宇佐美委員:日本共産党を代表し質問します。よろしくお願いいたします。
まず初めに、市民協働推進センターについて伺います。
今年3月末で桜木町駅から徒歩2分ほどの好立地にあった市民活動支援センターが廃止され、6月29日に新市庁舎に市民協働推進センターが開設されました。旧市民活動支援センターでは、多くの団体が会議やちょっとした打合わせ、印刷機を使い冊子をつくるなど、市民活動の拠点として利用されていました。日本共産党横浜市会議員団には市民活動支援センターを利用されていた方々からなくさないでほしいという声があり、廃止される前のセンターを視察しました。当日は絵手紙を楽しむ女性団体や共同オフィスで仕事をしていた男性をお見かけしました。平日でも多くの方が利用していたということが分かり、なくなってしまうのはとても残念だと思いました。 そこで、廃止された市民活動支援センターと現在の市民協働推進センターの機能の違いは何か、伺います。
川合地域支援部長:旧市民活動支援センターでは、個々の団体への支援を中心に相談対応や情報発信、活動の場の提供などを行ってまいりました。新たな市民協働推進センターでは、これまでの個別支援に加えまして、協働による地域課題の解決に向けた相談や提案をワンストップで受け止める総合相談窓口を新たに設けました。NPOや企業、大学など様々な主体をつなぐコーディネートに重点を置いた事業を展開してまいります。
宇佐美委員:機能としては使えなくなったものもありますけれども、広げているという方向なのだと思いますが、協働推進センターの利用も団体登録が必要だということを聞いています。廃止された市民活動支援センターでは1015の団体が登録していたということを聞いています。現在の協働推進センターの登録数はどうなっていますか。
川合地域支援部長:令和2年9月現在になりますけれども、お問合せをいただいている件数といたしましては127件、そのうち55件が登録を済ませていただいております。
宇佐美委員:55団体が登録されたということですが、気になるのは、さきの活動支援センターで登録されていた1015団体の皆さん。こちらには協働推進センターへの登録を促すような案内をされたのでしょうか、伺います。
川合地域支援部長:市民活動支援センターから移行する際に、メールマガジンとか案内チラシ、ホームページ等で御案内を差し上げております。
宇佐美委員:大事な市民の活動をされている方々なので、御案内していただけたのはよかったのですが、確認なのですが、活動支援センターを利用されていた団体の皆さんは協働推進センターにも登録できますか、伺います。
川合地域支援部長:市民協働推進センターにおきましても、営利を主たる目的とする活動とか宗教活動や政治活動などは除外されますけれども、基本的に横浜市市民協働条例に定める市民公益活動を行う団体であれば御登録いただくことができます。
宇佐美委員:支援センターでは、会議室や打合わせスペース、パソコンなどを利用できるスペースや共同オフィスなどがありました。新しくできた協働推進センターでは、協働ラボとスペースA、Bという、いわゆるイベントや会議が開けるスペースがあります。そのスペースの利用方法と稼働状況はどのようになっているか、また、利用した団体の皆さんの評価はどのようなものか、併せて伺います。
川合地域支援部長:協働推進センターの御利用に当たっては委員がおっしゃっていただいたとおり団体登録が必要となりますが、御登録いただいた団体は、1階の協働ラボという川側のスペースの打合わせスペースを予約なしで御利用いただけます。また、アトリウム側にスペースA、Bという施設がございますけれども、そちらについては、横浜市が後援、共催する事業を行う場合に御利用いただけます。また、稼働状況でございますが、協働ラボは8月、9月の2か月間で延べ896人の御利用がありました。スペースA、Bのほうは、新型コロナウイルスの影響で事業が中止になったこともございまして、8月、9月は10%程度にとどまりましたけれども、徐々に予約数が増えてきておりまして、11月には約60%の稼働を見込んでいるところでございます。また、利用団体からの評判ですけれども、市役所の中にあるので分かりやすい、アクセスがよい、明るい雰囲気で打合せや相談がしやすいといった声を伺っております。
宇佐美委員:支援センターでは、会議室として使用していたセミナールームの稼働率は80%を超えていたと聞いています。協働推進センターの稼働状況は、先ほどお伺いしましたが、コロナ禍ということもあり、連日寂しいという印象を覚えています。このスペースA、Bを占用使用するには予約が必要だということを聞いていますが、もし予約が入っていないときはこのスペースを利用することはできますか。
川合地域支援部長:スペースA、Bの予約状況につきましては市民協働推進センターのホームページであらかじめお知らせをしておりまして、利用予約がない時間帯につきましては、登録団体の皆様の打合せスペースとして予約なしでお使いいただけるように開放させていただいております。
宇佐美委員:登録している団体でしたら、当日の空き状況を見て使えるよということが分かりましたが、今回整備されたスペースを有効活用していただきたいと。ぜひ市民の団体の皆さんに利用していただきたいと思っているのです。協働ラボやスペースA、Bが市民の皆さんに周知されていないような気がして、それが本当にもったいないと思っています。多くの市民、団体の皆さんに利用していただけるような方策は何か考えているのか、伺います。
石内市民局長:新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、地域では地域活動が休止したり、あるいは様々なイベント、事業が中止、延期となっておりますけれども、ここに来て徐々に再開をしております。そういう中では、今後、市民協働推進センターや各区局の事業を展開する中で、より多くの方に知っていただく機会も増えると考えております。PRにつきましては、市民協働推進センターのホームページをまず充実してまいります。それから、利用者にとって分かりやすいものとするのに加えまして、メールマガジンをはじめフェイスブック、ツイッター等のSNSでも定期的な情報発信を行って、さらに多くの利用につなげていきたいというふうに努めたいと思います。
宇佐美委員:ちなみにコロナ対策で、スペースA、Bですとか協働ラボのテーブルにアクリル板などを設置されないのか、検討しているか、伺います。
川合地域支援部長:入り口にはアルコールなども置かせていただいておりますし、打合せスペースのところに必要に応じて間仕切りが置けるような体制は整えてございます。
宇佐美委員:コロナ禍で人が集まるということがなかなか神経を使わなければいけない状況になってしまったのですが、今こそ必要なのは、先ほどからおっしゃっておりますが、地域のコミュニティーや人と人とのつながりではないかと思います。市民の皆さんが安心して集うことができる場所であるということをもっと多くの市民の方に知らせて、より使い勝手のいい施設にしていただきたいと思います。
次の質問に移ります。次は、性的少数者支援事業について伺います。
心と体の性に違和を覚える方々、いわゆる性的少数者とお呼びしますが、その当事者の方々への偏見や差別的な扱いをなくしていくために、本市では職員の皆さんに、人権を守る立場から理解の促進が図られていると伺っています。その取組状況を伺います。
斉田人権担当理事:平成27年度から、外郭団体等も対象にいたしました職員研修を毎年三、四回実施してきております。受講者には研修内容を各職場で報告させるようにして、市全体に浸透するように徹底いたしております。また、各区局における自主的に行う研修を、令和元年度の1年間で性的少数者をテーマにしたものを200回以上実施いたしました。さらに、昨年の12月に多様な性のあり方に関する横浜市職員ハンドブックを作成して配付したほか、区役所の窓口サービスに関わる研修資料でも性的少数者の方に配慮した応対の例を取り上げて、窓口等での適切な対応や働きやすい職場づくりに向け理解促進に努めております。
宇佐美委員:年三、四回、テーマとして200回ぐらいを取り上げて研修を行われているそうですが、研修などで職員の皆さんの意識に変化はありましたか、伺います。
斉田人権担当理事:定量的に把握することはなかなか難しいのですけれども、平成27年度以降、集中的に職員研修に取り組んだことで理解は一定程度進んでいるかと受け止めております。例えば研修を受講した職員のアンケートでは、身近な人や接する市民の方の中にも性的少数者がいらっしゃると思って行動をしていきたい、あるいは施策を立案するときに性的少数者への配慮の視点を取り込みたいといったような意見が出されております。また、イベント等の開催に際して、具体的な配慮事項について人権課に問合せがあった例もございます。今後も様々な機会を捉えて一層の理解促進に向けて取組を進めてまいります。
宇佐美委員:先ほど理事の答弁の中で、職員の中で政策上にも反映させたいということが聞かれたのですが、仕事上の面で何か変化があったのか、配慮に関する具体的な取組は先ほどもお伺いしましたが、ほかにありますか、伺います。
斉田人権担当理事:申請書類などにおけます性別記載の取り扱いについては平成16年1月に通知を出して、様式類から可能な限り性別記載欄を削除するようにこれまでも取り組んできております。性別の確認が必要な場合でも、選択肢にその他を設けるなど性的少数者の方への配慮に努めています。引き続きこの取組については続けていきたいと思っています。また、市立病院においては、かねてから患者さんの御希望に応じて病状説明に対応するというようなこともやっております。さらに施設面でございますけれども、ラグビーワールドカップ2019TMの開催に合わせまして、横浜国際総合競技場内に性的少数者の方も安心して使用できるトイレを設置するというような対応を行っております。今後も、職員一人一人が自ら気がついて率先して取り組んでいけるように理解を一層徹底してまいります。
宇佐美委員:すばらしい取組をたくさんされていますが、心と体の性に違和を覚える方々が社会の一員として自分らしく尊厳を持って生きられる社会にしていくために、まずは当事者の皆さんに寄り添うということが大事だという視点で職員の皆さんは研修されているということがよく分かりました。職員の皆さんだけでなく、やはり市民の皆さんの意識を変えていくということも必要だと思います。市民や民間の事業者に対する性的少数者の皆さんの理解促進はどのようにされているのか、伺います。
石内市民局長:性的少数者の方々が自分らしく生き生きと暮らせるようにしていくためには、委員御指摘のように当事者の周囲にいる市民や事業者の皆様の御理解が何よりも重要だと思います。それにはまず、市民や事業者の皆様に対して意識啓発や研修などを行う本市職員一人一人が性的少数者に対する正しい理解と認識のもとに、あらゆる場面において人権尊重を基本に据えて適切な対応を行うとともに、誰もが働きやすい職場づくりに率先して取り組んでいくという意識を持つことが必要と考えています。このような市の取組姿勢あるいは取組内容の発信も含めて、市民、事業者の皆様には啓発イベントや企業向け研修会の開催、啓発冊子の配付、広報よこはまなど各種広報媒体の活用などによって、性的少数者に対する理解を横浜市全体へ広げてまいりたいと思います。
宇佐美委員:職員の皆さんと市民の皆さんの意識が変わったこともあり、性的少数者の方々が求めてきたパートナーシップ宣誓制度が昨年12月からスタートしました。本市は他自治体と違い事実婚の方々にもこの制度を適用しています。横浜市パートナーシップ宣誓制度の発展方向を伺いたいと思いますが、周辺自治体との連携はどうなっていますか。
斉田人権担当理事:パートナーシップ宣誓制度を実施しています周辺も含めた自治体間で相互に利用できるようにしていくということは、利用者の皆様にとって、転出入の際の手続面や精神的な御負担の軽減につながっていくかと考えております。ただ一方で、自治体間で制度の趣旨や対象者、あるいは宣誓の要件等に相違があるなど課題も多くございます。また、市の支援制度の利用や、御協力いただく民間事業者の皆様に混乱や不利益が生じないように留意をしていくということも必要だと考えます。これらの点を踏まえて、今後様々な観点から慎重な検討が必要かと思っております。
宇佐美委員:他自治体との連携を広げていただきたいと思います。
現在行われている国勢調査では、同性カップルは配偶者としてカウントされないと聞いています。これは当事者の皆さんにとって不本意だと思う方もおられるのではないかと考えます。国勢調査のカウントの仕方について本市はどのような扱いをされたのか、伺います。
斉田人権担当理事:国勢調査は統計法に基づきまして国の事務として実施をされております。調査項目等の具体的な事項については国勢調査令及び施行規則によって定められておりまして、集計自体は国が実施をいたします。その際に、性別が同じで、続き柄を世帯主の配偶者と回答した場合、他の親族として集計をするという取り扱いになっております。
宇佐美委員:国勢調査で配偶者としてカウントされないのは根本的にはやはり法律で同性婚を認められていないということで、パートナーシップ宣誓制度を導入している自治体として、国に対して同性婚の法制化を要望する考えはないのか、伺います。
石内市民局長:今回導入しました横浜市のパートナーシップ宣誓制度は、現在の日本の婚姻制度の枠組みの中で、市民に身近な自治体として様々な御事情によって婚姻の届出をせず、あるいはできず、悩みや生きづらさを抱えている市民の方々に寄り添って、それを応援していく制度として実施しているものですので、この制度に伴って法的に特別な権利が生じるものではございません。委員御指摘の同性婚の法制化につきましては、これはやはり国において幅広い視点から議論して結論を出すものだと考えております。本市としましては、今後も、性的少数者の皆様をはじめ市民お一人お一人が互いの人権を尊重し合い、共に生きる社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。
宇佐美委員:現在本市では112組のパートナーシップ宣誓制度を宣誓されている方がおられるということですが、関係する団体からは、横浜市が同性カップルを配偶者としてカウントしてほしいという要望を国に上げることを検討してほしいという声が上がっています。葉山町や鎌倉市などの自治体では、同性カップルを配偶者としてカウントすることについて賛同しています。本市もこの趣旨に賛同しさらに法制化を求めてさらに応援してほしいということで、性的少数者の方々に本当に寄り添う立場に立つことを求めます。
最後は、パブリックコメント制度について伺います。
横浜市パブリックコメント実施要綱・運用指針の第1条で「この要綱は、パブリックコメント手続に関し必要な事項を定めることにより、市民との相互信頼に基づく市政の推進に資することを目的とする。」とうたっています。しかし、事業によっては意見が少ないこともあり、本当に市民の声が届いているのか、そしてその意見はどのように集計されているのか、本当に事業に反映されているのかなど疑問に思うことがあり、取り上げました。
初めに、パブリックコメントの実施の周知方法はどうなっていますか、伺います。
山岸広報相談サービス部長:パブリックコメントの実施に当たりましては、広報よこはまや市ウェブサイトへの掲載、記者発表を行うこととしております。このほか、ツイッターやフェイスブックといったSNS等の媒体の利用、横浜市町内会連合会や各区連合町内会等の地域団体や関係団体への説明など案件に応じて工夫を行い、より多くの意見をいただけるよう広く周知を図っているところでございます。
宇佐美委員:様々な媒体を使って周知しているということですが、今年8月にまとめられたこちらの横浜IR(統合型リゾート)の方向性(素案)に関するパブリックコメント実施結果では、周知方法に広報よこはまが書かれていません。こちらも改善していただければと思うのですが、パブリックコメントの実施の周知徹底にも時間がかかりますし、設問がとても難しくて書くにしても時間がかかると思うことから、さきの実施要綱・運用指針にある「原則として意見募集の開始日から起算して30日以上とする。」という決まりがありますが、最低基準の30日で締めることなく、期限を延ばすことが多くの市民の意見を聞く場合には必要と考えますがどうか、伺います。
石内市民局長:本市のパブリックコメントは行政手続法を準用しております。委員がおっしゃるように、開始日から起算して30日以上の募集期間を設けるということとしております。具体的にどれぐらいの募集期間を設けるかということにつきましては、意見募集を行う部署が必要に応じましてその募集期間を決定しており、30日より長く設定している案件ももちろんございます。それぞれが所管部署で判断して柔軟に対応しているものと考えております。
宇佐美委員:今回の方向性の素案は暦の上で32日間になったということですけれども、これは期間を延ばしたうちに入りません。意見を書こうとしても、氏名と連絡先が必須となると書くのをやめようかと思う方もおられるのではないかと思います。なぜ必須にする必要があるのか。さきの実施要綱・運用指針に「意見の具体的な内容を確認する際の必要性から」と書かれています。電話番号だけですとかメールアドレスだけというときもあるということですが、個人の特定ができることからやはり書きたくないという意見を出すことを渋る方もおられるのではないかと考えます。案件にかかわらず個人情報の記載を求めず広く意見募集するべきと考えますがどうか、伺います。
石内市民局長:パブリックコメントでいただいた意見の具体的内容を確認する際に連絡の必要性ということで、名前を記入ていただくこともあるということもございます。所管部署が意見提出に当たって記入していただく必要事項をそれぞれ決定できるようにしております。なお、仮に提出されたものが匿名によるものだとしても、それは全て受け付けております。今後も、より多くの皆様から意見がいただけるように市民局としても所管局と連携して取り組んでいきたいと考えております。
宇佐美委員:匿名で書いても、ちゃんと意見として載せるのだとしたら書かなくてもいいのではないかと思うのです。先ほどの方向性(素案)に関するパブリックコメント実施結果は延べ5040人、団体から9509件の意見が寄せられています。この意見の多さから市民のIRに関する関心が高かったことが理解できます。この問題は意見の分類の仕方です。その他の意見と素案に関連しない意見等として888件が素案に対する意見でないとして除外されていることです。IRの事業自体に反対という思いを書き込んだことで素案に関連しない意見として取り扱うのは、初めから市民の意見を聞こうとしていないということに等しいと考えます。事業自体に反対という意見も意見ですから、分類としては素案に反対とするべきです。そうでなければ、意見を書いて出してくださった方の思いは無視されたことになる、そうなればもう意見を書いても無駄だと思うのではないかと思います。また、方向性(素案)に関する意見8621件についても僅か6項目に分類されて集約されています。賛否については集約していません。既成事実として行うようなパブリックコメントの実施の仕方と意見の取りまとめ方を改めることを強く要望し、質問を終わります。