議会での質問・討論(詳細)
2024年3月5日

2024年度予算特別委員会■医療局(大和田あきお)3月  5日(火)

○高橋のりみ委員長 次に、大和田あきお委員の質問を許します。
◆大和田あきお委員 日本共産党を代表し、災害時の医療体制の整備と災害に強い医療体制の構築について質問いたします。  能登半島地震では暖房がない避難所もあるなど厳しい避難生活の中で体調を崩す人も続出しました。新型コロナやインフルエンザ、胃腸炎が広がり、支援に入った医療チームが治療や感染対策に当たったとのことです。  そこで、横浜市で発災時、医師、薬剤師、看護職と連携した応急医療を行う医療チームとして医療救護隊は具体的にどのような役割を担いますでしょうか。
◎原田医療局長兼病院経営副本部長 医療救護隊は発災時に区役所や休日急患診療所などの拠点に参集いたしまして、各区の災害対策本部の指示に基づき、医療ニーズの高い避難所への巡回診療を行います。巡回診療では避難者のトリアージを行い、中等症以上の患者につきましては医療機関への受診につなげてまいります。また、すり傷などの軽症者につきましては薬を処方するなどの応急医療を行います。


◆大和田あきお委員 特に大規模災害において医療救護隊は、市民の避難、救済の中心となる大きな力になると思います。そこで、横浜市防災計画では区ごとの地域防災拠点は459か所ですが、医療救護隊は区ごとでどれぐらいのチームを編成するのでしょうか。
◎原田医療局長兼病院経営副本部長 各区によって人口ですとか地域防災拠点の数にも差があります。それから、診療所や薬局の数も一律ではありませんので編成予定数も異なってまいりますけれども、18区合計で約100隊の医療救護隊を編成する計画としております。


◆大和田あきお委員 能登半島地震においても施設の損壊などの影響もありました。横浜市で現在の地域防災拠点と医療救護隊の体制は十分と言えるのか、検討する必要があります。  そこで、発災時の医療救護隊の医療救護活動は重要であると考えますが、その費用負担はどうなっているでしょうか。
◎原田医療局長兼病院経営副本部長 医療救護隊の活動経費としまして、日当、時間外手当、旅費などのほか、医療救護隊が携行する医薬品、医療器具を使用した際の経費については本市が負担いたします。また、万が一活動中に負傷した場合には治療費等を補償することになります。


◆大和田あきお委員 次に、医療救護隊に係る医師、看護師、薬剤師の方は医療救護活動を進める上で各区の訓練と研修を充実させることが必要と考えますが、見解を伺います。
◎原田医療局長兼病院経営副本部長 各区におきまして、医療救護隊構成団体、医師会ですとか薬剤師会と協力いたしまして様々な訓練を実施しております。具体的には、傷病者の緊急性を判断するトリアージ訓練や参集から地域防災拠点に派遣するまでの一連の流れを確認する参集訓練、また、実際に発災した想定でシミュレーションを行う図上訓練などを行っておりまして、令和4年度におきましては延べ110回の訓練を行いました。


◆大和田あきお委員 今後さらに様々な災害を想定して、市民の目線に立った訓練や研修が必要であると思います。また、医療救護隊に登録する医師、看護師、薬剤師の研修や訓練は自己負担となっていますが、今後、医師、看護師、薬剤師を拡充するためにも研修や訓練にかかる費用を公費負担とするとともに手当を支給することが必要であると考えますが、見解を伺います。
◎原田医療局長兼病院経営副本部長 訓練や研修に参加する個人に対しての日当の支払いはございませんけれども、研修に必要な経費については、これまでも市が負担してきております。また、医療救護隊の災害対応力強化のための横浜市災害支援ナースのフォローアップ研修を公費負担で開催しておりますほか、医師会や薬剤師会が実施する訓練、研修の企画運営に協力しております。


◆大和田あきお委員 今後大規模災害を想定し、医療救護隊として市民の命と健康を守るために尽力する民間の医師、看護師、薬剤師に対し、市職員と同様に人件費や交通費などを支給することを求めます。  また、現在医療救護隊のみならず、医師不足、看護師不足が問題となっています。横浜市として医師、看護師の働き方改革を含めた人材育成についてどのような対策が必要か、見解を伺います。
◎原田医療局長兼病院経営副本部長 市内で従事する医師は、平成24年には7737名でございましたが、令和2年には9200名と8年間で1463名増加しております。同様に市内の看護師ですけれども、平成24年の2万7091名から令和2年には3万2839名と8年間で5748名増加しております。地域の医療機関の役割分担や連携を進めるとともに、医療機関内のタスクシフトやタスクシェアを推進するなど、医療従事者の働き方改革を支援していくことが引き続き必要と考えております。


◆大和田あきお委員 日本医師会の調査では現状について、病院勤務医の約4割が年960時間超、約1割が年1806時間超の時間外休日労働をしているという実態があります。2021年5月、医師の働き方改革に向け医療法を改正する法律が成立し、今年4月から適用されます。適用後は医師の時間外労働は原則年間960時間までとなります。また、医療機関における医師の健康確保措置も実施されます。月の時間外労働は全ての水準で100時間以下とされており、例外的に超過する場合には、面接指導や休息時間の確保等が義務づけられます。今後、医療機関に対し医師の労働時間管理や健康確保措置に真摯に取り組み、改善することを求めます。  具体的な対策としてですが、日本共産党は医師と看護師の人材育成について、大学医学部の学生の定員数を拡大することや看護師の待遇改善を進めるとともに、看護学校への支援を強化することが重要と考えますが、見解を伺います。
◎原田医療局長兼病院経営副本部長 大学の医師養成課程の定員は、関係省庁と調整の上で文部科学省が定めております。全国の大学の医師養成課程の定員は増加傾向にございます。また、医療従事者の待遇改善につきましては、国の令和6年度診療報酬改定において一定程度措置されているところでございます。看護学校への支援を強化すべきとのことでございますけれども、本市といたしましては看護師の育成のために、横浜市医師会の聖灯看護専門学校、それから横浜市病院協会の看護専門学校に対し運営費の補助を行っております。また、横浜市病院協会の看護専門学校につきましては設備が老朽化してきているものですから、設備改修への補助を行いながら、教育環境の充実を進めているところでございます。


◆大和田あきお委員 看護学校への補助金など、今後も支援の強化を要望していきます。また、日本医療労働組合連合会は看護職員の労働実態と健康状態を明らかにするために、看護職員の労働実態調査を実施しています。2022年の調査では3万6000人を対象としたアンケートで、慢性疲労感が78.4%、健康不安が66.8%、強いストレスが65.4%となっています。こういった労働条件の改善は依然喫緊の課題でもあります。医療労働の国際基準をILOが定めていますが、残業を含めて一日12時間労働を上限とする、週休は継続36時間を下限とする、交代勤務では12時間間隔を取る、年休は4週間以上とすることなどが提起されています。ILOはそれら国際基準全体をまとめて人間らしい尊厳ある仕事の実現を提起しています。今後、医師、看護師の働き方改革を契機に、国民が安心して医療にかかれる医療体制の確立を進めていただくことを要望し、質問を終わります。


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