賃金安い資源選別センターへ委託作業に市が責任もった契約を
白井議員:日本共産党を代表して、緑資源選別センターの委託契約について伺います。
分別収集された缶・ビン・ペットボトルは、市内4か所にある資源選別センターで選別されて、再利用処理が行われますけれども、横浜市は4か所の資源選別センターの管理運営を財団法人横浜市資源循環公社に委託し、そのうち3か所は公社が民間の横浜市資源リサイクル事業協同組合に資源物選別作業を再委託しています。市から公社へ、そして公社からリサイクル組合への業務委託とも当初から継続して随意契約となっていますけれども、その理由について伺います。また、今後も随意契約で行うのかどうか、合わせて伺いします。
工藤資源循環局長:資源選別センターの管理運営委託につきましては、本市の財産である施設の維持管理を行っていることや、選別した後のアルミ缶などの資源物の管理や、売却先への引渡し業務があることから、横浜市資源循環公社に委託しております。また、公社と資源リサイクル事業協同組合との委託契約ですが、資源物をリサイクルするのに必要とされる品質基準を設定しており、要求する作業水準を満たす能力、ノウハウをもつ事業者は同組合しかないことから、同組合と契約を結んでいるものでございます。
また、資源選別センターの業務の委託につきましては、随意契約で行われている部分がありますので、見直しを図る必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
白井議員:続いて、資源選別センターのひとつで緑区にある緑資源選別センターのB棟というところで、公社からリサイクル組合への委託料の積算となった選別作業員の1日の人数が、昨年度は29人でした。リサイクル組合から公社に提出された稼動実績報告書によると、昨年10月の選別作業員の1日の人数の平均が24.9人で、積算に届いていないんです。積算どおり従事していないとすると、当然1人あたりの作業量が増えて、作業自体に支障が生じることになります。そうでないとしたら積算が甘いとなるんですけれども、局長はこの事実は承知しているんでしょうか。
工藤資源循環局長:公社の方から、毎月資源選別センターの搬入排出量や選別作業人数につきまして報告書の提出を受けておりますので、承知しております。
白井議員:いずれにせよ、実際の作業員の配置が公社の積算を4人も下回るということは、その分人件費が他に使われているのかということになりますけれども、是正するよう指導すべきだと思いますけれども、局長の見解を伺います。
工藤資源循環局長:本市から公社への委託額の積算につきましては、作業に必要と考えられる標準的な人数を基にしておりますが、委託の仕様では必ずしもその人数で作業することを求めているものではございません。公社から民間事業者への委託も同様でございます。
契約の内容が履行されなければ指導するわけでございますが、問題なく行われているとすれば、配置人員数など個別の点につきまして、指導することはございません。
白井議員:先日、緑資源選別センターで選別作業に携わる方々の作業現場を見せていただきました。ほとんどの方が女性の方でしたけれども、私の家庭から出す缶・ビン・ペットボトルもここで選別されていると伺ったんですけれども。割れたガラスビンや鋭利な缶や混入したスプレー缶などが次々と流れてくるラインの中で、手作業による選別なんですね。そして、一瞬の気の緩みで大怪我をするような可能性もある大変危険なものです。室内は、換気は行っているんですけれども、臭気が抜けきらないで、気温の高い日はますます大変になることだと思います。また、最近では資源物の高い商品価値が要求されるということで、作業員の方への負担が本当に増しているわけですけれども、その一方、作業員が受け取っている賃金は、残業手当と通勤手当を除くと手取りで、正社員は19万円前後、再雇用の方は16万円に満たない額なんです。過酷な労働に見合った金額になっていないんですね。
2007年度、市から公社に委託する積算では、1日あたり人件費単価が1万4,600円となっています。作業員の低賃金というのは、市から公社に委託する積算単価の低さに起因するものではないでしょうか。市から公社に委託する際、人件費単価を労働に見合う水準にすべきと思います。選別作業は公社からリサイクル組合への再委託とはいえ、元は市が発注した業務であるわけですから、そこで働く人の労働条件もその労働に見合ったものになるように、市が責任を持つべきではないかと思いますが、局長の見解を求めます。
工藤資源循環局長:先生ご指摘のように、資源選別センター、私も年間3、4回ずつそれぞれ事務所を回りますけれども、いついっても掻きだしをやっている作業状況をみますと、本当に大変ご苦労様だという認識でおります。
その上で今のご質問にお答えしたいと思いますが、本市と公社ともに、それぞれ委託額について適正に積算をいたしまして、民間事業者はこの委託を履行するのに必要な額を見積もって、それが公社の委託設計額の範囲内であったので、その額で契約を結んだというのが、これまでの経過でございます。
従業員にいくら賃金を支払うかにつきましては、民間事業者の雇用契約に係る問題でありますので、本市が関与することではないというふうに考えています。
白井議員:市が責任を持った契約をしていただくことを要望いたしまして、終わります。