日本共産党を代表し、今定例会に提案された議案のうち2件の議案に反対の立場から討論します。
討論に先立ち、9月21日、関東地方に襲来した台風25号により、神奈川県内でもがけ崩れが起こり、尊い命が失われてしまいました。お亡くなりになられた全ての皆様に心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。横浜市内でも各地でがけ崩れなど起きてしまいました。あらためて、台風や線状降水帯の発生による被害を最小限に抑えることができる街づくりに力を入れていく必要があると、再認識し、自然災害と都市型災害対策に本市が力を入れること、国に対しては、災害対策の予算を増額することを求めてまいります。
それでは、はじめに、市第 20号議案 横浜市鶴見資源物選別施設再整備事業審査委員会条例の制定について述べます。
本条例案は、老朽化した鶴見資源化センターの再整備にあたり、本市の廃棄物処理施設としては初となる「民設民営方式」を導入し、20年間にわたり事業を行わせるにあたって、事業者選定及び、事業の検証・評価を行う附属機関を設置しようとするものです。
一般廃棄物の処理は、廃棄物処理法に基づき、住民の生活環境や公衆衛生を守るため、自治体が最終的な責任を負って安定的・継続的に実施しなければならない極めて重要な公共サービスです。
本議案に反対する主な理由は、第一に、一般廃棄物処理という自治体固有の責務において、法では「一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努める」と定められていますが、それが、正しく履行されるのかという点を大変危惧しているからです。
なぜならば、民設民営では、事業の安定性・継続性を根本から揺るがすリスクを抱えています。常任委員会の質疑の中で、市当局は事業者の撤退リスクを認めています。「バックアップオペレーター」を用意して事業撤退リスクに備えるとしていますが、そもそも市民生活に不可欠な一般廃棄物処理において、本市が直接担ってきた現場力と責任を縮小してよいのかが、問われています。ごみは、何があっても人間の営みがある限り毎日必ず発生します。だからこそ、効率性や経済性だけではなく、安定性、継続性、災害対応力、専門性、そして市の責任という観点から判断すべきだと考えます。その点から考えて、民設民営ではリスクが明らかに増えます。
第二に、モニタリング体制や働く人の労働環境改善に対する市の対応姿勢が不十分である点です。 缶瓶ペットボトルの選別作業は、真夏は物凄い暑さ、冬は、足元から冷え込む過酷な立ち仕事で、注射針や刃物の混入などで危険を伴う現場において、働く人を大切にする視点は不可欠です。私は、これまで公営民設で運営されていた間、労働環境の改善を求め続けてきました。民設民営とすることにより、選別作業を機械化するということも言われていますが、事業者の雇用状況や労働安全衛生について客観的・専門的な観点から厳格に評価・検証するため、審査委員会の専門委員には労働環境に関する専門家を加えるべきと、9日の本会議で求めましたが、労働環境の専門家を確実に参画させる姿勢を示していません。付属機関によるモニタリングの実効性や、問題発覚時に市がどこまで主導的・積極的に介入し是正できるのか、極めて不透明と言わざるを得ません。
一般廃棄物処理は一時たりとも切れ目なく続けられなければなりません。チェック体制のための委員会を設ければ民設民営の構造的リスクが解消されるわけではなく、そもそも本市の責任において、せめて、これまで通りの運営で安全・確実に事業を推進することをあらためて求めます。
次に、市第 36号議案 新本牧ふ頭建設工事(その48・中仕切堤築造工)請負契約の締結についてです。この議案は、中区本牧ふ頭地先公有水面において、8億4,000万円を超える契約金額で工事を行おうとするものです。
反対の理由として、第一に、大規模な港湾整備・埋立事業への1,000億円もの莫大な財政投入に対する懸念です。 新本牧ふ頭の整備事業は、国際物流強化として、長期にわたり巨額の市費が投じられ続けている大型公共事業です。大水深の高規格コンテナターミナルがこれ以上本当に必要なのか、私たちがずっと問い続けてきた問題です。これから人口減少の局面で、国内需要が伸びる見通しは不透明です。そんな中、こんな大規模投資に見合うリターンが得られるとは到底思えません。あらためて検討し直す時期ではないでしょうか。
第二に、市民生活や福祉・教育施策へ優先的に予算を配分すべき点です。物価高騰が市民生活を直撃し、党市議団が実施している市民要望アンケートで生活が苦しくなったと答えた方が63%と、暮らしが厳しいという声が多く届いています。市民生活を支えるために、医療・福祉・子育て・教育環境の充実や公共施設の老朽化対策など、生活に密着した施策の拡充が求められています。災害時に避難所となる学校体育館のエアコン設置を急ぐことや福祉避難所の増設、TKB48への取り組みの拡大など災害に強い街づくりが強く求められています。こうした中で、大型インフラ整備・港湾開発事業に優先的に予算を投入し続けることに対して市民の納得を得られるでしょうか。巨大開発優先の公共事業を見直し、市民の命と暮らし、安全を第一に考えた施策へ転換することを強く求め、討論を終わります。
