採算が取れないMICE施設新増設計画は中止を
2018年度予算特別委員会の文化観光局審査で、岩崎ひろし議員(戸塚区選出)は、文化政策における横浜の歴史の位置付け、三渓園施設等整備支援事業、関内周辺地区及び現市庁舎の活用、20街区MICE施設整備事業について、質問しました。
岩崎議員は、みなとみらい21地区に整備されている新MICE施設整備について、東京ビッグサイト・幕張メッセの他に、さいたま市でも大規模なMICE施設運営が計画されていることから、首都圏のMICE施設は、大規模行事の誘致と施設の巨大化で過当競争状況にあると指摘しました。
MICEとは、『企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称』です。(出典:国交省内観光庁ホームページより)
中山 文化観光局長は、「パシフィコ横浜の稼働率はもの凄く高く、多くの機会損失が発生していることから、現時点では非常に需要が高い」「首都圏の他の施設でも、来場者数や催事件数が高い実績数となっており、こうした施設との差別化をはかる為にも、20街区MICE施設は必要」と答えました。
又、岩崎議員は、新MICE施設整備事業は、今後20年間で約290億円の赤字と予想、パシフィコ等の現施設は開業後25年が経過する現在でも234億円の借入金があることを挙げ、「大規模な行事のできる貸会場施設の必要性を、私たちは否定している訳では無い。しかし、本事業は投資の回収が困難で、市の負担抜きには成り立たない。前途多難であることから、将来これらの返済が市民への負担となって戻ってくる」と批判しました。
雨宮 観光MICE振興部長は、「20年間の PFI 事業ということで、経済波及効果や社会波及効果、 MICE開催の相乗効果として街の賑わいの創出・都市競争力のブランド向上が期待されている。十分に整備意義はあると考えている。借入金等々については、パシフィコが自主的な経営と努力で返していく予定となっている」と答弁。