意見の募集をしています。市民意見募集にあたり、「概要版『横浜水道中期計画(令和2年度~5年度)』(素案)」と題するリーフレットを作成しています。
リーフレットには、水道事業を取り巻く環境として「人口減少に伴い水道料金収入の減少傾向」と「管路・施設の保全・更新費の増大」をあげ、将来的に資金不足に陥るとし、それへの対応として「運営基盤の強化」と「財政基盤の強化」を掲げています。
そのうち、「財政基盤の強化」では、「料金体系の見直し」を行うことを明記しています。この「料金体系の見直し」とは、料金収入の減少を止め、増収をはかるため、市民が家庭で利用する水道料金を値上げすることです。
横浜市水道局は、中期経営計画の策定に先立って、「水道料金等在り方審議会」を設置、審議会は昨年9月に答申を出しています。答申は、料金収入の総額を引き上げるために、料金収入の大半(約62%)を占める家庭で使う水道水の料金収入を引き上げること、多量使用者=業務用の水道料金は逓増度が高すぎるため緩和することを提言しています。これは、市民負担は増やし、大口利用者の負担は軽くするというものです。この答申にそって、水道局は、今年度中に「改定時期を含めた料金改定の方向性を取りまとめる」としています。
日本共産党は、一方的な市民負担増となる「水道料金体系の見直し」を許さないために、市民のみなさんと力を合わせる決意です。
問題の第一は、水道料金値上げを隠して、意見募集することです
市民の最大の関心は、「料金の値上げがどうなるか」にあります。ところが、リーフレットには「計画期間中に料金体系の見直しを行います」と書かれているだけです。料金体系はどのように見直すか、その結果料金はどうなるかは全く書かれていません。料金改定の意向を持ちながらも、そのことは一言も触れていません。重要な情報を隠したままの意見募集の手続きを進めることは行政のあり方としては公正さを欠きあってはならないことです。
第二は、民間事業者との連携強化を口実に、事実上の民営化に道を開くことです
リーフレットは、「運営基盤強化」の取り組みとして「西谷浄水場再整備事業は、工期短縮や経済的効果が期待できるとしてDB及びDBO方式を採用して整備に着手する」さらに、「大口径の送配水管路についてもDB方式による工事発注を試行的に実施する」としています。
DB方式は、設計と施工の一体発注、DBO方式は設計・施工・運営の一体発注というものです。基幹施設や大口径管路等の水道事業の主要部門を民間事業者にゆだねることになります。事実上、水道事業の民営化に道を開くことになりかねない方針です。民営化は、利益最優先のために、「命の水」の供給を安定的、継続的に保障することが危うくなる恐れがあります。
市民のみなさん
計画素案への市民意見の募集・集約を経て、今年度中(3月末)に、「横浜水道中期経営計画」策定、計画期間中に「水道料金の見直し」へと続いていきます。
今回の意見募集によって市民意見を聴く手続きを踏んだとして、水道料金の値上げを粛々と進めることを認めるわけにはいきません。
「水道料金体系の見直し=料金の値上げ」、「水道事業への民間事業者の活用」等について、市民のみなさんの意見を、短期間ではありますが、多数応募していただくことをお願いします。
新たな横浜水道中期経営計画(素案)、計画素案への市民意見募集の情報は市のホームページに掲載されています。