議会での質問・討論(詳細)
2018年3月9日

■消防局 北谷 まり議員

救急車の出場増加に備えた新たな増車の指針・指標を

北谷議員:おはようございます。北谷まりです。日本共産党を代表して質問を致します。

委員長、スライド使用の許可をお願い致します。

最初に救命救急体制の充実強化について、伺います。救急出場件数は、前年比5921件増の19万3412件と7年連続で過去最多を更新し、救急出場件数は増加が見込まれています。2018年度、救急隊を4隊増隊し77台となり、国・市の整備指針が充足されることになりますが、救急車の整備指標77台というのは、どうやって割り出されたのか伺います。

髙坂 消防副局長:本市の救急自動車の必要台数については、国の消防力の整備指針に基づきまして人口を基準として算出しております。算出方法にあっては人口10万人に対し5台、人口十万人を超える場合は、概ね5万人毎に一台を加算した数としていますので、本市の人口約373万人にあてはめると合計77台となります。

北谷議員:はい、ありがとうございます。消防局と横浜市立大学の共同研究で2030年の救急出場件数は24万件超と予測されています。今後増加していく救急搬送に対して、新たな指針・指標を作って計画的に増隊をしていく必要があると思いますが、どのように考えておられるのか伺います。

坂野 消防局長:今後の市内の救急需要の増加や国の動向などを注視するとともに、救急隊の効率的な運用や救急車以外の搬送手段の検討を進めながら、増隊の必要性について総合的に判断してまいりたいと思います。

北谷議員:早めに対応していくことが必要だと思います。新年度増隊の4隊は、どこに配置され人員配置はどうなるのか伺います。

坂野消防局長:配置場所は、港南消防署・金沢消防署・青葉消防署の荏田消防出張所、及び瀬谷消防署の中瀬谷消防出張所を予定しておりまして、計 40名を増員致します。

北谷議員:増隊に伴いまして、救命救急士の確保をどうするのか伺います。

坂野 消防局長:30年1月1日現在、救急救命士は581名でございます。引き続き、養成教育を計画的に進める他、28年度から実施している救急救命士有資格者を対象とした採用を継続することに拠り、救急救命士の確保に努めてまいります。

北谷議員:職員会からの意見で「休憩も取れない」と言った声がありますけれども、改善が必要だと思いますがいかがでしょうか。又、休憩が取れなかった場合、どうしているのかも併せて伺います。

坂野 消防局長:取得できなかった休憩時間は、その日の勤務時間内に振り替えることを基本としていますが、振り替えができなかった場合には超過勤務として対応しております。又、救急隊の労務負担軽減は、当局としても重要な課題と捉えておりまして、救急出場が連続する場合は隊員の交代を積極的に行うなど、休憩時間の確保や隊員の負担を分散させる取り組みを行っております。

北谷議員:はい、しょうがないとは思うんですけども、超過勤務時間としてカウントして済むことではないと思いますので、休憩が確保できる体制を取るべきだと思います。救命救急士の再教育は、どのように行われるのか伺います。

山田 救急担当部長:再教育研修は、救急救命士の知識・技術の維持向上をはかることを目的とするもので、国の通知に基づき病院実習や症例検討会への参加など、2年間で128時間以上としております。尚、当局では1時間を1単位としてカウントし取得状況を管理しています。

北谷議員:救命救急士は、単位取得が義務付けられていると聞いていますけれども、この単位を取得するために、業務時間内に時間が取れずに業務時間外に研修を受けているケースもあると聞いています。時間内に単位を取得できるようにするべきだと思いますがいかがでしょうか。

坂野 消防局長:業務中に単位が取得できるように、26年度から新たにオンライン研修を開始した他、医療機関で行っている症例検討会を消防署で開催するなど、医療機関のご協力も頂きながら受講しやすい環境を進めております。

北谷議員:はい、時間内に研修を受けられるように改善するべきだと思います。やむを得ず、時間外に研修を受けた場合、超過勤務として取り扱うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

坂野 消防局長:やむを得ずそういった場合には、やはり先ずは、業務内に振り替えることが基本なんですけども、なかなか振り替える時間が無いというような場合、やはり超過勤務処理としたいと思っております。

北谷議員:宜しくお願い致します。

救急需要の増加が見込まれる中、病床削減への誘導は矛盾している

北谷議員:昨年、一年間の救急概要を見ますと65歳以上の高齢者の増加が顕著であり5.6%の増加率です。又、転院搬送が6.1%増となっていますが、転院搬送とは何なのか伺います。

山田 救急担当部長:転院搬送の要件は、国から示されておりまして、当該医療機関において治療が困難で他の医療機関に緊急に搬送する必要があり、救急車以外に適当な搬送手段が無い場合に医療機関からの要請に拠り出場するものとなっております。

北谷議員:はい。増加しているということなので、何らかの対策が必要ではないのか伺います。

坂野 消防局長:医療機関が転院搬送を要請する場合の手順を定めた、本市独自の転院搬送ガイドラインというものを18年に策定をしています。このガイドラインを医療関係団体に説明をしている他、医療局とともに医療機関に個別に訪問をするなどして、ガイドラインに沿った対応について、ご理解とご協力を求めております。

北谷議員:はい。ちょっとこちらをスライドをご覧頂きたいと思います。

<スライド1>

こちらよこはま保健医療プラン2018年原案で示されている病床の推計です。2020年の病床数は、高度急性期は既存病床数から812床減、急性期は同じく3259床減とされています。消防局では、2020年の救急出場件数を約21万件と予測しておりまして、救急需要が増加することが明らかです。急性期の病床削減への誘導は矛盾ではないかと思うんですが、見解を伺います。

坂野 消防局長:次期よこはま保健医療プランにおける2025年の病床数の推計は、本市の将来人口推計に基づいたものと聞いております。今後、高齢者を中心に救急需要が更に増加すると予想していますが、これまでのように急性期だけでなく回復機能病床も含めた対応が必要になると考えています。引き続き、医療局とともに傷病者の搬送や受け入れ体制の検討を進めていきます。

北谷議員:ベッドが無くて搬送できないといった病床削減に拠る弊害を懸念するんですけれども、救命救急の立場から、必要であれば意見を言っていくことは重要だと思いますけれども、副市長いかがでしょうか。

柏崎 副市長:今、消防局長がご答弁したとおりでございまして、しっかり医療局と調整をして、きちっとしてまいりたいというふうに思っております。

北谷議員:機械的に減らしていくようなことが無いように、そういったことも求めていきたいと思います。

命を守る最前線で働く職員が、心身ともに健康を維持できる取り組みを

北谷議員:市民の命を守る最前線で働いておられる職員の皆さんが、健康を維持しながら業務に対応していけますよう、党市議団は、管理栄養士と保健師を各区に配置するよう要望していますが、現状はいかがでしょうか。

坂野 消防局長:当局の職員、特に当直勤務職員は災害出場などに即応する為、常に緊張状態で勤務を行っており、食事時間が不規則になるなど身体的・精神的な負荷が大きく、高血圧症など生活習慣病のリスクが高くなることが課題と捉えております。この為26年度からは、嘱託員保健師1名を配置しておりまして、更に今年度は局外から保健師1名を人事異動により配置をしました。この保健師二名を中心として、個別健康相談の実施を始め、当局職員の健康課題に沿った講話やセミナーの開催、或いは健康情報の発信など、課題を捉えた取り組みを進めてまいります。

北谷議員:先ずは、業務量に見合って人員が必要だと思いますけれども、併せてメンタル・栄養管理なども含めて、健康管理の体制をより充実して頂きますよう要望したいと思います。

過酷な労働環境を支える執務環境基準と現状は見合っていない

次に当直室について伺います。24時間の勤務体制を支える消防職員の執務環境を定めた基準があるにも関わらず、整備は不十分なままです。職員会からは、要望も出されており職務環境の改善が必要です。現在、個室の寝室は何箇所整備されているのか伺います。

高坂 消防副局長:消防署・消防出張所を併せて96箇所の内、男性用寝室では個室が13箇所、個室以外が83箇所、女性用寝室では当直が可能な28箇所の内、個室が21箇所、個室以外が7箇所となっています。

北谷議員:個室の整備がされていない所は、どうしてるのか伺います。

高坂 消防副局長:代替措置を講じている署所は、男性用寝室が56箇所、女性用寝室が4箇所となっておりまして、その方法はパーテーションやカーテンなどにより措置を講じております。

北谷議員:2018年度の寝室の整備改善の環境の改善の予定を伺います。

坂野 消防局長:消防署で男性用・女性用、各1箇所と、消防出張所で男性用を1箇所の計3箇所、予定しています。この3箇所とも庁舎が狭い為、当直に必要な数の個室での計画ができませんでしたので、現場職員の意見を聞きながら、パーテーションを用いて間仕切るなどの措置で改修を考えております。

北谷議員:未着手の所も残されてますので、先ずは、調査を行い現場の要望に沿った対応・改善をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

坂野 消防局長:まだまだ残っておりますので、職員の意見もよく聞きながら対応してまいりたいと思います。

北谷議員:しっかりと整備して頂きますようお願い致します。

安全な救命救急と職員の感染防止の為、消毒室の設置整備は急務

北谷議員:続いて消毒室について伺います。党市議団はこれ迄、何度も取り上げてきておりますけれども、安全な救急サービスの提供と職員の感染防止をはかる為には、救急消毒室が重要です。現在の消毒室の整備状況を伺います。

高坂 消防副局長:救急隊を配置している消防署、及び消防出張所は69箇所ございます。消毒室は、昨年度迄に25箇所 整備 致しました。尚、未整備の区は泉区のみとなっております。

北谷議員:2018年度の整備予定を伺います。

坂野 消防局長:新たに救急隊を配置しようとしております青葉消防署の荏田消防出張所を予定しております。

北谷議員:各行政区に一箇所以上の整備が目標というふうに聞いてるんですけれども、泉区だけが未整備となっています。 整備予定はどうなってるのか伺います。

坂野 消防局長:救急隊の感染防止は、非常に重要なものであると認識をしております。その為、泉区につきましては、なるべく早く消毒室を整備していきたいと考えております。

北谷議員:未整備の対策として、医療機関の協力を得て、洗浄施設を借用しているというふうに聞いてますけれども、消毒室の重要性、職員の負担を考えれば、しっかりと整備していく必要があると考えますがいかがでしょうか。

坂野 消防局長:消毒室が庁舎に整備されていない救急隊は、消毒や洗浄などに苦労しているということを踏まえまして、本年度、先生がご指摘頂きましたとおり、病用や市立病院の他に救命救急センターを有する医療機関などの協力を頂きまして、救急隊の医療機関の洗浄施設を借用して、資機材の洗浄ができるようにしてまいりました。引き続き、安全な救急活動に向け、感染防止の環境整備にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

北谷議員:スライドをご覧頂きたいと思います。 <スライド2>

消毒室の他の政令市の状況です。ちょっと抽出しただけなんですけれども、注目して頂きたいのが、静岡市と京都市です。静岡市は、未設置の所に対しての具体的な計画がありまして、京都市では100%の設置なんですけども、新たに救急隊が配置されれば、その都度消毒室を整備するとしています。あと100%の所もある訳です。ということで、消毒室設置には、もっと予算を付けて早急に整備すべきだと思いますけれども、副市長いかがでしょうか。

柏崎 副市長:消毒室の必要性等は、先程局長もご答弁しましたように、私としても十分に認識をしております。消防業務の特殊性を踏まえますとともに、市民の皆さまに、或いは職員の安全安心につながるということでございますので、適切な環境整備にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。

北谷議員:横浜市の設置数、非常に少ないと思いますので、是非予算を付けて頂いて、早急に整備して頂きたいと思います。

職員が安心・安全に職務に就けるよう、被服貸与の充足を

最後は被服貸与についてです。2017年3月に、消防隊員用個人防火装備に関わるガイドラインが改定されまして、物品単価の高騰が予測されてるにも関わらず、2018年度職員被服費が226万円減っています。被服貸与は、どういう方法で行われているのか伺います。

高坂 消防副局長:制服や防火衣などの被服は、採用時に必要な一式を貸与しています。その後は点数ポイント制に拠り、必要なものを効率的に取得できるようにしています。防火衣は、点数ポイント制に拠らず、状態を確認した上で新たな物を貸与しています。いずれも貸与された被服が、災害や訓練などにより破損してしまうなど使用できなくなった場合には、点数ポイントに関係無く再貸与を致します。

北谷議員:2016年度の事業評価書では、被服が充足してない旨、記載されておりまして、職員会からも充実への要望が出されています。市民の命を守る消防職員が、被服に不便を感じてるという状況は改善されるべきだと思いますが、見解を伺います。

坂野 消防局長:職員からも被服につきましては、さまざまな意見があります。例えば、業務で着用する靴の仕様変更ですとか、再任用職員への被服への貸与の充実など、改善に取り組んでいるところでございます。今後も、職員の意見をしっかりと聞きながら、必要な検討を行ってまいります。

北谷議員:是非、要望に応えられるよう被服貸与を充実させて頂きますようお願いしたいと思います。以上で終わります。


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