議会での局長答弁は正確でないと二元代表制なりたたず
古谷議員:日本共産党、古谷やすひこです。
まずはじめに、アルコール検知器の使用状況をめぐって、常任委員会での不正確な説明がなされたことについて、少し伺ってまいります。本来は、この質問がしなくてもいい事態を望みますし、わが党としてはしっかりとすじを通すために、局長と副市長に認識を伺います。
9月25日の常任委員会の中で、局長は、「アルコール検知器を各消防署に配置し、緊急車等消防車両の安全確実な運行確保の一助として活用しております」と説明されております。しかし、その後の聞き取りによれば、実態は違っています。全署所に配備されている102台のアルコール検知器のうち、動作確認をしても動かない機械が10台以上あり、さらに残りの検知器も10年以上経っているにもかかわらず1回も機器の補正の検査が行われていないという事実です。また、わが党の北谷議員も、先日保土ケ谷署で確認をしたところ、そこに配備されていた検知器はほぼ使われていなかったということです。
これでは、一般的に言えば、まともに動く機械は1台もなかったといっても過言ではありません。その状況を常任委員会審議の前に局長は確認していたにもかかわらず、アルコール検知器を「活用しています」と説明されています。これは明らかに不正確な説明で、とてもまともに活用ができる状況にあったとは言えません。
私は、当局の説明は足りていなかったと今でも思っていますが、局長はこのアルコール検知器の活用について、今の認識、伺います。
久保田消防局長:常任委員会において、その時点で把握しておりました範囲内でご説明申し上げたところですが、各消防署における運用の方法が異なっておりまして、その詳細まで説明できなかったことにより、誤解を与えてしまった面もあり、その点については、申し訳ないと感じております。
古谷議員:副市長、私たちは、限られた時間の中で、議案やまた請願を審査する際に、当局のみなさんの説明っていうのが信じられなくなったり、あるいは不正確なものであるということであれば、本当に議会での審議が成り立ちません。ましてや、局長が常任委員会の場で正式にご説明されたものが正確でなかったということであったら、その事実と違っている情報を信じて請願の採決を決めたとしたら、議会は何のためにあるのかというふうにもなります。林市長は日頃から二元代表の大切さをおっしゃっていますが、それにもそむくことにもなろうかと思います。副市長、これでいいんでしょうか。
柏崎副市長:議会および市民のみなさまに丁寧にご説明するということは、常に重要なことだというふうに認識をしております。ただいま局長からも答弁がありましたように、各消防署における運用の詳細についてまでご説明できなかったことが十分でないとのご指摘につながっているものというふうに考えております。今回の件は、その時点で消防局が把握している範囲内でご説明したものですが、今後もみなさまにご理解いただけるよう、丁寧な説明が必要であると考えており、そのように努めてまいります。
古谷議員:二度とこのようなことがないように、再度申し上げたいですし、私たち議会の側もしっかりと襟を正すべきところがあるというふうに思います。
市内米軍基地内での火災対応に向けて最大限の努力を
古谷議員:次に、相模総合補給廠での火災に関して市内米軍基地内での火災の対応について、伺ってまいります。
8月24日に起こった相模原市の米軍施設・相模総合補給廠の爆発火災に関連して、新聞報道の中では、相模総合補給廠の中には日本の消防法上の危険物施設が16あるといった報道が流れました。本市の米軍基地内に、消防法上の危険物施設、どこにいくつあるのか、本市として把握されているのか、伺います。
久保田消防局長:いわゆる日米地位協定において米軍が管理している施設内の詳細を把握することは困難でございます。ただし、毎年米軍との合同訓練を実施する中で、消防法上の危険物質については、鶴見貯油施設に屋外貯蔵タンク20基があることなどは把握しております。
古谷議員:一般的にですが、火災の状況あるいは火元が何かとか、そういう状況を確認せずに、消防として出動することはあるのでしょうか。
高坂警防部長:火災の通報を受けた際には、何が燃えているのか必ず確認いたします。通報内容から建物、車両など燃えているものや場所を特定して、対応する出動警報によりまして、消防隊等を選別して出動させるところです。
古谷議員:だとしたら、基地内でもし火災が起こった場合、米軍からの要請を受けて本市の消防が出動した際に、火災の状況が危険物なのか危険物でないのかなど把握すること、ぜひ必要だというふうに思うんですが、どうか伺います。
久保田消防局長:出動した消防隊員は、施設の入り口またはその付近で必ず集結しまして、必ず米軍関係者から火災の状況や危険物の有無、保管状況などの情報を聴取し、消火活動の方針をしっかりと協議した上で、活動にあたります。
古谷議員:その問題と、また消火した後の問題もあると思うんです。消化した後も、基地内の火災の再発防止であるとか原因究明についても、相模原では1回やったということで随分新聞に大きく載りましたが、その後やられていないようですが、合同でやるべきだというふうに思いますが、どうか伺います。
久保田消防局長:いわゆる日米地位協定上の課題はありますが、災害発生時には、先般の相模総合補給廠での火災の対応などを踏まえて、再発防止や原因究明について、連携・協力できるよう、米軍にしっかりと申し入れをしてまいりたいと考えております。
古谷議員:ぜひ、本市の消防署員が危険な目に合わないように、最大限の努力をぜひ図っていただきたいというふうに思うんです。
本市と在日米軍との間で結んでいる消防相互援助協約、これによれば、要請を受けて基地内で消火活動中、もし不幸なことに負傷もしくは死亡しても請求権は放棄するというふうな取り決めになっているようです。もしそういった事態になれは、本当に隊員も報われないというふうに思います。
本市としても、神奈川県基地関係県市連絡協議会でも、地位協定についてはさまざまな改善の要望をされているというのは十々承知しています。それにとどまらず、ぜひ日頃から訓練などで一緒にしているというのであれば、本市と米軍との間で危険物に関する情報提供の仕組みを設ける必要があるというふうに思いますが、これは副市長に伺います。
柏崎副市長:先ほど消防局からもご答弁しましたように、現段階ではいわゆる日米地位協定によりまして、事前の危険物貯蔵などの詳細な情報を得ることは困難というふうに考えております。しかしながら、本市で米軍施設の火災が発生し、市民のみなさまに影響を及ぼす恐れがある場合には、危険物などの必要な情報を速やかに提供するよう米軍に対して強く要請してまいります。
古谷議員:ぜひ、本市の消防隊員の安全、確保するためにも、ぜひ進めていただきたいと思うんです。さらには、日米地位協定の改善、早期の市内米軍基地の返還、ぜひ求めていきたいというふうに思います。
消防団の充実強化にもっと力をいれよ
古谷議員:次に、私も消防団員でございますので、消防団員として質問させていただきます。
「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」について、本市消防団活動の施策充実について、順次伺っていきます。
消防団については、今日も午前中の質疑でたくさん出されて、この間も本当に消防局さんとしても努力されてきたというのは十々承知しております。その上で伺ってまいります。 消防団の器具置き場の問題、午前中も出ましたが、消防団の器具置き場やあるいは車両の整備の課題、全く整備数が間尺に合わないというふうに思っています。これは何度も何度も私も指摘をした問題なんですが。たとえば旧耐震の器具置き場が、今135棟残っているというふうに聞いております。今年度の整備予定が昨年より増えたとはいてもわずか6棟ということでは、全くテンポがあわないというふうに思います。大地震が起こって、器具置き場が倒壊して車両や資機材が出せないといった事態が容易に想像ができます。そういう状況はぜひ解消すべきだというふうに思うんですが、局長いかがでしょうか。
久保田消防局長:27年度は、先生おっしゃったとおり、器具置き場や積載車の整備数を拡充しましたが、今だ老朽化や新耐震基準前に建設されたものなど建て替えの必要な器具置き場が多くあります。また、更新年数を超過している積載車も多くありますので、着実に更新整備に取り組んでいきたいと、本当に考えております。
古谷議員:本当にお願いします。 今回の充実強化法に基づいて、団員の加入策の促進の一つとして、公務員の加入を促進させるために、兼職の禁止について弾力的な取り扱いがなされるような必要な措置を講じよというふうな指示があります。本市では、公務員の消防団加入の状況や、あるいはこの法の中で「必要な措置を講じよ」と言われているものについての取り組みについて、伺います。
久保田消防局長:27年7月現在、本市職員35名が消防団に入団しております。
消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律の施行を受け、昨年12月に本市職員が消防団の業務に充実する際に有給職務を認めることにするなど、兼職の取り扱いについて見直しが行われました。本市職員が消防団に入団することは、地域コミュニティへの積極的な参画や、地域のみならず職員自身の防災力の向上にもつながりますので、全庁の本部長クラスが集まる情報共有推進会議や庁内報などを活用して周知するとともに、他局にも直接出向き、会場の場を借りて本職員の入団についての説明を実施しております。今後は、新採用職員の研修会等で説明するなど、さらに入団促進を進めてまいります。
古谷議員:ぜひ、今の、多分少ないという認識だと思うので、ぜひ進めていただきたいというふうに思うんです。 あと、団員の加入促進策には企業側にお願いするものもいくつかあるんですが、事業所の協力を仰ぐために、法の中では「財政上または税制上の措置その他必要な措置を講ずるように」とされています。それについて、本市での取り組み状況、伺います。
久保田消防局長:いわゆる充実強化法では、従業員の消防団活動について雇用する事業者の理解が高まるよう税制上の措置等を講ずるよう努めるものとされております。これを受けて、本市では、消防団に協力的な事業者に対する法人事業税の減税措置等について、神奈川県消防長会を通じてこれまで神奈川県に対して要請しているところでございます。また、財政上の措置としては、横浜市の公共事業におけるインセンティブ発注に参加できる横浜型地域貢献企業認定時の登録項目のひとつに消防団協力事業所が該当しておりますので、事業者の方々に周知してまいります。
古谷議員:税制上の優遇なんかは県に要望されてるというふうに聞いてたんですが、ぜひ本市としてやれることをぜひやっていただきたいなというふうに思います。
消防団の装備の問題について、少し伺います。一律に配備をする必要もあるものもあります。しかしその一方では、その地域地域の特性に合わせて装備品の改善を柔軟に考える必要もあるというふうに考えます。例えば、先日ライフジャケットが私のところにも届いたんですが、一律に貸与されています。決してライフジャケットが必要でないといっているわけじゃないんですが、他にもやっぱり優先順位として必要なものがあるというふうに思っているんです。そんな時に、装備品は、それこそ地域特性に合わせて、ぜひ決めていくべきだというふうに思うんですが、どうか伺います。
久保田消防局長:消防団の装備については、国の装備の基準に基づき整備を行っており、救命胴着を例にあげますと、津波や河川の氾濫等に対応するため、全ての消防団員に配備することとされております。本市でも、大型の台風やゲリラ豪雨などにより、河川等のないところであっても、道路の冠水や住居の浸水によって取り残された人の方の救助が求められる可能性もありますので、救命胴着については全消防団員に配備いたしました。
今後新たな資機材を配備する場合は、国の基準をもとに、横浜で起こりうる災害やその資機材を活用した活動内容を考慮し、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
古谷議員:今の局長の最後の方の答弁、ぜひ具体化していただきたいというふうに思うんです。本当に、実際、使わない資機材が配備されるということになると、こんなところにお金が使われるのかという不信感じゃないですけど、そういうとこにもつながるのかなというふうに思います。
あと、消防団の教育訓練について、伺います。今、瀬谷区の消防団、非常に頑張っているなというふうに思っています。瀬谷区の消防団の実践に学んで、団員として基礎的能力を個人個人の達成度に合わせて訓練ができて、それをステップアップできる機会を、瀬谷の消防団つくっているんですけれども、そういう機会をぜひ全市的に整えるべきだと。これは地元の消防団員の方からもたくさん要望が受けています。ぜひ、整えるべきだというふうに思いますが、どうか伺います。 久保田消防局長:資機材の取扱要領や各種災害での活動内容等、消防団活動全体の指針となる事項を記載した消防団員活動マニュアルを全消防団員に配付し、各種研修時等で活用いただいております。また、各消防団では、団員の能力向上に向けた独自の教育や訓練を実施しているほか、所属団員全員が一定のレベルに達成することを目標として定め、訓練を実施している取り組みもあります。この取り組みを参考に、全消防団員の知識・技術を向上させるための方策として、現在、委員会を設けて検討しております。
古谷議員:ぜひ、大会なんかがあると、本当に大会だけにこだわって、なかなか全体の底上げの訓練をしませんので、ぜひよろしくお願いします。
大災害が起こった場合に、重機が必要な場面っていうのがこの間いろんな映像なんかで出ているんですが。もちろん建設業界との連携のことは承知しておりますが、いざという時のために、本市消防団員の中で重機や特殊車両、こういった免許を持っている人がどのくらいいてということを把握して、またその先には機能別分団などの検討もぜひ必要なのかなというふうに思うんですが、見解、伺います。
久保田消防局長:震災時の大規模災害時には消防団員の総力を結集して対応しますので、さまざまな能力や技術を発揮していただくためにも、どのような資格を持っているかを把握することは必要なことだと考えております。私も、災害対応する部署にいる時には消防団の方の重機に本当に助けられた覚えがありますので、他都市の状況をしっかり参考にしながら、今後検討してまいりたいと考えております。
古谷議員:そういうのが機能別分団になっていくのかなというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いします。
こういった消防団の充実強化法ができたり、あるいは局にも消防団課ができたり、消防団への役割が非常に大きくなっているというふうに実感しています。市レベルだけではなくて、ぜひ区レベルでも消防団課、ぜひ組織としてつくる必要があるというふうに思うんですが、決意を伺います。
久保田消防局長:消防署では、これまでも専任の職員を配置するなど、それぞれの事情に応じた体制により消防団業務を行っております。今年度は、消防団業務に係る執行体制を強化するため、消防局に消防団課を設置したところですが、消防団課の設置効果を検証するなど、消防団の充実強化に向けた消防署の執行体制のあり方につきましても、今後しっかりと検討してまいりたいと思います。
古谷議員:ぜひ、区にも力を入れていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
基準に従って消防車両の更新を
古谷議員:次に、消防車両の更新について、伺います。今、消防車両、それぞれ車の種類ごとに更新のルールが定められています。本市で策定している更新ルール、超過している車両がどのくらいあるのかどうか、伺います。
坂野副局長:車両の更新の基準でございますが、車種によって違いがありますが、たとえばポンプ車などの消防車は9年以上かつ10万キロ以上、救急車につきましては6年以上または10万キロ以上を更新の基準としております。現在、基準を超過した車両は、消防車221台中42台、救急車は64台中7台でございます。
古谷議員:定められた更新ルールがあって、それをしっかり守るような更新スケージュール、ぜひつくっていただきたいというふうに思うんです。そういうふうに確立する必要があるというふうに思いますが、どうか伺います。
久保田消防局長:厳しい財政状況の中、基準どおり更新できていないのが現状であります。エンジンオイルやバッテリーをメーカー推奨よりも早めに交換するなど、予防整備を進めるほか、日常の車両点検をきめ細やかに実施することで、警防活動に支障を来さないように対応しておりますが、できる限り車両更新を基準に近づけるよう、今後努めてまいります。
古谷議員:よろしくお願いいたします。
戦前につくられたものが409基、防火水槽の整備のペースをあげよ
古谷議員:最後に、老朽化した防火水槽の更新について、伺います。
本市に2,670基の防火水槽があると聞いています。うち、戦前につくられたものが409基あるというふうに聞いています。大災害時には、そういったものがしっかり機能を果たせるのかというのが非常に心配です。これらをどう点検して整備していく方針なのか、伺います。
久保田消防局長:防火水槽は、設置から50年が経過すると、コンクリートが劣化などの恐れがあるため、メンテナンスの実施が必要と考えております。そこで、昨年度、コンクリートの状態などについて、試行的に5基調査したところ、強度的強度等に問題のないものが2基、今後再整備の必要があるものが3基ありました。こうした結果を受け、コンクリートの状態などが良好なものは長寿命化補強の工事を行い、劣化しているものは再整備を行っていくものとしています。なお、今年度は30基の調査を実施中でございます。
古谷議員:これも非常に財政との兼ね合いもあるんですけど、本当にそういうペースでは、いつ整備が終わるのかというのが、本当に分かりません。点検整備の数もっとペース上げていくべきだというふうに思いますが、どうか伺います。
久保田消防局長:今後は、順次実施するコンクリート調査の結果を踏まえまして、メンテナンスに対応していく年度の平準化を図れるよう実施基数を定めて、計画的に実施していきたいと考えております。