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■追加議案討論 10月23日 古谷やすひこ

市第40号議案 横浜市一時保護施設の設備及び運営の基準に関する条例等の一部改正に対する反対討論

古谷議員:改正の⑴については反対理由を以下述べます。

⑴の「地域限定保育士の一般制度化」について、従事する対象が増えるからいいのではないかという論点もあろうかと思います。しかし、保育現場をめぐる最大の問題は何でしょうか。担い手を増やさなければならないことです。そのためには、保育に従事するためのハードルを下げるやり方ではなく、保育という仕事の価値を上げることではないでしょうか。保育の質を上げなければならない。そのことに異論がある方はいないと思います。そのうえで、保育という専門職に見合うように処遇の改善を図ることが必要ではないでしょうか。

今回の改正はそうではありません。今まで国家戦略特区内のみで実施していた、実技を省略することで受験資格を緩和する、資格の受験基準を引き下げる、保育士のなることへのハードルを下げることで担い手を増やそうというやり方です。これでは、保育士の処遇を上げることにはつながらない。逆に、処遇改善を阻む要素になるのではないかと考えます。

保育は、「子守り」や誰でもできる仕事ではありません。児童福祉法18条の4項で「この法律で、保育士とは、第18条の18第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。」と定められています。その専門的知識や技術で、子どもの最善の利益を保証するために職務についています。

保育とは、親の就労を助けるというだけでなく、親に対して子育てのノウハウや生活習慣の援助、こどもの理解への援助、子どもの育ちに必要な環境の提供、地域へのつながりの支援や外部支援への情報提供、困難を抱える家庭への支援など、保育園などで質の高い保育が実現していてはじめてこれらの子育て支援が可能になります。

だから保育士資格取得にかかる費用や専門性・職務内容に見合う賃金や処遇を改善することにより、社会的地位を向上させることこそ、本市がやるべき仕事です。保育職の重要性とその高度な専門性について社会的認知を高めることが横浜市にも求められています。そのことに総力を挙げていくことを求め討論を終えます。