市民の不安感に対応する方向性が見えない中期計画
横浜港のハブポート化やめて、教育予算の増額を
横浜市会は18日、市会全員協議会を開き、今年から始まる横浜市中期4か年計画について審議しました。日本共産党からは、かわじ民夫議員(写真)が代表して質問にたちました。
生活向上実感できる方向性を明確に
かわじ議員は、今年4月に出された「新たな中期計画の方向性」で示された「市民生活を守るため、増大する市民の不安感に対応」するとした方向性も見えなければ、見込み額も極めて不十分と指摘。中期計画には、市民の苦難・不安を軽減し、生活の向上を実感できる方向性を鮮明にすべきとして、市長の見解を問いました。
林市長は、「市民生活の不安の高まりなど、今日的課題に的確に対応するため、市民生活の安心充実を基本政策の柱のひとつとして位置づけ、暮らしを支えるセーフティーネットの確保や医療環境の充実など誰もが安心して暮らせるための施策を積極的に推進する」と答えました。
子育て世代を応援する施策を
党市議団が実施中の子育て・くらしアンケートには、子育て世代の直面している様々な悩みや要求が寄せられています。かわじ議員は、これらの声を紹介し、出生率の引き上げや生産者人口の転出抑制、長期的には市税の増収につながる子育ての応援をどう盛り込んでいるのか、そのひとつとしての子どもの医療費無料化制度を拡充すべきではないかと、質問しました。
さらに、「ぼろぼろ校舎といわれる劣悪な教育環境を改善し、中学校給食を実施するためにも、教育費を増やすべき」と要求しました。
小松崎副市長は、子育て環境の充実はキーポイントであることから、市長先頭に施策の柱として、全庁あげて関連項目を盛り込んで取り組んでいくと答弁。
また、健康福祉局長は、中学卒業まで医療費を無料にするには年約77億7000万円かかるため、厳しい財政状況をふまえた慎重な検討も必要と答えました。
南本牧ふ頭のハブポート化やめよ
かわじ議員は、「様々な施策のための財源確保の要は、不要不急の大型事業の見直しによる歳出の削減と、横浜経済の活性化による確実な税収の確保」だとして、公的資金を690億円つぎ込む横浜港のハブポート化について質問しました。かわじ議員は、競争相手としている釜山港の取り扱い物流量は横浜港の4倍以上で比較の対象になりえず、先行き不安な経済動向のいま、大型コンテナ船が来るとは限らないことから、南本牧ふ頭のMC-3の整備はとめるべきだと主張しました。
港湾局長は、船舶の大型化が急速に進んでいるための整備だと答えました。
米軍基地返還の目標を定めよ
横浜市は、市内の米軍施設の全面返還を求めていますが、中期計画には、目標値も方針もなく、コラム欄があるだけです。かわじ議員は、「早期返還を中期計画にしっかり位置づけ、目標を明確にすべき」と主張。
林市長は、「日米安全保障条約や日米地位協定に基づき、国において取り扱われることから、具体的目標値の設定困難」などと答えました。
週刊ニュース「こんにちは横浜市議団です」は、原則として毎週水曜日発行です。PDF版は下記からダウンロードして、ご自由にお使いいただけます。なお、ご使用の場合には市議団までご一報いただけると幸いです。