- 日本共産党 横浜市会議員団 - https://jcp-yokohama.com -

2024年度予算特別委員会■消防局(宇佐美さやか)2月29日(金)

○関勝則副委員長 次に、宇佐美さやか委員の質問を許します。(拍手)
◆宇佐美さやか委員 日本共産党を代表し質問します。よろしくお願いいたします。  元日に発生した能登半島地震で輪島市の中心部が大規模な火災に見舞われ約200棟が焼失してしまいました。そして、1995年に発生した阪神・淡路大震災では各地で発生した火災によって多くの方が犠牲となってしまいました。  こういった地震火災等の被害を最小限とするために、本市では東日本大震災以降、住民が消火栓にホース等をつないで消火活動を行うことができる初期消火器具を自治会町内会へ補助しながら設置を進めていますが、局における初期消火器具の補助設置の状況を伺います。
◎加賀谷予防部長 平成23年度の事業開始からこれまでに775基を設置しております。
◆宇佐美さやか委員 775基設置しているということで順調に進んでいるかと思うのですが、輪島市の朝市通りでは木造の建物が多く、倒壊した建物から火災が発生して燃え広がってしまったようですが、やはり木造住宅が密集している地域ではまだ火が小さいうちに消し止めることが非常に重要なことだと思いました。  この初期消火器具ですが、もちろん火災発生時に活用する器具ですので、これまで初期消火器具を使って初期消火に成功した事例があるのか、伺います。
◎加賀谷予防部長 共同住宅の火災で近隣住民3名が付近に設置されていた初期消火器具を使用し2階の出火室に放水を実施して延焼防止に寄与したものなど、これまでに25件確認をしております。
◆宇佐美さやか委員 25件使われたということですが、成功した例がある中で、初期消火器具はまずどこにあるのか知らない方もおられると思いますし、知っていてもいざ火災が発生している中で混乱して適切に扱うのはとても容易ではないと想像できます。そして、この初期消火器具を扱うにはやはりふだんからの近隣住民同士の連携が必要になると思います。  その連携を生むのはやはり訓練だと考えますが、自治会町内会ではどのような訓練を実施しているのか、伺います。
◎平中消防局長 自治会町内会ごとに消防職員や消防団員の指導の下、地域住民の皆さんが実際に設置されている初期消火器具を使用して、ホースの延長や放水方法など器具の取扱いを習熟する訓練を実施しております。また、複数の自治会町内会による合同訓練会を実施している地域もございます。
◆宇佐美さやか委員 訓練は自治会町内会ごとの考え方で内容が変わるということを聞いていますが、木造住宅密集地ではやはりこちらは必須の訓練として位置づけていただきたいと要望します。能登半島地震でもやはり火災が発生してしまっていることから、大地震においては必ず火災が発生するということもしっかり頭に置いておく必要があると認識させられました。現在の横浜市防災計画では、地震被害想定で火災により建物焼失棟数は7万7700棟と推計しています。  だからこそ初期消火器具の整備をさらに急いで進めることは必要と考えますが、見解を伺います。
◎平中消防局長 大地震発生時には建物の倒壊や道路の寸断などにより火災現場に消防隊がすぐに駆けつけられないことが想定されることから、火災の初期段階で地域の皆様による消火活動によって被害の拡大を防ぐことが大変重要であります。こうしたことを防災指導や研修会などを通じて自治会町内会の皆様にお伝えし、補助事業を活用した器具の設置や更新を進めてまいります。
◆宇佐美さやか委員 初期消火の重要性を多くの方に知っていただき、自治会町内会にどんどん局が入っていって訓練を頻繁に行うこと、初期消火器具が未設置の地域には自治会町内会の方々を設置済みで訓練を実施しているところに招きして初期消火器具の必要性を理解していただくような機会を設けるなど行っていただきたいこと、さらに自治会町内会で設置ができない理由が費用負担だとした場合、補助率を引き上げるなどの検討もしていただきたいと併せて要望いたします。  次は、災害時に備えた警防活動体制の充実について伺います。  能登半島地震では土砂災害や家屋の倒壊などでも多くの方が犠牲となってしまいました。この被害の大きさから消防局も緊急消防援助隊を派遣したと聞きました。救助活動は主な任務で、その活動は本当に困難さを極めたという先ほどの委員からの質問にもあったのですが、その経験、得られた教訓というのはとても大きかったと思います。様々な状況で救助を待つ方々のところへどうしたら安全かつ迅速に向かうことができるのかなど現場の状況で毎回違います。その状況ごとに使われる道具も違うと思います。災害時に効率的に消防援助隊、救助隊が活動できるかどうかとても重要です。  災害時、震災時に備えた道具、警防資機材というのはどのようなものがあるのか、伺います。
◎伊藤警防部長 火災に対応するためのホースや空気呼吸器などのほか、消火栓が使用できない場合を想定し河川や海から取水するための器具や内陸部に効率よく大量に送水可能な大口径のホースを整備しております。また、倒壊した建物などから救出活動を行うためのチェーンソーや油圧ジャッキなど救助資機材を各部隊に配備しています。
◆宇佐美さやか委員 災害時そのときその現場で活用される資機材は不足なくしっかりと整備されていなければ、消防隊、救助隊のそのときのパフォーマンスをしっかり発揮することはできないと考えます。局の予算は大変だと思いますが、警防資機材の整備更新状況はどのようになっているのか、伺います。
◎伊藤警防部長 警防資機材は、災害活動での使用や年数の経過により劣化が進むことから、日々の点検整備を怠らずその機能の維持に努めています。更新につきましては、消防車両更新等の機会も捉え計画的に実施しています。
◆宇佐美さやか委員 今回の地震でも過去の地震でも大規模火災が発生し、建物の倒壊なども複数箇所で起き、救助活動なども同時多発的に起きていたと想像できます。本市が大地震に見舞われた場合、市民の生命、身体、財産を守るために多くの消防隊員が活動することになります。そのとき事故時の救出で使う資機材と比べて資機材の種類や数が大きく異なるという想像もできます。  現在の警防資機材整備更新状況で不足はないか、伺います。
◎平中消防局長 震災時は通常運用しております消防隊、救助隊だけでなく、動員者による非常用消防車を運用するなど総力を挙げて災害対応に当たります。こうした非常用消防車には本市防災計画に定める警防資機材を配置し、いつでも運用可能な状態としてございます。
◆宇佐美さやか委員 不足があると言われるととても困ってしまうのですが、災害時を想定した資機材の整備更新を今後もしっかり行っていただきたいと考えますが、見解を伺います。
◎平中消防局長 能登半島地震を踏まえ、遠距離から送水された河川や海の水を6トンためることができ、容易かつ短時間に任意の場所に設置可能な災害用給水タンクを全ての消防署、消防出張所に配備をいたします。また、消防車が近づきにくい河川や水面まで距離がある橋の上からでも水を吸い上げることができるポンプなども併せて導入をいたします。こうした資材を含め、更新についても計画的に実施してまいります。
◆宇佐美さやか委員 資機材は先ほど伺いましたけれども、全アイテムが数が200点と聞きました。中には手になじみの薄いものも出てきてしまうのでないかと危惧しています。やはり隊員の方々の資機材の取扱い、慣れ不慣れがあると困るので大地震発生時にはしっかり使いこなせるようにしていただきたいです。そのためには全ての資機材に対応した訓練施設も重要です。  訓練施設の整備状況はどうなっているのか、伺います。
◎平中消防局長 資機材取扱い訓練をはじめとした基礎的な訓練が実施可能な訓練施設を各区に1か所整備しております。令和6年度は、消防訓練センターの訓練施設更新及び都筑区の訓練施設の整備に向け設計を実施する予定としております。
◆宇佐美さやか委員 隊員の皆さんの日頃の訓練と、しっかりと備えた資機材で、これからも市民の生命、財産、身体を守っていただきたい、そのためにしっかり必要な予算を確保していただきたいと要望し、質問を終わります。