議会での質問・討論(詳細)
2017年3月13日

■選挙管理委員会 宇佐美 さやか議員

視覚障害者の全ての方に、選挙のお知らせが届く工夫と仕組みをつくるべき

宇佐美議員:日本共産党の宇佐美さやかです。党を代表して、質問いたします。
 まず、視覚に障害のある方に選挙管理員会として、選挙のお知らせをどのようにしてきたのか、そして今後どのようにしていく考えなのかを伺ってまいります。
 視覚障害で身体障害者手帳をお持ちの有権者数は何名で、そのうち全盲または、ほとんど見えないという方は、何名おられますか。

見上選挙部長:健康福祉局の統計によりますと、視覚障害者として障害者手帳お持ちの方で18歳以上の方はH27年3月末現在で6319名おれます。全盲という区分ではございませんが、等級で最も重い障害のある方は両目の視力の和が0.01以下である1級の方で2090名おられます。

宇佐美議員:では、視覚障害者の皆さんにとって選挙の情報を手に入れる手段として、選挙公報を点字や音声版に訳した「選挙のお知らせ」は、それぞれ何部発行されているか伺います。

見上選挙部長:「選挙のおしらせ」は本市の所管する市長選挙と市議会議員選挙でNPO法人横浜市視覚障害者福祉協会より発行されておりますが、それを選挙管理員会が購入し配布しております。配布部数は直近の選挙ではH27年の市議会議員選挙において点字版305部、録音版703部、合計1008部となります。

宇佐美議員:点字版と音声版を合わせても障害1級の2090名の半分以下の1008名のみにしか届いていないということになります。これでいいとお考えですか

金子選挙管理委員会事務局長:厚生労働省の身体障害児者実態調査によりますと視覚障害者のうち点字ができる、わかると答えられた方が10%前後で推移しており、点字利用は少ないというのが現状となっております。一方本市では「選挙のお知らせ」を横浜市の広報紙である「広報よこはま」点字版および録音版の配布希望者、全員にお送りしております。さらにそれ以外に各ボランティア団体に登録している視覚障害者全員にもお送りしております。

宇佐美議員:「選挙のお知らせ」は全員「広報よこはま」を希望される方というようになっていますけれども、申請しなければ「選挙のお知らせ」を手に入らないということになりませんか、なぜ視覚に障害を持つ全ての有権者に「選挙のお知らせ」を送らないのか伺います。

金子選挙管理委員会事務局長:「選挙のお知らせ」点字板、録音版を必要とされるか、否かにつきましては障害の状況により異なるといった部分もございますが、本市におきましては障害の状況にかかわらず配布を希望する方、全員にお送りするよう今登録の方を進めているところでございます。

宇佐美議員:ありがとうございます、登録を進めているということですが、最近は糖尿病などにより中途失明の方が増え、点字が読めない方は先ほどおっしゃっていましたけれど、10%程度ということですが、それならば大きな文字なら読めるという方もおられるということはお聞きしました。情報を手に入れる手段を選ぶのは当事者である障害者の皆さんですので、こちらから選択肢を増やすなどあらゆる手段で「選挙のお知らせ」をするべきだと考えますが大活字版を作る予定はございませんか。

金子選挙管理委員会事務局長:私どもとしても,横浜市の広報さらには障害者の皆さまの団体、あるいはボランティア団体、そういった活動通しまして、そういうような登録の制度があるということはご案内する、あるいは登録がなくとも連絡をとれるように、市のホームページの方にお問い合わせ先を明記するなど、そういう形で幅広くその辺の工法に努めているところでございます。

宇佐美議員:ホームページ等々とおっしゃるのですけども、皆さんがホームページを開けるわけではないということも承知頂きたいと思います。障害と言っても先ほどから述べているようにお一人おひとりが違うということ、見え方だったりするので最初に伺った障害者手帳お持ちの6319名全員の住所と氏名を把握することが可能です、まず手帳お持ちの方はどういう形態での情報を必要としているのかという調査をしてみてはどうかと思うのですが見解を伺います。

金子選挙管理委員会事務局長:それぞれ障害者手帳をお持ちの方に対しましても、やはりプライバシーといったものに十分配慮する必要があると考えてございます。そういう中で、繰り返しになりますが障害者の団体、ボランティア団体、当然それにつきましては市の福祉部門あるいは広報部門そういったところでも調整を図りながら幅広く様々な媒体を通してご案内を発信してまいりたいと考えております。

宇佐美議員:ぜひ、色々な方法で知らせることをして頂きたいと思います。

投票行動を無駄にしないような投票環境を

宇佐美議員:次に、投票所でのバリアフリーとサポート体制について伺います。
 視覚障害者をはじめ、車椅子で来場した方、高齢者など全ての有権者にとって、投票しやすくなるように、投票所のバリアフリーやサポート体制はどうなっているのか伺います。

金子選挙管理委員会事務局長:H25年より誰もが投票しやすい投票所のモデルを作成し、順次実施してきております。段差は解消スロープの設置をはじめ車椅子用の記載台、拡大用のルーペ、老眼鏡など全投票所に配備すると共に、車椅子も配置可能な投票所の全てに備えております。投票所のサポート体制としては、従事者全員に障害者、高齢者の方への投票所接遇マニュアルを配布し、例えば視覚障害の方がお越しになった場合、お声掛けの時にいきなりではなく、まず名前を名乗った上でそばに寄って声を掛ける、そういった対応の周知を図っております。

宇佐美議員:私の知っている方なのですが、視覚に障害がある方が「投票所に行くと受付で、皆さんが慌てているのを感じる。誘導も慣れていないで、おろおろしているのがわかる、毎回お手間を取らせていると感じている。」と言っておりました。せっかく投票に行こうと思ったのに、投票所で、「人に迷惑をかけてしまう、申し訳ない」と思わなければならないのは、少し苦痛ではないかと感じます。投票所にいる係の皆さんは、誘導などの研修を受けて頂く、ということはどうか、伺います。

金子選挙管理委員会事務局長:先ほどの接遇のマニュアルにつきましては、選挙執行の前段階で行われます様々な会議、あるいは研修の機会を通じまして、選管職員に加えまして当日従事して頂く方のほうにも周知しております。特に投票所で従事して頂く方に対しましては投票日の前日の設営の準備の際に、区の職員からこのマニュアルにつきましての趣旨説明を行うと共に、周知を図っているところでございます。

宇佐美議員:ぜひもう少し前から、練習をするということをして頂ければ、本当に安心して投票所に行かれると思うので、ぜひ皆さんもアイマスクを付けて投票所に行ってみるという経験もされた方が良いと思います。全ての有権者に障害があっても、選挙に行き意思表示をする権利があること、投票所でのサポート体制があることなど、知らせる手段として「広報よこはま」に、投票のやり方、投票所内でのサポートの体制があることなどの情報を載せていく考えはありませんか。

金子選挙管理委員会事務局長:「広報よこはま」の各区版および健康福祉局が発行しております障害福祉の案内で、選挙の際、各世帯に郵送しております投票のご案内への点字シールの貼付についてまずお知らせしてございます。また暮らしのガイドの点字版、音声版で選挙公報や期日前投票所などの制度を、さらには選挙の際にはコールセンターで投票所、投票日、期日前投票所などを音声でご案内してございます。今後とも様々な媒体で伝えてまいりたいと思います。

宇佐美議員:ぜひ、よろしくお願いいたします。私は、障害者団体の方に「役所から届く郵便には、点字が無いから、私たちにとっては、ただのゴミなんです。」と言われたことがあります。これでは、必要な情報がボランティアさんを通さなくては、当の本人に届かないことになります。選挙のお知らせも大事なお知らせです、封筒に先ほど点字も打っているということですが、各区の区役所にもそういうこと徹底して頂きたいと思います。また、視覚に障害をもつ先ほど申しました友人から「投票所を障害者施設に設けてくれたら、行きやすい。何故ならば普段行き慣れた所ならば、行きやすい、距離に関係なく行くことができるのです。」と言われました。これも、現行の法制や基準だと出来ないと聞いてはいるのですけれども、ぜひ今後、そういうことも検討して頂きたいと思います。全ての有権者が安心して一票を投じることができるようにすることで、投票環境の整備・改善のために、今後も先ほどおっしゃって頂きましたが創意工夫を重ねて頂いて、投票率の向上に努めて頂くことをお願いし私の質問を終わります。


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