貧困の連鎖による教育格差は、公費による経済支援で断ち切りを
横浜市会では27日、予算関連質問が行われ、白井 まさ子議員(副団長・港北区選出)が登壇し、アベノミクスがもたらした格差と貧困の拡大の下での、国民健康保険料、市立病院・市大病院での分娩介助料、介護保険料、小学校給食費の4つの値上げ問題と、申請しやすい就学援助制度への改善について、質問しました。
白井議員は、今年10月から、国が3年かけて予定している生活保護の生活扶助基準最大5%削減の標的となるのは都市部の子どもの多い世帯と言われていることから、削減が実施されれば、際限のない貧困の悪循環が想定されるため、認めるわけにはいかないと述べ、生活保護を削るのでなく、低所得世帯の生活を支援することこそ必要だと主張しました。
その上で、学用品や給食費などを公費によって経済支援する就学援助は、深刻化する貧困の連鎖と教育格差を是正する機能があることから、教育委員会として認定者拡大に向けた努力が求められていると述べました。本市の援助率は2016年度分で小学校12.9%、中学校15.9%、小・中計で13.8%です。大和市では、小学校で24%、中学校で27%と本市の倍近くと高くなっています。
大和市では、1月に学校へ説明書・申請書を配布。外国にルーツを持つ家庭が多いことから説明書の漢字にはルビがふられ、申請書も◯を付ければ良いように申請理由を列挙。「認定の限度額となる所得の合計額以下のため」「経済的に困窮している」という項目を設けています。一方、横浜市では、家庭配付は4月と遅く、しかも申請にあたっては、申請理由を記入しなければなりません。申請書について、白井議員は、保護者の目線に立ち、大和市のように書き換える必要性を強調し、その実施を岡田教育長へ迫りました。
岡田教育長は、「学校を通じて全校児童生徒へお知らせを配付し、媒体への掲載など、引き続き制度の周知に努める。お知らせや申請書の様式については、申請者にとってわかりやすくなるように、一層の工夫をしていく」と答えました。