土地開発公社所有のMM21地区の土地を市税60億円で購入
白井議員:日本共産党を代表して、質問します。
まず始めに、横浜市土地開発公社についてです。
本市からの依頼に基づき公共用地の先行取得を行っている横浜市土地開発公社の保有する土地のうち、MM21地区旧高島ヤードの60街区の2分の1弱を、行政運営調整局の2010年度予算60億円で全額一般財源で買い取ります。公社が旧高島ヤードを先行取得した当初の目的は計画的なまちづくりのためとしていますけれども、当地では本市はどういうまちづくりの方針を持っていたのか、伺います。
鈴木行政運営調整局長:この土地を買った理由ということになると思いますが、旧高島ヤードの用地につきましては、みなとみらい21事業のいっそうの推進のために、面積的位置的に大きな意味を持つということで、土地開発公社が本市の要請に基づいて、旧国鉄清算事業団から取得をしたというふうにきいております。
白井議員:新年度予算では、これまでと同様に、他の局では公社保有土地を事業化するために買い取ります。具体的には、旧高島ヤード土地以外ですけれども、道路局が道路をつくるために買い取ったり、環境創造局が公園をつくるために買い取ったりします。もともと旧高島ヤード土地については、開発事業者の公募による民間売却を行うことが本市の方針でした。それなのに、現在サッカーができるスポーツパークとして横浜市体育協会に暫定的に貸し付けている60街区を、最終的利用形態が決まっていないにもかかわらず、行政運営調整局予算で公有財産として買い取るとしているんですけれども、その理由は何か伺います。
鈴木行政運営調整局長:60街区はすでにいまおっしゃったように、スポーツパークとして暫定的に市民利用が行われておりますが、結果的に早い時期の民間売却が見込めない土地でもあるということで、市が取得することで公社の金利負担を少しでも軽減をし、公社の健全化に供することを目的としております。
また、使い道が特定されて、私どもが買うということが本来の姿でございますけれども、その場合にはその事業に供することになっている所管局の予算で購入するということになりますが、この場合にはそうなっておりませんので、行政運営調整局が引き取るというスタイルをとっております。
白井議員:道路局や環境創造局が買い取るのとは、意味が違うということなんですけれども、この最終的利用が決まっているわけではないけれども、とりあえず買うというかたちの今回のような買い方は、今までも行っていたのでしょうか。
鈴木行政運営調整局長:公社の第二次の健全化計画が21年度まで実施をされてきましたが、この中ではそういうことはございませんでした。
白井議員:これまでなかったということですが、今回60街区の2分の1弱を買い取るとしているんですけれども、今回限りなんでしょうか、それとも後半、今後、残り半分の買い取るような考えがあるのかどうか、伺います。
鈴木行政運営調整局長:いますでに決まっているということで話もございませんが、この土地は民間に売却していくことを予定していたが、現在スポーツパークとして暫定利用ということで、早い時期の売却は見込めないということもありますので、そこで市が取得することで少しでも公社の金利負担を抑えるということが、公社経営健全化の一助となるということがありますので、今後公社の健全化のために残りの部分も市が取得するということは視野にいれて対応していきたいというふうに思っております。
白井議員:公社の財政健全化の一助となるということですけれども、それで何をしてもいい訳ではないと思うんです。なし崩し的なやり方はよくないと思うんですけれども。
旧高島ヤードの土地は民間売却するという当初方針があるわけで、それを転換するのであるならば、理由を示して市民に説明をすべきだと思うんです。それを抜きに税金で60億という巨費を投じることは大きな問題と思います。
売れない土地のツケを市民サービスにシワ寄せするな
それでは、公社の経営健全化の進捗状況について伺いたいと思います。本市は、2005年度から2009年度までの5か年の第二次健全化計画に基づいて、公社の経営健全化を図ってきました。その柱は、全保有土地を3分の1以上縮減して、簿価で2009年度末に1854億円とするものでした。では、市内全域の公社保有土地の2008年度末決算での面積と帳簿価格と時価と、それから簿価と時価の差額をそれぞれ報告してください。
鈴木行政運営調整局長:20年度末現在の公社保有土地の面積は45.6ヘクタールでございます。簿価は1967億円、時価は1248億円でございまして、その差額は719億円となってございます。
白井議員:この第二次の健全化計画は今年度で終了すると先ほどお話あったんですけれども、達成の見込みはどうなのか伺います。
鈴木行政運営調整局長:計画が1854億円ということでしたが、実績は21年度末見込みで1853億円ということになりまして、実はちょっと若干減っちゃうのは途中でだめになったケースがあるためにこうなっておりますが、ほぼ達成なんですが、若干ちょっと残していると、そういう状況です。
白井議員:それでは、MM21地区の旧高島ヤード地区に限定しまして、2008年度末での決算での土地の面積、それから帳簿価格、それから時価、そして差額をそれぞれ報告お願いします。
鈴木行政運営調整局長:保有土地の面積は11.8ヘクタールでございます。簿価は1288億円、時価は1018億円、その差が270億円となっております。
白井議員:時価による民間への売却によって簿価との差が損失となるわけなんですけれども、旧高島ヤード土地での健全化期間中の5年間で、損失の見込み総額というのは出るんでしょうか。
國原契約財産部長:旧高島ヤード地区は先ほど申しましたとおり、21年度末は出ておりませんので、20年度末現在でいいますと、1288億円に対して時価が1018億円ですと270億円の簿価を割っているという状態になっております。
白井議員:新聞報道では、2004年度からの数字が出ていましたけれども、150億余の累積損失が発生しているという報道もあるのを見たんですけれども。では、2009年度、今年度の予算の中では、旧高島ヤード土地の民間売却については、どのように計画をしていたのか、お願いします。
國原契約財産部長:2009年度、21年度の関係ですけれども、本年度においては公募売却を行っておりません。以上です。
白井議員:本年度売却がないということですから、この地区の保有の土地面積に変化がないということですから、先ほど伺った270億円という金額が推定されるんですけれども、本市が今回のように買い取るにせよ、それから民間売却にせよ、損失の補てんは避けられないと思うんです。その分が市民サービスにしわ寄せとなるわけで、MM21事業の負の側面として直視せざるを得ませんけれども、2010年度予算では、民間の売却はどう見込んでいるのか、伺います。
國原契約財産部長:昨今の厳しい経済状況でございますので、やはり公募をして企業の方が応募していただかないと、必然的に売れないという状況ですので、経済状況を見ながら公募について検討をしていきたいと思っております。
白井議員:いまお話あったように、今年度もそれから新年度も、売却の見込みがないということなんですけれども、いまの経済情勢ではインセンティブ条例がありますけれども、その企業誘致は容易ではないと思いますし、土地の売却も楽観はできないと思います。そして、本市の財政による買取にも限界があると思われます。含み損を実損として縮小させることが、市民サービス向上の財源を確保する上でも重要な課題になると思います。今後どのように、この市民負担拡大が伴わないやり方で、公社の健全化を進めていくのか、伺います。
鈴木行政運営調整局長:なんといっても土地をきちっと処分し、売却していくことが最優先ということで、たとえば公社の方自らがみなとみらい地区全体として売却を進めていくことが非常になかなか難しい中一生懸命やっておりますが、そういうトータルの中で公社の土地についても売却していくというそういう手だけじゃなくて、公社の職員自らがもっともっと土地の魅力やMM地区に対する企業誘致的な発想で、いろいろと活発に活動していくということもこれからは大事になっていくというふうに思っておりますが、いずれにしても、まちづくりということを見込んでやった事業でございますので、市民には迷惑をかけられないという前提でもってやっていきたいと思っております。
なお、若干ちょっと先ほど申し上げたのが中途半端になっておりますが、公社の含み損といいますが、その公社の方でその土地を取得した時点の金額が簿価になっておりまして、その後の値段が時価になるという、そういうかたちでございますが、その間に有利子の資金を借りているために、そういう簿価の方が膨れ上がっていくというそういう状況がありますので、そういう意味でも横浜市自らからの支援みたいなものもある程度は必要になってくるということは、ご理解いただければというふうに思っております。
白井議員:横浜市自らの支援が必要ということなんですけれども、それは結果的に市民につけが回ってくるということになりますから、この認識を踏まえた対応をお願いしたいと思います。トップセールスを標榜されている市長を先頭にして、緊張感ある真剣な取り組みを要望しておきます。
精神疾患で休業職員急増
それでは続いて、本市職員の長期休業者を代替する職員配置について、伺います。
2010年度の職員定数の見直しで、増員が518人、減員が721人で、差し引き203人減ることになっています。この増員の内訳の中で、長期休業者等の代替として50人が配置されます。この2009年度は30人でしたけれども、50人に増やしたのはどのような理由からなんでしょうか。
鈴木行政運営調整局長:すいません。ただいまのご質問にお答えする前に先ほどのご質問の中で私が誤ってご答弁してしまった点を訂正させていただきます。
土地開発公社の健全化計画がどういう達成状況かということに対しては、年度末の簿価で1854億円という、21年度の最終が1854億円というのを目標にしてきました。これはのこりが1854ということですが、それに対して1823にまで減らしたということですので、達成は101.7%ということで、オーバー達成しているということでございます。すいません。申し訳ございません。
ただいまのご質問にお答えします。メンタルヘルスの不調などの理由で長期にわたり休職する職員が現在増加傾向にございます。育児休業等の職員のほかにメンタルヘルスで休職する職員も同時に同じ職場にいるという状況も出てきております。そこで、周囲の職員の負担を軽減させ、また職員が安心して育児休業を取得できるようにするための取り組みのひとつとして、長期休業者の代替職員50名を配置するということでございまして、50名の中には育休、自己啓発休業ですとか育児休業も一部含んでおりますが、最大の理由はそういう疾病に対する対策ということでございます。
白井議員:それでは、いまメンタルヘルスの不調をきたす人が増えているということなんですけれども、増加の現状というのを教えてください。そしてその増加の原因はどういったところにあるのか、お願いいたします。
鈴木行政運営調整局長:増加の現状ということですが、病休の方の年度内休職者数ということで、市長部局についていいますと平成16年度が166名だったものが、20年度には328名というふうに大幅に増えているという状況がございます。また、長期休業者30日以上という方については、16年度が692に対して、705名20年度になっているという状況がございます。
そして、特に精神疾患を理由とした方が長期休業者が増えている理由ということですが、はっきりいって原因が私どもは特定ができません。他都市とほぼ同じような傾向をたどっておりまして、難しい面がございますが、職員が精神疾患になる理由というようなものを分析しますと、いろんなアンケート調査やヒアリング等から分析しますと、職場の人間関係をはじめとした仕事の悩みというのがやはり多いと。それからプライベートな悩みを同時にかかえているようなケースが多いというようなものが多いようですが、理由はさまざまでありまして、複数の原因が重なっていることからくるということがほぼいえるのではないかと思っています。
白井議員:大幅に増えているということでしたけれども、こんなに増加している現状については、どう認識をしておられるんでしょうか。
鈴木行政運営調整局長:長期休業者が増えるということで、組織としての力も弱まり、また残った職員にも負担が増えますので、新たなメンタルヘルス不調者を産み出すというそういう懸念もあります。そういう意味でたいへん深刻な問題というふうに私は受け止めております。原因の特定が難しい中ではありますが、何らかの対策を早急にとる必要があると認識をしております。そこで、昨年度横浜市職員の心の健康づくり計画、いわゆる心計画を策定して、それに基づく職員のメンタルヘルス対策を推進しているという現状でございます。
白井議員:本市としても推進をしているということなんですけれども、そのメンタルヘルスの不調をきたす職員が増えている背景の中で、遠因についても着眼して、問題点を抽出し、そして解決のために、制度やあり方を見直す必要があると思います。本市で行われている職員定数の削減や、それから機構改革や、成果主義に基づいた人事考課制度なども遠因になっていると思われます。
市長が「市政運営の基本的考え方」において職場のチーム力の強化をと、次のように言われているんですけれども。「職員一人ひとりを大切にして、キャリアに着目したきめ細かな人材育成を行うとともに、困難な課題はみんなで背負い、相談し、そして助け合います。組織全体として大きな成果を上げられるよう、上司はチーム力を高めます」と。こういう職場の環境ができれば、メンタルヘルス不調をきたす職員が右肩上がりになっているという現状はなくなるはずですから、長期休業者を代替する職員を増やして配置されることは負担の軽減になると思いますから、検証をしっかり行っていただきたいと思います。
それから不調をきたす職員の早期発見と、それから適切な対応とともに、働きやすい職場づくりを進めていただくことを要望しまして、終わります。