議会での質問・討論(詳細)
2017年3月1日

■建築局 古谷 やすひこ議員

必要とされるエリアに必要とされる量の市営住宅の増設、確保を

古谷議員:日本共産党古谷やすひこです。党を代表して質問をいたします。委員長、スライドの許可を願います。 
まず、市営住宅について伺ってまいります。
本市において、市営住宅はどういう役割を果たしているのか、まず伺います。

坂和建築局長:市営住宅は住宅セーフティーネットの根幹として、役割を担っていると考えております。

古谷議員:セーフティーネットの根幹を果たしているという市営住宅なのですが、2002年から新規設置を行っておりません。また2007年からは借上げ住宅の新規も今やめています。新規設置を行わない理由と市営住宅の数は今足りているのかという認識について伺います。

坂和建築局長:現在横浜市内の公営住宅は市営住宅が約31,000戸、県営住宅が約17,000戸あります。更に住宅供給公社やUR都市機構等の公的賃貸住宅を含めると市内には約11万戸の公的な賃貸住宅が供給されています。
尚、市内には低廉な家賃で供給されている様々な住戸タイプの民間賃貸住宅もございます。そのため一定規模のストック数が確保されていると認識しております。

古谷議員:この市営住宅は、本当に市民の皆さんの関心の強い施策だと感じております。この問題は絶対数が私は少ないと思っていますし、供給エリアが偏在していると思っています。私が住む鶴見区では「住み慣れた鶴見で住み続けたいが、市営住宅は倍率が高すぎて入居できない」と、いう相談がよく寄せられます。局長、市営住宅が倍率、宝くじ並みの鶴見区でお住いの方のこの声にどうこたえますか?

坂和建築局長:市営住宅、住宅セーフティーネットの根幹、住宅に困窮することのための住宅ということでございます。そうゆう意味で住宅をそうゆう方々が住宅を選ぶにあたっては、家賃だけではなくて通勤や通院の利便性、子育てのしやすさ、近居や隣居のご意向や緑の多い自然環境の有無などの様々な判断基準があると思っています。

こうした中で本市では、年齢や世帯構成など地域区分以外の要素も考慮して市営住宅の募集区分を設定し市民の皆様の選択肢を広げています。先ほどもお答えしましたとおり、市営住宅だけではなく住宅供給公社やUR都市機構等の公的賃貸住宅のほか低廉な家賃の民間賃貸住宅により、市民の皆様の様々なニーズに応えて行きたいと考えております。

古谷議員:低廉な民間住宅とおっしゃられたのですが、市営住宅程の低廉な民間住宅局長あると思いますか。

坂和建築局長:⇒市営住宅は公的な税金が投入されてまして、民間の市場の中で造られたアパートとの家賃の差はあると考えていますが、家賃だけで言うならば民間のアパートと賃貸住宅も様々な立地、タイプがございますので市営住宅以下の家賃のところも存在はすると考えています。

古谷議員:後で、それ是非見せて頂きたいと思いますが…。
ここで是非スライドをご覧ください。(スライド1)

建築局スライド

区毎の市営住宅の設置状況と合わせて特別養護老人ホーム・グループホームの設置状況について一覧表にしてみました。これを見ると、地域の偏在の様子が非常によく分かります。鶴見区の市営住宅は緑区の五分の一しか設置がされておりません。局長、感想を伺います。

坂和建築局長:⇒市営住宅につきましては、昭和30年代40年代大量に横浜市に人口増が生じた時に対応として造られた団地が多くありまして、その団地は戸建て住宅がかなりありました。それを建替えて戸数を増やしたという経緯がございまして元々郊外部、住宅が建てられるところに市営住宅を建てた上で建替えたことによって数が増えて、区の偏在が生じていると考えております。特に中区、西区の都心部については偏在が少なくなっております。

古谷議員:是非、局長も今偏在がされているということは認められたわけですから、例えば、借り上げ住宅の市営住宅では、倍率の高い・ニーズが高いところには増設すべきだと思いますがいかがでしょうか。

坂和建築局長:先ほど申しましたように、市営住宅は一定の規模が確保されているとゆうことで考えております、という中での対応となります。繰り返しになりますが、住宅を選ぶ際には地域性ばかりでなくて、家賃とか通勤や通院の利便性、子育てのしやすさ近居や隣居のご意向なども含めたトータルでの住宅の選択となります。そうした中で現在の市営住宅の募集の対応を進めているところでございます。

古谷議員:是非、これは明らかに偏在されていることは認めてますし、市民のニーズを把握して、必要とされるエリアに必要とされる量の住宅を供給するこれからの計画、これ是非持つべきと思いますが、局長の見解を伺います。

坂和建築局長:市営住宅の区ごとの計画を持てという内容と承りました。先ほど申しましたように、市営住宅の再生にあたりましては現在建てられているところを中心として、その地域の中で再生せざるを得ない状況と考えております。区ごとの将来人口を想定した上で、計画を立てるということは現在考えておりませんが、実態としては先ほど申し上げました、中区西区等で市営住宅が足りないということで借り上げを中心に、高齢者対応も含めて実施してきた、という状況がございます。

古谷議員:現在、市営住宅に入居されている方の半数以上は高齢者の方です。ですから高齢者の住まいのあり方としても、市営住宅のあり方、非常に大事だと思っています。せめて、そのためにもニーズの調査と計画はやはり持つべきだと思います。
 住み慣れた地域で住み続けられる、このために市営住宅の増設と地域の偏在を解消することを是非求めます。

年を重ねても慣れ親しんだ地域で住み続けられるような住宅供給を

古谷議員:次に高齢者の住まいのあり方について伺います。
 今回の予算案で「高齢者居住安定確保計画」の改定があります。横浜市高齢者福祉保健計画・介護保険事業期計画、横浜市の地域包括ケア計画の住宅分野のこれは計画だと考えています。局長、まず建築局として、地域包括ケア、これから本当に大きな問題になると思うが、これをどう具体化して実践していこうとしているのか、まず伺います。

坂和建築局長:高齢者の方々は加齢による身体状況や経済状況、世帯構成など様々な状況でありまして、住まいへのニーズは多様化していると考えています。そこで持ち家に住み続けるため得るためのバリアフリー化やリフォームの支援に加え、市営住宅の成形や民間賃貸住宅を活用した家賃補助、生活支援サービスを行う公的住宅の供給などにより多様な住まいが選択でき高齢者が住み慣れた地域の中で暮らせる住環境を形成してまいります。

古谷議員:今おっしゃられたとおり、地域包括ケアでは、日常生活圏域ごとを基本にして、住み慣れた地域で安心して住み続けられると、こうゆう考え方です。これに従えば、高齢者向けの住宅供給や整備についても、日常生活圏域毎のニーズ把握をしたうえで、供給整備していくべきだと思いますがどうか伺います。

坂和建築局長:市民意識調査によりますと、年齢が上がるにしたがい今のお住まいに住み続けたいという意向がある方が、70歳以上では8割にのぼります。一方で高齢者の方の約8割が横浜市内では持ち家に居住しているという実態もございます。そのために室内のバリアフリー化等により、持ち家に住み続けられるよう支援して行きます。また合わせて市内には約60万戸の賃貸住宅がございますので、民間の保証会社や不動産店の方々と協力し賃貸住宅への入居が円滑に行われるような取り組みも併せておこなってまいります。

古谷議員:もう一度、スライドをご覧ください。現状では、例えば高齢者の住まいのあり方と言えば、特別養護老人ホームなども区ごとに見るだけでも非常に偏在をしています。60歳以上の入居者が半数を超えている市営住宅も先ほど指摘したとおり非常に偏在をしています。これは是非、是正していかなければ日常生活圏域ごとに住み続けられないと思いますが、これ改善を図るべきと思いますが局長の見解を伺います。

坂和建築局長:高齢者向けの住まいは、住宅確保が困難な高齢者を中心に対応していく市営住宅に加えまして、先ほど申し上げました公的賃貸住宅、民間賃貸住宅など多くの住宅が供給されていると考えています。その中で特に低所得者の方々にニーズの高い家賃補助や生活支援サービスをおこなう高齢者向け有料賃貸住宅の供給を進めています。この住宅を認定する際に高齢者世帯に対する整備戸数の割合が低い区を整備誘導地区といたしまして、認定する際の評価を高くすることで区ごとの偏在を解消できるように努めています。尚、今年度は栄区と、西区と旭区、港南区を整備誘導地区としております。

古谷議員:今回の確保計画の改訂にあたって、現状の計画を見るとほとんどの目標で、具体的な数値目標が掲げられていません。数値目標は是非持つべきだと思いますし、ここは改善して頂きたいと思います。今後の計画の改定にあたって具体的な数値目標を是非持って頂きたいと思いますがどうか伺います。

坂和建築局長:高齢者居住安定確保計画の中では高齢者向け住宅の柱として、市営住宅、高齢者向け有料賃貸住宅、サービス付高齢者向け住宅を供給していくこととしております。市営住宅は住宅政策審議会の答申を踏まえ、供給量を維持していくという計画量はございますが、高齢者向け有料賃貸住宅及びサービス付高齢者向け住宅については経済状況や高齢者の所得、世帯構成などの社会動向を分析しながら数値目標の設定を検討してまいります。

古谷議員:よろしくお願いします。今、市営住宅のところ或いは高齢者の住まいのあり方で述べさせてもらいましたが、重ねて地域包括ケアの考え方と高齢者の住宅施策の整合性を是非つけて頂いて、年を重ねても慣れ親しんだ地域で住み続けられるような住宅供給を是非進めていただくことを要望いたします。

発生確率の高い大地震に備えせめて特に危険ながけ地97箇所には思い切った措置をすべき

古谷議員:次に、がけ地の防災対策について伺います。
 政府の地震調査委員会によると「30年以内に震度6弱以上の地震発生確率は、横浜市が81%、全国の県庁所在都市の中でも、千葉に続いて高い」と言われていますが、まず局長、これをどう受け止めるか伺います。

坂和建築局長:最近地震もございますが、やはりいつ起こるかわからない地震に対して、一分の隙もなく備えが必要だと考えています。

古谷議員:是非、一分の隙もない対応を頂きたいと思いますが、そこで伺いますが

そもそも今回の「がけ地の防災対策事業」、これは何を目標にしておこなわれている事業なのか?伺います。

坂和建築局長:がけ地の防災対策といたしましてまず、市民からの相談体制の充実を進めるのが第一で、それと同時にがけ崩れの未然防止という視点から安全確認パトロールや危険度判定を実施しています。更に助成金制度を活用とした擁壁等による改善やがけ崩れが発生した際の迅速な応急措置等、取り組みを総合的に進めているところでございます。これらにより、土砂災害から市民の皆様の生命を守ることを目標としています。

古谷議員:現在市内の9800箇所余りの崖について、短期間に全数調査をされたこと本当に高く評価したいと思います。しかし、そこにとどまってはいけないと思っています。調査で判明した危険ながけ地について、その改善が実際に図られなければならないと思いますが、局長の見解を伺います。

坂和建築局長:現地調査の結果は即時勧告の取り組みと連動させ、その対象となる区域の選定にまずは結び付けています。また現時点で選定した97箇所のがけ地につきましては、がけ地のカルテを活用し所有者に対して調査結果や本市の支援策を十分に説明するなど対策に向けた働きかけをおこなっているところでございます。その結果でございますが、97箇所のうち、39箇所のがけ地におきまして改善に向けた取り組みが所有者により進められております。

古谷議員:がけ地の総合評価、ABCDとあると思いますが、Aについて説明伺いたいのですが。

坂和建築局長:ABCD、がけ地の評価は言われたようにございます。調査対象は今がけ地6179のうちAというのが約1060ぐらいございますが、Aはがけ崩れにより家屋に著しい損傷が与えられ居住者の生命に著しい影響を及ぼす恐れがあるので早急に対策を行う必要があるということに位置づけております。

古谷議員:早急に対策を行わなければならないというのが千いくつかあると言う事なのですが、その内の97箇所の中でも30箇所余りしかまだ手がついていないということなので、もともと民地で改善が進みずらいということは想定されていたと思いますがどうやって促進させるのか伺います。

坂和建築局長:先ほど申し上げましたように、がけ地カルテを作成いたしました。

そのカルテを活用いたしまして、危険性だとか一方で補助制度の活用などをしっかりと働きかけていくということでございます。また改善とは別ですが避難勧告と連動させてますので、災害警報が出た場合には速やかに避難して頂くことも併せてお伝えすることが重要なことと思っています。

古谷議員:少なくともこの97箇所の即時避難の場所については、本当に早期に対策が図られるように、助成制度の拡充なども含めて思い切った措置を是非とって頂きたいと思いますし、更にその他のがけ地についても対策が促進されるような計画、持つべきだと思いますが、局長の見解を伺います。

坂和建築局長:市民の皆様が利用しやすい助成金制度となるように、2015年度には、擁壁の新設などを対象とした防災工事の上限額を引き上げると共に、比較的簡易な工法も対称とした減災工事への助成も新たに開始するなど拡充を行ってまいりました。

その着実な運用に向けて、助成金制度の予算増額や積極的なPR活動に等より、引き続きがけ地対策の推進を図ってまいりたいと考えて思っております。

古谷議員:局長が冒頭に首都圏直下型地震の危険性について述べられたとおり、本当に明日地震が起こるかもしれません。そんな中でその危機意識を持って、あらためて早期の実際の改善が図られるように施策を進めていただきたいと要望しておきます。

不足する応急仮設住宅に備え東日本、熊本の教訓を生かした計画づくりを

古谷議員:最後に応急仮設住宅について伺います。
 建設候補地の建設可能戸数は今、19,000戸、場所を用意していると聞いていますが、
 想定される最悪の地震の場合では4万戸余りが必要だと聞いております。その中で19,000戸というのは余りにも私は少ないと感じています。必要とされる住戸数が建設できるような建設用地をこれを十分に確保していくことが重要だと思いますが、局長の見解を伺います。

坂和建築局長:今おっしゃられましたように、建設候補地491箇所選定いたしまして約19,000戸の建設可能戸数を確保していますが、実際熊本とか見てみますと借り上げの仮設、応急仮設的に使われてる方もいらっしゃいますし、また引越しされる方もいるということで、現在可能な限り公園、その他広場等を活用して検討した結果がこれですので、いざ災害が起きた場合にしっかりと対応ができるように進めて行きたいと思っています。

古谷議員:そのためにも、できるだけのピックアップをして頂きたいと思います。
 見させて頂いたリストを見ると、公園用地のみがほとんど出されているわけですけれど、例えば県の公園であるとか含めて、そうゆうところも全然リストアップには出されておりません。是非検討頂きたいと思います。
 建設型の応急仮設住宅ではなくて、先ほど述べられたように借り上げ型についても、賃貸住宅の事業者にもしっかりアナウンスして頂きたいと思います。団体だけでなく、実際に持っていらっしゃるオーナーさんにも是非アナウンスして頂きたいと思います。いざという時にそうしなければ機能しない場合があると考えます。賃貸住宅の所有者に向けて直接アナウンスをして頂きたいと思いますが、どうか?伺います。

坂和建築局長:まず、応急仮設住宅の供給を広域的に調整する神奈川県が不動産関係団体や賃貸住宅の所有者団体と災害時の協定を結んでいるというまずは状況がございます。県と引続き協力しながら連携を進めていくと共に、賃貸住宅の所有者の方々とどう関係を作っていくのか、ということですがまずは団体の方を通じてその方と

連携をとっていくということが重要かと思いますので、引き続きその関係団体の方としっかり連携をとっていきたいと考えております。

古谷議員:東日本、熊本と災害の教訓をしっかりと本市の計画にも是非取込んで頂きたいと思うのですが、その一つにコミュニティの問題があると思っています。建設型でも借り上げ型でも応急仮設住宅における既存コミュニティの保全、あるいは活用した工夫、これをする必要があると思いますが、どうか伺います。

坂和建築局長:応急仮設住宅を建設する場合には、まずその団地、仮設住宅のコミニュティーの形成や維持に配慮した住戸の配置や団欒スペースの設置等の工夫をおこなうことが必要だと考えてます。また入居の際には従住前の居住地にも配慮が必要だと考えております。また借り上げ型の応急仮設住宅も含め巡回や生活相談等の入居者支援については、応急仮設住宅建設等推進室というのがございますが、私が室長となりますがメンバーである地域の実情を把握した区役所等とも連携とした取り組みたいと考えております。

古谷議員:大地震に備えて、この仮設住宅の分野でも万全の備えを頂くように要望して、質問を終えます。


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