多くのボランティアが支えている国際交流ラウンジは、市が実態把握をし改善を
古谷議員:古谷やすひこです。党を代表して国際局に質問させていただきます。
委員長スライドの許可お願いいたします。
まずは国際交流ラウンジについて伺ってまいります。国際交流ラウンジの設置及び運営に関する指針を見ると、例えば医療や介護、子育てなどの相談の対応や、また災害への対応など非常に幅広い役割を、国際交流ラウンジが担っているというのは、改めて再認識しました。スライドをご覧ください【スライド1】
取り扱っている相談件数が、年々右肩上がりということになっております。その役割も本当に大きくなっていると思いますが、局長の見解伺います。
関山国際局長:横浜市の外国人人口は毎年約3000人から5000人程度の規模で増加をしております。市内在住の外国人への日常生活に必要な情報提供、相談対応などの支援を行っている国際交流ラウンジの多文化教室の拠点としての役割は、一層重要となるものと考えております。
古谷議員:そうすると国際交流ラウンジの事業目的を果たすにあたって、今回も含めて適切な予算が本当に配分されているのかということが気になります。私は先日、鶴見の国際交流ラウンジにお話を伺って参りました。16名のスタッフの方がいらっしゃるということだったのですが、館長以外の方は全て非常勤という体制でした。館長始め非常に現場の方は頑張っていらっしゃるというのが私の率直な実感です。その役割の重さに比して、明らかに体制が弱いのではないかと感じております。他のラウンジも多分同じような状況だと思われます。たくさんのボランティアさんに支えられてるということは非常に評価しているのですが、職員の体制は厳しい状況だと感じています。そうすると行っている事業が対象となる方にきちんと届いているのか、ということが非常に心配になります。その点について局長の認識伺います。
関山国際局長:運営体制につきましてでございますけど、国際交流ラウンジは区役所から NPO や横浜市国際交流協会への委託等により運営されておりまして、在住外国人への情報提供や相談対応等の業務を実施していくために必要な体制を各区の判断によりまして確保しているところでございます。こういった体制の中で相談を受け、情報が提供されているということでございますけれども、これまでの意識調査などによりまして十分にと言えるほどのサービスは提供できているものと考えております。
古谷議員:一例言いますと、実際に鶴見の国際交流ラウンジで年間で情報誌を発行しているのですけど2000部なのです。鶴見区の在住外国人の方12000人を超えています。そうするともっと届ける体制と予算もつけていくべきだと考えますが、局長いかがでしょうか。
関山国際局長:情報の発信につきましては紙媒体だけではなく、その他のメディアも使いまして行なっているということで、その情報の波及、影響範囲というのはその2000部の情報誌で想定されるものよりも広いと思っております。
古谷議員:もう一つ、体制が弱いことで非常に歪みも出てきているのではないかというところがあります。例えば主要事業の一つである日本語教室の運営、これは全くのボランティアの運営頼みというところなのですが、日本語教室のボランティアの代表の方にお話を伺うと、「ボランティアということはもちろん認識しているので、何か対価をくれと言うことはないのですけど、せめてバス代の交通費ぐらいは、何かもらえないのかということは日々感じる」とおっしゃっていました。更に今ボランティアさんもなかなか見つかりづらくなっているとも聞いています。せめて本市事業を担ってもらっていて、そのことによって行政目的も果たしているわけですから、せめて日本語教室の講師の方などへ交通費ぐらいは出すべきだと思いますが、局長の見解を伺います。
関山国際局長:こちらの経費負担は、基本的に各団体の考え方によるものでございますけれども、ご協力をいただいているボランティアの方々のご負担や課題などをしっかり受け止めていく、これは大切なことだと考えております。
古谷議員:是非、検討いただきたいと思います。またこういう困ったことがあるということもありました。相談であるとか日本語教室に子育て世代の方が来られた時に、保育のサービスが無いものですから、なかなか大変な状況で子育ての世代の方が来れないということも聞いています。保育サービスなども是非検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
関山国際局長:これも、実情を把握したいと思っています。
古谷議員:是非、実情を確認していただきたいと思います。
災害時の問題なのですが、災害時の国際交流ラウンジの役割について伺っていきますが、本市と横浜市の国際交流協会が大災害が起きた際に協定書を結んでいます。そのことは承知していますが、その上でこの鶴見の国際交流ラウンジは、例えば区ごとのラウンジは、災害の時にどういう役割を果たすのか伺います。
関山国際局長:災害時の対応につきましては、横浜市国際交流協会の本市と協定を結んでおりまして、それに基づいて外国人震災時情報センターというのを設置しております。これを設置するということは、災害時に緊急対応取れる体制も国際交流協会も取るということでございます。これに伴って各区での国際交流ラウンジでの役割というか、お願いしたいことでございますけれども、これについて現実的に取り決め規定はございません。
古谷議員:取り決めは無いということですか。
関山国際局長:取り決めはございません。ですので例えばこの災害時情報センターの設置例の第1号は、2011年の大震災でございました。この時にいち早く情報センターを立ち上げまして、そこで統一的に横浜市全体の情報収集と情報発信を相談対応が多かったと思いますが、行なっております。
古谷議員:是非、区ごとのラウンジごとで災害起きた時に何をするのか、という取り決めはやるべきだと思いますがいかがですか。
関山国際局長:やはり災害に対する緊急体制、緊急配備の作り方、機能の発揮させ方によると思うのですけども、そこに国際交流ラウンジのようにボランティアの皆さんに、ご協力をいただいて運営をしている、そういう場の、ご協力いただいている皆さんもそこにまたさらにご協力いただくということの可否などがあると思いますので、そこは今後検討して参りたいと思っております。
古谷議員:ここでも、やはりボランティアさん頼みのラウンジの運営だからそうなっているのだと思います。ラウンジの設置されていないところでの発災時の対応どうするのでしょうか。
関山国際局長:災害情報センター1か所で対応するということで現在なっておりますけれども、今後は横浜市側からの情報発信は、先ほどご質問にお答えしたところでございますけれども、インターネットアプリなどを使いながら発信していくことを強化をしていきたいと思っております。
古谷議員:年々冒頭言われたように在留外国人の方が増えているという認識でいらっしゃいましたから、こういうところが多分整備されてないところだったのだろうと思いますので、是非現場を見て検討いただきたいと思います。こうゆう役割を果たしている国際交流ラウンジなのですが、全市で今11区に設置がされています。国際交流ラウンジの設置及び運営に関する指針には、全ての区に1か所設置することが基本であるとされています。どう実現するのか伺います。
関山国際局長:国際交流ラウンジの設置につきましては、その全ての区に一か所ということでございますが、現在は外国人登録者数などの状況、地域の団体の皆さんなどのニーズ、それから適切な設置場所の確保の可能性、こういったことを総合的に判断をして決めております。
古谷議員:次のスライドをご覧ください【スライド2】
18区ごとの外国人数、人口、外国人率でラウンドの設置の有無を調べました。こうすると非常に外国人数がアンバランスというのがよくわかります。その一方で一万人を優に超えている中区や鶴見区、一番少ないところでは栄区で、これは10倍以上も違うということになっています。ラウンドの設置についての指針には「必要に応じて条件が整った場合には区内に複数の設置を可能とする」とあります。1万人を超えている区の中区や鶴見区は、その検討も始めるべきだと思いますがいかがでしょうか。
関山国際局長:国際交流ラウンジの設置につきましては、区役所ともいろいろ検討しながら、まず必要性について判断をしてまいりたいと思います。
古谷議員:是非始めていただきたいのですが、例えば鶴見区ではラウンジがあるのは鶴見駅の駅前です。実際にコミニュティーがあるのは、そこから遠く離れた所にあります。実際のラウンジの機能を十分に発揮させるためにも、複数の設置もぜひ検討いただきたいとお願いしまして、次の質問に移ります。
総額9億円の運営費をかけた米州事務所を閉めて、また再開という予算建ては市民理解を得られない
古谷議員:米州事務所の開設について伺います。以前の米州事務所の閉鎖について、なぜ閉鎖に至ったのか伺います。
関山国際局長:平成20年のリーマンショックを契機といたしまして、アメリカの経済が一時的に深刻な景気後退に移りました。そういった状況の中で世界経済の中心も東アジアへのシフトという状況になりまして、そういった中で平成22年に北米事務所を閉鎖をいたしました。
古谷議員:次のスライドご覧ください。【スライド3】
閉鎖された以前の米州事務所にかかった事業費は総計で9億円余りだと聞いています。それを閉めて今回、更に再開するというのは少し理由がなければ市民理解は得られにくいと思いますが、改めて伺いますがなぜ今、一度閉めた米州事務所を再開するのか、伺います。
関山国際局長:これは北米の事務所です。ニューヨークからロサンゼルスに移転した時の、それからロサンゼルスを撤退した時の理由のひとつでございますけれども、景気の後退がありました。これはアメリカにおいては経済の復調というのが今、基調でございます。それから実際に日本への投資額は米国が最大であります。実例としましては、横浜へのアップルの研究開発拠点の誘致立地というのがございました。これは横浜のポテンシャルを示した、評価されたものと考えております。こう言った横浜のポテンシャルをさらに経済好調のアメリカで PR をしてさらに横浜の経済活性化のためにアメリカの経済、アメリカのビジネスを呼び込んでいく、そういったことのために新たに開設をすることといたしました。
古谷議員:以前の事務所を閉鎖する際の、質疑の中で今後について、機能については事務所がなくても、果たしていくのだということをおっしゃられていましたが、どう果たしてきたのか伺います。
関山国際局長:その時の経済状況の中ででございますけれども、その時、ロサンゼルスを閉めた時点で、既に南カリフォルニアのバイオ産業のみなさんと横浜のバイオ産業との交流関係が十分に出来上がっておりました。それは現在も続いております。両方の横浜のそしてサンディエゴの両方のバイオ関係の展示会に、双方の企業が出店するなどの実績を上げております。こういったことを中心に、以前に事務所を置いていた時のそのネットワークと、それから活動の実績をもとに事務所がない期間も北米について活動を続けてまいりました。
古谷議員:今回予算案でこういう提案があったわけですが、少し説明が少ないという感覚と、少し唐突な提案だと感じております。事業効果などをしっかりと市民に対しても説明すべきだと指摘をして次の質問に移ります。
ピースメッセンジャー都市に指定された意義を、市として大事にする取組み強化を
古谷議員:平和事業について伺います。
国際平和の推進の内容を充実させるという観点で言えば、平和市長会議のメンバーとして、この間会議にも参加されていますが、その提案されている中身をぜひ具体化していただきたいと思いますが、昨年参加された副局長は提起されている課題をどう受け止めたのか、伺います。
赤岡副局長:昨年の平和首長会議、横浜市の代表として私が参加させていただきましたけれども、そこで議論された核兵器の廃絶に向けた取り組み、人間の尊厳を奪う地球規模の問題への解決、平和文化の創造等は、ピースメッセンジャーである本市の施策の方向性とも合致するものでございまして、共に取り組んでいく必要があると受け止めております。
古谷議員:是非具体化して進めていただきたいと思うのですが、今月あった平和講演会ついて、もう一度どういうきっかけで、どういう思いでこれを取り組まれたのか、伺います。
赤岡副局長:今、答弁申し上げた平和首長会議に参加をさせていただいた際に、小溝総長とも私もお会いさせていただきまして、従来から温めていました国際局としての平和啓発の取り組みにご尽力いただけないかということで、諸々の相談をさせていただいて実現したのでございます。目的等につきましては、先ほど答弁させていただいたとおりでございます。
古谷議員:今、本当に大きな核兵器廃絶を巡る世界的気運が高まっている中で、ぜひこれ以降も新たな取り組みを進めて頂きたいと思うのですが、局長いかがでしょうか。
関山国際局長:横浜市は平和啓発、平和推進という事に関しましては、今年度29年度の講演会もそうでございますけれども、以前から講演会は展示会というものを続けてまいりました。それから何よりもピースメッセンジャー都市としての横浜でございますので、ピースメッセンジャー都市に指定されたその意義というものを横浜市として大事にすると同時に表明をいたしました。横浜市が続けてきた国際交流事業、国際協力事業が認められたこと、それを続けていくことが平和の推進につながる、自分たち横浜市としての考え方、これを今後も続けていきたいと思っています。
古谷議員:是非お願いしたいと思います。続いてSDGsに今回、予算の中でかなり上げられているのですが、掲げられている地球規模の課題にこれから取り組んでいくのだということなのですが、具体的に何をどう進められるのか局長に伺います。
関山国際局長:これは国際局が直接出来る担えるというところで、まずお話をさせていただきたいと思いますけれども、国際会議等における横浜市の先進事例の発信、それから国際機関やシティーネット等との連携、それから公民連携によるY-PORT事業等を通じた新興国の課題解決、こういったことを通じまして健康とか女性活躍促進、インフラ整備、気候変動の対応など、横浜市の幅広い分野についてSDGsに掲げられた地球規模の課題解決に取り組んでまいります。
古谷議員:最後に副市長に伺います、SDGsにおいて誰一人取り残さない、貧困飢餓の撲滅とあります。新興国への支援ももちろん大事ですが翻って本市の状況を見て誰一人取り残していないのか、改めて考えるべきだと考えます。例えば関内駅周辺だけを見ても野宿をしている方であるとか、寿町を見ても簡易宿泊所が立ち並んでいる状況、そういったところを見ると、公的支援がちょっと少ないのではないかと考えますが、副市長の見解を伺います。
渡辺副市長:SDGsは環境問題でありますとか、貧困や飢餓の撲滅と、こういった問題など現在の世界の経済や社会が抱える課題に対して、問題になっている途上国だけではなくて、先進国も一緒になって包括的に取り組んでいくというものであります。もちろん横浜市におきましても子どもの貧困対策でありますとか住居を持たない生活困窮者のための援護対策に加えて、ご承知の通り今度は低所得者や高齢者、障害者の方など配慮が必要な方々に対する、新たな住宅セーフティネットを構築するなど様々な分野で取り組みをしようとしております。今後こうした分野で必要な対策にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
古谷議員:是非、今述べられたのは求められている課題に対して、予算が余りにも少ないと思いますので、改めてそのことをお願いして質問を終わります。