見解/声明
2019年6月4日

2019年第2回定例会の閉会にあたって

2019年6月4日

日本共産党横浜市会議員団

団 長 荒木由美子

1、はじめに

4月の統一地方選挙後初の定例会が、5月17日から開催され、初日に議会の新構成を決め、5月23日の本会議を経て、本日、市長提出の議案39件と議員提案の1本の意見書を賛成多数で可決し、閉会。日本共産党は、北谷まり議員が議案関連質問、宇佐美さやか議員が討論に立ち、新たな劇場整備検討委員会の設置、小学校(神奈川区)の統廃合、1.2ヘクタールの市有地の外資売却など反市民的な議案には反対しました。

2、議案関連質問 新たな劇場整備の必要性・実現性を検証せよ

新たな劇場整備について、2018年10月策定の中期4か年計画で、整備に向けて検討することが盛り込まれ、2018年度予算で、整備検討調査を民間シンクタンクに依頼し、その報告書が2019年2月28日に発表され、今議会で、整備検討を目的とした検討委員会を設置する議案が提出されました。北谷議員は、なぜ横浜にオペラとバレエに特化した劇場が必要なのか、整備を必要とする根拠はどこにあるのかと迫りました。報告書は、一方で劇場不足を訴え、他方では実演団体は多くなく、自主公演もほとんどないと矛盾だらけの説明がされていると指摘。

また、開発事業者等へのヒアリングでは、オペラ・バレエのマーケットは厳しい、オペラ・バレエだけでは施設稼働は確保できないなど、費用対効果や設置の意義に疑問がだされています。さらに中期計画の2129件のパブリックコメントでも劇場に関するのは8件しかないことも明らかにしました。このような状況から、検討委員会設置の前に、本当にオペラ・バレエ等の上演を市民が望んでいるのかどうかを調査すべきと提案。その上で整備が必要か否かを改めて検討することが必要だと述べました。

林市長は、新劇場はオペラ、バレエが中心になるが、それだけをやるものではない。374万人都市として、劇場がないのは異例の状態だ。観劇やコンサートに行く市民の多くは東京に行っている、国際都市としてやらなくてはいけない。世界レベルのものが横浜にあることを世界に示したいなどと大規模劇場整備を推進する答弁を繰り返しました。

3、敬老パス制度あり方検討委員会が設置へ 市作成のカジノ調査報告書で税収効果が確認されたとカジノ「必要」論を強調

敬老パスの経費が今以上に増えると制度自体がもたないとして、持続可能な制度とするための「検討会」が設置されます。

2007年に設置された前回の委員会は、公募市民2人が入り、中間報告を市民に示し、市民意見を募集しましたが、今回は予定していません。年金の切り下げが続き、厳しさが増すばかりの高齢者の暮らし向きの中、一方的な負担増は認められません。検討会が勝手な答申を出させないよう市民の運動と世論の力をつくるために尽力します。

多くの市民がギャンブル依存症増加、治安の悪化、青少年への悪影響などを理由にカジノ誘致に反対しているなか、5月末に公表された市のIR調査報告書は、そのまとめで「観光・地域経済の振興、財政改善などの面から、これまでにない経済的社会的効果が見込まれることが示された」とIR事業者いいなりの結論を下しています。この結論をもって6月下旬には市内4方面で住民説明会を開催します。市民を誘致に誘導する世論づくりのための説明会開催は容認できません。

4、カジノ反対決議と中学校給食実施決議を求める請願が否決に

カジノに関する請願は、市議会において、カジノ反対、横浜誘致反対の決議をというものです。

統一地方選挙で、カジノ誘致反対を公約とかかげた立憲・国民は日本共産党ともに賛成の立場をとりました。反対した自民・公明の両党も審議のなかで横浜にカジノは必要との誘致論を展開していません。

今回の統一地方選挙にあたって、市民団体が行った中学校給食実施に関する公開質問状に28人の議員の回答が寄せられています。「横浜市は中学校給食を実施していませんが、全国の状況からみて必要と思われますか」という問いに対して日本共産党以外で12人の議員が「必要」と回答。実施形態に関する質問には、6人が『ハマ弁の給食』と答えています。

請願は、小学校のような学校給食実施を求めていますが、後段では、実施形態は「行政と議会で検討する」とあるように、特定していません。当然、ハマ弁の給食化についても検討対象の一つとなることを認めるものと解せます。しかし、結果は、自公に立憲・国民フォーラムも加わった反対多数で否決とされてしまいました。

5、議会の新構成について

議長・副議長の選挙では日本共産党は、これまでの態度を変え、対立候補を立てませんでした。これまで対立候補を立ててきたのは、監査委員の選挙を含めて、不公平な選出の在り方をただすためでした。現在、議長・副議長と監査委員(2人)は第一から第三までの議席数の多い3会派が占めています。以前は監査委員の一人には第4会派が充てられていました。

この監査委員制度について、とくに議員の選任について、その妥当性を問う論議が近年起こり、ついに国も動いて、議員からの選任の義務づけを廃止し、「できる」規定へと見直しが2017年に行われました。これを受け佐賀県嬉野市や滋賀県大津市議会は「監査委員の独立性及び専門性をより良く担保する観点から議員のうちから監査委員を選任しないこと」と決めています。いまや、議会からの監査委員の選任は根本から見直しが必要です。問題の焦点は、「議会選出監査委員をどの会派が担うか」から、そのあり方自体をどうするかに移っています。

あり方自体が問われるなかで、「第4会派にも監査委員を」との日本共産党のこれまでの主張は、適切さを欠くものとなったと言わざるを得ません。そこで、議長・副議長選挙では原点に戻って、その対応を変更したものです。

県後期高齢者医療広域連合議会議員には、北谷議員が選出されました。特別委員会の基地対策委員会には宇佐美議員が副委員長に北谷議員が委員の複数体制となりました。

党市議団は、来年度市予算に市民要望を反映させるために各界各層との懇談会を今月開催します。市民要求実現の活動と市政改革に引き続き取り組みます。ご支援のほどよろしくお願いします。

以上


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